「もしものとき」をリアルに疑似体験してみませんか?|衝撃の入棺体験etc
はじめて入棺体験をしたときは「もしものとき」を怖いくらいリアルに想像してしまい、相当焦りました。
死ぬ気になればなんでもできる
そうは言っても日常の中で死をリアルに感じることができることはほとんどないので、数少ない機会が入棺体験なのかもしれません。
元気なときに死を意識することができるメリットは計り知れないので、もし機会があれば一度体験されることをおすすめします。
でも入棺体験はハードルが高い、もう少しソフトなもならやってみたいという方に向けて、もしものときをリアルに疑似体験できるものをご紹介します。
目次【本記事の内容】
入門編なら「映画 エンディングノート」
エンディングノートや人生のエンディングを自分事にするきっかけになる映画です。
ひとりでエンディングノートに向き合うことよりも、エンディングノートをきっかけに、自分のエンディングについて家族とどのぐらい向き合えるかが大切だと痛感した映画です。

「いったい、どこまでカメラを回すの?」と思ってしまうほど、娘である監督がお父さんのエンディングを追い続けた映画です。
主人公である監督のお父さんが、亡くなる数日前に病院で長男と(自分の)葬儀の打合せをしている時に、こんなことを言って家族を笑わせていました。
分かんないことあったら携帯下さい!
このお父さんは「段取り命」で生きてこられたようで、自分の死であっても漏れなく準備をしないと気がすまないという性格。
そして、いかなるときもユーモアを忘れないお父さんのキャラクターがあってこそ、完成することができた作品なんだと思いました。
もちろん、お父さんから家族へ、家族からお父さんへの深い「愛」がなければ、ここまでとことんは撮れないはずです。
家族に囲まれ、あったかい雰囲気で見送ってもらえたお父さんはすごく幸せだと思いました。
1回観るだけでは知り得ない、こんな素敵なエンディングを迎えることができる秘訣を学ぶために何度も観たいと思いました。
ゲームをするように、もしもの時に向き合える「もしバナゲーム」

ゲームを通してもしものときを考える「もしバナゲーム」を知っていますか?もしバナゲームのマイスターの方から直接レクチャーを受けれる特別な機会に誘っていただいたので参加してきました。
もしバナゲームとは?
もしバナゲームについてざっくりと説明すると・・・
重病のときや死の間際に「大事なこと」として人がよく口にする言葉が書いてある35枚のカードを使って、余命宣告を受けた場合を想定して自分が何を大切だと思うかをゲームをするように考えるものです。
やり方はいくつかあるみたいですが、今回はレクリエーションルールを教えてもらいました。
- レクリエーションルール(ヨシダルール)
このルールに沿ってカードを用いることで、自分自身が大切にしていることを考え、それらを言葉にすることで、さらに他のプレイヤーの価値観を聴くことで、各人が新たな気づきを得ることができます。
「もしバナゲーム」iACPのサイト
もしバナゲームをするときの心構え
もしバナゲームをはじめる前に、基本的な心構えや注意事項について説明がありました。
- ゲームの進行をせかさない
- 他人の考えを否定しない
- 知りえた情報について口外しない
ゲームはトランプのように場に並べたカードと手持ちのカードを交換しながら死期が差し迫った状況をイメージして5枚のカードを残します。
選びとった5枚のカードから中でも大事だと思う3枚と、少し優先順位の低い2枚に仕分けます。

