知識ゼロから勉強をはじめて2回目の挑戦で司法書士試験に合格することができました。勉強をはじめてから2回目の挑戦までの期間は2年3ヶ月。実体験からわかった資格試験に短期合格するために必要な5つのことをまとめました。
目次
はじめに
勉強をはじめたのは2005年4月。司法書士試験は毎年7月の第1日曜日に開催されるので、その気になればその年の7月も受験することはできました。
でも民法をちょこっとやったくらいだったので、合格なんてどう考えても無理。
試験会場の下見と本試験の雰囲気を味わうだけの記念受験になりそうだったので、受験料がもったいないからと受験しませんでした。だからもし受験していたら3回目で合格ということになります。
記念受験と言われようが本試験の雰囲気を体験しておけば良かったなぁと後悔するのは、1年後の1回目の受験の時です。理由はおいおい。
ちなみに当時は30歳で建設関係の会社で働いていました。働いていたといっても既に辞表を出していたので正確には有給消化中。思うところがあって一念発起して会社を辞めて受験勉強に専念できる状態で勉強をスタートしました。
知識ゼロなので独学は諦めて司法書士試験予備校のLEC東京リーガルマインドの全日制という講座に申し込みました。10年以上前のことなので記憶があいまいですが、確か平日3日間、9時から17時くらいまで授業がある専業受験生のためのクラスでした。
ここまで読んで合格したのが10年前なんて古過ぎる!と感じたかもしれませんね。
その時に身に付けた日々の勉強法と本試験の受け方を実践して、司法書士試験以降に挑戦した資格試験(宅建、行政書士など)は、すべて一発合格することができました。
また僕と同じ勉強法で先輩が司法書士試験に、相方は宅建に合格しているので時間が経っても陳腐化せず使えるものだと自負しています。
2022年12月に久しぶりに受けた試験(経営革新等支援機関になるための試験)も同じ勉強法で合格することができたので、この記事で書いている本質的なことは合っていると思います。
テレワーク中の相方から書留が届いたと連絡が。来週位だろうと油断してたけど完全に試験の結果です。帰るまで待てるはずもなく開けてもらうことにしましたが、一緒に司法書士試験の自己採点をしたときにお葬式のような空気になったことがフラッシュバックして異様にドキドキしました。合格してました! pic.twitter.com/VudVpAOgo6
— 伊藤 薫@泡盛バカの司法書士 (@itokaoru3) January 11, 2023
僕が通ったLECのクラスは短期合格の中でも一発合格を狙うチャレンジャー(ギャンブラー?)が集まるクラスで、答錬も入れると授業料は全部で100万円くらいでした。
僕も例に漏れずに一発合格を狙ってそのクラスに申し込んだわけですが、蓋を開けてみると僕のような法律の知識ゼロという人は少なかったですね。大学が法学部だったり、宅建(宅地建物取引士)の試験などである程度法律に馴染みがある人が多かったようです。
司法書士試験が宅建や行政書士試験の合格者がステップアップとして挑戦する資格だと知ったのは、LECに通い出してしばらく経ってからでした。内心は場違いなところに来てしまったと嫌な汗が出てきましたが、会社は既に辞めていて後戻りできない状況だったので、極力周りと比べないようにしていました。
さて、僕が知識ゼロにもかかわらず無謀にも合格率3%未満の司法書士試験に挑戦した理由はこういうことでした。
知識ゼロなのに会社を辞めてまで、司法書士試験に挑戦した理由
このタイトルが気になった方は、こういう状況にいる方なのかなと思います。違ってたらすみません。
- 会社を辞めたい
- 資格に挑戦したい
- 働きながら資格試験の勉強中
理由はいろいろありますが、シンプルに会社を辞めたかったのが大きいです。
何で辞めたかったのか?というと・・・とにかく、残業がきつかったから。。
長時間労働が当たり前の職場だったので、同じ部署の人がどんどん辞めていくんです。そうすると辞めた人が抱えていた仕事が残っているメンバーにどんどんまわってきます。
僕は辞めるタイミングが少し遅かったんでしょうね。
辞めようと決めた当時の残業時間は200時間でした。もちろん1ヶ月の残業時間がです。深夜にタクシーで帰る時間もない日はフロアにある打合せスペースのイスを4つ並べて寝てました。
いまキャンプで寝心地とかあまり気にせず熟睡できるのは、あのときのトレーニングが役に立ってるんでしょうね。←ってトレーニングじゃねぇし(苦笑)。
月の残業時間が100時間を越えることはザラだったので、年々慣れてきていたのもありましたが、年の近いメンバーと飲みに行って愚痴を言い合って発散できるうちは大丈夫でした。
いつしかそんなメンバーが一人辞め、二人辞め・・・。
一緒に飲みに行くメンバーがいなくなるわ、辞めたメンバーの仕事が自分にのしかかってくる。置いていかれた感が募っていました。
- 新しい仕事なんか入ってこなくていい!
- 入ってきてもいいけど、とにかく僕にまわってくるな!
- これ以上、僕の仕事を増やすな!!
