書きにくいからこそ医療と介護のページから書く

エンディングノートの書き方のポイント

エンディングノートは全部のページを書こうとすると、まず書けません。

人生の締めくくりにと意気込むと書いておきたいことが多くなるのは仕方がありませんが、はじめに書いておくべきはこの2つです。

  • 医療の希望
  • 介護の希望

エンディングノートは書く項目が多いので、全体像を目の当たりにしてこんなにあるんだと引いてしまって、氏名・住所、生年月日あたりで止まってしまう人が多いようです(苦笑)

だからこそ、もしものときに家族が最も知りたい、かつ本人にしかわからないこの2つから書き始めてください。中でも胃ろうをして欲しいかといった延命治療の希望から書き始めるのがおすすめです。

もしものときに家族が困らないようにエンディングノートを書いておきたいなら、むしろこの2つだけでも十分に役に立つはずです。書いていないことで家族の負担が大きくなる項目から書き始めましょう。

目次【本記事の内容】

書き始めるのは延命治療の希望から

エンディングノートセミナーで聞いてみると、延命治療はしたくないという方がほとんどのようです。

中にはこう打ち明けてくださった参加者の方がいました。

私は自分で意思表示をすることができなくなったときに備えてエンディングノートをはじめ、いくつかの方法で延命治療を望まないという意思表示を準備しています。

それでも「必要なことはするつもりだ」と子供から言われました。

この方の残念な気持ちを理解する一方で、親には1分でも1秒でも長生きして欲しいというお子さんの想いもよくわかります。でも親に長生きして欲しいという願いこそが、本人の望まない延命治療を家族が選択してしまう理由かもしれませんね。

現実には胃ろうをする・胃ろうをしない、どちらを選んでも本当にこれで良かったのか?と思い悩んでしまう方がほとんどだろうと思います。

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家族の負担をできるだけ少なくしたいなら、エンディングノートはもしものときに家族が必要な情報から書き始めるべきです。優先順位としては医療や介護のページ、その中でも胃ろうをして欲しいのか?といった延命治療の希望から書き始めることをおすすめします。

「告知・延命治療」を書くときのポイント

意思表示は明確に

エンディングノートを書くのも佳境に入りました。う~ん、う~んと悩むばっかりで全然書けません。

  • 告知
  • 延命処置
  • 臓器提供や献体

といった内容が続くので、真剣に向き合えば向き合うほど書くのに時間がかかります。

僕は告知・余命宣告はしてほしいです。理由は限られた時間でやりたいこと・やらなければいけないことがたくさんあるからです。

ただし、例えば80代で仕事をリタイヤしてのんびり暮らしているという状況でエンディングノートを書くとしたら、それほど周りに迷惑をかけることもないかなと思うので、はっきりしたことは言わないで欲しいと思ったりもします。

自分勝手かもしれませんが。。

親の延命処置をするかしないかで、子供達が病室で揉めてしまったという話を聞いたことがあります。病室で揉めるようでは、亡くなった後の相続手続きを円満に進めることができるか不安が募りますよね。

延命処置についての自分の希望をはっきりと伝えておけば、ご家族が揉めずに済んだかもしれません。揉める火種を作らないように特に延命処置については自分の意思は明確にしておきたいですね。

最低限の言葉の意味を理解してから書く

一度書いても気持ちが変われば何度でもエンディングノートの内容を書き直すことができます。ただし、前提となる最低限の知識がないままにエンディングノートを書いているとしたら、それは自分の意思を正しく表示したことにはなりません。

エンディングノートの「医療」のページには「延命治療」「尊厳死」「リビングウイル」など馴染みのない単語が沢山出てきますが、なんとなく言葉のイメージだけで記入してしまっていませんか?

リビングウイルとは?|意味を理解して書いていますか?

基本的な言葉の意味を理解せず最低限の知識もないままに、エンディングノートを書いたとしても自分の意思を正しく表示したことにはなりません。

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胃ろうをしても結果が変わらないなら

終末期に胃ろうを選択するかしないかの意思表示は大切です。自分で判断ができない状況になれば、胃ろうをするかしないかの判断を家族がしなくてはいけません。

終末期の胃ろうをめぐっては賛否ありますが、胃ろうを選択した祖母と選択しなかった祖父を身近でみて感じたのはどちらを選択しても家族に判断を委ねるのは酷だということです。


高齢や認知症などで口から食べられなくなると、このままでは長く持たないからということで、胃ろうをするか?しないか?家族が選択を迫られることがあります。

  • 食べないから死が早まるのか?
  • それとも死期が近づいているから食べなくなるのか?

この疑問を取り上げたNHKスペシャルの「老衰死」の特集は、考えさせられる内容でした。

アメリカの老年医学会が重度の認知症の患者には、胃ろうなどの経管栄養は適切ではないという指針を表明しました。理由は重度の認知症になると経管栄養によるいずれの効果もないという調査結果が示されからです。

追跡調査で経管栄養をしても・しなくても死亡率に違いはなく、生存期間などに影響がないということが分かったようです。

  • 生存期間の延長
  • 栄養状態の改善
  • 感染症などの予防

ということは、胃ろうをするかどうかを考えるときは「終末期」「終末期以外」で明確に分けて考えなければいけないということになります。

もし、自ら意思表示ができなくなった時に胃ろうをしたとしても生存期間に影響がないことが周知されれば、本人の希望を優先して家族がその通りに対応するだけという非常にシンプルな問題になるように思いますが、いかがでしょうか?

そうなると元気なうちに家族に延命治療に対する想いを伝えておくことが、ますます重要になります。だからこそ、エンディングノートはもしもの時に家族の不安や負担を少しでも軽くできるようにという想いで書くのがいいと思います。

「健康管理」を書くときのポイント

健康管理のページにはこういうことを書いておきます。

  • アレルギーについて
  • かかりつけの病院
  • 持病や常用している薬 etc

独り暮らしなどでアレルギーや持病のことを把握している方が周りにいなければこのページは必須でしょう。コクヨのエンディングノートのサブタイトルはもしもの時に役立つノートなので。

僕は去年引越したので、新しくかかりつけになった病院を書いておきました。

おくすり手帳って病院(薬局)に行くときに持って行きますか?そもそも持ってますか?僕は持っているはずだけど、どこにあるのか・・・

おくすり手帳を活用されている方は、手帳を見れば処方された薬の内容がわかるので、おくすり手帳の保管場所を書いておくか、エンディングノートと一緒に保管しておいてもいいかもしれません。

それから。

どこにしまったっけ?ということになりがちなので、診察券も頻繁に使わなければエンディングノートと一緒にしておくのもいいかもしれません。くどいようですが、もしもの時に役立つノートなので。

定期的に送られてくる医療費通知は病院の受診歴が一目でわかるので、エンディングノートと一緒に保管しておいても良さそうですね。

そこまでするのは邪魔くさいと思ったかもしれませんが、もしもの時に役に立たないエンディングノートじゃ意味がないわけで。せっかく書いたエンディングノートを無駄にしないためには工夫が必要です。それには救急医療情報キットの仕組みや保管場所はとても参考になります。

エンディングノートの保管場所はどこがいい?

エンディングノートは、もしもの時にすぐに取り出して家族が中身を確認できるようにしておかないと意味がありません。だから書いていることをきちんと家族に伝えておくこと、いざという時にすぐにわかる場所に保管しておく必要があります。

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そうそう。健康管理について書いておくページなら、泡盛が大好物の僕の場合は、飲み過ぎない!と戒めを込めてでっかい字で書いておかないといけないですね(苦笑)

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