泡盛ブログ

泡盛の工場見学|おすすめの酒造所7選 【島酒ツーリズム】

沖縄には魅力的な観光地が沢山ありますが、リピーターやお酒好きにおすすめしたいのが泡盛の酒造所見学です。僕は泡盛の酒造所見学にハマってこれまで46箇所を訪ねました。

泡盛の工場見学にハマった泡盛マイスターが是非見学して欲しいおすすめの酒造所や工場見学を楽しむポイントを紹介します。

目次

泡盛の工場見学|おすすめの酒造所7選

  • ①津嘉山酒造所|見学可 A
  • ②米島酒造|見学可 A
  • ③山川酒造|要予約 A
  • ④ヘリオス酒造|要予約 B
  • ⑤高嶺酒造所|見学可 B
  • ⑥請福酒造|見学可 B
  • ⑦忠孝酒造|要予約 C

かな~り悩みましたが心を鬼にして7つに絞りました。おすすめしたい理由は3種類あります。

  • A ゆっくり見せてもらえる 【泡盛マニア向け】
  • B 見学しやすいように設備・体制が整っている 【見学入門編】
  • C アクセスしやすい 【旅行の隙間時間に】

見学可、要予約の情報は島酒ツーリズムのパンフレットを参考にしました。Aについてはお邪魔したタイミングが良かったというのはあると思いますが、僕が泡盛マイスターだからゆっくり見せてもらえたということはないと思います。

島酒ツーリズムのパンフレット

①津嘉山酒造所見学レポート

津嘉山酒造所さんは2006年に登録有形文化財に、2009年に国の重要文化財に指定されました。國華、香仙をはじめとする津嘉山酒造所の泡盛は国の重要文化財で造られている希少なお酒ということになります。

何回も見学のアポを取っていましたが修復工事のためタイミングが合わず、数年越しで見学することができました。修復工事は2011年からはじまり見学時の2017年7月は主屋の工事が行われていました。お邪魔したときに修復工事中だった酒造所はもちろんはじめてです。

津嘉山酒造所の保存修理事業の様子

2018年7月に泡友さんから保存修理事業のパンフレットをいただきました。主屋の修復工事が完成したら主屋の工場部分で泡盛造りをすると伺ったので住居部分は宿泊施設にしたら面白そうですよね。単に僕が酒造所に泊まってみたいだけですけど、思わず妄想してしまいました。修復工事が完了したようなのでまたお邪魔したいです。

津嘉山酒造所の保存修理事業のパンフレット

修復工事はいよいよ大詰め

工事中だからこそ見ることができたものや見所がたくさんありました。これもそうです!元の場所に戻せるように番号を書いた板。こうやって一枚一枚丁寧にどこでどう使われていた板かがわかるようにしながらバラしていって、使えるものはまた使うんだそうです。

元の場所に戻せるように番号を書いた板

こちらが修復工事中の主屋です。葺きたての赤瓦の屋根ってすごく綺麗ですね。はじめて知りましたが、文化財の修復工事は建物全体を覆ってするんですね。確かにこれなら天候に左右されずに工事を進めることができますね。

修復工事中の主屋@津嘉山酒造所

この主屋は泡盛造りをする工場部分と住居部分が一体化した1つの建物です。「建物と建物をつないでいる」と酒造所の方は仰ってました。この画像の手前が工場で奥が住居といっても、どこまでが工場なのかなんてわかりませんよね?

工場部分と住居部分がつながっている箇所

でも、あるものを見れば工場と住居の境目を簡単に見つけることができるんです。この瓦(丸い部分です)をよく見てください!模様のある瓦とない瓦がありますよね?

模様のある瓦とない瓦@津嘉山酒造所

瓦の模様のあり・なしで工場と住居の境目を見つけることができます。もちろん模様がある方が住居です。平たく言えば、工場の方は簡素な造りということになります。

なかなかお目にかかれない屋根を葺いていく様子も間近で見ることができました。まずは葺く前の屋根の姿から。

葺く前の屋根@津嘉山酒造所

この2種類の瓦を使って屋根を葺いていきます。手前が雌瓦(めすがわら)で奥が雄瓦(おすがわら)というそうです。

雌瓦(手前)と雄瓦(奥)

雌瓦と雌瓦の間に雄瓦を積んでいきます。瓦の継ぎ目は漆喰で塗り固めるため耐震・耐風性に優れています。

瓦の継ぎ目

ずらっーと連続して並べるとこんな感じに屋根が葺きあがってきます。こんなに密に重なっている雌瓦を見ると台風の雨や風の侵入に強いのも頷けますよね。

葺きあがっていく屋根@津嘉山酒造所

という感じに屋根の話を長々と書いてきましたが、屋根に特別興味があったのかといわれると答えはノーです。やっぱり興味があるのは泡盛造りなので酒造所の屋根じゃなければこんなに喰いつかなかったでしょうね(苦笑)。

お待たせしました。ここからが本題です。

工事中も泡盛を造っています

大規模な修復工事なので工事中は泡盛造りを休んでいるの?と思ってしまいそうですが、そんなことはありません。

工事中も休まずに造られている津嘉山酒造所の泡盛造りの様子を見ていきましょう!まずは洗米から。この回転式ドラムは修復工事中の主屋とは別の建物にありました。

回転式ドラム@津嘉山酒造所

回転式ドラムの隣にあるこちらの麹棚で麹が作られています。

麹棚@津嘉山酒造所

またそんなところを気にして~!って感じですが(苦笑)、蒸した米は回転式ドラムから麹棚へこのざるで運んでいるそうです。

蒸し米を運ぶざる

1回に仕込む量は700kgと伺った記憶があります。忠孝酒造さんの泡盛造り体験で運んだことがある蒸し米(60kg)の量から想像するとその大変さがよくわかります。

こちらがもろみタンクとタンクの中で発酵中のもろみです。

そして、もろみはこちらの蒸留機へ運ばれて蒸留されるのですが、なんとこの蒸留機は現在修復工事中の主屋の中にあるんですよ!!蒸留機がある辺りの屋根にはこんな煙突が突き出ています。

蒸留機のまわりを見渡すと修復工事に関係するものがところ構わずに置いてあって、本当にここで泡盛を蒸留しているの?って思ってしまうほどでした。

ちなみに、このはしごを積んでいるところの下が工場の流し部分で、その左隣には住居のかまどがありました。修復工事中の現在は流しとかまどの間に仕切りなどはありませんでしたが、以前はどうだったのか?聞きそびれました。

泡盛造りの工程に沿って津嘉山酒造所の泡盛造りの様子を見てきましたが、蒸留された泡盛はこのタンクや甕で全国の泡盛ファンの元へ旅立つのを待つことになります。

貯蔵タンク@津嘉山酒造所

昔は甕の上のダンボールが積んであるこの板の上で麹作りをしていたとか、興味深いですね。

甕@津嘉山酒造所

これは地下の貯蔵タンクです。残念ながら現在は使われていませんが中はタイル張りなんだそうです。

地下の貯蔵タンク@津嘉山酒造所

代表銘柄である國華は市場に出回る量が少ない珍しい泡盛というイメージを持っていました。今回はじめて工場を拝見して瓶詰めやラベル貼りの道具を目の当たりにすると、出回る量が少ないのも納得できました。従業員お二人で手作業で泡盛造りをされているようです。

最後は工場を案内していただいた工場長のKさんと記念撮影。

工場長のKさんと記念撮影

僕が持っているのは「六諭」という酒造所でしか購入することができない泡盛です。限定泡盛を買えるのも酒造所見学の醍醐味ですよね。

工場を拝見して津嘉山酒造所さんの泡盛から手のぬくもりが伝わってくるようでした。クラフトなお酒が話題ですが、津嘉山酒造所さんのお酒は間違いなくクラフトです。これまで以上に大切に味わって飲みたいと思いました。Kさん丁寧に説明していただきましてありがとうございました。訪問日:2017年7月4日

津嘉山酒造所の主な泡盛

  • 國華
  • 香仙
  • 六諭 etc

國華

泡盛マイスターの先輩のお店の國華のきき酒会のときの写真です。こうしてみるとバリエーションがありますよね。

香仙(こうせん)

沖縄工業高等専門学校(高専)の学生さんが津嘉山酒造所で造った泡盛なので、香仙(こうせん)と名付けられた泡盛。何度も飲んでいるはずなのに撮り取り忘れているので、工場見学のときに撮った香仙です。

香仙@津嘉山酒造所

六諭(ろくゆ)

六諭(ろくゆ)の売上の一部は建物の修繕費に活用されています。六諭(カメ24号)と鮒寿司のいい(発酵したご飯)の酸味がクセになります。六諭との相性はいいんだけどいいを入れ過ぎたかも、酸っぱい。。

六諭@津嘉山酒造所と鮒寿司茶漬け

②米島酒造見学レポート

酒造所見学ツアー第8弾と題した、はじめての久米島旅行をずっと前から楽しみにしていました。もちろんメインは久米島にある2つの酒造所見学だったのですが、予約の電話をすると久米島の久米仙さんは、まさかの見学NGになっていました。

理由は衛生上の面からということなのでしょうがないですよね。別に見せるために泡盛を造っているわけじゃないですから。久米島のもうひとつの酒造所、米島酒造さんには無事に見学の予約をすることができて久米島行きを心待ちにしていたのですが・・・。

「酒造会社の屋根吹き飛ぶ」NHKニュース

最大瞬間風速59.7メートルを観測した猛烈な台風18号の影響で久米島では屋根瓦が飛んだり、窓ガラスが割れたりといった被害が相次いだということでしたが、米島酒造さんも工場の屋根に被害を受けたということをfacebookの投稿で知りました。