30歳前にして、まったくといっていいほど仕事に対するやる気がなくなっていました。
バリバリ仕事をこなしてキャリアをアップさせるなんて考えは出てこないんです。社会に出るときにこんな自分になるなんて想像していなかったので、ここまで情けない自分が許せなくなってしまいました。
いま思えば長時間労働自体もやる気が出なかった理由のひとつですが、最大の理由は仕事にハマれなかったから。
とにかく、やらされ感が大きかったからだと思います。
司法書士試験の勉強だって相当ハードでしたが、自分で決めたことなのでイキイキと取り組んでいたと思います(いまだから言えるわけですけど)。
やる気はゼロでしたが(苦笑)、それでも与えられた仕事を日々こなしていたある日。左の耳が聞こえにくいことに気がつきました。会社の先輩がストレスから突発性難聴になったのを近くで見ていたので、もう限界だなと思いました。
身体のこともそうだし、何よりこのまま会社にいても自分の未来が見えない。
そこからは早かったですね。辞めると決めたら、本当に早かった。
決めてしまえばあとは早いです。どんどん進みます。もしもやりたいことがちっとも進んでいないとしたら、決めたつもりになっているだけで本当のところは何も決めてないからだと思います←これマジです!
会社を辞めて今度は司法書士試験の勉強に追われる生活が始まりましたが、それでも辞める前に比べたら時間ができたので耳鼻科を受診しました。結果は特に異常はなく、それどころか普通の人よりもよく聞こえてますよってことでした(苦笑)。
きっかけってそういうものかなと思ってましたが、「嫌われる勇気(岸見一郎・古賀史健)」を読んでなるほどなぁと思うことが書いてありました。64ページあたりです。
赤面で悩んでいる女の子は自ら赤面症を作り出している。なぜかというと赤面症を持っている限り「私が彼とお付き合いできないのは、この赤面症があるからだ」と考えることができる。
嫌われる勇気
告白の勇気を振りしぼらなくていいし、仮にふられても赤面症のせいにすることもできる。赤面症であるうちは、「赤面症が治ったら・・・」という可能性の中に生きることができる。
どうして彼女は赤面症になったのか?
アドラー心理学では「彼女自身が赤面という症状を必要としている」からと考えるそうです。そう考えると、左耳が聞こえにくいという症状は僕が作り出したということになります。
そして、赤面症の女の子のように耳が治るまで会社を辞めないでおこうという理由に使うこともできたけど、このままじゃ大変なことになるからその前に辞めようという一歩を踏み出すためのきっかけに使ったことになります。
左耳が聞こえにくいという症状は僕が必要としていたんでしょうか?これはわかりませんが、あのとき会社を辞めてよかったと今は心から思います。
でも会社を辞めることは決めましたが、辞めてどうするの??って話なんですよ。
結婚してマンションを買っていたので住宅ローンはたっぷり残っていました(汗)。そんな状況で辞めるとなると家族に納得してもらう理由が必要じゃないですか。
それに、理由よりも実際問題、住宅ローンは払っていかないといけません。
いくら左耳が聞こえにくいという不調を抱えていたとしても、辞めてからどうしようかを考えるっていうのはさすがに無理でした。辞めた後の道筋を何もつけずに辞めたら、きっとダメになるという自覚はありました。
辞めることへの不安じゃないですよ。この違いは大きいと思います。
働いていた会社が嫌というよりも業界が抱えている長時間労働の問題が嫌だったので、転職しても同じ建設業界だとどこへ行っても長時間労働からは抜けだせない。だから転職は違うなと思っていました。
サラリーマンじゃなくて自分で何かやらないと根本的には解決できないと思ったんですよね。今思えば親が公務員だったので、自営業が一番遠い存在で自営業の厳しさについての想像力が欠如していたことが大きかったと思います(苦笑)。
当時は起業なんて自分には絶対に無理だと思っていたので、独立できる資格を目指そう!ということになりました。いろいろ調べて(とりあえず今回は端折ります)、司法書士が独立しやすい資格だという情報に辿りつきました。
その当時、借金の問題が身近にあったのですが、司法書士も簡易裁判所で弁護士と同じように活躍できるようになるという情報も耳にしていたので、司法書士になればそういった問題のサポートができるんじゃないかと、司法書士になった後の展望も人並みにはありました。
司法書士の仕事や業界に対して、実体験に基づく情報が皆無だったことは司法書士を目指すことの大きな後押しになったと思います。
司法書士試験の合格率が3%未満ということについては、独立しやすい資格なんだからそのくらいじゃないと逆にダメでしょ!みたいな、少し他人事のような思いもありました。まだ勉強を始めていなかったからこんな他人事みたいに思えたんでしょうね、若いなぁ(苦笑)。
僕が勉強していた頃は、司法書士試験に合格するには3,000時間は勉強しないと受からないと言われていました。この3,000時間をどう感じるかですが、そんなに大変だと感じなかったんですよね。
というのも、めちゃくちゃ残業していたので(苦笑)。
通常の勤務を8時間/日×20日/月として160時間/月。そこに残業時間のアベレージ100時間/月を足せば月に260時間。本気を出せば3,000時間は余裕で勉強できるでしょ!みたいな。
今から勉強をはじめたら来年7月の本試験まで1年3ヶ月あるから3,000時間に到達できるという計算でした。そういう感覚だったので、時間さえあれば3,000時間勉強することに関しては余裕すらありました。
そう、時間さえあれば!
会社を辞めなければ、残業!残業!残業!で勉強する時間がほとんど取れないので会社を辞めることしました。そうは言っても中々、思い切れないよ~という感想もあると思いますが。
当時は司法書士は独立開業できる資格、平均年収1,400万円という予備校で耳にした情報を鵜呑みにしていたので、司法書士試験に合格さえできたらこうなると本気で信じていました(苦笑)。
- すぐにでも独立開業できる
- 特に営業をしなくても仕事はたくさんある
- 独立すれば、やらされ感のある残業とはオサラバできる
自分勝手な思い込みと言われればそのとおりかもしれません。まあ現実がはっきり見えていたら、合格するまで頑張れなかったでしょう。というか司法書士試験に挑戦するために会社を辞めなかったかもしれませんね。
そういう意味では、合格してから幻想だったと気がついて、本当に良かったと思います(苦笑)。
まとめます!
