目次
掛けるが価値【勝ち】
自分だけの強みを作る(独自化する)には、掛け合わせが効果的なことをいろんな人がいろんな言葉で発信しています。
- 複数の肩書きを持て
- 得意分野を3つ掛け合わせろ
- ギャップ・意外性を作れ etc
表現の仕方は違ってもその本質は複数の得意分野を持つことで自分の価値を高めてブランディングしようということです。自分の能力以上の奥行きを相手に想像させることにつながると感じています。
見方を変えると、凡人は間違ってもイチロー選手のように1つの分野で1番を目指すのは諦めようというメッセージが込められているのかもしれませんね。
あのホリエモンでさえも自分は凡人だと自覚して生きていると言っているので、凡人代表の僕なんかは掛け合わせないと生き残れないという危機感を感じながら過ごしてきました。
混ぜるな危険って感じの掛け合わせ戦略を実践してわかったことをまとめました。
掛け合わせると凡人でもレアキャラになれる理由
- 得意分野を掛け合わせるとなぜ独自化できるのか?
- 掛け合わせるのは相乗効果が期待できるものじゃないとダメなのか?
はじめに「藤原和博の必ず食える1%の人になる方法」で紹介されている3つの得意分野を掛け合わせて100万人に1人のレアキャラを目指す方法から掛け合わせ戦略の本質を理解しましょう。
あの芸人さんも掛け合わせている
芸人として売れるためには、当然ながらボケやツッコミのスキル・話の面白さは求められるわけですが、プロの芸人さんなら誰もが一定のレベルは超えているわけで、それ以外の部分で尖っている・キャラが立っている人が売れているのを見ると、TVの世界でも掛け合わせの力を垣間見ることができます。
- 芸人×キャンプ好き
- 芸人×家電好き
- 芸人×雑学好き etc
バラエティ番組などでひっこりだこの芸人さんの顔がいろいろ浮んできませんか?掛け合わせているものは、どれもお笑いのネタの面白さとは関係なさそうです。
芸人さんに限った話ではありません。「半沢直樹」シリーズの大和田常務役で活躍されている香川 照之さんは「香川 照之の昆虫すごいぜ!」という番組ではカマキリ先生として溢れんばかりの昆虫愛を発信されています。
大和田常務やカマキリ先生で香川さんを知って、そこからファンになって歌舞伎を見に行く人って結構多いんじゃないでしょうか?これはまさに掛け合わせの力だなと思ってしまいます。
物に限らず人だって同じように誰を選んでも大きな違いがないコモディティ化が進んでいる時代だと思います。
だからこそ掛け合わせることで他と違って見えて活躍している人に注目が集まり、さらに選ばれている、こういう流れが生まれているように思います。
掛け合わせるとレアキャラになれる理由
僕のメンターである藤原 和博さんの本「藤原和博の必ず食える1%の人になる方法」で3つの得意分野を掛け合わせて100万人に1人のレアキャラを目指す方法が紹介されています。
- ①必ず食える1%の人になるために、100万人に1人のレアな存在になろう!
希少性があれば食いっぱぐれることはないからです。かといって1つの分野で100万人に1人を目指すのはあまりにハードルが高い。そこで、
- ②100人に1人になれる分野を3つ持とう
100人に1人の得意分野を3つ掛け合わせることで、1/100×1/100×1/100で100万人に1人のレアな存在になれるという考え方です。
- ③100人に1人の存在になるためには、1つの分野に1万時間を投じて練習する必要がある 【1万時間の法則】
1つの分野で継続して1万時間の練習さえ出来れば、誰でもその分野で100人に1人の存在になれる。すなわち得意分野を作れるということが書かれています。
「どんな分野でも1万時間程度継続して練習すれば、その分野のプロになれる」という経験則のこと。
1万時間の法則
掛け合わせるとレアキャラになれる理由はシンプルにまとめるとこういうことです。実践する場合は③→②→①という流れになります。
ちなみに、
掛け合わせるものは仕事に直結しないことでもいい。1万時間を投じるのは単に好きなことでいい。 むしろ好きなことじゃないと1万時間も練習できない。
藤原和博の必ず食える1%の人になる方法
そんなことも書いてありました。この言葉が僕を好きな泡盛の分野で1万時間の練習に向かわせるきっかけになりました。
掛け合わせの具体例|金沢 慧さん
本の中には掛け合わせの具体例は出てこなかったと記憶しているのですが、まさにこれだ!と思った事例が朝日新聞の天声人語(2018年10月21日)に載っていました。
最近のプロ野球ではデータを統計学的見地から客観的に分析し、選手の評価や戦略を考えるセイバーメトリクスという分析手法が広く使われています。データというのは、例えば投手であれば玉の速度・回転数・軌道の変化などの数値です。
契約している球団に分析したデータを提供する会社でアナリストとして活躍する金沢 慧さんがこちらのコメントと共に紹介されていました。
「1つの分野は平凡でも、異なる領域を3つ持てば活躍できる」
- ①野球
- ②統計分析
- ③伝える力
金沢さんは高校まで野球をされていて、大学で統計を学び、アルバイトで野球のコラムを書いたそうです。ここまで聞くとまさに掛け合わせの効果を見事に発揮されている事例だと思えますよね。
「平凡だからこそ、掛け合わせることに意味がある」
金沢さんのコメントは平凡であるほど掛け合わせの効果が期待できることを物語っていると思います。
混ぜるな危険の僕の実践
泡盛にハマったことがきっかけで泡盛マイスターという資格を取って活動しています。僕より泡盛が好きな人・詳しい人は沢山いるので、司法書士同様に泡盛の分野でも自分が平凡過ぎることを嫌というほど自覚しました。
そこで「藤原和博の必ず食える1%の人になる方法」で知った100人に1人の得意分野を掛け合わせて自分のレアさを出していくという戦略を実践しています。僕が掛け合わせているのは司法書士と泡盛です。
こんな掛け合わせがうまくいくのか?そもそもこんな混ぜるな危険って感じのものを掛け合わせちゃって大丈夫なのか?と思う方がほとんどですよね。僕もそう思ったので一歩踏み出す決心はなかなかつきませんでした(苦笑)。
掛け合わせ効果を実感したとき
何年も実践していると、少しずつ新聞や雑誌・ヤフーニュースなどのメディアに取り上げてもらえるようになって考えが変わってきました。
参考|泡盛を全国に広めたい 大阪の愛好家が樽ごと購入へ 希少な原酒の味
メディアに取り上げられるような凄いことができているのかというと、そんなことはありません。
オリジナル泡盛を造ってもクラウドファンディングに挑戦しても、僕が泡盛メーカーや飲食店関係者なら「ふ~ん」で終わるような話です。そのどちらでもない司法書士がやっているから興味を持ってもらえる、それだけのことだと分析しています。
でも、これこそが掛け合わせ戦力の本領発揮というわけです。また、司法書士⇔泡盛の不思議な相乗効果が起きていることに気がつきました。
- 泡盛がきっかけで知り合った方から登記の依頼をいただく
- 司法書士として知り合った方がオリジナル泡盛を購入してくださる
混ぜるな危険の掛け合わせはここから始まった