ネットニュースはリンク先がエラーになっていて詳細がわからずじまいでしたが、酒造所の方と親しい友人から教えてもらった米島酒造さんの情報をまとめると

  • 壊滅的な被害で2ヶ月は営業できない
  • 酒造所の半分以上の屋根が飛んでしまった
  • 屋根がないのでとにかく酒造所の泡盛の在庫を減らしたい

という深刻な状況ということがわかり、これは見学どころじゃないないし、そもそも久米島行きもとりやめた方がいいのかなと思ったりもしました。

その後も情報を集めていると久米島への旅行を自粛する必要はなさそうなことがわかったので、むしろこのタイミングで久米島行きを予定していたのも何かの縁と考えて、泡盛ファンとして少しでも米島酒造さんの力になれることはないだろうかと考えるようになりました。

片付けでも何でもお手伝いしたいという思いはありましたが、状況がわからない。

屋根がないのでとにかく工場にある泡盛の在庫を減らしたいということなら、少しでも在庫を減らすお手伝いができないかと思い米島酒造さんにある在庫の泡盛を買ってこようと泡盛の購入希望者を募ることを思いつきました。

でも米島酒造さんの様子がわからないし在庫の状況も見当がつかないので、賛同いただける方には購入するのは四合瓶なのか一升瓶なのか?を選んでもらってあとは状況次第で僕に任せてもらうという条件で予算を決めてもらいました。

「ラベルが汚れていても構わないしむしろそういう商品を引き取りたい」、「先方が減らしたいものを買ってきて欲しい」といった要望もあって関西の泡盛ファンの熱い想いと優しさを感じました。飲食店をされている泡盛マイスターの先輩がお店のお客さんにも声をかけてくれたりと、最終的にかなりの数になった注文を手に久米島に出発したのでした。

最大瞬間風速59.7Mの凄まじさ

電柱が倒れる被害もあったようですが、台風18号の直撃から10日ほど経っていたので目立った爪痕をさほど感じることはありませんでしたが、こうして港の近くの公園の樹木が根っこからなぎ倒されている様子を見ると最大瞬間風速59.7メートルの凄まじさを感じずにはいられませんでした。

根っこからなぎ倒された樹木@久米島

地図を見るとお昼を食べたお店のすぐ近くにあるとわかったので、予約していたのは翌日でしたがレンタカーを置いて米島酒造さんの工場を探すために歩いているとすぐにわかりました。

沖縄は風景にとけこんでいる酒造所が多く、工場見学でお邪魔するときにすぐに見つけられないことが多いのですが、遠目にも目立つ痛々しいブルーシートで簡単に米島酒造さんを見つけることができました。

台風18号の被害を受けた米島酒造

泡盛造りを再開されていました!!

台風18号の直撃で商品・貯蔵タンク・ダンボールなどの資材を置いていた建物の屋根が被害を受けたそうですが、幸いにも貯蔵タンクの蓋には被害がなかったそうです。もしもタンクの蓋がとばされていれば中に貯蔵されていた泡盛はダメになっていたかもしれません。

屋根は写真のようにブルーシートで応急処置をされていました。年内には修復工事を完成させたいとのことでしたが、台風の被害で工事業者も手が一杯みたいなので修復するよりも前に次の台風が来ないかと心配されていました。

ブルーシートで応急処置がされた米島酒造の屋根

商品を保管する場所をなんとか確保することができたようで泡盛造りを再開されていました。ただし、保管場所を探そうにも製造免許の関係で登録している場所から勝手に変えてはいけないようで大変だったみたいです。

発酵中のもろみ@米島酒造

ステンレスタンク、甕で貯蔵している泡盛に被害はなかったようです。再開したとはいえスペースに余裕がないので発送する分をその都度瓶詰めしたりと不便な中で泡盛造りをされているような印象を受けました。台風の前のような状態に戻るのは時間がかかりそうです。

酒造所の片隅には驚くほど充実したオリジナルiPhoneケースのコーナーがありました。幸か不幸か自分の6s Plus用がなかったので諦めましたが、かなり触手は動きました。改めて写真をみているとそれらしいサイズがあるようなにも見える。気のせいかな?

iPhoneケースコーナー@米島酒造

はじめてお会いした田場社長は泡盛好きのみなさんから伺っていた通りの方でした。お話ししていると泡盛を造ることが幸せという田場社長の思いがズンとこちらにも伝わってきました。

田場社長と@米島酒造

深さの違う2つの麹棚を使って麹造りをされているお話をはじめ、2008年から造っている限定酒にかける思いなど興味深く伺いました。

限定酒は完成したお酒の味わいから浮ぶイメージを元にボトルの色を決めているそうです。2016年のものは深いブルーからグリーンに変わるグラデーション。どんな味わいなのか気になりますよね。

2016年の限定酒@米島酒造

大変な状況にも関わらず社長自ら工場の中を案内してくださったのが、本当に申し訳なくもあり、ありがたくもありました。あまり長居するのはご迷惑になると思い早々に米島酒造さんを後にしました。田場社長をはじめ米島酒造のみなさんありがとうございました。また改めてお邪魔します。訪問日:2016年10月18日

ご報告

米島酒造さんにある在庫を少しでも減らすお手伝いができればと思いfacebookを中心に協力者を募りました。想像を超える沢山の方に賛同いただき、四合瓶110本、一升瓶18本を米島酒造さんの工場にある在庫から購入し関西の泡盛マイスターを中心とした泡盛ファンの方に送ることができました。

みなさんから受け取った自分にできるとがあれば米島酒造さんのために何かしたいという思いは僕が代表して田場社長にお伝えしてきました。賛同いただいた方にはこの場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

大部分の方へは直接送ることができたので結局僕のところへ送ってもらったのはごく一部でした。もしも四合瓶110本が事務所に届いたら保管場所に困るところでした。僕達には泡盛を飲んで応援することしかできませんが、米島酒造さんが一日も早く以前のような状況に戻られることをお祈りしています。

米島酒造の主な泡盛

  • 久米島
  • 美ら蛍
  • 米島
  • 星の灯 etc
米島酒造の泡盛

③山川酒造見学レポート

1名で予約していたにも関わらず当日は事情があって家族7人で押し掛けてしまいましたが、それでも快く対応して頂きました。ありがとうございました。見学に巻き込まれた家族もはじめての泡盛の酒造所見学にまんざらでもなかったというか、かなり興味深々のようでした。

僕じゃなく父親が質問をしたりと予想外に盛り上がりました。僕1人なら当たり前と流してしまって聞かなかった内容があったかもしれません。家族も楽しそうだったので思い出に残る酒造所見学の1つになりました。

そして山川酒造さんといえば古酒。しかも100パーセント古酒にこだわっています。中でも限定秘蔵酒「かねやま」は15年を超える古酒だけが、「かねやま」の名を冠することができるそう。まだ飲んだことはありませんがいつの日かのお楽しみにとっておきます。

いざ古酒造りの現場へ潜入

こちらが原料のタイ米です。

原料のタイ米@山川酒造

ちょうど稼働中だった回転式ドラム。稼働しているのを見るのは初めてかも?

洗米中でバッシャーンとすごい勢いで水が出てきました。この滝に打たれたい!と思う僕はやはり泡盛バカでしょうか???

回転式ドラム@山川酒造

これは製麹に使う三角棚です。この棚で寝たい!と切望する僕はかなりの泡盛バカでしょうか???苦笑

三角棚@山川酒造

山川酒造の黒麹菌は沖縄の石川種麹店と豊橋市のビオックの黒麹菌のブレンドで、ビオックの黒麹菌の方が強いという話を伺いました。こういう生の情報は泡盛好きにはたまりません!

蒸留の時を静かに待つもろみタンク。

もろみタンク@山川酒造

これは縦型の蒸留機ですね。

縦型の蒸留機@山川酒造

蒸留した泡盛を一時的に貯蔵しておくタンクがこちら。ふぁっ~とお酒の香りが漂います。

あ~この中で泳ぎたい!!!←バカです

貯蔵タンク@山川酒造

こちらはステンレスタンク。H4年というのは平成4年ですが、タンクの登録をしたのが平成4年ということで中身の泡盛が造られた年ではないようです。ちなみにこのタンクを空の状態から泡盛でいっぱいにするには三ヶ月ほどかかります。

ステンレスタンクのお次は甕。甕貯蔵では10年間熟成させるそうですが、右手前に見える甕にはS42の文字が!これも甕を登録した年なのかもしれませんが、もしかすると46年物のスーパー古酒が入っていたりして!?

甕で貯蔵された泡盛@山川酒造

これを見てください!!

古酒オーナー蔵舞@山川酒造

一升瓶や甕を個別に保管してくれるサービスはありますが、タンクで保管してくれる酒造所は他にはなかったと思います。古酒オーナー蔵舞(クラブ)に申し込むと5年間このタンクで熟成させて、5年後に一升瓶で送ってもらえるそうです(最大1人6本分まで)。

もしタンク1本を丸ごと買えるなら泡盛好きにとって至極の大人買いなのかもしれませんね!

泡盛クイズ|これは何でしょう?