知識ゼロなのに会社を辞めてまで司法書士試験に挑戦した理由はこういうことでした。
- やらされ感しかない残業とおさらばするために独立開業したかった
- 司法書士試験合格に必要な3,000時間の勉強時間を確保するには会社を辞めないと無理だったから
さて、ここからが本題です。
知識ゼロから短期間で司法書士試験に合格するためには日々の勉強もさることながら、年1回の本試験であがらずに普段の力を出し切ることが重要だと、身をもってわかりました。
そこで、「日々の勉強法」と「本試験、模擬試験の受け方」の2つの項目にわけてお伝えしていきます。
- ①短期合格したかったらとにかく過去問!
- ②短期合格したかったら自分で問題を作らない!
- ③合格レベルに達する勉強期間を短期間で確保せよ!
- ④ルーティンで本試験に慣れろ!
- ⑤本試験で何を捨てる!?
①短期合格したかったらとにかく過去問!
日々の勉強法の中から短期合格するために必要なこと、1つ目はこれです。
とにかく過去問をまわす!
そんなことか~と呆れる人も多いでしょうか?
とはいっても司法書士試験に合格するために必要な知識を繰り返し問われている本試験の過去問がきちんと理解できないと、まったくお話になりません。。
過去問を何度も繰り返すことで膨大な勉強範囲の中から
- どういうところが
- どんな風に
司法書士試験で問われるのかがわかってきます。実はこれが大切なんですよね~ここがわかるとこんな不安から解放されます。
膨大な勉強範囲を洩れなく勉強しないと受からないんじゃないの?
短期合格を目指すということは言い換えると合格ラインをギリギリでクリアすることなので、全部やらなくちゃという思い込みを捨てて勉強する内容に優先順位をつけることがとても大切です。
そもそもテキストを繰り返し繰り返し読んだところで本試験の問題を解ける力が付くことはありません。少なくても僕には無理でした。
過去問を勉強することを軽く考える、なんなら馬鹿にする人もいるんでしょうね。でもそういう人は過去問の正しいやり方を知らないだけです!
正しいやり方で過去問をまわすのは力は付きますがとってもキツイ。まわせばまわすほどに苦痛になっていくものなんです。
例えばこんな問題。
〇〇に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記 1から5までのうち, どれか。
ア ○○○ことができない。
イ △△△ことができる。
ウ □□□することができない。
エ ◇◇◇を得る必要はない。
オ ×××することができない。1 アエ 2 アオ 3 イウ 4 イオ 5 ウエ
普通は↓こんな感じで回答するんじゃないでしょうか??
まずアを読んでこれは「正しい」とわかる (何回も繰り返しやっていると身体が覚えています)。
次に1から5の組合せを見ると、アとペアになっているのがエとオなので、順番に見ていくとエが正しいので解答用紙に1と書く。
本試験はとにかく時間との戦いです。
すべての選択肢を読んでいる時間がもったいないので、できるだけ少ない選択肢を読んで答えを導くなんてことはざらです。
本試験や模擬試験では少しでも時間を稼ぐためのテクニックとして僕もこの解き方で回答していました。選択肢を全部読まないで解くなんて本当は危なっかしい賭けなんですけどね。
でも時間短縮効果と問題を正確に理解することを天秤にかけるとこの方法がベターでした。まあこの解き方に慣れるまでは相当怖かった記憶がありますが。
本試験では常套手段でも普段の勉強のときに、こんなやり方で過去問を勉強していたら逆に時間の無駄です。
過去問を何度も何度も繰り返すと身体が覚えてしまうので(笑)、アを読んでいる途中でパブロフの犬のごとく正解は1アエだったなとわかってくるんです。わからないという人は、まだまわし足りないだけです。
まったく同じ問題が出るならこの勉強方法でも良いと思いますが、そんなことはありませんよね。
過去問の正しい勉強法は1から5は無視して、アからオまでの選択肢のすべてを1つずつ回答していきます。この問題ならアからオそれぞれについて、正しい・誤りを回答して答え合わせをします。
解くときは「ここが間違っているから誤り」というようにジャッジをした理由も明らかにします。なんとなく選んでたまたま合っていたとしてもそれは本試験ではまったく役に立ちません。
○か×かをジャッジした理由まであってはじめて、正解できたというレベルで過去問に取り組んでいました。
午前中の試験は35問、仮に選択肢がそれぞれ5つあれば175問と捉えて解くのが過去問の正しい勉強法です。
過去問に限らず飽きるほどに同じ問題を繰り返していると問題を読んでいる途中でアエが正解だなとわかってきます(本当です!)。だから選択肢毎にやらないとやる意味がないという側面もあるんですけどね。
ちなみに僕が愛用していた過去問の問題集はLECから出ていた「合格ゾーン」でした。当時はそれどころじゃなくてピンと来なかったけど、いま見ると秀逸なネーミングですね。確かにこれが全部解けたら合格も近いってか~(^^)
というわけで短期合格するために必要な勉強法はこちらです。
- とにかく過去問をまわす!
- 過去問は全ての選択肢を解く!!