誰に頼んでも結果がほとんど変わらない仕事。
一般的な登記の仕事はそういうものです。
しかも最近はネットで簡単に情報が手に入るので、やる気さえあれば自分でできてしまう人もいます。司法書士の資格を持っていることが価値とはいえない日が近づいているのかもしれません。異論・反論はあると思いますが少なくとも僕はそう思っています。
僕は目立たないし平凡なので、これといって選ばれる理由がないことが悩みでした。そこで、掛け合わせて付加価値を創るしかないと思ったことが掛け合わせ戦略を実践する原点です。
誰から買っても同じ どこで買っても同じ
お世話になっているモリベジの森中さんの影響で黒にんにくの情報に敏感になっているんでしょうね。こんな記事に目がとまりました。エムケー精工、簡単に黒ニンニク作れる調理器具|日本経済新聞
「黒にんにくメーカー」は家で黒にんにくを作りたいという農家のニッチなニーズに目を付けた企業が開発しました。ニッチな分野だけどブレイクしそうだなと思いました。
作ったのはどんな企業なのかと気になって調べると、ガソリンスタンドにある洗車機業界のトップの会社らしいです。やっぱり元気な会社は目のつけどころが違いますね。洗車機の技術を応用できるんでしょうか。
泡盛イベントで準備していた黒にんにく×チーズがとても好評だったので、僕も黒にんにくメーカーがちょっと欲しくなりました。
炊飯器で黒にんにくを作ると強烈なにんにく臭が出るらしいのでマンション暮らしには無理みたいです。そんなに凄い臭いなら集めて利用することを考えたら面白いかなと。ブーブークッションに仕込むとか(^^♪
冗談はさておき、黒にんにくメーカーは炊飯器で作っていた黒にんにくを家庭で手軽に作れる商品ということですが、ターゲットが農家ということは、にんにく農家(1次産業)にとっては6次産業化を後押しする商品になりそうですよね。
それなら黒にんにくを販売するためのオンラインショップを作るサービスも一緒に提供したらいいんじゃないかと思いました。
家庭で手軽に黒にんにくを作れる黒にんにくメーカー(商品)は、黒にんにくを手間暇かけて作って販売している(ビジネスにしている)会社にとっては驚異ですよね。この黒にんにくメーカー(商品)では、付けることができない付加価値は何にするのか?
素材で勝負するといっても、にんにく農家が作る黒にんにくを相手に勝ち目はなさそうだし。。
これは他人事と思って書いているわけじゃなくて、まさに司法書士・行政書士である自分が直面している課題だと思っています。
例えばシンプルな相続登記(相続による不動産の名義変更)は自分でも出来ます。手間は掛かるかもしれませんが、やる気があれば法務局に何度か通って教えてもらえば自分でも出来るでしょう。
黒にんにくメーカー(商品)を買えば、基本的には誰が作っても同じように美味しい黒にんにくが手軽に作れるわけですよね。相続登記に限らず登記の仕事は基本的には誰がやっても同じ結果になるものなので(同じ結果にならないと問題です)、同業他社と成果で差別化しにくいものなんです。
さらに登記の仕事を一般の方でも手軽に黒にんにくが作れる、黒にんにくメーカー(商品)のようなものがないか?と考えるとネットの情報が該当します。
ネットで手軽に情報が手に入らなかった時代は司法書士と一般の方とで持っている登記手続きに関する情報には大きな差があったと思いますが、今は調べる気さえあればほとんどないんじゃないでしょうか。他の業界でも同じような状況だと思いますけど。
差があるとしたらオンライン申請についての情報くらいでしょうか?でも一般の方で紙でする申請よりもオンライン申請の方が良いと思う人は、ほとんどいないので関係ないと思います。
ようするに黒にんにくメーカーのような商品が誕生することは他人事じゃないということなんです!
コモディティ化が進む中で生き残るには?
- 自分でもできる
- 誰から買っても同じ
こういうものを売っているという自覚があるのか?商品に差をつけるのが難しかったらどうすればいいのか?ない知恵を絞らないと、ダメですね。
- 何か付加価値を付けるのか?
- それとも素材で勝負するのか?
士業にとって素材というのは自分自身ですよね。そんな危機感から選んでもらうために2つの得意分野を育てて、それを掛け合わせることでレアキャラを目指そうという挑戦を続けています。10年続けてきてやっと平凡な司法書士がヤフーニュースに出るくらいの掛け合わせ効果が出てきました。
あらゆるモノの品質が良くなって、その違いがわかりにくくなった結果、Amazonで何か買おうと思ってもどれを選べばいいのかわからなくて困ります。難しいと言われた資格や免許だってどんどんコモディティ化が進んでいます。一見すると価値にはならなそうなものが実は価値になっているような気がしますが、まだ半信半疑なので身をもって実験中です。
そんな実験の1つ、セミナー講師の甲子園と言われるセミナーコンテストを通して司法書士と泡盛の掛け合わせを1つの形にすることができました。その結果、グランプリ出場どころか地方大会でも優勝できなかった僕が商工会議所で講師デビューすることができました。
セミコンという世界での学びを活かして自分の強みを最大限に伸ばすにはどうすればいいのかと試行錯誤してきたことをまとめました。6年という時間が経ったことも手伝ってニュートラルな気持ちでセミコンの振り返りができたと思います。
関連|セミナーコンテストから学んだ3つのこと|実績のない僕が商工会議所デビューできた理由
掛け合わせ効果を発揮するために意識したい5つのこと
掛け合わせ戦略を10年間実践して痛感したことは掛け合わせないのはもったいないということです。やってみると混ぜるな危険と思うようなものでも案外大丈夫でしたし(笑)、むしろこれからは混ぜない方が危険かもしれないとまで思っています。
掛け合わせるテーマの選び方(①~③)と掛け合わせるときに注意したいこと(④⑤)という視点から実践からの気づきをまとめました。
- ①迷ったら好きなことでOK
- ②混ぜるな危険くらいの掛け合わせで丁度いい
- ③強みでなくてもかまわない
- ④メニューを増やさない。戦う場所を絞り込む。
- ⑤資格(四角)からはみ出す勇気を持とう
①迷ったら好きなことでOK
僕は司法書士・行政書士×泡盛に加えて、キャンプ・バンライフの3つを掛け合わせようとしています。このテーマ・分野は自分の中のこういう要素を代表しています。
- 1.司法書士・行政書士→得意なこと
- 2.泡盛→好きなこと
- 3.キャンプ・バンライフ→普段やっていること、価値観・人生観
この3つは関連性がなくまったくのバラバラに感じるかもしれませんが、「得意なこと」「好きなこと」そして「普段やっていること」というのは一般的に継続しやすいという共通点があります。
これらを強みに育てようと選んだ理由や時期はバラバラですが、僕は知らず知らずに継続しやすいものを選んでいたというわけです。
掛け合わせるものはちょっと好きな位じゃダメなんです。1万時間以上没頭できるような変態的に好きなことじゃないと掛け合わせても効果はありません。
仕事をしながら何年もかけて1万時間以上も練習を続けることが出来ることは、ハマるほど好きなこと以外にはないんじゃないですか?