泡盛クイズAの答えは、蒸留前のもろみを濾過したものです。もろみはグレーっぽい色味のイメージがあったので黄色が強く意外でした。

泡盛クイズBの答えは、蒸留後の泡盛から余分な油分を取り除くための手作りの濾過器(濾紙+漏斗?)です。もちろん作業は手作業だそう。手間暇を惜しまないこういった工程から古酒造りに適した泡盛が生まれるというわけなんですね。

古酒に懸ける山川酒造さんの泡盛造りの現場を垣間見ることができました。山川酒造様 お忙しい中、丁寧に説明して頂きましてありがとうございました。訪問日:2013年11月11日

山川酒造の主な泡盛

  • 珊瑚礁
  • さくらいちばん
  • かねやま etc

珊瑚礁

珊瑚礁5年古酒35度@山川酒造
かねやま@山川酒造売店

④ヘリオス酒造見学レポート

ヘリオス酒造さんはこれまで見学した酒造所の中で大きな規模に入るのは間違いなさそうです。小さな蔵には小さいなりのいい所があると思うし、大きい蔵には大きいなりのいい所があると思います。

泡盛の酒造所を見学する時は頭をぶつけないか?つまづかないか?と頭や足元を気にしながらということが多いのですが、ヘリオス酒造さんは見学者を案内することを前提に工場が造られているのでは?と思ってしまうほど理路整然とした見学のしやすい工場でした。

圧巻の樫樽の量

こちらの蔵(二の蔵)に貯蔵されていた「くら」の樫ダルは、いったいいくつあるんだろう?と思うほどの圧巻の量でした。そこで見た酒造所紹介の映像も素晴らしく、今すぐ「くら」が飲みたい~って気分になりました!

ヘリオス酒造

でも撮影禁止だったので樫樽の画像はありません。

工場の中で見学できたのはもろみタンクと蒸留機だけというのはブログを書いている身としてはつらいかな。。工場の全貌はこの模型を参考にしてくださいね。撮影に失敗しました。見にくくてすみません。

第二工場の模型@ヘリオス酒造

左手に見えるあのタンクで沖縄県酒造協同組合まで泡盛を運んでいるんでしょうか?

第二工場@ヘリオス酒造

見学後に試飲タイムがありましたが、この日は一人でレンタカーで動いていたのでぐっと我慢。同じ時間帯に観光バスで見学に来ていた団体さんを羨望の眼差しで見過ぎてしまった気がして(苦笑)、この日2食目のタコライスを金武で食べるべく早々に退散しました。

沖縄本島の酒造所巡りをしていた頃はタコライスにハマっていて金武に通っていました。それこそ、早めの昼食と夕飯がタコライスなんていうタコライスのはしごもしたことがありますが、身体が付いていかなくて最近は止めています。年のせいですかね。。

沖縄本島の移動はレンタカーが便利ですが、酒造所見学に行くのにひとりでレンタカーで行くというのはナンセンスの極みかもしれませんね。

でも直前に伺った金武酒造さんでの滞在時間を読み違えてヘリオス酒造さんには見学開始の2時間も前に着いてしまったのですが、酒造所の方に教えてもらい近くの道の駅「許田」を堪能できたのはやっぱりレンタカーで動いていたからこそ。道の駅ではハブアタックやタコライスなどブログのネタをいくつか仕入れることができました。

次回はハンドルを握らずにお邪魔するのでその節はどうぞよろしくお願いします。訪問日:2012年11月3日

ヘリオス酒造の主な泡盛

  • くら
  • 琉球美人
  • 轟 etc
くら・ヘリオス酒造(左)@泡盛テイスティングの勉強会

⑤高嶺酒造見学レポート

川平湾に向かう家族と別れてひとりで向かった先は高嶺酒造所さん。石垣島の酒造所見学ツアーの1蔵目ということで意気込んで中に入ると、そこにははじめての光景が。

僕が居るこちら側と工場の間には・・・大きなガラスの壁

大きなガラスの壁@高嶺酒造所

これはあまり見学には向かないスタイルじゃないかとテンションが下がりかけましたが、なんのなんの初めて見るものが多くてかなり楽しめました!!

むしろ酒造所の方に負担を掛けずに好きなだけ見学できる(常識の範囲でですよ!)、泡盛ファンにはたまらない工場見学の形かもしれません。さっそく行ってみましょう!

直火式蒸留機に大興奮

正面奥に見えるのが蒸し器です。泡盛の酒造所では回転式ドラムが主流なので蒸し器はなかなかお目にかかれません。忠孝酒造さんの手造り泡盛工場の蒸し器ともまた雰囲気が違いますね。

蒸し器@高嶺酒造所

見学中に酒造所の方が麹棚の清掃をされていました。ブラシで洗っている様子はプール掃除を連想してしまいます。洗剤(洗濯用?)を使って念入りにされていたので工場に付いている黒麹菌まで洗い流すことになるのでは?と疑問をぶつけてみたら、黒麹菌以外の菌を洗い流すことを優先していますということでした。なるほどです。

こちらではもろみが鋭意、発酵中でした。

発酵中のもろみ@高嶺酒造所

反射してしまってこの画像ではわかりにくいかもしれませんが直火式地釜蒸留機の地釜が2つ並んでいます。奥の釜がちょうど蒸留をしているところでした。

直火式地釜蒸留機@高嶺酒造所

気がつくと手前の釜にもモロミが入れられました。モロミがものすごい勢いで流れて込んできます。あまりの勢いの良さに溢れないのか?と僕が思わず焦ってしまいました。

そうこうしているうちに手前の釜に火が入りました。直火というだけあって火力がすごいです!原料はA重油を使っているそう。

釜に火が入りました@高嶺酒造所

蒸留釜(上部)や立ち上がりを奥の釜から手前の釜に移動させるところが見たくて粘ってみましたが、次の酒造所に向かう時間が来たので残念ながらここでタイムアップ。。

こちらが原料のタイ米。高嶺酒造所では砕米ではなく丸米が使われていました。 

原料米@高嶺酒造所

高嶺酒造所の前には井戸(の名残)がありました。昔はこの水が泡盛造りに使われていたんでしょうか?

井戸@高嶺酒造所

高嶺酒造所様 お忙しい中、丁寧に説明して頂きましてありがとうございました。訪問日:2015年6月6日

高嶺酒造所の主な泡盛

  • 於茂登(おもと)
  • 於茂登 炎
  • かびら
  • 黒真珠のふるさと etc

於茂登 炎(おもと ほむら)は宝酒造が販売元の沖縄県外限定の銘柄です。

於茂登「炎」@高嶺酒造所

⑥請福酒造見学レポート

請福酒造さんは2011年に新川から石垣空港の近くの宮良に移転しています。建物が新しいのも関係していると思いますが、シンプルでとても整然とした印象を受けました。この工場(生産ライン)で沢山の個性が光る銘柄が造られていると思うとちょっと意外な感じもします。

酒造所の場所はど派手なトラックが止まっていて遠目からもすぐにわかりました。

カッコいい!ど派手なトラック@請福酒造

そして、ずっと楽しみにしていたのが敷地内にある完全手造りの漢那蒸留所の見学でした。

直火泡盛は伊達じゃない。

奥の方に見えるのが蒸留機です。

奥に見える蒸留機@請福酒造

近づくと燃え盛る炎が良くみえます。燃え盛る直火が眩しくて、まさに直火泡盛 請福たる所以を身近に感じることができました!

直釜式の蒸留機@請福酒造

こちらはずらっーと並んだタンク群。

このタンクはトラックで使う運搬用でしょうか?

運搬用のタンク?@請福酒造

泡盛クイズ|これは何でしょう?

これはなんでしょう?

泡盛クイズ@請福酒造

ヒントはこの隙間から中を覗いて撮影した画像です。どこかわかりますか??

泡盛クイズ@請福酒造

正解は・・・麹棚です。最初の画像は麹棚の中というわけ。それにしてもな~が~い麹棚です。

長すぎる麹棚@請福酒造

こんなにも長~い麹棚を見るのは、はじめてです!素人考えですがこの長さだと逆に作業が大変じゃないのかな?と思ってしまいました。

作業中の酒造所の方と比較するとわかり易いと思いますが、回転式ドラムもかなりの大きさです。 

回転式ドラム@請福酒造

見学は酒造所の方に連れられて10~20名が一緒に工場内を見学するスタイルでした。当時は見学者に海外からの旅行者も多かったと記憶しています。

完全手作りに頭が下がる|漢那蒸留所

残念ながら漢那蒸留所を見学することは叶いませんでしたが、請福酒造売店で流れていた動画で漢那酒造所の泡盛造りの様子を垣間見ることができました。注)工場が移転したので現在は敷地内に漢那蒸留所はありません

漢那蒸留所の映像@請福酒造

これまで30以上の泡盛の酒造所を訪問してきて機械による泡盛造りのイメージがすっかり定着しているので、女将が一人、泡盛を手造りしているというのはどんな感じなんだろうという興味がありました。映像を見てびっくり!何から何まで手造りでした!

製麹(麹造り)は機械を使わずに温度管理をするので寝ずの番だし。 

寝ずの番で麹造り

泡盛の酒造所で見かける三角棚はありません。小さな麹箱を使っているので、1つ1つの箱毎に気を使う必要があります。画面左上に出ている時刻は、夜中の2時10分・・・。麹造りに2日掛かるとして、たった1人でやるということは丸2日徹夜なんでしょうね。

小さな麹箱@漢那蒸留所

仕込む量が少ないとはいえ、仕込みに甕を使っているので1つの甕で捌けなければいくつもの甕を同時に見ないといけない。ひぇーこれは相当大変だー!  

甕仕込み@漢那蒸留所
  • 麹造り
  • 仕込み

この2つの工程だけでも相当大変な作業だと感じました。だから漢那蒸留所で造られた泡盛が売っているのに買わないで帰るなんてことはできませんでした。←という言い訳(笑)。

漢那酒造所の量り売りの泡盛

泡盛はこの甕から量り売りでした。何から何まで手作業なのでもちろん瓶詰めも手作業。

量り売り用の泡盛が入った甕

石垣島の海の色をイメージする綺麗なブルーの瓶に入れてもらいました。柄杓は升に木の棒が付いたような形であまり見たことがないタイプ(瓶は別売りです)。

甕から泡盛を取り出す様子

瓶に栓をする工程を体験させてもらいました。10本くらいなら楽しい作業ですが、これが何百本にもなると大変です。やっぱり完全手造りには頭が下がります。   

瓶に蓋を付ける体験@請福酒造

「記念に何かひと言を書いてください、これが泡盛のラベルになります」と薄い茶色の紙を手渡されたので、迷わず書いたのが泡盛でカリー!