過去問を選択肢単位でまわすなんて常識でしょ!と思った人も多いかもしれませんので、過去問のまわし方についてさらに踏み込んでみます。「まわす」というのは何度も繰り返すことの受験生用語だと思ってください。
過去問を何度もまわしていると正解するところは何度やっても正解できるし、間違うところは何度やっても間違う。そんな感じで二極化していきます。
すべて完璧にできればそれに越したことはないですが、短期合格を目指すならできる問題を何度も繰り返すのは自己満足以外の何物でもないし、なによりも時間の無駄。
そこでメリハリをつけてまわします。例えば、過去問を2回まわして2回連続で正解できた問題(選択肢)は3回目はやらないとか。
このやり方だと何度も間違える苦手な問題だけをまわす回がやってきます。これがキツイんですよね~。解く問題は少なくなっていますが、苦手な問題ばかりなので1つ解くのに時間がかかる。それに
- また間違えた~
- これも違う。。
- やっぱりこっちだったか~
みたいな手応えのない問題が続くと、へこむへこむ(苦笑)。
家で1人で勉強していると前回できなかった問題ができるようになった。そんなちょっとしたことが喜びだったりするわけですよ。
今日も1日頑張ろう!!
なんていう気持ちも湧いてくるし(単純ですね)。
それなのに、苦手な問題だけをまわす回は何問も何問も連続して間違えるからイライラするし、こんなんで合格できるのかよ~と不安になる。
苦行でしたね。。←遠い目。
だからこれは模擬試験の前日とかにはおすすめしません。自分ならできる!と、少なくとも1週間前の自分よりは成長しているという自己肯定感を持って臨まないと模擬試験で良い結果は出せないからです。
日曜日が模試だとしたら気持ちが回復できる3日前、木曜日くらいをできない問題だけをやる日に充てていました。
メンタルケアこそが短期合格のための要なんですけどね。この話はまたおいおい。
そうそう。時間がかかるのは、苦手な問題だから解くのに時間がかかることだけが理由じゃありません。間違えた問題(選択肢)は解説をじっくり読む。さらにテキストの該当するページを読んで間違えた部分に関連する内容を押さえる。こういう勉強をしていました。
過去問と絡めてテキストを読むことで周辺知識を定着させて応用力をつけることが目的です。テキストから該当するページを探すのが手間なので、やりやすくするために過去問の解説のページに該当するテキストのページを全部書いていました。
さらに本試験の過去問だけじゃなくて、模擬試験でも間違えた問題に同じようにテキストのページ番号を書いていました。はっきり言ってこの作業はすごく手間がかかります。
でもこの勉強法だと同じ問題を何回もまわすことになるので、のちのち時間を短縮できるので早い段階でやっておくことをおすすめします。
テキストを頭から読んでもちんぷんかんぷんでしたが、問題毎に該当するテキストのページを読むことで、どういうことをどんな風に問われるのかが理解できるので知識の定着率が高くなります。
余談ですが「司法書士試験に2回で合格」というと「受験とか資格試験が昔から得意なんでしょ!」という反応が多いんですが、実は全く違います。
大学入試は現役で合格できたので当てはまりませんが、サラリーマン時代に仕事的に取らないといけなかった資格試験に落ち続けました。
しかも5回も。
資格というのは技術士補(建設部門)という資格です。※技術士補は現在は技術士第一次試験といわれています。平成13年度は1割を切ってますが合格率はそんなに低いわけじゃないんです。
- 平成12年度 19.1%
- 平成13年度 9.3%
- 平成14年度 12.3%
- 平成15年度 51.2%
- 平成16年度 48.3%
記憶では平成15年度に合格してるのですが、この年から笑っちゃうくらいに合格率が上がってますね。この数字をみると合格できたのは僕の努力とは無関係な気がします。
さらに司法書士試験を目指すまでに、こういうお恥ずかしい戦歴を持っています(苦笑)。
- 簿記3級 不合格
- 簿記2級 テキストを買って満足してそのまま
3級が合格できなかったのに2級にチャレンジするとか、当時は変な自信があったんでしょうか?もし技術士補に合格できたことで変な自信がついていたとしたら完全にやばいですねー(汗)。
ちなみに入社1年目にTOEICを受けたら4択のほぼ確率通りの250点でした。
資格試験に関しては1勝9敗くらいの成績なのに、会社を辞めてまで合格率3%未満の司法書士試験を目指そうなんて笑っちゃいますね。
誰か本気で止めてくれる人はいなかったのか~!!
そんな僕でも2回の挑戦で司法書士試験に合格することができた勉強法というのがこれです。
- とにかく過去問をまわす!
- 過去問は全ての選択肢を解く!!
- メリハリをつけてまわす!!!
少しはやってみようという気持ちにまりましたか?
この本試験の過去問中心の勉強法は僕のオリジナルではありません。LECの講師も言っていたし、先輩合格者の合格体験記にもそう書いてありました。だから短期合格を目指すならこれが王道なんだと思います。
どこまで真剣に過去問と向き合うことができるのか?これにかかっています!!!
②短期合格したかったら自分で問題を作らない!
日々の勉強法の中から短期合格するために必要なこと、2つ目はこれです。
自分で問題を作らない!
まさか自分でオリジナル問題を作って勉強する人はいないと思いますが、こういうことやってませんか?
過去問を勉強していると、周辺知識が気になってくるんです。だから・・・
- こういう場合はどうなんだろう?
- もしこういう問われ方だったら、これは正しいのか?誤りなのか?
- この判例おさえておいた方がいいかな?
過去問で問われていることの周辺知識を身につけようとするあまり、こういう場合はどうなの?こう聞かれたらどう考えればいいの?と自分で問題を考えて、テキストで答えを探したり、講師に聞いたり。
実は僕もはじめはやってしまってましたが、これって時間の無駄でしかないです。たまたま問われなかっただけかもしれませんが、判例や通説がなくて問題にしにくい場合が多いと思うからです。
そんなことを気にして時間を無駄にするぐらいなら1問でも多く過去問を完璧にマスターしろよ!と当時の自分に言ってやりたいですね。
ノート作りに励むのもダメ!