慣れるが勝ち。でもハマってる人には絶対に勝てない。
急に腹の調子が悪くなったのでキャンプ場のトイレに駆け込んでいた時のことです。小さな子が鼻歌を歌いながらトイレに入ってきて、隣の個室で用を足し始めました。「小さい子がこんな時間にひとりでトイレに来れる?しかも、うん〇ってスゲーなぁ」とはじめは感心していたのですが・・・
「こんな時間に小さい子がひとりって、もしかしておばけの線もある??」とちょっと不安になってきて鼻歌をじっくり聞いていたときに・・・うちの長男(5歳)だってことに気が付きました!
夜のキャンプ場のトイレって行くのに気後れしませんか?汚いと特に。
実は僕も夜はできるだけ回数を減らしたいと思っているんです。サイトから遠いと面倒だし、汚いと気分的に避けたい。普段の長男を見ていると肝っ玉が据わっているってことはなさそうなので、ただただキャンプやキャンプ場のトイレに慣れている。これに尽きると思います。
数えてみたらこれまで家族でキャンプ・車中泊を100泊以上してきました。長男が生まれてからキャンプを始めたので、僕なんかより長男の方がキャンプに慣れているとも言えます。子供の頃から慣れ親しんでいることは、どんなことでもいつか武器になると思います。
習うよりも慣れろとはよく言ったもので、意味すらわからなくてもバカみたいに繰り返すことで、いつのまにかできるようになる。そして、それが当たり前になることは多いんじゃないでしょうか。
- 毎日ブログを書く
- 毎月イベントを開催する etc
はたから見ていると大変以外の何ものでもないことを、当の本人はいとも簡単にやってのける。それをすることが普通、もはや生活の一部になってしまえば苦じゃなくなる。
ルーティンですよね。これって仕事でも同じですよね。圧倒的な量をこなすことで苦手意識を乗り越えることができます。
おもいっきり戸籍を集めた相続のお仕事がありました。
- 相続人は60人以上
- 集めた戸籍は180通以上
相続人の戸籍だけでも1人1通として60通、既に亡くなった人も多かったので凄いボリュームになってしまいます。大量の戸籍がどんなものなのか?見てもらうのがわかりやすいと思うのでこれを見てください。
残念ながらこれはそのときに集めた戸籍ではありません。これは僕が司法書士になりたてのときに、自分のルーツを辿りながら戸籍を取る練習しようと取れるだけの戸籍を遡って集めた時のものです。クリップで留めていても厚さは5cm位あったと思います。それでもいいとこ数十通ってところじゃないでしょうか。
そのお仕事で集めた大量の戸籍は撮るのを忘れてました。インスタ映えしそうな断面なので今思えばもったいないような気もします(笑)。
その仕事で180通の戸籍を集め終わるまでに1年以上かかりました。急ぐ案件じゃなかったので1通取れたら、また次の1通を請求する感じです。相続人の戸籍は1つずつ追いかけていくんですよ。転籍していればその分だけ、結婚・離婚があればその分だけ増えていきます。だから実際問題、早く集めたくてもそれしかやりようがないんですよ。
こんなことにならないように早めに相続手続きを済ませましょう!という普通の司法書士みたいなことは言いません(笑)。
ここで言いたいことは・・・
古い戸籍は読めないくらいの達筆で書かれていることが多くて、読もうと思ってもちんぷんかんぷん。はじめは苦手意識しかありませんでした。司法書士試験に合格するまで実務経験がゼロだったので余計にです。
でもこの仕事をきっかけに戸籍に対する苦手意識がすっかりなくなりました。180通の戸籍を1人で集めて何度もチェックをして、登記も完了できると本当に自信がつきました。
自分のルーツを調べるために戸籍を集めたときもそれなりに力がついたとは思うのですが、仕事じゃないのでピリッとしないというのか、血となり肉となるには弱かったですね。さらに同じ量でもシンプルなケース、例えば相続人が配偶者と子供で3人の場合、相続に必要になる戸籍が仮に6通として、それを30件分やったとしても1件で180通とはわけが違います。
1件で180通を集めると漏れがないか?間違いないか?大量の戸籍を一度に確認するというプレッシャーと対峙することになるので、それに勝つことで大きな自信につながりました。苦手意識を克服するには量、圧倒的な量をこなすことが大事だということが身にしみました。
苦手意識を乗り越えられたとしても好きになるかどうかは別物なのですが。
努力して頑張っている人よりもそれが当たり前になっている人の方が強いです。そして当たり前のようにやっている人よりも強いのはハマっている、それしか見えていない人です。だって、努力して努力して一生懸命頑張っている程度の人がハマっている人に同じ土俵で勝てるはずがありません。
だからそれが普通・当たり前になった状態から、それしか見えなくなってしまうようなハマっている状態にもっていくことができれば、おのずとよい結果につながるのは間違いありません。
いくら歯を食いしばって頑張ったところでハマっている人には絶対に勝てない。この現実をわかっておく必要がありますよね。そう考えると自分が戦おうとしている分野・世界は、ハマっている人と戦っていないかどうかよくよく分析しないといけませんね。
「継続は力なり」「1万時間の法則」で言われているように、続けることで強みは作れることに自信を持っていますが、ハマれるかどうかという視点で考えると掛け合わせるテーマ・分野に選ぶべきなのはこの2つに絞られるのは間違いなさそうです。
- めっちゃ好きなこと
- 心から楽しいと思えること
「好きなことを仕事にする」で思考停止にならない
好きなことを仕事にしたいと常々言っているのに、これといって行動していない人はこの言葉が足枷になってしまい、はじめの一歩が踏み出せなくなっている状態です。
だから、好きなことはまずは好きなこととして極めればいいんじゃないの?と思います。それに、安定した収入を確保した上でしかできない好きなことっていうのは、かなり微妙だと思います。
好きを仕事にするとか、儲かりそうかどうか、なんてことはひとまず忘れて好きなことを純粋にやり続けてみようと僕は思っています。
- がんばるね~!!
- プロップスのみの販売予定はありますか?
- えぇぇ~!すごい。。地道すぎます、泡盛愛!
- 地道な作業ですね!応援してます!