お土産に買った漢那酒造所の泡盛

実に汚い字でお恥ずかしい限りです。そして泡盛でカリー!が全部写っていないのでもう少し文字を詰めて書けば良かったですね。ラベルの出来栄えはさておき思い出に残る泡盛をゲットすることができました。請福酒造様 お忙しい中、丁寧に説明して頂きましてありがとうございました。訪問日:2015年6月9日

【追記】 この時は2年後に泡盛でカリー!ブレンドという名前のオリジナル泡盛を造ることになるなんて1ミリも思いませんでした。人生は何が起こるかわからないから面白い(苦笑)。

オリジナル第1弾 泡盛でカリー!ブレンド

栓抜きで開ける泡盛は新鮮。というか初めてです!

漢那蒸留所の泡盛

自分で栓をした漢那酒造所の泡盛です。購入したのは2015年なので8年も経っていました。
請福酒造さんの工場見学の時に観た漢那蒸留所の手造り泡盛の動画が印象的だったので、今思えば買ってすぐに飲んでみたかったなぁ。

請福酒造の主な泡盛

  • 直火泡盛 請福
  • やいま
  • 請福ファンシー
  • 請福ビンテージ etc

花粉症対策のリーサルウェポン!?

今年の花粉はハンパじゃない量らしく、近畿地方は昨シーズンの10倍の飛散量とも予測されているとか。花粉症歴25年の僕も戦々恐々としていましたが花粉症対策の最終兵器?を手に入れてすっかり安心しきっています。 

花粉症歴25年ともなると発症は小学校高学年ぐらいでした。5~6月になるとくしゃみ・鼻水が止まらず、くしゃみのしすぎで最後は鼻血が出るという始末。家の近くの病院では病名がはっきりせず、学校を休んで山形市内の病院まで行ってやっとブタクサが原因のアレルギー性鼻炎と診断されんですよね。

花粉症じゃなくてアレルギー性鼻炎ですよ。当時は花粉症なんて聞いたことがなかったので自分は特異な体質では?と悩みました。今となっては病歴が長い割には今は花粉症の症状としては軽い方だと思います。

さて本題です(笑)。花粉症対策の最終兵器というのは請福酒造さんの「請福ファンシー」という泡盛。

請福ファンシー@請福酒造

僕のバイブル「知識ゼロからの泡盛入門」に「泡盛は花粉症に効く?」というコラムで紹介されていたので速攻でわしたショップに走りました。残念ながら学術的な裏付けはないようですが、効果がある人は水割りを一杯飲むだけで症状がやわらいだりするそうです。花粉症のベテランを自負していましたが花粉症に泡盛が効くなんて話は全く知りませんでしたね~。

一般酒と古酒をブレンドしている点が請福ファンシーの特徴だと思いますが、他にも同じようにブレンドしている泡盛はあるのでそれが花粉症に効く理由かどうか分かりません。

今年は泡盛をたくさん飲んで予防に励んでいたおかげなのか、花粉がかなり多いという割には例年より症状がひどいということもありません。効く効かないは人それぞれみたいですが興味のある方はぜひ試してみてください!(2011年4月10日)

⑦忠孝酒造見学レポート

那覇空港から一番近い泡盛の酒造所が忠孝酒造さんです。忠孝酒造さんの工場は那覇空港から車で約15分、小禄バイパスの名嘉地の交差点の近くにあります。

泡盛造り体験で何度もお邪魔していたのに肝心の工場見学はまだだったことを思い出して、3回目の手造り泡盛の体験終了後に井上さんにお願いして見学することができました。

特徴のある銘酒が生まれる理由

酒造所の社用車は泡盛好きには萌えポイントです。でもそんなことを言って盛り上がってしまうと時間がかかるのでさっそく案内していただきましょう!

社用車にテンションが上がる@忠孝酒造

こちらが蒸し器。上から洗ったお米を入れていくと連続的に蒸し上がる仕組みだそう。

蒸し器@忠孝酒造

こちらが円形の製麹機の内部です。かなりの大きさで下の円形部分が回ります(わかりにくい画像ですみません)。

円形の製麹機@忠孝酒造

こちらはモロミ室です。蒸留の時を待つモロミ達が今か今かと出番を待っています。

モロミ室@忠孝酒造

縦型と横型の蒸留機がありました。減圧の蒸留機は工場の別の場所にあるようです。この2つを使って同量を蒸留し、それらをブレンドしているということでした。※一般酒の造りのことだと思います

シンプルにさえ思える製造ラインから忠孝や華忠孝、夢航海やよっかこうじ等の数々の泡盛が造られていると思うと不思議な感じです。

この疑問を井上さんにぶつけると「同じラインでも麹菌や酵母を変えたり、それから浸漬法・蒸留機を変えたりすればできるんですよ」とこともなげに返事が返ってきましたが、そういわれてもそれぞれに特徴を持った銘酒が生まれてくるのはやっぱり不思議な感じがしました。 

くぅーすの杜 忠孝蔵

ショップ兼手造り泡盛工場になっている忠孝蔵は8回の手造り泡盛体験で毎回じっくり見学させてもらっています。画像は手造り泡盛工場内からショップの方を撮ったものです。ガラスの向こう側がショップなので泡盛造りの体験の様子は買い物中の観光客から見学されていると思います。

手造り泡盛工場@忠孝蔵

忠孝酒造の井上様 お忙しい中、丁寧に説明して頂きましてありがとうございました。訪問日:2013年11月9日

関連|手造り泡盛体験レポート@忠孝酒造

忠孝酒造の主な泡盛

  • 忠孝
  • 華忠孝
  • よっかこうじ
  • 夢航海
  • 涼華
  • 翠古 etc

忠孝酵母とマンゴー酵母の違いに迫る

自宅でひとり、忠孝酒造さんの「泡盛はじめて三本セット」をテイスティングしました。テイスティングというより単なるひとり飲みとも言います。

泡盛はじめて三本セット@忠孝酒造

「これだけ飲んでていまさら泡盛はじめてセットもないやろ!」と相方からつっこまれましたが、これを選んだのにはちゃんと理由があります。

忠孝酒造の酵母といえば「マンゴー酵母」の印象が強いのですが、マンゴー酵母が使われているのは「華忠孝」と「忠孝原酒」だけで他の泡盛には忠孝酵母が使われているようです。豊吉について書いたときに、豊吉は(特別に)忠孝酵母が使われているようなニュアンスで書いていましたが、忠孝酵母は豊吉以外にもたくさん使われているわけです。

ということは酵母は同じにもかかわらず、豊吉と忠孝(一般酒)の味わいの違いは、豊吉の「減圧蒸留」や「低温発酵」によるものが大きいんでしょうね。不勉強を戒める意味を込めて忠孝酵母とマンゴー酵母の違いを知ろうというわけで、単に飲みたかったというわけではありません。念のため。

そう考えると泡盛はじめて三本セットというネーミングですが、いやいやなかなかどうしてマニアックというか、奥が深いチョイスではありませんか?

泡盛はじめて三本セット@忠孝酒造

このように度数も違えば一般酒だけでなく古酒もあります。それから酵母も違うし、濾過の方法も違います。

  • 華忠孝:25度/一般酒/マンゴー酵母/荒濾過
  • 忠孝:30度/一般酒/忠孝酵母
  • 古酒忠孝:43度/古酒/忠孝酵母

忠孝7年古酒

常温の7年古酒にちょい水。という少々背徳感を感じながら飲むのが美味い!

忠孝7年古酒@忠孝酒造

忠孝13年古酒

カラカラで味わう忠孝13年古酒@忠孝酒造

夢航海

僕はこうやって泡盛の酒造所を46蔵まわりました

試飲を諦めてレンタカーで回ることが多かったので、結果的にかなりハードなスケジュールになってしまったのでご参考まで。土日祝日を海や観光など家族サービスに使って、平日の隙間時間を有効に使うのがポイントです(苦笑)。

残すは伊平屋酒造所と津波古酒造、それから協同組合「琉球泡盛古酒の郷」の3つ。さていつ行こう?