テキストは文章が多いので項目毎に表や図にしてわかりやすくまとめ直す。このまとめる作業がすごく勉強になるんだ!みたいな。
もちろん僕もやってましたよ、完成した大作の表を見て悦にはいってました(苦笑)。
でもLECの講座が進むにつれて授業の進むペースが早くなって図表化するのが追いつかなくなりました。で、問題をやっても正解できないのは、ここはまだ図表化できてないからだと焦ったり。
でも図表化するにはかなり時間がかかるんですよ。だから本当にこんなことに時間を使ってていいのか?とまた不安になるという堂々巡り(汗)。
会社を辞めて収入ゼロなのに住宅ローンはたっぷり残ってる状況だったので、本気で一発合格を狙っていたので、ギリギリでいいから1年で合格ラインに到達しようとしていました。
そこで、時間をとって冷静にノート作りの効果について考えてみたんですよね。
図や表に綺麗にまとめて理解したつもりになっても問題形式で問われると途端にわからなくなるんです。やっぱり問題形式で慣れておかないと本試験で使える知識にはならないという結論に至り、ノート作りはすっぱりと諦めました。
一発合格を目標にしていなかったら、あのままノート作りに精を出していたと思います。
知識ゼロから一発合格を目指すなんて無謀過ぎましたが(苦笑)、約1年で合格ラインに辿り着くために、やらないことを決める。早い段階でこの決断をすることができました。
超大事なのにわかっていない人が多いこと。
合格率3パーセント未満の試験なので、筆記試験の合格発表では合格者の受験番号が60番くらい余裕でとびます。ネットでその画面をはじめて見たとき、この試験に合格できるのは普通じゃないのを思い知らされました(苦笑)。
今からとても大事なことを言います!
合格率3%未満は100人中、3人も合格できません。
でもこの3人というのは、97人が正解できなかった問題を正解することができたから合格できたわけじゃないんですよね。この3人はみんなが正解できた問題を確実に正解できた人なんです。
だから97人が持っていない知識は必要ありません。必要なのは他の97人も持っている知識と、本試験でもあがらずに確実に正解できる力なんです。
この手の話は僕も予備校の講師の先生から耳にタコができるくらい聞いていました。でもそんなことで本当に3パーセントの壁を越えられるのか?と信じられなくて、これがしっかりと腹に落ちるまでには、だいぶ時間がかかりました。
午前中の試験のような多肢択一式問題は35問すべてが1問3点なので、どれを正解しても同じなんですよね。もし、みんなができた問題を間違えると、みんなが正解できなかった問題で3点を確保しなくちゃいけなくなるわけです。
これって相当難しいですよ。。
みんなが間違える問題はそれ相応の理由があるので、やっぱり間違えて当然ですもん。
だからこその過去問なんです。なんだかんだ過去問で勉強する人が多いので、みんなが正解できる問題はおのずと決まってきます。だから過去問を軽視して自分勝手に勉強しても合格する可能性を下げているだけ。。
「過去問は飽きた~」と予備校が作っている模擬試験の問題を中心に勉強している人が僕のまわりにもいましたが、短期間では受かっていないですね。その人がどんなやり方で過去問をやっていたのかわかりませんけど。
みんなが正解できる問題に集中する
模擬試験でも解説に問題毎の正答率が載っています。僕は正答率が7.5~8割以上の問題を「みんなが正解できる問題」と捉えて、それだけを選んで解くこともやっていました。
間違えた問題だけをまわすのとは違いサクサク解けるのでやりやすい反面、解けて当然という問題なので3問続けて間違えたりするとショックが大きくて模擬試験の前日とかはやらないようにしていました。
またしてもメンタル弱いですね(苦笑)。
手も足も出ない、問われている意味さえわからない問題が模擬試験で出題されることがあります。そんなときは、こんな問題は誰も解けるはずがない!と軽く流す。これでいいんです。
自分で問題を作って準備しておくと、こういう誰も正解できないような問題を正解できることもあるのかもしれませんが、みんなが正解できる問題を勉強することからどんどん離れていくのでとっても危険なんです。
合格率3パーセント未満の試験に合格した人は、みんなが正解できた問題を確実に正解できた人です。短期合格するために必要なこと、2つ目は「自分で問題を作らない!」でした。
③合格レベルに達する勉強期間を短期間で確保せよ!
日々の勉強法から短期合格するために必要なこと、3つ目は勉強時間についてです。
司法書士試験は年1回だけ毎年7月に開催されるので、短期合格といっても少なくとも1年は必要です。
「2年で司法書士に合格するって、すごく早いですよね?」あるとき知人にこんなことを言われて、久しぶりに合格した時のことを思い出しました。
「やっと合格できたぁー」というのが当時の心境でした。今では「よく合格できたなぁ」としみじみ思います。
2年間の勉強期間で、やっとという表現は相応しくないかもしれませんが、僕なりに理由があります。
司法書士試験に合格するには3,000時間は勉強しないと受からないと僕が受験していた頃は言われていました(今はどうなのかわかりません)。
僕は会社を辞めて司法書士試験に挑戦しました。買ったばかりのマンションの住宅ローンがあったのに会社を辞めて挑戦しました。我ながら、なんで辞めちゃったんでしょうね?苦笑。
とにかく背水の陣で司法書士試験に挑んでいたわけです。そこで「なんとか1回で合格してやろう!」という野望を持っていたので、10時間/日×30日×15ヶ月。
ざっと計算しても余裕で3,000時間をクリアできるような勉強計画を立てて取り組んでいました。
結果・・・1回目の挑戦は見事に玉砕。
普通はそんなもんです、普通は。1回で合格しなくちゃという思いがあまりにも強かったので、だいぶ凹みましたけど。
合格できなかったのは勉強時間が足りなかったんだろうと、更に2時間増やして2年目は12時間/日×30日×12ヶ月。2回目の試験も手応えがなかったので、3回目の挑戦も見据えて結果発表までにさらに3ヶ月。司法書士試験の勉強を1万時間以上やり続けた計算になります。
だから当時の僕の「やっと合格できたぁー」は3,000時間どころか、その3倍の1万時間も勉強していることからくる、やっと合格できたぁーという心の叫びなんです。
期間だけを見れば2年は早いかもしれないけど、勉強時間としては相当やっているわけです。1日3時間で1万時間勉強しようと思ったら10年はかかりますからね。
結局のところ何年勉強したかよりも何時間やったか、これに尽きます。だから勉強できる環境、さらにはサボらずに勉強できる仕組みを作ることが大事です。
住宅ローンを抱えて無収入なんです。遊びたいと思っても実際には遊べませんよ、普通の感覚では。僕の場合は自分を追い込むための仕組みということになるので、かなり自虐的ですが(苦笑)。
知識ゼロから一発合格は可能なの?