これは、オリジナル泡盛に付けているおまけのプロップスに、僕が手で1枚ずつミシン目を入れていることに対するリアクションの一部です。
中には、もちろんいったい何時間かかるんですか?ていう反応も。明らかに呆れている様子(苦笑)。そして、その表情からは・・・そんなに時間をかけたら儲けがなくなりませんか?という冷ややかな反応がひしひしと伝わってきました。
確かにビジネスとしてはこんな馬鹿げたことはないでしょうね。自分の手で1枚1枚ミシン目を入れるなんて自分の時給を考えたら呆れて話しにならない。そうかもしれません。でも、無駄に思える努力にこそ価値があると思ったりするんですよね。
そもそもなぜミシン目を入れているのかというと・・・
- 飲み会をもっと面白く!
- 泡盛の文字を拡散させたい!
- 一緒に撮って全国の泡盛ファンをつなげたい!
こんな思いから泡盛を楽しんでいる写真を1万人分集める挑戦(10000あわもりチャレンジ)をしていることが関係しています。
そんな中、「酔っ払いにハサミ、カッターは危ない!」というご指摘をいただいたのがきっかけで、酔っ払っていても手でプロップスが切り取れるようにと思って始めました。
でも、泡盛の価格を決めるのにミシン目を入れる手間やコストはみていないわけで、この辺を入れ始めたら確実に赤字です(機械でミシン目を入れるのはロットの問題やコストが割高なのでスルーしてくださいね)。
ビジネスとして考えたらどうなん?僕だってそう思います。
「ボランティア的ならやらない方がいい。ビジネスとして成立するようなものにしないとまったく意味がない」とオリジナル泡盛を造るときに、酒造所の方から言われました。
安かったら売れるかというとそうじゃないし、赤字になるようなものが売れても何も変えることはできない。そう言われているように感じました。
だから儲けたくて泡盛を造ったのか?というと、もちろんそうじゃないけど最終的には、一般的な泡盛と比べるとかなり高めの価格設定になりました。それでも自分でミシン目なんて入れてる日にゃ大赤字です(苦笑)。
計ったらミシン目を1枚入れるのに5分くらいかかりました。誰もがバカバカしいと思うことこそ、やりきった時には価値があると思っているのですが、手元にあるのが200枚としたら1000分だからざっと16時間超。
もったいないなぁ~。計算してしまうと、さすがにネガティブな感想も生まれてきました。
1枚1枚手でミシン目を入れること自体は嫌じゃない。というか無心になれる時間なので意外に楽しいです。それに、ミシン目を入れることで使われないで捨てられるプロップスが減らせるとしたらすごく嬉しい。
当初は普通のカッターでミシン目を入れていたのですが(←地道過ぎる)、「ミシン目カッターなら簡単にできるよ」と教えてもらったので、すぐに買ってきました。小回りが利かなくて径が小さいものを買い直したり、使い慣れていないミシン目カッターのせいで最初のうちは余計に時間がかかったり。
でも何枚も切っているうちに早くなってきたんですよね。だいたい3分30秒を切るくらい。
はじめは5分かかっていたことを思えば、ちょっとしたことで1分30秒も縮められるってすごくないですか?日本一の手作りプロップス職人を目指すとかネタで言っていますが、目指せそうです。バカバカしいことでも、発信するって大事ですね(苦笑)。
お金がないと好きなことはできない?
そもそも、僕にとっての泡盛の活動は好きなことをやっている時間です。
- 読書にハマる
- マラソンにハマる
- マジックにハマる
- ゲームにハマる・・・etc
こういう趣味に打ち込んでいることとなんら変わりません。
例えば、読書にハマって月に20冊以上読んでいる人に向かって、
- 1日何時間読んでいるんですか?
- 本にいくらお金をかけているんですか?
という反応はあっても、それでいくら儲かるんですか?とはならない。普通の感覚じゃなりませんよね?
確かに僕はオリジナル泡盛を造ってそれを売っているわけですけど、だからって儲かる?儲からない?ということだけで判断されるのは何か違うような気がします。何か作るにはロットの問題が出てくるので一人で消費できなければ売らざるを得ないという面もあります。
純粋に好きなことを追求するのってしょせんは自己満足です。それを安易に収入に結びつけようとすること自体に無理があると思います。単に好きなことをやり続けるのは難しくないけど(と思っています)、好きなことが安定した収入に結びつくのは簡単なことじゃないと思います。
自戒を込めて書きますが、だからといって好きなことがあってしたいと思っているのに、ウジウジして何も行動しないのはナンセンスの極みです。だって「お金2.0|佐藤航陽」などで書かれているような、好きなことでしか生きていけなくなるような時代が来るのに、その準備をはじめておかないのはもったいないと思うからです。
それからもう1つ。好きなことをするのにそんなにお金はいらないってことがクラウドファンディングの挑戦を通してよくわかりました。手元にお金を用意してからじゃないと好きなこと・やりたいことができないってことはないです。
だから、他の仕事である程度収入を確保しておかないと好きなことができない。こういう考えに縛られているような人が言う「好きなこと」っていうのは、かなり微妙だと思います。そうそう。いつの間にかミシン目を入れるのに2分を切れそうな日が出てきました(^^)v
こういうのがまさしく「好きこそ物の上手なれ」かなと。こんなバカバカしいことって自分でも思いますが(苦笑)、バカみたいに続けているとこういうことに結果的につながるんですよね。
- イベントに来てもらえたり
- メディアに出たり
- オリジナル泡盛が完売したり etc
好きを仕事にするのはかなり難しいので、儲かりそうかどうかはちょっと忘れて、好きなことをやり続けてみようと僕は思っています。
②混ぜるな危険くらいの掛け合わせで丁度いい
司法書士の次に行政書士の資格を取って名刺に書いていましたが、これは掛け合わせ的には失敗でした。悲しいかな司法書士と行政書士のような一般的に違いがわかりにくいものは掛け合わせの効果はゼロだからです。。
この失敗を糧に掛け合わせの本質を理解して戦う場所を絞り込んだ結果、数年後に商工会議所で講師デビューをすることができました。司法書士として専門的な内容を話した後で、泡盛専門店の起業について起業を考えている方に向けてお話する機会をいただきました。
司法書士だけ泡盛マイスターだけではこんなオファーはありえません。司法書士のクセに酒販免許を取ってオリジナル泡盛を販売しているギャップがいい具合に働いたことが選ばれる理由になったと思います。
回り道には獣道という抜け道があった。泡盛を造って商工会議所で講師デビューした話
近道はとてつもなく険しい道
回り道の方が早いこともある。といっても登山の話じゃありません。
2014年に通称セミコンとよばれるセミナー講師のコンテストに挑戦しました。グランプリ大会に行けなかったことが心残りで、その後の数年間は変に意欲的に講師活動をしていました。いま思えばムキになってましたね(苦笑)。
といってもメインは自主開催だったり内容が泡盛講座だったりで、セミナー講師というには自分でも違和感がありました。
その頃のセミナーのテーマはエンディングノートで、いわゆる終活ではなく40代向けにエンディングノートを活用して人生の目標設定をしようというものがメインでした。雑誌に取材してもらったこともありましたが、今思えばこのテーマを語るには40代になったばかりの僕は年齢的に少し早かったのかもしれません。
45歳を過ぎて40代前半でエンディングノートを書くのがいいよ!と気負わずに言えるようになりました。ようやく期が熟したのかもしれません。
ところで、セミナー講師なら商工会議所によばれることが1つのステイタスという勝手なイメージをもっていました。そこで商工会議所だけでなく他の団体など講師活動の可能性を広げたいと思って、伝を頼りに企画書を持って東京にある講師のエージェント会社を訪問したこともありました。
しかし、それっきり。飛び込みじゃなかったとしても、なんとか繋いでもらってアプローチを掛ける講師なんて掃いて捨てるほどいるんでしょうね。。
訪問から数年後にその会社から「先生、エンディングノートのテーマで講師を引き受けていただけますか?」という連絡がありました。依頼主はとある商工会議所と聞いて、よっしゃー!!とガッツポーズを取ったのは言うまでもありません。
テーマに沿って企画書を書き上げて送ったものの結局は依頼につながりませんでした。
- 発注元の事情なのか?
