過去から掘り起こしたヒント|あの1年は無駄じゃなかった。
あの1年は無駄じゃなかった。
受かる保証もないのによくやるわ。
仕事もしないで司法書士試験の勉強の毎日をこういう目で見ていた人も多かったと思います。
僕も自覚していたので、合格できなかった年は30代最初の貴重な1年間を無駄にしたと悔やんでいました。
ある人の自分主体の考え方に触れて、常識的にはそうだけどあの1年は無駄じゃなかったし、むしろ充実していた時間だと思えるようになりました。
思い出したくもない失敗
半生を振り返ったときに忘れられないできごとの1つは、会社を辞めて挑戦した司法書士試験に失敗したことです。
たかだか1回の不合格ですが、住宅ローンを抱えていたのに無職で試験勉強に専念しているときだったのできつかったですね。
退路を断って挑戦したところで、合格できなければまったく評価されません。毎日12時間以上勉強だけで頑張ったところで、常識的な価値基準の元ではそんなことはどうでもいいことなんです。
- 成功≫失敗
- 合格≫不合格
- 会社員≫無職
- 受験生≫ニート
不合格という結果が大きすぎて他の面にはまったく意識が向きませんでした。
人生直線で本質を知る
受講したセミナーで人生曲線を描いたり、主宰するセミナーで人生曲線を描いてもらうワークを何度もやってきました。
過去の出来事から衝撃体験を掘り起こすために、できるだけ山や谷のような曲線で描いてくださいと伝えているに、
「自分の人生はずっと幸せです。いつも充実しています。」と、充実度が高い位置に横一本の直線を描いていた人がいました。
とは言っても絶対にいろいろあったでしょう?と勘ぐってしまったのですが、人生曲線は過去のできごとを自分がどう思うかの問題なのでずっと直線というのもあるのかもしれない。
こう思ったことが、自分主体の「主観」についてフォーカスするきっかけになりました。
人生曲線で過去を振り返る
僕が描いた人生曲線は20代半ばに1つのピークありますが、これは希望する会社に入社出来て希望に満ちていた頃です。20代半ばをピークにそこから数年で一気にどん底まで落ちていきます。
人生リセットというのは司法書士試験に挑戦するために会社を辞めたときです。

会社を辞めてからは毎日12時間以上勉強だけの毎日、そして住宅ローンを抱えていたのに不合格です。さらに深く落ちていきそうなものですが、一気に回復しています。
また20代の充実度のピークから谷底に落ちていくときに良い面はなかったのかと言えばそんなことはありません。結婚やマンションを購入するという人生の大きなイベントを経験したのも同時期でした。
人生曲線にプライベートのことがほとんど現れてないことに気づいて、幸福度・充実度の基準が「仕事」だったことを認識します。
会社を辞めて司法書士試験に挑戦したとき、司法書士として独立するときも優先していたのは仕事のことです。
仕事を優先するのは当たり前のことかもしれませんが、突き詰めていくといい年をした大人が仕事をしていないのはおかしいといった常識に縛られていたからだと思います。
いま思うのは当時は仕事というものに対して視野が極端に狭くなっていました。こうじゃないとダメだという偏った思い込みが凄かったです。
遊びや趣味も大切にしてきたつもりが、実際には仕事だけで幸福度・充実度を判断していたことに気がつきます。
だから仕事や収入、成果や成績といった常識的な価値観を一度取っ払って、徹底的に主観で考えてみました。
そうするとこんなキーワードが浮かんできました。
- 集中・夢中
- 本気、情熱
- 挑戦、逆転
いつしか、不合格という事実は何も変わらないのに会社を辞めて司法書士試験に挑戦したことをこう思えるようになりました。
- 人生を変えようと意気込んだわくわくできる挑戦
- 自分で決めた目標に向かって取り組んで充実した時間
他人の価値観で生きていた
自分の頭で考えた価値観を持ち、それを基準に人生を生きる(時間を使う)ことができていますか?
僕はできていませんでした。
いや、少しはできているつもりでしたが、実際は常識や周りの環境に縛られた自分がない価値観しか持っていませんでした。
恥ずかしながら僕は30歳で会社を辞めるときも、司法書士として独立するときも、一般的に良いと言われている方を選んでなんとなく生きてきました。
- 資格を取ればなんとかなる
- 難しい試験に合格できれば人生が好転する
いま思えば、これっていう自分がなかったわけです。
司法書士試験に挑戦するために住宅ローンがあったのに会社を辞めたりと道のりはハードでしたが、どこかふわっとした気持ちのままで人生を歩んできました。
人生の優先順位が決まる
恥ずかしい話ですが。
自分が後悔するか?しないか?というジャッジに、他人や世間がどう思うのかを気にするのはまったく無意味だということにようやく気がつきました。
リスクを冒してまでチャレンジなんてしない方が、安定を望んだ方が、一般的にはベターなんじゃないですか?
挫折ばかりで不安定な毎日よりも安定している方がいいと僕も思っています。
そうなんですけど、脱サラをして司法書士試験に挑戦したことは失敗もしましたが、会社にしがみついてくすぶっているよりは輝いている時間・経験だと思えるようになりました。
こういうものの見方ができるようになったのには、主観で考えることともう1つ理由があります。
それは、何かを成し遂げようとすると時間が掛かるという本質的なことに気づくことができたからです。
1万時間の法則というものを知り、あの1年間は司法書士試験の勉強を1万時間まで積み上げるために必要不可欠な時間だったと自分を納得させることができて僕は救われました。
どんな分野でも1万時間程度継続して練習すれば、その分野のプロになれるという経験則のこと。
1万時間の法則
合格の目安と言われる3,000時間の勉強で合格できる人がいるのは間違いありませんが、それはそういう人もいるということであって、みんながサクサクと合格できたら予備校はつぶれますよね。
司法書士試験を通しての2つの気づきは僕の中では価値観が180度変わるくらいの大発見で、ぼんやりしていた人生の優先順位がはっきりしました。
人生の汚点とも思える失敗も視点を変えると、まるできらきらと輝いている時間のように、まったく違ったものに見えてくるかもしれません。
人生の優先順位や大切にしたい価値観が明確になると、まわりの目や評価はあまり気にならなくなります。だから物事をシンプルに考えられるようになりました。
【人生の優先順位】わくわくできる挑戦をする