沖縄本島の見学ルート① はじめての工場見学

泡盛マイスターの筆記試験の前日に初めての酒造所見学を体験しました。【2011年7月】

  • 泰石酒造 1)→神村酒造(レンタカー)

1)泡盛は造っていません

沖縄本島の見学ルート② 6蔵

泡盛マイスターのテイスティング研修を受講するのに絡めて一度に6つの酒造所を見学しました。【2011年7月】

  • 1日目|恩名酒造所→やんばる酒造→松藤(レンタカー)
  • 2日目|瑞泉酒造→瑞穂酒造→咲元酒造(ゆいレール)

沖縄本島の見学ルート③ 3蔵

泡盛マイスターのテイスティング研修と離島フェアと酒造所見学を一泊二日にぎゅっと詰め込んだ旅です。【2011年11月】

  • 宮里酒造所(ゆいレール)
  • 上原酒造→まさひろ酒造(バスとタクシー)

沖縄本島の見学ルート④ 6蔵

泡盛マイスター認証書授与式に参加するのに絡めて一度に6つの酒造所を見学しました。【2012年11月】

  • 1日目|沖縄県酒造協同組合(タクシー)
  • 2日目|石川酒造場→神谷酒造所→久米仙酒造(レンタカー)
  • 3日目|金武酒造→ヘリオス酒造(レンタカー)

沖縄本島の見学ルート⑤ 6蔵

家族全員を巻き込んだり、1人抜け出したりして家族旅行中に6つの酒造所を見学しました。結果的には過去最高に思い出に残る家族旅行になりました(そう思っているのは僕だけ?)。【2013年11月】

  • 1日目|忠孝酒造(タクシー)
  • 2日目|金武酒造:鍾乳洞古酒蔵(レンタカー)
  • 3日目|山川酒造→今帰仁酒造(レンタカーとタクシー)
  • 4日目|新里酒造(レンタカー)
  • 5日目|識名酒造(タクシー)

沖縄本島の見学ルート⑥ 比嘉酒造

泡盛マイスターの技能競技大会の翌日に台風接近中の中でお邪魔しました。【2015年7月】

  • 比嘉酒造(レンタカー)

沖縄本島の見学ルート⑦ 2蔵

家族旅行の隙間時間に捻じ込んで2つの酒造所を見学しました。【2017年7月】

  • 1日目|伊是名酒造所(フェリーとレンタサイクル)
  • 2日目|津嘉山酒造所(レンタカー)

沖縄本島の見学ルート⑧ 2蔵

台風7号が沖縄を離れた隙に見学することができました。【2018年7月】

  • 1日目|龍泉酒造(レンタカー)
  • 2日目|北谷長老酒造工場(レンタカー)

石垣島の見学ルート

今回の家族旅行は海では遊ばず観光がメインだったので、観光中に気がついたら酒造所の前にいたから「ちょっと寄ってみようか?」なんていう自然な流れで(かなり不自然だけど笑)、家族に酒造所見学ばっかりと悟られないようなコースを作るのが泡盛マイスターの腕の見せ所でした。

バレバレだったと思いますが。。

7月に控えた泡盛マイスターの技能競技大会で上位入賞を果たすべく、「石垣島泡盛強化合宿2015」と題して泡盛漬けの6日間を過ごしました。【2015年6月】

  • 1日目|髙嶺酒造所→玉那覇酒造所→池原酒造(レンタカー)
  • 2日目|波照間酒造所(フェリーとレンタサイクル)
  • 3日目|八重泉酒造→請福酒造・仲間酒造所(レンタカー)

請福酒造が仲間酒造所の目の前に移転したので請福酒造と仲間酒造所を一緒にまわることができました。石垣島にある6つの酒造所だけでなく波照間島の波照間酒造所にも足を伸ばそうと思うと無駄な時間は少しもありませんでした。

そこで地図・ガイドブックとにらめっこで如何に効率よく回れるかを考えたわけですが、最優先しなければいけないのは工場見学ができる時間帯なのでガイドブックやHPの情報だけに頼らないで電話での情報収集も手を抜けません。

酒造所見学に島の地図はマスト!

3つとも見学できていないのですが、なぜか本ブログの人気記事となっております。白百合の池原酒造さんは要予約とのことですが、あとの2つは見学不可です。

池原酒造@石垣島

関連|土の匂いがすると噂の泡盛、白百合の噂は本当なのか??

仲間酒造所@石垣島

関連|表札が素敵すぎる宮の鶴の仲間酒造所

波照間酒造所@波照間島

関連|幻の泡盛泡波はまるで出世魚!?

宮古島の見学ルート

  • 1日目|多良川→菊之露酒造(レンタカー)
  • 2日目|宮の華→渡久山酒造(フェリーとタクシー)
  • 3日目|池間酒造→千代泉酒造所(レンタカー)
  • 4日目|沖之光酒造(レンタカー) 【2014年10月】

与那国島の見学ルート

いつもは1人か家族を巻き込んでというスタイルの酒造所見学ですが、今回は泡盛ファンの間では有名なお二ひーちゃんと浜田さんと一緒。タイトなスケジュールに泡盛ダンス「盛り泡ろう!」の撮影と3つの酒造所見学を詰め込みました。【2017年10月】

  • 崎元酒造所→国泉泡盛→入波平酒造(レンタカー)

久米島の見学ルート

  • 米島酒造→久米島の久米仙(レンタカー)【2016年10月】

泡盛の工場見学を楽しむ3つのポイント

これは必ず守りましょう

迷惑をかけない。リスペクトを忘れない。当たり前のことですけど工場見学のために営業されているわけではありません。ご好意で見せてもらえていることを忘れずに酒造所の方の迷惑にならないように気をつけましょう。自戒を込めて。

酒造所の方も生身の人ですのでお互いに楽しい工場見学を作り上げることができれば、とっておきのお話を聞かせてもらえるかもしれませんよ。

交通手段は超重要

説明する必要もありませんがお酒の工場見学といえば試飲がつきもの。これは泡盛でも変わりませんが、公共交通機関で行きやすい泡盛の酒造所はほとんどないので交通手段をどうするのかは超重要です。

僕はいかに効率よく回れるかを優先して、試飲は諦めてレンタカーで移動することが多かったのですが、泡盛が造られた酒造所で景色や気温を感じながら飲む泡盛は格別なので是非飲んでもらいたいです。

飲酒運転はダメ絶対!

公共交通機関が使えなければレンタカーで行くことが多いと思います。当たり前のことですが飲酒運転は絶対にやめましょう。試飲程度と思っても泡盛は30度以上がほとんどなので手遅れになります。

考え出すと観光バスで行く酒造所見学ツアーは需要があると思います。見学不可の酒造所を口説き落としたら確実に人気のツアーになると思うんですけど。沖縄好きのリピーターさんは泡盛ファンの予備軍だと思うので那覇バスさんとか企画してもらえませんか?

見学ツアーという方法もあります 【泡盛島唄ライブコース】

ネットで偶然見つけた那覇バスの一押しツアー「泡盛島唄ライブコース」に参加しました。集合場所でツアー料金を支払う時に「1名様から運行しておりますのでお気になさらないでくださいね」と言われ、一瞬意味がわかりませんでしたが、そうなんです!

申し込んでいたのは、僕1人だけ。

いざ乗り込んだバスは軽く40人は乗れそうな大型の観光バス!なのに、運転手さんとガイドさんと僕の3人。超V.I.P待遇となってしまいました。これって引きが強いのか弱いのか?

ツアーの内容はといえば、忠孝酒造さんの忠孝窯で古酒用の甕造りを見学した後、隣にある木造忠孝蔵に移動して島唄ライブを楽しみながら忠孝酒造の泡盛を頂けるという泡盛好きにはたまらないツアーなのです。ほろ酔いでうろ覚えですが、忠孝蔵は沖縄では木造の建物として首里城に次いで2番目に高いとか。

木造忠孝蔵

島唄ライブは忠孝酒造まで案内してくれたバスガイドさんによるユニット「うたばす」さんが演奏してくれます。忠孝蔵では普段クラシックを流して泡盛を熟成させているそうですが、ツアーの開催中は島唄で熟成させるというわけ。

  • 芭蕉布
  • 安里屋ユンタ
  • オジー自慢のオリオンビール(忠孝酒造バージョン)
  • アメージンググレース(うちなーぐちバージョン)
  • 19の春

覚えているだけでも有名どころを何曲も聞かせてもらいました。19の春は僕のリクエストです。なんと言っても超V.I.Pですからね。最後は「唐船どーい」でカチャーシー~

唐舟どーい@うたばす

肝心の泡盛は、5年・10年・15年の古酒などが飲み放題でした。と言っても40度以上の古酒は量はそんなに飲めません。15年古酒よりも気にいったのがシー汁浸漬法で造られた「翠古」。さっそく忠孝オリジナルショップ限定の「翠古」10年古酒をお土産にゲット!

翠古10年古酒

1,980円でうたばすの島唄と忠孝酒造の泡盛に酔える、泡盛好きにおすすめしたいツアーです。ただし運良く「お一人様」になった場合は貸切ツアーだと腹を据えてとことん楽しめる度胸が必要かも(笑)。

僕が参加したのは日曜の夜コースだったのでたまたま一人だったようです。前日は何組も参加されていたようですのでご安心を。(2011年7月31日)

酒造所見学レポート一覧

伊是名酒造所

なかなかチャンスがなかった伊是名・伊平屋酒造所を見学するべく沖縄本島北部に宿を確保しましたが、4日間の滞在では島に泊まる余裕はない。かといって運天港から日帰りで島に渡るとしたらこんな感じ。 

  • 伊是名島の滞在時間:約2時間(行きは10:30運天港→11:25伊是名島、帰りが13:30→14:25)
  • 伊平屋島の滞在時間:約 40分(行きは11:00運天港→12:20伊平屋島、帰りが13:00→14:20)

フェリーの運行時間を見て2つの島に渡るのは諦めました。どっちに行くか?は悩む必要もなく2時間滞在できる伊是名島に決定したのでした。2時間で酒造所を見学して家族の元に帰る。短いような気もするけど家族と一緒の今回の旅はこのくらいが丁度いいんです。たぶん(苦笑)。

このタイミングで台風くる?