- 個別依頼のようで実はアイミツ状態だったのか?
- 企画書が悪かったのか?
真相はわかりませんが、次男がマイコプラズマ肺炎で入院している病室のベッドの横で急いで仕上げた企画書がボツになるのはやりきれませんでしたね。こういうことって講師あるあるなんでしょうけど。
商工会議所でのデビューへの近道と思って、講師のエージェント会社にアプローチしたわけですが、それって沢山の中から選ばれないといけない状況を自ら選んでいるんですよね。
まだデビューしていない講師が沢山の講師を知っているエージェントから選ばれるのかと考えると、かなり微妙。というよりかなりの無理ゲーです。
ニーズがあるテーマでその人にしか語れないテーマというわけでもない限りはとても近道とは思えないですよね。講師のエージェント会社に指名してもらうのはとてつもなく険しい道です。このことがきっかけで、もう講師活動に固執するのは辞めようという心境になりました。
選ばれる実力がないのは横に置いておいて、エンディングノートや泡盛、最近は1万時間の法則だったり、活動のテーマはいくつかありますが、自分の考えや想いを発信するなら別に講演・講座にこだわる必要はないという結論に至ったからです。
回り道には抜け道があった|商工会議所で講師デビューできた理由
2019年9月、ひょんなことから憧れていた商工会議所で講師デビューをすることができました。2019年はオリジナル泡盛の試飲会やクラウドファンディングに集中していた頃です。ご依頼の方法も講演内容も僕がイメージしていたものとはまったく違いました。当初狙っていたものとは真逆かもしれません。
ご依頼のきっかけは、とあるイベントで泡盛の試飲会をしたことでした。そうとは知らずに、商工会議所の担当の方に泡盛を振舞っていました。そのとき、名刺をお渡ししたらfacebookで友達申請をいただいたんですよね。
しばらくしてから、メッセンジャーで連絡があって講演の依頼をいただいたのですが、その内容というのがこちらです。
司法書士として「個人事業主と法人の違い」を簡単に話してもらって、その後にカリー!に変身して泡盛のお話しをお願いします。
なんだかわからないけど(笑)、面白そうだからやりたいですと返事をしました。
司法書士から泡盛マイスターへの変身というリクエストは、はじめてのことだったし、とにかく面白そうじゃないですか(笑)。直感でやってみたいと思いました。それにしても商工会議所でこんなことをするの?って感じですよね。
でもこのときはまだ商工会議所の方とは知りませんでした。後日、お会いして講演内容の打合せをしたときに名刺をいただいて、ようやく商工会議所からのご依頼だということがわかりました(驚)。
リクエストは変身だけでは終わらず、泡盛の話というのは創業者の体験談ということなのでオリジナル泡盛の試飲もお願いしますということでした。商工会議所デビューの日にクーラーボックスに試飲用のオリジナル泡盛を持っていくという予想だにしなかった展開。
試食用にコロッケを持参された方もいたようなので、たまたま僕の商品が泡盛だったというだけで講座的に違和感はなかったみたいです。当然のように講座中に泡盛でカリー!(乾杯)。
かなりタナボタ的な展開なので再現性はとても低いのですが、今回のことで掛け合わせの力って凄い!ということを再確認することができました。
というのも本来は創業者の体験談という1時間枠での依頼でしたが、司法書士の1時間枠も合わせてご依頼をいただくことができたわけですから。
別に泡盛じゃなくてもよかったと思いますが、司法書士以外で起業に準ずるようなことをしていなかったら今回の講演のお声が掛かるはずはありません。このような機会を与えてくださった関係者のみなさんには本当に感謝しております。ありがとうございました。
そして、わかったこと。
回り道には抜け道がある。ただし、抜け道は誰でも通れる道じゃない。
抜け道というのは、そうとは気づかない人が多いケモノ道で、しかも危険がいっぱい(笑)。
今回は司法書士と泡盛のブレンドでしたが、他にはエンディングノート×泡盛のセミナーなどもやってきました。
「参加者はエンディングノートの話を聞きに来ているのだから泡盛の話はしないほうがいいですよ。」といったご意見をいただいたこともありましたが、常識的な意見をまともに聞いていたらこうなっていませんよね。
クソみたいな雑音は無視するに限る!というわけで、近道で行くか?回り道で行くかは?自分次第です。
好きなものでいくか?あえてずらすか?3つ目のテーマ選びはひと味違う
司法書士と泡盛、この2つを選んだ理由は、司法書士(独立できる資格、収入源)と泡盛(好きなこと、趣味、楽しさ)です。
3つ目はキングコング西野さんの戦略的な選び方を参考にしてバンライフ・キャンプを選びました。
単に好きなものを選んだように見えるかもしれませんが、半生を振り返り内なる声に耳を傾けた結果出てきたテーマです。他の2つのテーマからもそれなりに離れているのでバラバラだけど逆にバランスがいいし、結果的には戦略的なテーマの選び方から大きく外れていないところに落ち着きました。
これから100人に1人の得意分野を育てていこうと考えている方はテーマ選びの参考になるかもしれません。
キンコン西野流の得意分野の選び方
キングコング西野 亮廣さんの「魔法のコンパス」の中で藤原 和博さんの「必ず食える1%の人になる方法」が大絶賛されています。そして、100人に1人程度の得意分野を3つ掛け合わせてレアキャラを目指す上で、「どういった分野で100人にひとりを目指すべきか?」という問いに対する西野流の答えとして、こう書いてありました。
芸人のクセにと言われるようなものだ。
魔法のコンパス
目指すべき3つの得意分野を仮にA・B・Cとすると、このA・B・Cの3点を結んでできた三角形の面積が大きければ大きい方が良いという考え方がベースになっています。
西野さんの場合、ひとつは「芸人」で、もうひとつが「アート」。ここで3つ目に「小説」とかを持ってくると、「芸人」からも「アート」からもあまり離れていないから小さめな三角形になってしまうので、面白みがないという話。ちなみにこの三角形をクレジット(信用)と呼んでいます。
