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デジタル終活とは?|紙のエンディングノートは時代遅れ!?

デジタル終活とは?-あなたのネットのサブスク契約は大丈夫ですか?-

デジタル終活は、故人のスマホの中のデータや生前にインターネットで契約したサービスといったデジタル遺品を生前に整理することで、亡くなった後、家族がその取り扱いに困らないように備える取り組みです。

一方で、ID、パスワードの管理は慎重に行い、不正利用の防止と引き継ぎやすさのバランスを意識することが大切です。

デジタル終活とは?

スマホやパソコンが普及した昨今、故人のスマホの中のデータ、生前にインターネットで契約したサービスなど(デジタル遺品)の取り扱いに、家族が困るケースが増加することが予想されています。

デジタル終活とは、デジタル遺品を生前に整理し、万一に備える取り組みです。

デジタル遺品にまつわるトラブルの具体例

【Aさん】
夫が亡くなった後も毎月クレジットカードから引き落とされている金額があります。スマホで契約したようなのですが、ID、パスワードがわからないので、いつまでも解約することができずにいます。

デジタル終活の具体例

独立行政法人国民生活センターの公式サイトでは、デジタル終活として、次の4つの対策が紹介されています。

対策1:スマホのパスワードを書いた紙を保管しておく

対策2:契約中のサービスのID・パスワードを整理しておく

対策3:エンディングノートを活用する

対策4:自分が亡くなったあとスマホのアカウントにアクセスできる人を指名しておく

出典:独立行政法人国民生活センターの公式サイト

デジタル終活の注意点

IDやパスワードの情報を共有する場合は慎重に行い、不正利用のリスクに注意することが必要です。

また、ネット銀行の解約手続きには戸籍や遺産分割協議書などが必要になるので、状況によっては遺言を準備するなど確実に引き継げる準備をしておくことが必要になります。

対策例|スマホのパスワードを書いた紙を保管しておく

月報司法書士No.623で紙でパスワードを管理する方法が紹介されていましたので、ご紹介します。

  • ① 紙にパスワードを書いて、その上に修正テープを貼っておく
  • ② パスワードを確認するときは修正テープを削る
パスワードの上に修正テープを貼った状態
修正テープを削ったところ

例えば、これを財布に入れておけば、生前は家族にパスワードを知られる不安をある程度回避できそうなので、良い方法だと思いました。

対策例|契約中のサービスのID・パスワードを整理しておく

契約中のサービスのID・パスワードを整理しておくのはもちろんのこと、自分が亡くなった後、デジタルサービスの解約やデジタル機器のデータ消去などを確実にして欲しい場合は、信頼できる第三者と死後事務委任契約をしておく方法が考えられます。

死後事務委任契約とは?

死後事務委任契約は、葬儀や費用の精算、賃貸住宅の解約などの死後の実務を第三者に託すことで、親族の負担の軽減や本人の意思の実現を図りたい場合に有効な方法です。

ただし、財産の承継や処分は対象外なので、死後の手続きだけでなく、財産の引継ぎに不安がある方は遺言などで備えることが必要になります。

【Aさん】

子どもは海外で暮らしています。私の兄弟は高齢なので、もし自分に何かあったときに、葬儀やその後の手続きを誰に頼めばいいのだろう…と考えると不安になります。

信頼できる知人や専門家と、生前に死後事務委任契約をしておくことで、葬儀や納骨といった大切な手続きを安心して任せることができます。

高齢化や核家族化により、死後の手続きを親族だけで担うことが難しいケースで死後事務委任契約が利用されています。

死後事務委任契約とは?

本人(委任者)が生前に、死亡後の手続きを信頼できる第三者(受任者)に委任する手続きです。

  • 葬儀、納骨、永代供養の手続き
  • 年金の手続き
  • 公共料金の解約・精算
  • 医療費、入院費の精算
  • 家賃や管理費の精算、老人ホームの退去手続き
  • デジタル機器のデータ消去、デジタルサービスの解約 etc.

死後事務委任契約で孤独死対策

賃貸住宅の解約手続きは本来、相続人が賃借人の地位や残置物の処理を承継して行う必要がありますが、死後事務委任契約を活用することで、孤独死発生後に法的リスクを避けながら賃貸借契約解除・原状回復を進めることができます。

高齢者の入居を進める管理会社の中には、リスク回避のために死後事務委任契約を活用する会社も出てきています。

他には、デジタル機器のデータ消去、デジタルサービスの解約など、死後事務委任契約でカバーできる内容は広範囲に及びます。

どこまで任せるかは、あらかじめ契約で決めておくことができるため、自分の希望に沿った形で死後の準備をすることができます。

死後事務委任契約の活用を検討すべき方

  • 家族や親族が高齢・遠方に住んでいるため迷惑をかけたくない方
  • おひとりさまで頼れる人がいない方
  • 家族や親族はいるが、死後に世話になりたくないと考えている方
  • 自分のエンディングについて強い希望をお持ちの方
  • 事実婚や同性カップル etc.