まさかの台風発生

朝刊を読みながら朝食を食べている時に宿のオーナーさんから伊是名島への船はよく止まるという話を聞いてビビッてましたが、運天港でフェリーの大きさを見てひと安心。

それでも出発前は空がどんより曇っているし、何より強い風が吹いていて笑顔は出ません。。

どんより曇る@運天港

無事に島に渡れました。

暑い最中、道に迷いながらもレンタルサイクルで走り続けると、この道の先に酒造所らしき建物が見えて安心しました。沖縄の移動はほぼレンタカーなんでナビが連れて行ってくれるものとちゃんと調べてなかったけど、島内はレンタサイクルなので完全に準備不足です。

伊是名酒造所はもうすぐ

ネットの情報によると見学時間は10分ということだったし、それこそ帰りのフェリーの時間が気になるので駆け足で工場の中を見せていただきました。まずは5日目のもろみから。まだ活発に発酵しています。

5日目のもろみ@伊是名酒造所

普段は気にならないのに、ふいに気になったのは回転式ドラムで蒸した米をどうやって麹棚に運ぶのかってこと。というのも麹棚の傍らに立てかけてあったスコップが目にとまったからです。

もしかして、このスコップで運んでます?と若干期待しながら聞いてみましたが、さすがに違いました(苦笑)。

じゃあどうやって運ぶのかというと、こちらの台車にスコップで蒸米を入れてそれをフォークリフトで吊り上げて麹棚に入れるんだそう。言われてみれば、この運び方は他でも見たことがあるような気もします。

蒸し米を運ぶ台車@伊是名酒造所

丁度、蒸留中だったので蒸留機の近くに移動して拝見するも暑い暑い。炎天下の中、チャリを飛ばしてきた身には堪らず、失礼してお茶を飲みながらお話を伺いました。

蒸留中の蒸留機@伊是名酒造所

蒸留の後半に出てくるお酒(後留)は、ここにためられて検定タンクには行かずに次回蒸留するもろみに加えられるそうです。 

後留はこちらに貯められます@伊是名酒造所

こちらが伊是名酒造所の倉庫です。瓶をリサイクルするのに沖縄本島に送っているらしく、輸送費が高くつくのでコスト面から考えるとリサイクルするメリットはあまりなさそうでした。

伊是名酒造所の倉庫

近々販売されるという初心者・観光客向けの泡盛のことを教えてもらいました。僕がお邪魔したときは販売前でしたが、そろそろ販売がはじまっているかもしれませんね~。

最後に伊是名酒造所の看板の前で金丸を手に記念撮影ができて満足しましたが、もっとゆっくり拝見したかったので後ろ髪を引かれる思いで酒造所を後にしました。

伊是名酒造所の前で

港に戻ろうと自転車のペダルに足をかけたときに頭をよぎったのは来るときは下りだったこの長い坂道のこと。大阪でアシスト付き自転車に慣れた身にはママチャリのレンタサイクルで登るのはキツい!台風の影響で風が強いといっても暑さを和らげるものでもないし、むしろ向かい風でした。。

伊是名島の坂道を自転車で登る

この坂の左右には田んぼが広がっていました。泡盛はほとんどがタイ米(インディカ米)で造られていますが、伊是名酒造所には島で作られたジャポニカ米で造られた泡盛「尚円の里」があります。

伊是名島の田んぼ

尚円の里はこの田んぼでとれた米で造られているかもしれないなぁ~と向かい風に立ち向かいながらペダルをこぎました。

激辛の泡盛!?

あわもり激辛

お店のカウンターで見つけたこれはもちろんコーレーグースなんですが、「あわもり 激辛」なんて書かれると飲んでみたくなりませんか?笑。どこの泡盛を使ってるのかもかなり気になる!

伊是名島で唯一味わうことができたのは沖縄風のみそ汁とご飯です。具沢山でやさしいお味のみそ汁でしたねー。想像以上のボリュームだったのでフェリーの時間を気にしながら最後は一気に飲み干しました。

沖縄風のみそ汁とご飯@食事処やま

楽しい時間は本当にあっちゅう間

弾丸ツアーでしたが帰りは大満足で運天港に戻りました。酒造所見学の記念に酒造所でしか買えない「常盤」の原酒とワンカップの「尚円太鼓」をゲットすることができたからです。

すっかり晴れる@フェリー

久米島、宮古島、石垣島に比べれば余裕で行けると思っていた伊是名島でしたが、なかなか大変なことがよくわかりました。伊是名島から大阪まで連れて帰ってきた泡盛を島の景色を思い浮かべながら飲むのは至福の時間になると思います。本音を言えば伊是名島で味わってみたかったんですけどね。

次は島に泊まって伊是名酒造所の泡盛をじっくり飲もうと心に決めました。ちなみに伊平屋島へは個人の船で伊是名島から渡してもらえるそうです。運天港を軸に伊是名島と伊平屋島のV字移動は大変なので、伊平屋島にはその時に伊是名島から渡るのがいいかもしれませんね。いつかまた戻って来るぞ~!訪問日:2017年7月3日

伊是名酒造所の主な泡盛

  • 常盤
  • 伊是名島
  • 尚円の里
  • 金丸 etc

恩納酒造所

幸運なことに工場には仕込み中のもろみがいくつもあって、日を追ってもろみの状態を観察することができました。

  • 1日目
  • 2日目
  • 10日目

ちなみに、「仕込み」とは麹と水と酵母(多くは泡盛101号酵母)を1つの容器の中に一定の配合割合で投入し、良く混ぜ合わせることをいいます。

米に含まれているデンプンが糖化され、酵母が糖分からアルコールと炭酸ガスをつくるわけです。仕込み日数は10~14日で季節や酒造所によって違うようです。

ブクブクと勢いのある1日目のもろみ@恩納酒造所
少しお疲れ?の2日目のもろみ@恩納酒造所

10日目ともなると米が溶けてしまって、元の形がなくなりつつありますね。

相当お疲れ?の10日目のもろみ@恩納酒造所

恩納酒造所の泡盛は傍にある嘉真良井(かまらがー)の地下から湧きだす硬水をつかっているのが特徴です。この水が泡盛の美味しさの秘訣なんでしょうね。

働き者の嘉真良井(かまらがー)

見学の最後に看板の前で記念撮影がしたいと思って探したものの看板が見当たらない・・・。

酒造所の方を追いかけて確認したところ「まだ付けてないんですよ」ということだったので、記念撮影は諦めて看板だけを撮ってきました。看板はこんな感じで床置きでした(笑)。

恩納酒造所の看板

恩納酒造所さん、丁寧に説明して頂きましてありがとうございました。訪問日:2011年10月15日

沖縄で泡盛マイスター協会のテイスティング研修を受けるのに絡めて一度に6つの酒造所をまとめて見学した時の記事です。

2回目の酒造所見学なので特に質問もできなくて読み返すとかなり恥ずかしいのですが、この頃はそんな感じだったなぁと懐かしく思えるので手を加えずにそのままにしています。7月末に神村酒造さんの工場見学をさせてもらった時はかなり暑かったのですが、沖縄とはいえ10月はずいぶん涼しかった記憶があります。

恩納酒造所の主な泡盛

  • 萬座
  • NAVI(ナビー) etc

家にあるNAVI古酒は最近購入したものなのに、7年古酒(瓶熟成)になっていてもう生産終了しているのかと気になっていました。見学のときに酒造所の方に確認すると「今も作っています」ということでした。たまたま買ったものが7年古酒になっていただけでむしろラッキーだったようです。

松藤(旧 崎山酒造廠)

関連|廠【しょう】から見えてきた泡盛の歴史|松藤

金武酒造

龍の蔵の豆腐ようが絶品だという評判は耳にしていましたが、去年は数ヶ月待ちだったので今年もきっと手に入らないだろうと諦めていました。でも今回は金武町と隣接する恩納村がベースキャンプなので軽~い気持ちで問い合わせてみたところ、なんと!豆腐ようの在庫がありました。

ラッキー!ツイてる!と急遽、旅の行程に龍の蔵をねじ込みました。

龍の蔵@金武酒造

さらにツイていたのは去年(訪問日:2012年11月3日)は改修中で見学できなかった鍾乳洞古酒蔵が見学できたことです。もうテンションが上がりまくりで、鍾乳洞の入り口からシャッター切りまくりでした。 

金武酒造の豆腐ようは鍾乳洞で1年間熟成させるらしいので、これがたぶん豆腐ようですね。

龍の蔵の豆腐よう

奥に進むと熟成中の泡盛があるわ、あるわ。この鍾乳洞が深いし長いこともあってものすごい数です。

金武酒造をはじめいくつかの酒造所では泡盛を保管してくれるサービスを行っています。ちなみに金武酒造では保管サービスのことを「ボトルキープ」って呼んでいるようです。

泡盛マイスターの先輩が常々仰っているのが、自分が死んだ後でその泡盛がどうなるのかと考えるとおちおち死ねないから保管サービスを利用しない・・・。

そんな悩みを抱える泡盛ファンのために、どこの酒造所に泡盛を預けているのかも書いておけるエンディングノートがあったらいいですね。それは司法書士の僕が作るしかないか~(笑)。

鍾乳洞の中は一年を通して温度と湿度がほとんど変わらないので泡盛が美味しく育ちそうでした。11月の沖縄はそれほど暑くはなかったけど、それでも温度差があるので中はひんやりと感じました。

鍾乳洞の一番奥の行き止まりまで行ったところではたと気づいたのですが、この深さと長さを思えば先の大戦では防空豪として使われてたんでしょうね、たぶん。

貯蔵中の泡盛@鍾乳洞古酒蔵

そこは巨大な鍾乳洞だった。沖縄戦で一つだけ焼け残った寺と言われる金武の観音寺。その境内から地底へと降りていく。戦争中は防空壕として使われ、多くの命がこのガマ(石灰石でできた洞窟)に助けられたという。

食べる、飲む、聞く 沖縄 美味の島

このように「食べる、飲む、聞く 沖縄 美味の島」によると、防空壕として使われていたようです。訪問日:2013年11月10日

【追記】 購入した豆腐ようは泡盛の肴だけではなく豆腐ようパスタにして楽しみました。実はほんの少しですがまだ家の冷蔵庫にあります。基本的には豆腐ように賞味期限はないという情報を耳にしたので、どこまで熟成が進むのか見守っています。そして忘れた頃に上等な古酒と一緒に楽しもうと目論んでいます。

金武酒造の主な泡盛

粗ろ過 龍44度@金武酒造

今帰仁酒造

沖縄美ら海水族館に向かった家族と別れひとりタクシーで目指したのは?