有名すぎる「火花」の方がいるので「小説」では、芸人のクセに感が弱いというのが納得できますよね。それに3つの得意分野を掛合わせてレアキャラを目指そうという戦略なので、芸人×芥川賞作家を差し置いて、芸人×小説でレアキャラというのはやっぱり難しいかもしれませんね。
西野流の答えはさらにこう続きます。
クレジットを大きくするためには、もっともっと離す必要がある。「学校」か「町づくり」あたりが面白そうだなぁ、とボンヤリ考えております。
魔法のコンパス
確かに「学校」も「町づくり」も芸人のクセにって言葉が似合いますよね。3つの得意分野を掛け合わせてできた三角形を大きくするという考え方からすると、とても戦略的な得意分野の選び方ですよね。
掛け合わせる分野・テーマを選ぶときに西野さんが意識している最大のポイントはこういうこと。
「離れていないと掛け合わせ効果は小さい」
僕なりの解釈でいくと、こんな感じの話です。
掛け合わせている2つのテーマを選んだ理由
僕が掛け合わせている100人に1人の得意分野は、司法書士と泡盛です。各分野に1万時間以上、司法書士→泡盛という順番に打ち込んできました。2つの分野を選んだ理由はこちらです。
- ①司法書士|独立できる資格、収入源
- ②泡盛|好きなこと、趣味、楽しさ
①司法書士は、長時間労働に耐えられなくて会社を辞めようと思ったときに独立開業しやすい資格という視点から選びました。いま思えばそんなことはまったくないのですが、会社を辞めてゼロから資格を取ることがスタートだったので、当時は勘違いを多分に含んだ「必要に迫られて」という理由で選びました。
司法書士になって14年目になるので、①司法書士は司法書士試験に限定しなくてもいい頃だろうと思っています。
②の泡盛は、深く考えず好きなものに没頭していたら結果的に1万時間以上練習を続けていて100人に1人の得意分野になっていたという感じです。僕自身がまさかここまで泡盛にハマるとは思ってなかったので(苦笑)、僕の場合は意図的にとか戦略的に泡盛を選んだということは全くありません。
比較的最近知り会った人は、人があまりやっていないものを狙って、あえてニッチな泡盛を選んだと思っている人もいるみたいです。
さすがに「本当に好きなんですか?」と聞かれることはほとんどありませんが、何回かあります(苦笑)。中には僕が泡盛好きを装っていると思っている人もいるみたいです。ってなんでやねん!笑
現在の泡盛を取り巻く厳しい状況がわかっていたら、オリジナル泡盛を造って在庫を抱えるなんて自分のレア感を出すことが目的ならできませんよ。だって事務所に置いてるだけじゃ絶対に売れないもん。泡盛が好きじゃなかったらできないです。
クセに感はでているのか?と自分自身を振り返ってみると・・・
- 百貨店で泡盛講座
- 酒販免許を取得
- オリジナル泡盛販売
司法書士のクセにをつけて言ってみたときの響きは、どれも申し分ない(苦笑)。
話が飛びますが副業で始めた濡れ煎餅の販売が好調で、濡れ煎餅の売り上げが鉄道の売り上げの倍を稼ぎ出すことができた銚子電鉄という会社があるので、このクセにという感覚は侮れませんね。
長時間の残業に耐えられなくて会社を辞めて、やっとの思いで合格した司法書士試験でしたが、司法書士として独立すると現実は想像していた世界とかけ離れていて「俺、何やってんだろ」って、もんもんとしていた時に出会ったのが泡盛の古酒でした。
泡盛の古酒づくりは、ただ単に寝かせておけば良いってものではないんですよね。時々味見をして泡盛の風味・様子を確認する、そして、その時に少しだけ新しい泡盛を継ぎ足すことで、泡盛は活性化して美味しくなると言われています。
これって人生も同じじゃないでしょうか?
できれば順風満帆な人生がいいけど、ときには新しいことに挑戦して、失敗しても刺激を取り入れている方が面白く味わい深い人生になるんじゃないの?そんな風に考えられるようになって人生に悩んでいた自分が救われました。
関連|僕にとって泡盛の魅力は「失敗も楽しもう」と思わせてくれる懐の深さです
そして、泡盛と出会って泡盛マイスターを目指す中で人生が大きく動きました。泡盛を飲んでるだけじゃこんなことは起きないので、正確には泡盛の力ではないかもしれませんが。
結婚10年目にして子供を授かったのは、泡盛マイスターの実技試験の勉強中でした。そして、泡盛をきっかけに人脈がどかーんと広がりました。しかもこれまで知り合うことがなかった方達です。
つながるあわもりという言葉を気に入って使っているのですが、まさにその通りで翁長元知事と泡盛でカリー!(乾杯)できたり。
泡盛の応援ソング「盛り泡ろう!」のPVに出演したり、泡盛を介してご縁がどんどん広がっていくのを感じます。
泡盛マイスター試験をきっかけに、意識的に泡盛を飲み始めてから約10年、1万時間以上泡盛をテーマに練習を続けてきました。基本的に好きなことを好きなだけやっているので、やり続けることに苦しさを感じることはまったくありません。
壁にぶつかることはしょっちゅうですが、司法書士の勉強のときの1万時間とはあきらかに違います(苦笑)。
次は何に1万時間を賭けてみる?
司法書士と泡盛を掛け合わせている僕が、次に100人に1人に育てる得意分野を選ぶなら・・・
- 司法書士(試験)のように必要性から攻めてみる?
- 泡盛のように好きなだけで飛び込んでみる?
西野方式で「〇〇のクセに」から考えてみると、泡盛が好きな司法書士のクセに・・・
いまいちピンとこない(笑)。
西野式の選び方に当てはめると、泡盛から少しずらして日本酒・ワインあたりでは想定の範囲内なのでクセに感が弱いですよね。へたすると単なる酒好きというレッテルを貼られてしまいそう。。
僕にとって「泡盛好き」と認識されることと、「酒好き」と認識されることはまったく別物なので、他のお酒を専門分野にするのはパス。さてどうしますかね?
- 思い切って、まったく興味がないことに迷い込んでみる?
- どMな感じで、あえてやりたくないことに挑戦してみる?