死後事務委任契約の注意点

死後事務委任契約の対象は広範囲に及びますが、相続手続きは対象外です。

委任者の銀行口座を解約したり、不動産を売却することはできません。

財産の承継や死後の財産の処分は、遺言などで対応する必要があります。

対策例|エンディングノートは紙とデータのハイブリッドをおすすめします

ネットバンキングやSNS等のID、パスワードはデータで管理する方法が都合がいいので、エンディングノートは紙にこだわらない方が使い勝手が良さそうです。

ただし、亡くなった後に確実に確認できるようにするためにはスマホやパソコンのパスワードを紙のエンディングノートに書いておく等、データと紙のハイブリッドで管理することをおすすめします。

エンディングノートは紙じゃないとダメですか?いまどき手書きって?

エンディングノートは紙媒体のイメージがありますが、ネットバンキングやSNSのアカウントの情報を整理するならやっぱりデータが便利だと思います。

こういった情報の整理はエクセルやパスワード管理アプリを使っている方が多いと思います。

ただし、データ(デジタル)で作ったエンディングノートをどこに保存するのか?は考えものです。

家族が確認したいときに、スマホやパソコンを開くことができないとデータで保存されたエンディングノートを確認することができません。

スマホはパスワードロック機能があることで、専門の業者に依頼しても開くことができなかったり、費用や時間が掛かるので断念するケースも多いようです。

パソコンはパスワードを解除する方法が複数あるらしく、スマホに比べるとまだ確認しやすいようです。

ただし、IDもパスワードもわかるからといって、他の相続人に断りなく、例えば自分の口座に送金をするのは、相続人の一人がキャッシュカードでお金を引き出しても問題ないのか?と同じ問題をはらんでいるので注意が必要です。

ネット銀行の場合は、口座の存在がわかれば、一般的な相続の手続きで解決することが可能です。

エンディングノートというネーミングなので当たり前のように紙媒体をイメージしますが、ネットバンキングやSNSがライフラインになっている現在では、ノート(紙)だけで完結させるのは無理があるのかもしれません。

エンディングノートは手書きしないといけないと思いこんで、それが書けない理由になっているとしたらもったいないです。必要な時に必要な情報が確認できるならパソコンなどを活用してもまったく問題ありません。

亡くなった後に家族が確実にデータを確認できるようにしようと思えば、紙のエンディングノートにスマホやパソコンのパスワードを書いておく等、紙とデータのハイブリッドでパスワードを管理しておく方法が安心かもしれません。

対策例|自分が亡くなったあとアカウントにアクセスできる人を指名しておく

Appleの「故人アカウント管理連絡先」は、自分が亡くなった後に信頼できる人がApple Account内のデータにアクセスできるように設定しておく仕組みです。

写真、メッセージ、メモ、ダウンロードしたアプリ等が対象になります。

ただし、支払い情報やパスワードは対象外のようなので、アクセスできる情報を正確に把握した上で、利用することをおすすめします。

facebookの追悼アカウントとは?

亡くなった後にfacebookのアカウントをどうするかは、前もって設定しておくことができます。知ってましたか?(2024年3月時点)

①追悼アカウントとして残す
②完全に削除する

追悼アカウントというのは、facebookの利用者が亡くなった方を思い出して偲ぶための方法です。僕は追悼アカウントを残す設定にしています。

追悼アカウントにする設定をしています

といっても追悼アカウントの管理人を前もって登録しておくだけ。簡単ですよね。

ただし、管理人はfacebookの友達からしか選べません。

追悼アカウント管理人の選択画面

管理人はこちらが一方的に指定するだけで相手の承諾は不要です。だから、実際に管理人として動いてくれるかどうかは別の問題です。

こんなことを誰にお願いしたらいいんだろう?と迷ってしまったので、とりあえずは相方を管理人にすることにしてfacebookで友達になりました。夫婦で友達になるのはちょっと嫌な感じ(苦笑)。

追悼アカウントの管理人を指定するタイミングで、管理人に指定した相手にメッセージを送ることができますが、これは任意です。

Facebook では、自分に何かが起こった場合に、メインのプロフィールを管理するために従来の連絡先を選択できます。

あなたは私のことをよく知っていて信頼しているので、あなたを選びました。これについて話したい場合はお知らせください。

Chromeの翻訳機能で翻訳

追悼アカウントの管理人を指定すると、facebookから指定された管理人に「○○さんがあなたを自分のFacebook追悼アカウント管理人に指定しました。」と自動的に通知されるようです。

伊藤 薫さんがあなたを自分のFacebook追悼アカウント管理人に指定しました。

伊藤 ○○さん

伊藤 薫さんがあなたを自分の追悼アカウント管理人に指定しました。つまり、伊藤 薫さんが亡くなってアカウントが追悼アカウントになった後、そのプロフィールを管理するためにあなたが選ばれたということです。このことについて伊藤 薫さんと直接会ってお話しされることをおすすめします。追悼アカウント管理人は、新しい友達リクエストに回答したり、プロフィール写真を変更したり、タイムラインのトップに投稿を固定することができます。固定された投稿は葬儀の詳細などをコミュニティに知らせるために使用されることがよくあります。