今帰仁酒造さんです!

今帰仁酒造@今帰仁村

集団行動の輪を乱す我が子を見かねたのか「誰に似たのか、かなりの凝り性だな」と父がぽつり。

「芸の為なら~家族も泣かす~♪」さあ気を取り直していってみましょう(苦笑)。酒造所見学はもう18箇所目、さすがに三角棚やもろみタンクは見慣れてきました。

縦型の蒸留機が並んでいます。この2つで蒸留したものをブレンドしているそうです。同じ縦型でも横の突起とかが味わいに影響を与えているのかもしれません。

2つの蒸留機@今帰仁酒造

樫樽は新樽やシェリー樽を使っているそうです。どんな樽で貯蔵するのかによって味わいは大きく変わりそうですね。

樽貯蔵泡盛@今帰仁酒造

こちらはステンレスタンク。24基ある巨大なステンレスタンクは圧巻で、どう頑張っても1枚の画像には収まりません。

巨大な貯蔵タンク@今帰仁酒造

何を造っているんでしょうか??

クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!風に←古い(苦笑)。

何を造っているんでしょうか??@今帰仁酒造

少し近づきます。

何を造っているんでしょうか??@今帰仁酒造

正解は、美しき古里(うるわしきふるさと)の紙パックでした。

美しき古里の紙パック

瓶詰めの様子は何度か見たことがありましたが紙パックは初めてです。紙パックって割れる心配がないから持ち運びに便利だし、捨てるのも楽なので自宅用なら十分ですよね。

最後のお楽しみは工場の隣の事務室で販売している泡盛。今回は10年古酒のような大物狙いだったのに10年古酒が品切れのため何も買わずに沖縄美ら海水族館に向かいました(今回見学した酒造所で泡盛を買わなかったのはここだけです)。

沖縄美ら海水族館開館10周年記念グッズとして「黒潮のしずく」という沖縄北部地域11酒造所の銘柄をブレンドした泡盛が水族館の中にある「ブルーマンタ」で限定販売されていたことを大阪に戻ってから知りました。もちろん今帰仁酒造の泡盛も入っています。

あ~知ってたら買ってたのに・・・。気が付かなかったのは集団行動の輪を乱した罰なのかもしれません(苦笑)。

今帰仁酒造様 お忙しい中、丁寧に説明して頂きましてありがとうございました。訪問日:2013年11月11日

【追記】 お邪魔した泡盛の酒造所は18箇所になりました。慣れてきているのでさらっと見せていただくような雰囲気が記事にも表れていますね。それに相変わらず予定を詰め込んでいるのであまり時間が取れないのと、メインは家族旅行なのでずるずるいかないようにと必死です(苦笑)。

「沖縄に行く、イコール泡盛の酒造所を見学する」がエスカレートしてしまって、今帰仁酒造さんのように単独行動で酒造所に行ってみたりと家族旅行なのか怪しくなってしまっています。それにしても沖縄にいる時の方が普段より忙しいです。

今帰仁酒造の主な泡盛

  • 美しき古里
  • まるだい
  • 千年の響
  • 今帰仁城 etc
ホワイトタイガー7年古酒@今帰仁酒造

やんばる酒造(旧 田嘉里酒造所)

酒造所見学ツアー第2弾!恩納酒造所さんのお次は田嘉里酒造所さんへ。

やんばる酒造(旧田嘉里酒造所)

恩納村から大宜味村までは時間がかかります。

向かっている途中にレンタカーから異音が発生\(◎o◎)/

気にせずに走れるレベルの音じゃないので、レンタカー会社に電話するとガソリンスタンドで見てもらってくださいとのこと。

ガソリンスタンドにピットイン

エンジンカバーが外れてて外れたカバーを路面に思いっきりこすって走ってました。そりゃあ凄い音がするはず。でもスタンドの人は見慣れた感じで「レンタカーに多いんですよね」って薄~いリアクションでした。

路面に当たりそうなところをハサミで切ってもらって出直します。←そんな感じでいいの?

しっかり整備してください~〇〇〇レンタカーさん!!

そんなトラブルを乗り越えてようやく田嘉里酒造所に到着。トラブルがあった分だけ余計に期待が高まります!

やんばる酒造(旧田嘉里酒造所)

直前にお邪魔した恩納酒造所さんでは1日目、2日目、10日目のもろみを見ることが出来ました。田嘉里酒造所さんにはなんと!蒸留直前の18日目のもろみがありました!18日目ともなるともう米はほとんど溶けてしまってて、表面はあっさりしたもの。

18日目のもろみ@やんばる酒造

蒸留した原酒を貯蔵しておく地下タンクを見せてもらいました。原酒(50~51度ぐらい?)なので近寄るとむわーっとなんとも言えない香ばしい香り。これは米の脂の匂いなんだそうです。これはもろみタンク3本分の量が入っている状態で、最大でもろみタンク21本分まで入るそう。

地下タンク@やんばる酒造

この原酒の海で泳ぎたい!と思うのは泡盛バカすぎますか???

これはなんだかわかりますか?

度数が刻まれた目盛り

これは割り水でアルコール度数を調整するためのタンクについている目盛りなんです。 例えばアルコール分30度の泡盛を造りたいなら、まず30度の目盛りまで原酒を入れて後は水をタンク一杯まで入れるのかと思って聞いてみましたが、違いました。そんな単純ではなさそうです。。

この建物では瓶詰めとラベル貼りの作業が効率よく行われていました。田嘉里酒造所さん 丁寧に説明して頂きましてありがとうございました。訪問日:2011年10月15日

この日は残念ながらまるた娘さんにお会いすることができませんでした。あ、まだ一度もお会いしたことがなかったので、次回は是非まるた娘さんに工場の中を案内していただきたいです。よろしくお願いします!

やんばる酒造の主な泡盛

  • まる田
  • 山原くいな
  • 大山原(うふやんばる) etc
山原くいな43度@田嘉里酒造所

こちらは主催したオンラインテイスティング会(つながるあわもりサロン)から生まれた限定古酒の大山原。

限定古酒 大山原@やんばる酒造

やんばる食いな!BOX

やんばるの旬の味を詰め込んだスペシャルボックス「やんばる食いな!BOX」です。なんとなくしか中身がわかっていないものは、開封するところから楽しいですね。

山盛り出てきました~

やんばる食いな!BOXの中身
  • スナップエンドウ
  • 島らっきょう
  • 塩バジル
  • パッションフルーツ
  • くがにーとタンカン
  • KIZAHAコーヒーの珈琲(粉・豆)
  • 泡盛ケーキ
  • カレーとおやつ蒼翠のお菓子
  • 島どうふチップス

※大山原特製ブレンド古酒・YANBARUウオッカとシークワーサードリンクは別で購入しました。

まずはやんばるの新鮮な食材からいただきます。スナップエンドウはにんにく増し増しのパスタに。14年甕熟成の古酒は食前酒的に。カラメル香が凄かった~美味しゅうございました♪

スナップエンドウはパスタで

島らっきょうは豚バラ巻きと天ぷらに。豚バラ巻きは大根おろしとポン酢、天ぷらは食いなBOXに入っていた塩バジルという万能スパイスでいただきました。

パッションフルーツはパッカーンと切って、片方は凍らせて酒器にしてみました。

パッションフルーツ

完熟させてもまだ酸味がしっかりしていたので、アイスにかけてアクセントに使ってみました。

KIZAHAコーヒーの珈琲(粉)は袋を開けた途端に珈琲の良い香りが広がりました。泡盛漬けの生豆を焙煎しているらしい。

KIZAHAコーヒーの珈琲(粉)

お気に入りの浸漬式ドリッパーで淹れました。過去最高に泡盛感を感じる泡盛焙煎珈琲で酸味苦味のバランスがよく美味しかったです。

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山川酒造

関連|山川酒造見学レポート

ヘリオス酒造

関連|ヘリオス酒造見学レポート

龍泉酒造

ずっと見学できないと思っていたので近くに行くことがあってもお邪魔することなく素通りしていましたが、関西の泡友Kさんにご縁をつないでもらって見学することができました。

ところが見学の予約していた日は、沖縄本島が台風7号の暴風域に入って学校が休みになってしまうような大荒れ。泊っていたホテルがある中城村付近の非難準備が解除されたので、予約を翌日に変更してもらいなんとかお邪魔することができました。

台風は沖縄本島を抜けましたが、大粒の雨が降る中、無事に約束の時間に龍泉酒造さんに到着することができました。工場を案内してくださるのは龍泉酒造の平良さんです。40ヶ所以上泡盛の酒造所を訪問していると

  • これが回転式ドラムですか!!
  • こっちが麹を作るための棚なんですね!!

といった感動はさすがに薄れてしまいますが、逆に普段見慣れないものがあると強く反応してしまいます!

こんなところに電球が!