そもそも、司法書士も泡盛も現在進行形で活動しているので、その中で3つ目のテーマの練習を積み上げていくのは時間的にきつい。普段からそれなりに時間を掛けてやっていることはなんだろう?と考えてみたら・・・ハマっているものがありました。
ここ数年、年10回以上行っているキャンプです。
3つ目のテーマになる可能性はかなり高いわけですが、はじめはまったく興味がありませんでした。山形の田舎で育ったので、わざわざ田舎に行きたがるのか?まったく理解できなかったからです。
九州の友達に毎年連れて行ってもらってましたがそれで終わると思っていました。自分にも子供ができてはじめてキャンプというものは親が子供に体験させてあげたいことなんだと知りました。
3つ目のテーマはキャンプ・バンライフを選びました。自分が楽しいからキャンプに行っているので、子供のためというのはあまり関係ありません。でも選んだ理由は好きだからだけではありません。
キャンプ・バンライフを選んだのは自分が子供のときに経験できなかったから。この反動も1つの理由ですが、もう1つの理由は子供と過ごす時間をできるだけ増やしたら自分の気持ちがどう変わるか?を知りたかったからです。
毎日を忙しく過ごしていたら気がつかなかったと思います。人生の折り返し地点に立ったタイミングで半生をじっくり振り返ったことで、ずっと知らなかった子供の頃のエピソードを知ることになりました。
これから1万時間を投じて得意分野に育てていくテーマ・分野を探そうと思ったら、まずはこれまでの人生を振り返ってみることをおすすめします。過去を振り返ることで、まだ気がついていない渇望しているものに出逢えるかもしれません。
僕が掛け合わせているテーマはこの3つです。3つ目にキャンプ・バンライフを選んだ理由は普段からやっていることだからです。付け加えるなら人生観という要素もあります。
- 司法書士・行政書士
- 泡盛
- キャンプ・バンライフ
1つの分野が平凡だから掛け合わせようという発想なので、ありきたりのものを掛け合わせるとそれでも没個性的になるという怖さがあります。当然ですが、ありきたりかどうかは1つ目の強み(得意分野)によって変わってくるものだと思います。
これだけは自信を持って言えますが、司法書士×行政書士といった違いが一般的にわかりにくいものはやめておいた方がいいです(苦笑)。
思いついたところからあえてずらす。
実際にやるかどうかは別として、できるだけ離れた3つの得意分野を考えてみるのは、なかなか面白いですよ。
③強みでなくてもかまわない
複数の強みを掛け合わせるという戦略なので、どうしても強みという言葉に引っ張られてしまいますが、一見して強みとは思えないものでもいいんじゃないかということです。
「元いじめられっ子」のような克服して今があるという強みを表現できるようなものはありだと思います。
「しょこたん」こと中川 翔子さんはタレント、女優、声優、歌手、漫画家など多方面で活躍されているので、何が本業なのかもわからないくらいに掛け合わせが成功している例だと思います。
でも僕が興味を持ったのは、しょこたんの類まれな才能よりも元いじめられっ子という経歴です。いじめ問題の特集があると、いじめを克服した先輩というポジションでよく取り上げられています。いじめで悩んでいる人から支持されていることもファンが多い1つの理由かもしれません。
しょこたんも当時は相当悩んだと思うし、いじめられている状況について毎日のように深く考えただろうと想像します。
もしかすると、その時間は1万時間に達するほどだったのかもしれません。元〇〇も「元いじめられっ子」のような、克服して今があるという強さを表現できるようなものはありだと思います。
目指しているのは、複数の強みを掛け合わせるという戦略なのでどうしても「強み」という言葉に引っ張られてしまいますが、一見して強みとは思えないものでもいいんじゃないかということです。
元がん患者や元ひきこもり、つらい過去を笑い飛ばせるような発信ができる人は、苦悩した・つらかった過去と現在のギャップが大きいほど強みになると思います。本人にそのつもりはなかったとしても。
掛け合わせの基本的なスタイルは現在の仕事に何かを掛け合わせることになると思います。1つ目のテーマは単に好きなものを選べば一般的には仕事から離れている傾向があると思うので丁度いいと思います。
これを混ぜちゃって大丈夫か?とちょっと不安になるようなものじゃないと、掛け合わせ効果は期待できない。そう思います。
ただし、掛け合わせるものが単なる元〇〇は弱いです。
- 芸人やっています
- 毎月ライブ開催しています
掛け合わせなので、こういうのがいいんです。
元お笑い芸人とか元バンドマンと言われると、今は違うんだ・・・という一抹の寂しさを感じますし、現在進行形じゃないとライブに来てもらうなどの掛け合わせによる相乗効果は生まれません。
売れているかどうかはあまり関係ないと思います。むしろ、売れているなら無理に掛け合わせなくてもいいだけの話です。そもそも、掛け合わせの醍醐味は相手に普段の様子とは違った一面を見てもらうことなので、元〇〇では普段とのギャップは見せにくいですよね。
また、上司や先輩が昔の自慢話をするのは一般的に嫌われますよね。元〇〇を押しすぎると「昔は俺もむちゃしてた」みたいな話に聞こえる可能性があるので危険です(苦笑)。
でも、元No.1ホスト、元世界チャンピオン、元刑事なのに・・・今は〇〇とか。元〇〇のおかげで最上級のギャップを生み出すことができるなら、それはありだと思います。
こんなのはどうでしょう?
元刑事がカツ丼屋をやっていて掛け合わせているのが、カウンセラーだったら全部さらけだしてしまいそうですよね。取調室でカツ丼って刑事ドラマの見過ぎでしょうか?苦笑
④メニューを増やさない。戦う場所を絞り込む。
掛け合わせは、一見するとメニューを増やしているようですが実は絞り込んでいます。絞り込み方のイメージは美人過ぎる国会議員です。全体でみるとそうでもなくても、国会議員の中で見ると美人過ぎるということです。伝わってますかね?笑
掛け合わせ戦略の本質は戦う場所を絞り込むことです。誰でもいいから選んで欲しいという淡い期待は捨てて、泡盛が好きな司法書士に頼みたいのか、頼みたくないのかという二択を迫っていることになります。←本当に?汗
おすすめの泡盛は?と質問されるエンディングノート講座ってどない?
終了後に質問が出るかどうか?
これをその講座・セミナーが良かったかどうか?を判断する指標にしています。旭区医師会様主催の講座もいつも通り全力でお話ししました。それが伝わったのでしょう、講座終了後に何人もの方が来られて質問を受けました。
- オススメの泡盛は?
- 泡盛のおいしい飲み方は?
- 泡盛飲んでみたくなりました~
って今回は泡盛じゃなくて、エンディングノートセミナーなんですけど(苦笑)。
なんで泡盛の質問が出るの?
こうなってしまうのは、司会の谷口 一則先生から講座の内容はいつもの感じで!とリクエストをいただからです。医師会主催ということで今回は泡盛の分量は少なめにしましたが、僕ならではの泡盛の話を織り交ぜたエンディングノートセミナーです。
久しぶりのエンディングノートセミナーだったし、直前にもしものときを痛感する出来事があったばかりで今回の講座にかける想いはいつも以上でしたが、会場の様子を見たらさらに気合が入りました。
200名の会場で立ち見が出るほど盛況でした!ありがとうございます!