- ユーモアを持ち続ける
- 不安がない
- 信頼できる主治医がいる
そしてゲームの最後に、なぜこのカードを選んだのか?そしてゲームを体験しての感想を順番にシェアしていきます。
もしバナゲームの感想
大事だと思い選び取った5枚からさらに3枚を選び取るのがやっぱり難しい。これはそのときの心理状態が現れるのかなと思いました。
1回しかできなかったので表面的な感想になってしまうかもしれませんが、僕が考えるエンディングノートの本質「もしものときに向かってこれからの生き方について自分と向き合うもの」と共通する部分も感じました。
またエンディングノートとは違い「他人に自己開示をしやすい」という印象を持ちました。
- ゲーム感覚で自分の内面と向きあえる
- 自己開示のきっかけになる
馴染みのない言葉だと思いますが、もしバナゲームはアドバンス・ケア・プランニング(ACP)のひとつみたいです。
厚生労働省ではこのアドバンス・ケア・プランニングをよりわかりやすく、馴染みのあるものにするために愛称を募集しているようです。
人生の最終段階において、本人の意思が尊重され、本人が希望する「生を全う」できるよう、年齢を問わず健康な時から、人生の最終段階における医療・ケアについて考える機会を持ち、本人が家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合うことが重要であると考えられます。
このような取組をアドバンス・ケア・プランニング(ACP)と呼び、欧米を中心に取組が普及してきています。
参考:「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の愛称を募集します」厚生労働省のサイト
ゲーム感覚で気軽にやってみたいと思える、もしバナゲームは画期的だなと思いました。またもしバナゲームとエンディングノートのコラボなど新しい可能性を模索してみたくなりました。
「模擬余命宣告」は少々荒療治
参加者の方に「もしものとき」をリアルに感じていただこうとセミナーを企画したことがありました。
長年外科医としてがん治療に携わり、1,000人以上の死に携わってこられた谷口医師とのコラボセミナーで余命宣告ワークと題して、参加者の方に「模擬余命宣告」を受けていただきました。


偶然にも演技派の参加者の方にご協力いただいたおかげでこういった感想をいただきました。参加者のみなさんには「もしものとき」の衝撃体験をしていただくことができたようです。
- 会場の空気が変わった
- 気温が2度下がった
- リアル過ぎて怖い etc
衝撃的だった「入棺体験」
テレビの特番で見たことがあったので、その存在は知っていました。でもなかなか機会もないし、正直なところ少し抵抗もありました。
誰もがいつか経験することだから練習しておいてもいいかなと、誘っていただいた終活セミナーで思いきって体験してみました。
入棺体験の感想は・・・
とにかく狭い。。

肩がきゅっとなります。長さも余裕がありません。
置いてあった棺桶がスタンダードなサイズなのか?本番ではワンサイズ上のものにした方がいいのか?わかりませんが、これに長時間入っているのはかなり厳しいです。
葬儀の生前契約として相談すれば、ぴったりなサイズを見立ててくれるのかもしれませんね。
狭かった話はこの辺にして、蓋が閉められたときの感想など。
本当に体験で良かったー
これに尽きます。
もしもこれが現実なら「ちょっと待った~」と叫んでいたかもしれません。↓こんな感じに。

セミナー会場なのでまわりに人が大勢いてザワザワした雰囲気だったので、比較的ノリで入ることができました。
これがシーンと静まり返った場所だったらかなり抵抗があったと思います。
ちなみにエンディングセミナーの会場においてあった棺桶は2種類。
- 既存のベーシックタイプ
- 新しいバリアフリータイプ
バリアフリータイプはサイドの板を倒すことで車椅子の方でも無理なく最期のお別れができるようにと開発されたものです。

入棺体験は本気でおすすめします。
エンディングノートは「もしも明日」を意識して書くことをおすすめします。
例えば、意識不明になって介護が必要になったらどうする?これを考えるときに
- 10年後
- 3年後
- 1年後
一生懸命イメージしようと思っても難しいと思います。どれも先のこと過ぎるからです。
これが「もしも明日」ならイメージしやすいし、年齢とはあまり関係がないからです。
「もしも明日」がどうしてもイメージできなければ、棺桶に入ってみる。これ以上の疑似体験はないと思います。
もし機会があれば是非、なければ機会を作ってでも一度入ってみることをおすすめします!
旅をテーマに入棺体験ができるセミナーを開催しました。
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