LECの講座で一緒だった人が知識ゼロから一発合格しました。勉強をスタートしたのは一緒なので、勉強した期間は1年3ヶ月。1日どのくらい勉強していたのかはっきりわかりませんが、毎日14時間くらいはやっていたと思います。
1年目にも関わらず模擬試験の成績がいつも良かったのをはっきりと覚えています。身も蓋もない話かもしれませんが、短期合格するためには最低限やらなくちゃいけない勉強時間というものがあります。
それが仮に3,000時間とすれば・・・毎日16時間勉強したとしても188日ということは6ヶ月。毎日16時間勉強するのは相当きついと思いますけど。
毎日合格のチャンスがあるならそうシビアに考えなくてもいいけどチャンスは1年に1回ですからね。次の本試験まで何時間勉強できるかを真剣に考えないとダメですね。3,000時間ということは、ちょろっと勉強したくらいで受かる試験じゃないんです。
資格試験に短期合格するために必要なこと。
「合格レベルに達する勉強時間を短期間で確保する!」
それができたら苦労しないよ~という反応が大多数かもしれませんが、これが現実です。3,000時間勉強するのに10年かかったら合格まで10年以上かかるということです。計算上は。
④ルーティンで本試験に慣れろ!
本試験、模擬試験の受け方から短期合格するために必要なこと、1つ目は「いかに本番で力を出しきるか」についてです。
1回目の挑戦は勉強をはじめたばかりということもあって、年明けの1月からはじまった答練と呼ばれる模擬試験の成績は安定しませんでした。そこで、モチベーションを維持するために自分にこう言い聞かせていました。
- 本番がうまくできればいい
- 模擬試験で失敗しても本番じゃない、気にしないで勉強しよう
これは自分を励ますための方便でした。
でもこれが試験当日はこんな感じで重くのしかかってきたんです。
- 今日だけは絶対にうまくやらないといけない
- 今日のためにこの1年間努力してきたんだ
- 今日うまくできなかったら、また1年間勉強だ
こう思い始めたら、あれよあれよという間にパニックになってました(苦笑)。
誰が試験問題を作っているのか知りませんが、出題ミスで全員が正解になるようなわけのわからない問題も出てきたりするわけですよ。
そんな問題に必要以上に気を取られて、あれ?あれ?と問題用紙をめくれどめくれど手応えのある問題を見つけることができないままタイムオーバー。
普段ならなんてことのない問題でもパニックになってしまったらダメですね。。
顔面蒼白でお昼は喉を通らず。。
当然のように午後の試験もヘロヘロで、ひとつもいいところがないまま家路に着いたような記憶が。嫌な記憶は封印できる性分らしく、詳しいことはほとんど覚えていませんが。
解答速報で自己採点をしましたが散々でした。ま、こんな手応えで合格率3%未満の試験に受かるはずはありません。
僕が1回目の司法書士試験で失敗した理由は本番であがってしまったからです。年に一度の大勝負なのでみんな緊張するわけですが、度を越してしまいました。
僕が受験していた頃は司法書士試験に合格するには3,000時間は勉強しないと受からないと言われていました。1回目の挑戦はそれを軽く上回る4,500時間勉強して挑みました。
模試の成績は安定しませんでしたが合格判定が出たときもあったので、緊張のあまり本試験で力を出し切れなかったことは悔やんでも悔やみきれません(泣)。
お手本はイチロー!?
1年目の失敗を糧に2年目は考え方を180度変えました。本試験当日を意識しすぎないように本番だけうまくいけばいいという考えは捨てました。何度試験を受けてもあがらないように全ての模擬試験を本番と思って取り組もうと決めました。
そして僕が2年目に取り入れたのはルーティンです。ラグビー日本代表の五郎丸選手で有名になったあれです。司法書士試験の予備校では年明けくらいから7月の本試験まで毎週のように模擬試験が続くので、その模擬試験すべてを本番と思って取り組みました。
模擬試験を本番と思って取り組むというのはどういうことかというと・・・
- 9時スタートの試験なので、頭がちゃんと働くよう試験開始3時間前の朝6時に起床
- 昼食を挟んで午後も試験があるので昼休みに食べるものはいつも同じ
- 昼食はおにぎりとウイダーインゼリーを1つずつ朝コンビニで買って持ち込んでおく
- 昼食の後は頭を休めることに集中、答え合わせなんてもってのほか etc
こういうことを真剣に繰り返していると・・・何度も本試験を経験している心境になってきてメンタルはだいぶ鍛えられました。
司法書士受験生界のイチローを目指す!