追悼アカウント管理人について知っておくべきことがいくつかあります: 追悼アカウント管理人は追悼アカウントにログインしたり、その人の名前で投稿したり、メッセージを見ることはできません。 追悼アカウント管理人は、投稿を許可する人や投稿のプライバシー設定の管理、投稿やタグの削除など、亡くなった方のプロフィールへのトリビュート投稿を管理できます。

追悼アカウント管理人として行動するには、まずアカウントを追悼アカウントにする必要があります。亡くなった方のアカウントを保護する一番有効な方法は、できるだけ早く追悼アカウント移行に関するリクエストを送信することです。これによりアカウントの安全が確保されます。自分の追悼アカウント管理人の設定方法について詳しくは、こちらをご覧ください。よろしくお願いいたします。

Facebookチーム

直接会ってお話しされることをおすすめします。と書いてありますが、すぐに何かしなければいけないわけではなさそうです。

追悼アカウントも削除も設定していなかったらどうなる?

亡くなったことを証明する書類と委任を受けていることを証明する書類を送ることで、家族がアカウントを削除することができるようです。

例として次のような書類が紹介されています。

  • 死亡診断書
  • 遺言状および遺書
  • 葬式のしおり etc.

例えば、ID・パスワードを書いておいたエンディングノートがfacebookのアカウントを削除する委任状になるのかは大いに疑問があります。それに「すべての財産を長男Aに相続させる」と遺言に書いていたとしても、追悼アカウントとして残すのかアカウントを削除するのかはわかりませんよね。

facebookに問合せて亡くなった人のパスワードを教えてもらえないの?

こんな記載があるので、相続人でもパスワードを開示してもらうことは難しそうです。

「このような状況でも、第三者のアカウントのログイン情報は提供できませんのでご了承ください。いかなる場合であっても、第三者が別の人のアカウントにログインすることはMetaのポリシーに違反します。」

出典|facebookヘルプセンター

英語が微妙な日本語に訳されたような、違和感のあるヘルプセンターの記事からの情報なので、少々正確さに欠けます。もし解釈が違っていたらすみません。

亡くなった後に、こうしたいという希望があるなら気づいたときに設定しておきましょう。

まとめ

亡くなった後のfacebookをどうするかは前もって設定しておくことができます。
 ①追悼アカウントとして残す
 ②完全に削除する

ただし、設定したところで亡くなったことを誰かがfacebookに連絡してくれないとどちらにもなりません。

追悼アカウントの管理人に指定されても実際に管理人として行動するかどうかはその人の自由なので、管理人の権限を一方的に与えることができるだけと理解しておけばいいと思います。

だから、管理人の責務を全うしてもらいたければ前もってきちんとお願いしておかないと無理だろうと思います。

元気な時はこういった類の面倒なことはついつい後回しにしてしまいますが、とっても痛かった○○のおかげで(苦笑)、facebookの追悼アカウントの設定で終わらず、体調管理について意識したり、生命保険を見直すきっかけになりました。

死後にSNSを削除できるサービス

エンディングノートの中には、facebookやTwitterといったSNSのIDやパスワードを書いておくとともに、もしものときには「削除を依頼したい」といった希望を書いておけるものもあります。

ただし、その希望を家族が確実に実行してくれるのかは大いに疑問が残ります。そもそもSNSの投稿は家族にはあまり見られたくない内容だったりしませんか?苦笑。

こうしたニーズに応えるべく、もしものときにSNSのアカウントを削除してくれるサービスがあります。こういったサービスの1つが「ラストメッセージ」で、あらかじめ自分で決めておいた人(バディ)が、もしものときには削除をしてくれるという仕組みです。 

※2024年現在、サービスの内容は一部変更されているようです

アカウントの削除はあくまでも主な3つの機能の1つで、ラストメッセージにはこういった機能があります。 

  • 見守りメール
  • 家族への伝言システム

見守りメールというのは、定期的に配信されるメールマガジンを閲覧することで安否確認をしてもらえるサービスです。

もし一定期間、見守りメールが閲覧されなければ運営会社からバディに連絡が行き、バディが「異常あり」と判断すると、運営会社から機密ファイルを開く鍵がバディに提供されます。バディは機密ファイル内のデジタルデータで作成したエンディングノートを家族に引き継ぐ(家族への伝言システム)ことになります。 

エンディングノートは紙媒体をイメージすることが多いのですが、エンディングノート的な機能をオンライン上で構築したサービスというわけです。

この時代に紙媒体のエンディングノートはそぐわないのでは?と感じたことがラストメッセージを開発するに至ったきっかけのようです。面白いサービスだと感じましたし潜在的な需要はかなりあるだろうと思います。

機密ファイルのセキュリティは気になるところだと思いますが、デジタルデータならエンディングノートを書いてみようかなと思った方には検討に値するサービスではないでしょうか。

しかし、気になるのはバディ。誰をバディにするか、みなさんは簡単に決めることができそうですか?

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司法書士・行政書士 伊藤 薫

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