必要な時に見つけてもらえないと意味がない
せっかくエンディングノートを書いても、この2つを家族に伝えておかないと家族の役には立ちません。
- ①エンディングノートを書いていること
- ②エンディングノートの保管場所
エンディングノートを書いたことを家族に伝えておかないと、エンディングノートがあることすら家族はわかりません。わからなければ必要なときに見つけてもらえない、丁寧に準備していたとしてもまったく役に立たないということです。
エンディングノートは「らしい場所」に保管しよう
- ゴルフが好きな人はゴルフバックの中に
- 読書が好きな人は本棚の分かりやすい場所に
- 仕事が命の人は職場の机の引き出しに etc
書いた人からすぐに連想できる場所にエンディングノートを保管しておけば、いざという時でも迷わずエンディングノートを確認できると思いませんか?
泡盛好きの僕は泡盛の甕の隣に置いています。

救急医療情報キットの保管場所が参考になります
救急医療情報キットをご存知ですか?
これは大阪府吹田市で配布されている救急医療情報キットです。筒状のプラスチックの容器でできています。

ネットで調べると配布されている市区町村は全国各地にありますが、吹田市のような筒状ではなく袋状のキットもあるようです。また名称も様々です。吹田市では概ね65歳以上の一人暮らしの方に配布していますが、配布の条件は行政毎に異なるようです。
救急医療情報キットをパソコンの横においてこの記事を書いていたら、僕が新しい味のプリングルスを1人で食べていると相方が思ったらしい(苦笑)。確かにパッと見にはプリングルスに似ているかも。
救急医療情報キットを冷蔵庫に保管する理由は?
肝心の救急医療情報キットの使い方です。プラスチック製の容器の中にかかりつけの病院や持病について、また緊急時の家族の連絡先を書いたものを入れて普段から冷蔵庫に保管しておきます。

救急医療情報キットをなぜ冷蔵庫に保管するか?というと、情報は鮮度が命ですがもちろん冷やすためではありません。
ほとんどの家庭で冷蔵庫は台所にあるので救急隊員が救急医療情報キットを探すのに手間取ることなく簡単に見つけることができるように工夫されています。
シールとマグネットを玄関ドアの内側と冷蔵庫に貼っておくことで、救急医療情報キットが保管されていることが自宅に駆けつけた救急隊員にすぐに分かるような仕組みになっています。
- シール(左)は玄関ドアの内側に
- マグネット(右)は冷蔵庫に

自宅で具合が悪くなったときに緊急通報を受けて駆けつけた救急隊員が救急医療情報キットを確認することで、持病の有無や服用している薬など、一人暮らしであっても治療に必要な情報を救急隊員や搬送先の病院が把握できるようにと活用が期待されています。
繰り返しになりますが、エンディングノートはもしもの時にすぐに取り出して家族が内容を確認できるようにしておかないと意味がありません。エンディングノートを書いていることを家族にきちんと伝えておくこと、いざという時にすぐにわかる場所に保管しておくことが大切です。
緊急医療情報キットを真似て冷蔵庫の中にエンディングノートを置いておくのもひとつの方法です。我が家の冷蔵庫にはA4サイズを立てるスペースなかったので諦めました。

救急医療情報キットの注意点
救急医療情報キットを活用する時に注意しなければいけないことが説明書きに書かれています。
- シールを玄関の外側に貼らないこと
- 貴重品をキットの中で保管しないこと
注意書きにシールを玄関の外側に貼ると犯罪に巻き込まれるおそれがありますと書かれています。救急医療情報キットのことを知っている人がシールを見ればキットが冷蔵庫の中にあることがわかってしまうからです。
貴重品というのは通帳・印鑑・キャッシュカードあたりでしょうか?
通帳・印鑑は余裕で入りそうです。見た感じキャッシュカードは無理かなと思いましたが、キャッシュカードと同じサイズのカードがちょうどいい感じに入りました・・・(汗)。

盗難の危険だけではく、個人情報や家族の連絡先の情報がキットの中に入っているので、オレオレ詐欺などの犯罪の格好の標的になってしまうかもしれません。くれぐれもご注意ください!
救急医療情報キットの内容はこの4点です。
- ①救急医療情報シート
- ②キットの説明書き
- ③シール
- ④マグネット

救急医療情報シートには次のことを書いておきます。
- 住所、氏名、生年月日など個人を特定できる情報
- これまでの病歴やかかりつけの病院
- 服用している薬や使ってはいけない薬
介護保険サービスを利用していれば担当のケアマネージャーさんの連絡先、民生委員を書いておく欄もあります。また緊急時の家族の連絡先も書いておけるようになっています。
救急医療情報キットの中には救急医療情報シートを入れておきます。救急医療情報シートには要望などを自由に書くことができる一方で、書かれている希望に添えない場合もあるという趣旨のことが説明書きに書かれています。
希望に添えない場合の例として挙げられているのは、かかりつけの病院が書いてあったとしても、その病院以外に搬送されることもあるということ。
医療の現場では延命治療をするかどうかは本人の希望よりも周りの家族の意向が優先されることがあるようです。緊急医療情報キットの中の情報だけで医師が延命治療について判断をすることは現実には相当難しいだろうと思います。要望が書ける欄が小さいのはそういうことも影響しているのかもしれません。
実現性に課題はあるとしても関連する医療の情報は一度に確認できた方がスムーズで間違いがないと思います。救急医療情報キットの中には救急医療情報シートの他に次のものを一緒に入れておくと良いでしょう。
- 写真(緊急時に本人確認ができるように)
- 健康保険証のコピー
- 診察券のコピー
- お薬手帳 etc
エンディングノートを書いていれば「医療について」のページをコピーして、救急医療情報キットの中に入れておくのもひとつの方法です。 プリングルスと見間違う大きさなので、全部入れたとしてもまだまだ余裕がありそうです。
※余裕があっても通帳、印鑑、キャッシュカードなどの貴重品は絶対に入れないでくださいね!
ご相談・お問合せ

司法書士・行政書士 伊藤 薫