そんな気分でした。朝食にカレーは食べてませんでしたけど(笑)。
1年間の勉強の成果をたった1日のしかも数時間の試験で問われるというのは、勉強をやればやるほど本当に恐ろしく感じます。だからどんな結果が出るにせよ、やりきったぜ!と胸を張って言えるように準備しようというのが僕のスタンスでした。
でも毎回毎回、緊張感を持って模試に挑むのでストレスが蓄積されていたんでしょうね。本試験直前は緊張からくる膨満感が酷くて、ガスピタン(だったかな?)をしばらく飲みながら勉強していました。
資格試験は知識が試されると思っていましたが、メンタルこそ試されているように感じます。
- いかにサボらずに日々勉強に向き合えるか?
- いかに平常心で本試験に向き合えるか?
「これだけやってきたんだ!だから大丈夫」と自信を持てることが、試験に限らずどんな場面でも平常心を保つことにつながると思います。資格試験に限らず、心がざわつくと不安になったりして良いことはありません。
出掛ける前に子供を叱ったりするとイライラが顔ににじみ出ます。そうならないようにセミナーや泡盛講座の前とかは特に気をつけています。やっぱり楽しさを伝えたいですからね。そんなわけで沖縄物産展期間中は、気になることがあってもスルーすることを意識しています(苦笑)。
そしてなにより一番大事なのは体調管理です。年に1回の大勝負なので体調不良で力を出し切れないのは本当に泣くに泣けない。そのためには生活のリズムを本試験のスケジュールにあわせていくことが大事です。
本試験の2ヶ月前くらいからは家で勉強する時も本試験の時間に合わせて勉強をはじめて、休憩も本試験と同じタイミングで取っていました。ちょっとやりすぎかもしれませんが(苦笑)。
どんなに非日常なことでも慣れしまえばなんてことはなくなる。ここを目指していました。
ということで資格試験に短期合格するために必要なこと、4つ目はイチローをお手本にルーティンで本試験に慣れる!でした。
⑤本試験で何を捨てる!?
本試験、模擬試験の受け方から短期合格するために必要なこと、2つ目は「本試験で何を捨てるのか」についてです。
1回目の挑戦は午前の部(多肢択一式問題マークシート)で足きりにかかってジエンドでした。午前の部以外の点数がいくら良くても不合格なので、足きりにかかるというのはなんとも無念なことです。
既に書きましたが、合格率が3パーセント未満というと100人中、3人も合格できませんが、この3人というのは97人が正解できなかった問題を正解することができたから合格できたわけじゃないんですよね。
この3人は、みんなが正解できた問題を確実に正解できた人です。
これに関連しますが、司法書士試験は満点近くを取らなくても午前の部、午後の部(マークシートと記述式)の3つ部の足きりをクリアして、その中であまりにも下位でなければ合格できる試験なんです。
年にもよりますが、僕が挑戦した平成18年の午後の部は35問中25問が足きりでした。だから足きりはそんなに高いハードルじゃないんですよね。
1回目の挑戦では出題ミスで正解が2つある問題に必要以上に躓いてしまったのですが、これって1問でも多く正解して高得点を目指さないと合格できないと思い込んでいたことも影響しています。
でも実際は違いました。
出題ミスかはさておき、問題を作る人も人間なので時として正解が分かれる問題ができてしまう。これはしようがないことです。問題自体が広く解釈できる場合や法改正などで解釈が統一されていない場合もあると思います。
過去にも正解が1つじゃなかった問題があったので過去問をまわしていて気づいた方も多いと思います。
こういう問題は家でテキストやネットの情報を駆使してチャレンジしようが手におえない問題。こんな問題に限られた試験時間の中で関わるのは、時間の無駄ってもんです!
僕らが取るべき対処法はこういう問題には、近寄らないこと!絶対に!!
だから問題を見た瞬間に確実に正解するために
- ぶつかっていく必要がある問題なのか?
- それともスルーするべき問題なのか?
を一瞬で嗅ぎ分ける力が必要です。この力を磨くのはさすがに過去問をまわすだけじゃ難しいかもしれません。
僕は模擬試験でも毎回2、3問捨てるつもりで受けていました。本試験ではないので時間があれば最後に解くようにしてましたが、本試験で確実に捨てる練習を模擬試験で練習していたわけです。
本試験で捨てるものを決めておく
僕は午後の試験(マークシート)35問のうち3問は捨てると決めていました。さらに解答用紙に書く番号も3と決めていました。3に特に理由はありません。
その場でエイ!っと決めてもいいんですけど、その時間すらもったいないからです。
司法書士試験の午後の試験は35問のマークシートの他に2問の記述式問題があって午前とは比べ物にならないボリュームなのに、それぞれに足きりがあるので無駄な時間は極力減らしたかったからです。
3つ同じ選択肢を選べば1つくらい当たるんじゃないかという変な自信もありました。もちろん根拠はありません(笑)。
最近はどうなのかわかりませんが、僕が勉強していた頃は受験生のほとんどがまともに勉強していなかっただろうという問題が記述式で出たことがありました。
午後の試験はマークシートから解こうが記述式から解こうが自由なので、先に記述式の問題を見て「なんじゃこりゃ~」と気が動転してしまいマークシートの問題まで残念な結果になってしまった人の話も聞いたことがあります。
本試験は知識よりもメンタル勝負なところがありますね。。
記述式は問題によってほとんどの受験生が解けない可能性もあります。問題のレベルの振り幅が大きいので全力で挑んだとしても結果に差が出ないかもしれないなら最後にやろうと僕はマークシートから解く派でした。
一方で朝から脳みそフル稼働で来ているので、できるだけフレッシュな脳みそで記述式に挑みたいという考え方もあるので、最終的には好みの問題かもしれません。
見直しは捨てるか?捨てないか?