僕の想いが伝わったからこそ出た質問だと思いますが、違いますかね?笑
プレゼント用に準備したオリジナルのエンディングノートもきれいになくなったし、いただいた質問はもちろん泡盛のことばかりではありません。「エンディングノートに対する見方がガラッと変わりました。良かったです!」とも言っていただけたので、きっと大丈夫でしょう(^^)
過去には「参加者はエンディングノートの話を聞きに来ているのだから泡盛の話はしないほうがいいですよ。」こういうご意見をいただいたことももちろんありました。確かに好き嫌いが分かれるところかもしれませんが、これだけは自信をもって言えます。
〇〇協会の統一テキストを使ってるわけじゃありません!泡盛ブレンドのエンディングノートセミナーは、借り物じゃない僕のオリジナルのコンテンツです。
そして今回はいつもの感じで!と泡盛ブレンドのリクエストをいただきました。こんなエンディングノートセミナーを誰ができますか??同じように話すことは出来ても絶対に伝わらないでしょう、だって泡盛とエンディングノートのブレンドですよ(苦笑)。
この講座で伝えたかったこと。
泡盛は熟成させると味わいはまろやかになり香りは芳醇にあるといわれていますが、ただただ寝かせておくだけでは泡盛は美味しくなるとは限りません。時々味見をして、そのときに少しだけ新しい泡盛を継ぎ足すことで泡盛が活性化して美味しくなります。
これって人生も同じじゃないでしょうか?
毎日を漫然と過ごすのではなく、時々新しいことに挑戦する。ときには失敗するかもしれないけれど、そうすることで味わい深い人生にすることができる。
後悔の少ない人生を過ごすために、僕は泡盛から本当に大切なことを教わりました。泡盛ブレンドのエンディングノートセミナーで僕が伝えたいのはこういうことです。
うまくいかないことも多いけど、失敗しながらも新しいことに挑戦することで、素晴らしい出会いやご縁に恵まれました。それが今回の講座のご依頼にもつながっていると思うと感慨深いです。このような機会をくださった谷口先生はじめ大阪市旭区医師会のみなさまには感謝しかありません。ありがとうございました。
自覚して戦う場所を絞り込んでいます
言うまでもありませんが、一般的なエンディングノートセミナーの依頼はほぼ来ません。僕に頼む理由がないからです。逆に僕に講座・セミナーの依頼があるときは、エンディングノートに限らず泡盛の話も一緒にして欲しいというリクエストがあります。
普通のエンディングノートセミナーの依頼を狙ったところで、いつまで経っても僕に依頼は来ないことを自覚しているので戦う場所と相手を絞り込んでいます。
僕の泡盛ブレンドのエンディングノートセミナーは、泡盛の量を多め少なめとご希望に合わせて調整できます。もちろん泡盛100%の講座もウエルカムです(笑)。
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⑤資格(四角)からはみ出す勇気を持とう
例えば、AとBという2つの強みを掛け合わせているとします。掛け合わせているだけならAとBということに変わりがないはずなのに、どちらの業界からも疎まれることがあるんですよね(苦笑)。
- 司法書士のくせに、オリジナル泡盛~?とか
- オリジナル泡盛なんて、司法書士だから作れるんでしょ?とか
イチロー選手のような1つの分野でスーパースターならみんなからリスペクトされるけど、掛け合わせでレアキャラを目指そうというのは、正当どころか限りなく邪道ですからね。逆風に晒されて当然なのかもしれません。
でも、これは掛け合わせ戦略の本質なので避けて通れません。自分ではわかりませんが、変わらないようで実はA×BがCになっているから疎まれるのかもしれませんね。
出る杭は打たれるじゃないけど異質なものは排除されるのが世の常です。だから資格や所属する組織の力に頼ろうとするマインドでは掛け合わせはうまくいきません。資格(四角)をはみ出すくらい振り切って行動しないと、掛け合わせ効果を実感するのは難しいことがわかりました。
全員から嫌われるのはさすがに自分にも問題があるとして、目指すべきところに向かう過程で多少嫌われても気にしない。そんな心意気で掛け合わせを実践しています。僕は資格の世界で生きているのでどうしても資格という言葉を持ち出していますが資格に限った話ではないと思います。
目標は嫌われること
数年前の目標は「嫌われること」でした。もちろん全員から嫌われるという意味ではないです。さすがにそんな目標は悲しすぎますよね。
嫌われるのが怖いと何もできない
こんな自虐的な目標にしたのは「嫌われる勇気」の中に書かれていた内容にものすごく納得したからです。
いくら相手のことを気遣って行動してもそれをどう感じるのかは?相手次第。だから相手がどう思うかを気にして行動できないのは、もったいない!
嫌われる勇気
目標といっても嫌われるために「これをしよう」というんじゃなくて、これをやったら誰かが僕のことを嫌いになるかもしれないけれど、気にせず自分がやりたいことをしよう。そんな想いで人目を気にせずやりたいことを実行してみました。
やりたいことの中で一番わかりやすかったのは、オリジナル泡盛を造ったことだと思います。
司法書士の僕にとって酒販免許をとってオリジナル泡盛を造ったことは大きな変化、イノベーションでした←ちょっと違うか(笑)。
オリジナル泡盛造りの他にもやりたい!と思ったことは、ひと目を気にせずやりきったことで目標は無事に達成できました。聞きたい話はそうでもないのに、聞きたくない話はまわりまわって本人の耳に入ってくるようになっているんですね~(苦笑)。
嫌う人がいるなら・・・
僕がオリジナル泡盛を造ったことに対して反応はさまざまでした。
- 本気で応援してくれる人
- 傍観する人
- 離れていく人 etc
色々な反応があって良い意見も悪い意見もいただいた結果、わかったことがあります。勇気を持って一歩踏み出したことで、応援してくれる人とそうじゃない人がはっきりしました。普段じゃ絶対に気がつかなかったと思います。
もちろん、オリジナル泡盛を買ってくれた・買ってくれなかった、このことで応援する・しないを判断しているわけじゃないですよ。
だから、なんとなくみんな仲良しみたいな感覚で毎日を過ごせているということは、何も成長がない状態なのかもしれないと思いました。居心地が良いということは、成長という観点からみると止まってる状態だと思います。
みんな仲良しという雰囲気はとても居心地がいい、心からそう思います。でもそれって本質的にいいことなのかな?ってことなんですよね。もしやりたいことがあるなら嫌われても別にいいやという勇気を持って一歩踏み出した方が面白いことが待っている。絶対にそう思います!
追伸|目標を達成し続けています
これはブログにいただいたコメントですが、何の得にもならないのに一歩踏み出した人に対して足を引っ張るような人がいなくなる世界になればいいのと思います。
掛け合わせのその前に|ゼロから最短で強みを育てる方法
掛け合わせるテーマが決まったら、1万時間程度の練習を続けて100人に1人の得意分野に育てていきましょう。
ただし、発信しなければ存在しないのも同じと言われる時代なので時間にフォーカスして頑張っても効果は期待できないかもしれないという仮説を立てました。
そこで、1万時間の法則をSNS時代にフィットするようにブラッシュアップできないか?と時間だけに頼らない強みの育て方の実験からの気づきをまとめました。