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身内の所有者不明土地問題の行方|無事に解決できるのか?

前から聞いていてずっと気になっていた身内の所有者不明土地問題。相続登記が義務化されると決まったことで、できるだけ早く解決して欲しいと思うようになりました。

母も相続人のひとりなので、このままにしておくといずれは僕が当事者になってしまいます。

僕らの代ですんなり解決できればそれでもいいかもしれませんが、そうなると40年以上会っていない再従兄弟(はとこ)も相続人になるだろうし、法事で数回会ったことがある程度の親戚と遺産分けの話し合いをしなければいけないと思うと先延ばしにして状況が好転するのかどうかはひとつの賭けです。

なによりも相続の専門家を謳う司法書士が所有者不明土地問題の当事者になってしまうのはやっぱり具合が悪い。2021年の暮れに実家で話し合った結果、母親が重い腰を上げてくれたので2022年の年明けから動き出しました。

所有者不明土地の問題は不動産があれば誰の身にも起きる可能性があるので、もし自分が当事者になってしまったときにどんな風に解決すればいいのかの参考になればと思い記事にまとめることにしました。

とはいえ、僕自身が当事者ではないのと身内の話というのは特に田舎ではデリケートな話題です。山形生まれの田舎者でも20年以上大阪で暮らしているとこういう価値観に染まってしまいますが(苦笑)、面白おかしくするために話を盛ることはありません。

そんなわけで、具体的なことは書き過ぎないレポートになると思います。

所有者不明土地になってしまった理由

所有者不明土地というのは僕の祖母の姉(Xさん)が住んでいた家と土地です。同じ市内だったので子供の頃は何度も行ったことがありますが、現在はどうなっているのか?10年以上空き家になっているらしいので建物はだいぶガタが来ているのかも。

平成22年に亡くなったXさんの相続手続きをしないまま12年。相続人は兄弟姉妹で兄弟達も亡くなって、その子供達が相続人になってしまった状態です。

亡くなってすぐに相続手続きをしなかった理由はわかりませんが、親族の中にキーマンというか手続きを主導しようとした人がいたようですがその人が手続きを始める前に亡くなられたことが相続手続きが終わっていない理由のようです。

戸籍を集めて相続人を調べる

亡くなる順番で相続人は変わってくるし、子供がいないと思っていても養子縁組をしているなんてことは戸籍を見ないとわかりません。親戚づきあいをする上ではこれまでの経験と感覚で十分だと思いますが相続手続きを進めるには戸籍を確認しないことには始まりません。

相続人が誰なのかはっきりしないと動きにくいので、まずは母の依頼を受けて戸籍を集め始めました。

だいぶ時間がかかるだろうと思っていましたが約1ヶ月で相続人を把握するのに必要な戸籍が揃いました。司法書士になったばかりの頃、戸籍を取る・読み解く練習のために自分の直系の戸籍を遡れるだけ遡って集めたことがあって古い戸籍は既に手元にあったことがアドバンテージになりました。

昔集めた戸籍で有効期限は問題ないの?と思うかもしれませんが、被相続人が亡くなってから取得したものであれば問題ありません。

戸籍を集めたときにExcelで家系図(親族図)を作っていたので、それを手直しするだけで相続人の一覧もサクッと完成しました。

戸籍を集めてわかった相続人は10人。僕が恐れていたほど増えていなかったというのが正直な感想です。ひとまず、ほっとしました。

遺産は見落とさないように

相続人が把握できたことで安心しちゃいけません。次にするのは遺産の把握。被相続人の遺産を長いこと忘れていた(存在を知らなかった)ために、相続人が増えに増えて60人以上になってしまったケースを知っているのでここは慎重に。

とはいえ固定資産税の納税通知書が母親のところに来ているわけではなく、固定資産税はキーマンのご家族が払ってくれているようなので遺産についてはそちらでは把握されているだろうと思うことにします。もし母親が相続手続きを主導する立場になったら念のために名寄せをしようと思います。

ひとまずはXさんの土地と建物の名義を確認することにしました。法務局で住所から地番を教えてもらい、地図(公図)を取って土地と建物を特定して所有者を確認すると・・・

土地はXさんの名義でしたが、建物はXさんではなく他の兄弟のYさん名義でした。そして、XさんYさんの相続人はどちらも兄弟姉妹。どちらかにまとめてくれてたらなぁ〜今更ですね。

時系列には先に不動産の名義を確認してから戸籍を集めています。二人が亡くなる間に他の兄弟が亡くなっているのでそれぞれの相続人は少し変わってしまいます。

さて遺産分割をどう進めよう?

コロナ前はタイミングがあえば年末年始、GW、お盆と年3回実家に帰っていましたが、コロナ禍では思うように帰れません。

電話やzoomで母親と話しても良かったけど、コロナ禍で動きにくいこのタイミングで何年も止まっていた相続手続きを母親が動かせるのか?と考えると、今じゃないよなと動けませんでした。

ところが、2022年12月。年末の帰省のことを話そうと実家に電話をすると、なんと相続手続きが動き出したというじゃないですか!!

亡くなったキーマンのご家族が手続きを進めているらしくて、予想だにしなかった展開です。

当然戸籍も集めているだろうと思うので僕が取った戸籍は無駄になりそうだけど、このまますんなり解決して欲しいのですが、さてどうなることやら??

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司法書士・行政書士 伊藤 薫

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