何度も繰り返しになりますが、合格率3パーセントの試験に合格できた3人はみんなが正解できた問題を確実に正解できた人ですが、確実に正解するには見直しが大事です。
時間がないという意見はごもっともですが。
年に1度の大勝負なので普段なら絶対にやらないようなミスをやってしまうんですよね。「正しいもの」を問われているのに、なぜか「誤っているもの」を選んでしまっていたり。
落ち着いていればちょっと考えられないミスですが、あがるってそういうことです。
みんなが正解できる問題を確実に正解することは、こういうミスを完璧になくすことです。もちろん全問見直す時間はないので、僕は問題を解きながら
- これは後で見直しをしよう
- これは大丈夫
と、印(しるし)を付けながら解いていました。
そうそう。記入ミスは痛すぎるのでマークシートにマークするのは35問一気にやるようにしてました。どこまで回答できたかはさておき、午前の部なら試験終了20分前には必ず35問分マークするようにしていました。
これも自分なりのスタイルを決めてそれを続けているうちに慣れるので、1問ごとにマークしたい人はそれでOKだと思います。
短期合格を本気で目指すなら「何を捨てるか」を決めなければいけないということを痛感しました。
勉強する時間を確保するために、僕のように仕事を捨てるとか、これは極端な例ですが(苦笑)。
- 遊ぶ時間を捨てる
- 寝る時間を捨てる
- 飲む時間を捨てる
- ゲームをする時間を捨てる
- SNSをする時間を捨てる etc
記憶は寝ている間に定着するそうなので、寝る時間は捨てちゃダメだと思いますけど。
限られた時間の中で勉強するので、何を捨てるのか?を決めないといけません。
- 過去問以外は捨てる
- 模擬試験は受けない
- 刑法は捨てる etc
ただし、捨てる前にはこれを本当に捨てていいのか?と後悔しないようにじっくりと考えてください。
ということで資格試験に短期合格するために必要なこと、5つ目は捨てる!捨てる!捨てまくる!でした。
これって資格試験に限りませんよね。限られた時間の中で何かを成し遂げたければ、何かは捨てないと。
みなさんは何を残して、何を捨てますか?
1万時間法則は応用が効きそうだ
ここまで書いてきたように、30歳のときに一念発起して知識ゼロから2年半で司法書士試験に合格することができました。期間は2年半ですが勉強に1万時間以上の時間を費やしました。
これって、いわゆる1万時間の法則の効果だと思います。
簡単にいうと、どんな分野でも1万時間程度継続して練習すれば、その分野のプロになれるという経験則のこと。
1万時間の法則
2回目の挑戦で合格することができたのは幸運だったと思いますが、どんなにど素人でも1万時間以上の勉強を続けることができれば合格レベルまで成長できることを凡人の僕でも実感することができました。
継続は力なりの方がしっくりくるかもしれませんが、練習量をイメージするには1万時間の方がわかりやすいと思います。
さて、3,000万円の住宅ローンを抱えたまま会社を辞めて飛び込んだ司法書士試験への挑戦だったので、独立するときになってようやく、選ばれるためのブランディングが全くできていないことに気がついたときは吐きそうになりました(苦笑)。
司法書士として独立するには資格が必要です。そういう意味では最低限のブランディングはできていたのかもしれませんが、これってブランディングというよりライセンスですよね。
資格は司法書士ならもれなく待っているわけで、ブランディングでもなんでもありません。
独立して1人で勝負しようというタイミングで選ばれるための強みが何もなかった僕が切実に感じたのが「起業するならブランディングは不可欠」ということでした。
独立してからなので手遅れ感はありますが、ブランディングや強み作りを意識して過ごしてきました。司法書士試験の成功体験で手応えを感じることができたからでしょうね。単なる趣味だった泡盛の分野でも1万時間の練習に打ち込んだら面白いことがおきました(笑)。
参考|2万時間の練習を積み上げてわかった|ゼロから効率的に強みを育てる方法
質問を募集しています
「知識は、知識そのものを出したい時には価値はなく、相手が欲する時にのみ高い価値を生む。」
所属するオンラインサロンでこんな学びがありました。なるほどな~と思い、せっかくなら独りよがりの記事ではなく誰かの役に立つ記事を書きたいと思いました。
本記事は会社を辞めてから司法書士になるまでの自己紹介のつもりで書き出したらボリュームが大きくなったので勉強法という視点でまとめたものです。僕の予想に反してなぜか読んでいただいてるみたいで本サイトでもっともアクセスの多い記事です。
もし僕の経験や過去が何かのお役に立てるなら嬉しいので、ご質問をいただければこの記事を更新することで回答したいと思いました。
- 会社を辞めて勉強しているときの生活費はどうしていたんですか?
- ストレス解消法はありましたか?
- 不安で押しつぶされそうになったときのモチベーションの保ち方は?
といった内容に限ります。
間違っても改正でこの問題はどう変わりますか?みたいな質問はやめてください(苦笑)。
そもそも僕が勉強していたのは随分前なので役に立たなくなった知識もあると思いますし、試験が終わったら大半の知識は忘れてしまいました。
司法書士試験を通して身についたことは、本番に集中力のピークを持って行くための準備の仕方や目的を達成するための課題の見つけ方・つぶし方なんだろうと思います。
司法書士試験への取り組み方について書いていますが、表面的な部分ではなく本質を捉えていただければ他の試験や何かを新たにスタートするときに応用できるように思います。