目次
本セミナーの概要
人生のお片づけという視点でエンディングノートについてお話をさせていただきます。
旭区医師会様からいただいたお題は「終活とエンディングノートの可能性」についてです。
僕らの世代(40代)は、終活と聞くと自分のことよりも先に親のことが思い浮かぶのではないでしょうか?
終活は親世代の方に聞いてもらうことをイメージして、もしものときに家族の役に立つエンディングノートというテーマでお話しします。
もうひとつのテーマであるエンディングノートの可能性については、僕自身の体験にもとづいて目標設定についてお話しします。
「旭区シニアのお片づけ講座」
日時:2018年11月14日(水)14時~16時
会場:旭区民センター 小ホール
対象:在宅医療に携わる方および旭区民の皆様
おウチのお片付け「片付けは、モノではなく気持ちから」
講師:吉本 とも子氏
人生のお片付け「エンディングノート超活用術」
講師:伊藤 薫
開催報告|人生のお片付け 「エンディングノート超活用術」
もしものときに家族の役に立つエンディングノートとは?
僕らの世代は親にエンディングノートを書いておいて欲しいと思っている方が多いと思います(僕もそうです)。
僕の場合は、将来に対する漠然とした不安から書いて欲しいと思っただけでなく、成年後見人の体験を通してエンディングノートの必要性を痛感したことがその理由です。
自宅でひとり暮らしができなくなったAさんに代わって僕が成年後見人として施設入所の手続きをしましたが、Aさんはその施設で暮らし始めて1ヶ月もしないうちに亡くなってしまいました。
急なことで僕も親族の方も何があったのか?と驚きを隠せませんでした。
自宅で暮らすことは難しかったので施設でお世話になるしかなかったのですが、その施設に入らなければそんなに早く亡くなることはなかったんじゃないか?そもそもAさんは最期のときをどこで迎えたかったのだろう?といったことをずっと考えました。
我々、専門家が成年後見人として関わるタイミングでは直接ご本人の希望を聞くことは難しいことがほとんどです。
だから元気なうちにエンディングノートに介護や延命治療についての希望や想いを書いてもらえたらなぁという想いに行き着きます。書いてあったところで、その通りにすることはできないことが多いこともわかっていますが、やっぱりそういったものがあるのとないのでは違ってきます。
そういった体験から専門家としてエンディングノートを書いている人が増えればいいなぁと思う一方で、僕が一番書いて欲しいと思ったのはやっぱり自分の親でした。
僕は親と20年以上離れて暮らしていることもあって、親に介護や延命治療の希望について聞いたことがまったくありません。
親子だからといっても成年後見人として関わったAさんとの関係以上の情報を親に対しても持っていないことに気がついてとてもショックを受けました。だからこそ親にエンディングノートを書いて欲しいという思いは切実でした。
そんな僕の気持ちとは裏腹に親が自分からエンディングノートを書いてくれるには長い時間がかかりました。限られた時間の中ですが、エンディングノートを親に渡す時に僕がやってしまった失敗談も包み隠さずにお話ししました。
目標設定にも使えるエンディングノート
エンディングノートの可能性については、日経ビジネスアソシエ2016年12月号に掲載していただいた内容をベースにエンディングノートの活用法をお話ししました。
この話を聞いていただければ、司法書士の僕がなんで
- 百貨店で泡盛講座をするのか?
- 酒販免許を取ってオリジナル泡盛を造ったのか?
- 10000チャレンジというコミュニティを主催しているのか?
そういったみなさんの疑問が解消されるんじゃないかなと思っています(笑)。
関連|おすすめの泡盛は?と質問されるエンディングノート講座ってどない?
人生の残り時間を意識するとどうしても後悔したくないという思いが芽生えてきます。後悔のない人生を送るには後悔のないように日々やりたいことをやる、これに尽きるわけです。
僕の場合は自分がどんなときにワクワクしたり、充実感を感じているのかを考えることで、できる限りそんな時間を増やせるように生きることが後悔のない人生につながります。そのためにエンディングノートを活用しようというわけです。
終活は高齢になってからというのが一般的なイメージかもしれませんが、いつ死ぬか?は年齢と関係があってもこればかりはわかりません。
そこで、後悔のない人生を送るために、やりたいことを先延ばしにしない。普段からやりたいことをやる。これを実現するための活動を「終活」と思えば、いつ死ぬのかわからない私たちにとって終活に年齢なんてものは関係ありません。
こういった視点でエンディングノートを活用するのはいわゆる終活とは真逆のように感じるかもしれませんが、僕が考えるエンディングノートの本質というのは、エンディングノートをきっかけにこれを真剣に考えることだと思っています。
- 普段考えない、もしものときについて深く考える
- もしものときに向き合うことで、生き方を見直す・変えるきっかけになる
参加者のみなさんに少しでも伝わったとしたら嬉しいです。
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司法書士・行政書士 伊藤 薫