電球が付けられた三角棚@龍泉酒造

蓋が開いた状態の三角棚に電球がぶら下がっているのを目ざとく見つけてしまいました。こんな三角棚ははじめて見ました。付けられた電球は冬季の温度調整用に活躍しているとのことでした。

見学予約のメッセージの中で平良さんが「小さな酒造所なので」と仰っていたのでとても小さな酒造所を想像していました。ところが三角棚の数は4つ。三角棚が4つもある所はそんなに小さな酒造所じゃないですね。

そうそう、龍泉酒造さんでは丸米で泡盛を造っているようです。 

原料米は丸米@龍泉酒造

こちらのタンクの中ではもろみが一生懸命に発酵しているところでした。低温でもろみを発酵するとどんな味わいになるだろう?など龍泉酒造さんでは日々試行錯誤をされているようです。

仕上がり具合に応じて泡盛用にしたりハブ酒用にしたりといった使い分けをされているようです。会社は数年前から新しい体制になったそうですが、そのことが良い変革を生んでいるように感じました。

もろみタンクの冷却装置はU字型かららせん状のものに変わったそうです。なんでも2018年3月末に廃業した千代泉酒造所で使われていたものを引継いだとのこと。廃業というと終わりのイメージが付きまといますが、形を変えることで始まりになることもあるんだなとしみじみ思いました。

こちらが龍泉酒造さんの蒸留機(横型・常圧蒸留)です。管理が行き届いていることも大きいんでしょうけど美しさを感じる蒸留機でした。

蒸留機@龍泉酒造

このアングルの蒸留機の画像が僕のお気に入りです。

蒸留機@龍泉酒造

工場の建物とは別の建物で泡盛が貯蔵されていました。古酒はホーローのタンクで熟成されているようです。

ホーロータンクで熟成中の泡盛@龍泉酒造

龍泉酒造さんといえば忘れちゃいけないのがハブ酒。というわけでハブ酒造りの現場へ!ハブ酒造りの様子は撮影NGだったので残念ながら画像はありませんが、ハブ酒造りのお話は初めて聞くことばかりでとても興味深く聞かせていただきました。ずらりと並んだハブ達の姿は一見の価値があると思いますので、もし機会がありましたら是非。

カタログではじめて知りましたが仕次ぎ用のハブエキスってあるんですね!! 

仕次ぎ用ハブエキス@龍泉酒造

事務所に飾られていた龍泉酒造さんのお酒のラインアップです。この中からピンと来た2015年限定の龍泉を1本購入して帰りました。1人で飲むよりも大勢で飲んだ方が楽しいので8月に予定している泡盛夏祭りに持っていきます!

商品ラインナップ@龍泉酒造

どんな場所でどんな方が造っている泡盛なのか?をできるだけこの眼で見たいと思うようになって数年。旅行といえば沖縄、沖縄に来たら可能な限り泡盛の酒造所にお邪魔してきました。きっかけは百貨店の沖縄物産展などで泡盛講座を担当させていただいたことです。

泡盛マイスターの肩書きで泡盛について話す以上はできるだけ責任を持って自信を持って話したいと思ったことが理由です。

講座の参加者の方から様々な質問が飛んできたとしても「僕は造り手じゃないので」と逃げることもできるわけですが、こういう機会をいただけることに感謝してできる限りの準備をして望みたいと思いました。

酒造所見学をしなくても、それこそ沖縄に行ったことがなくても泡盛マイスターの資格は取れます。でも他の泡盛マイスターじゃなくて、数多くの酒造所を見てきた僕だからこそできるお話しをしたいと思っています。そういった僕の想いが伝わったのかどうかはわかりませんが、工場を拝見した後も事務所で平良さんといろいろなお話をさせて頂くことができました。

終始真面目に話していたのかと思わせてこんな写真を撮ったりもしたんですけどね(苦笑)。

盛り泡ろう!@龍泉酒造

この盛り泡ろう!プロップスを平良さんに何枚か託して来たので、沖縄のどこかで遭遇するかもしれませんよ(笑)。

次の予定があったので、はじめは30分くらいで失礼するつもりが盛りあがってしまい1時間以上お邪魔してしまいました。本音をいえばもっと居てお話したかったのですが、家族を御菓子御殿に置いてきたし夜は那覇に出掛ける予定だったので、後ろ髪を引かれる思いを断ち切って龍泉酒造さんを後にしました。

台風の翌日でお忙しい日にも関わらず対応してくださった平良さんありがとうございました。訪問日:2018年7月3日

【追記】今回の旅行のメインイベントだったビーチパーリーは台風7号の影響で中止になってしまい、一時は見学も諦めかけましたがなんとか叶えることができました。台風が来ない時期に沖縄旅行を企画したつもりでしたが去年の7月も台風の隙間を抜けて伊是名酒造所さんにお邪魔したことを思い出しました。7月頭って意外に台風が来るんですね(汗)。

パンフレットのモデルになりました!

かれこれ45蔵くらい酒造所を廻っているので、見学したときの写真や感想が泡盛メーカーさんのホームページにいつか載ることもあるかなと思ってましたが龍泉酒造さんのパンフレットに載ってしまった!感無量です!!

龍泉酒造の主な泡盛

  • 龍泉
  • 羽地内海 etc
4種類の龍泉

羽地内海はみそりんごの味!?

龍泉酒造の一般酒 羽地内海。この羽地内海というのは沖縄本島の本部半島と屋我地島で囲まれた海域のことで、沖縄の瀬戸内海とよばれることもあるようです。文章ではどこか分かりにくいと思うので47酒造所の代表銘柄のラベルがずらりと並んだポスターをちょっと拝借しました。

羽地内海のお味は味噌のような瓜の奈良漬のような味わいです。もっと言えばみそりんごの味。これはかなりうまいこと表現できたと思っているんですが、伝わっていませんよね?

僕の地元の山形では蜜の入っていない、歯触りがもそもそ・ぼそぼそするようなりんごのことを「みそりんご」と呼んでハズレた感を表現していました。蜜入りりんごは好き嫌いがわかれるところですが、一般的には蜜がたくさん入っているりんごが好まれるからです。

羽地内海の味わいは濃厚でかなり僕好みなのでハズレどころか大当たりでした!でも肝心のみそりんごがイメージできないですよね。やっぱり、みそりんごって表現は山形県限定でしょうか?

南の誉(終売)

南の誉@龍泉酒造

平成19年3月に瓶詰めされているので瓶熟成の13年古酒です。熟成した穀物香をしっかり感じました。13年古酒かつ30度にも関わらずまだまだ力強さを感じます。糠(ぬか)や酒粕のニュアンスを感じましたが時間が経つと甘く香ばしいチョコレートのような香りが出てきました。

明和物産さんのPB商品だということを平良さんに教えていただきました。見つけたら買いです!

商品は43度(720ml)・25度(720ml)・30度(100ml)
43度と25度は古酒ブレンドで、30度は一般酒
明和物産さんのPB商品でいずれも4年ほど前に終売

津嘉山酒造所

関連|津嘉山酒造所見学レポート

新里酒造

最古の泡盛の酒造所で江戸時代から続く長い歴史を持つ新里酒造ですが、工場はわりと、いや!かなり新しい!!

かりゆし・古酒琉球の新里酒造

工場の中には綺麗なエレベーターまでありました(驚)。

工場内のエレベーター@新里酒造

エレベーターの中に貼ってあった島旨(しまうま)のポスターは、よく見ると視力じゃなくて飲酒度チェック表。泡盛ファンのみなさん!大丈夫ですか?飲みすぎてませんか~?(笑)。

社長が沖縄国税事務所の鑑定官(日本酒畑)をされていたということもあって、かりゆしに代表されるようなフルーティで飲みやすさにこだわったライトな泡盛も生み出されています。日本酒を醸造するのに適した山田錦ですが、泡盛の古酒造りには向かなかったという泡盛造りの試行錯誤にまつわる貴重なお話も伺うことができました。

見慣れた筈の泡盛の製造ラインなのにすごく違和感があります。

サイズ感が・・・デカ過ぎる!!

連続式冷却機@新里酒造

こうなると実物よりも説明用のパネルの方がわかりやすいかも。でも全部のパネルを撮らなかったので、これはこれでわかりにくくて、すみません(苦笑)。

逆にわかりやすかったのは、このもろみタンクです。

もろみタンク@新里酒造

ひと目で何日目のもろみなのかがわかるようになっています。これは酒造所の方のためというよりも見学者のためなんでしょうか??親切すぎる(笑)。

こちらが新里酒造さんの蒸留機です。聞き忘れましたがどちらかが減圧式蒸留機なんでしょうね。

2つの蒸留機@新里酒造

瓶詰めの設備は衛生面も品質管理ともに抜かりなし!という感じです。さすがISO9001を取得されているだけのことはありますね~。 

「お酒を出す前に度数、品種、タンクを確認しましょう」この注意書きをみると工場内の表示は見学者だけのためでもなさそうですね(当たり前ですが)。伝統だけでなく最新の設備を兼ね備えた新里酒造さんの泡盛が美味しいのは間違いないでしょう。

新里酒造さんにも家族を巻き込んでお邪魔しました。巻き込まれた家族は前日にお邪魔した山川酒造さんの見学でコツをつかんだのか工場見学を楽しんだようでした。中でも試飲をしている時が一番楽しそうだったのでやっぱり血は争えませんね(笑)。

新里酒造様 お忙しい中、丁寧に説明して頂きましてありがとうございました。訪問日:2013年11月12日

コラム|ペリー提督も泡盛がお好き

1853年、開国を要求するために日本にやって来たペリー御一行ですが、浦賀に来る前に琉球(沖縄)で泡盛を一杯ひっかけてからやってきたということをご存知でしょうか?

泡盛マイスター教本からの抜粋になります。ペリー秘書官テイラーは手記の中でこのように残しています。

小さな盃に注がれた酒が出されたが、この酒はこれまでの島で味わったものに比べてはるかに芳醇なものだった。醸造が古くて、まろやかに熟しており、きつくて甘味のあるどろっとした舌触りで、いくらかフランス製のリキュール酒に似ている

泡盛マイスター教本

察するにペリー提督は琉球王朝から素晴らしい泡盛の古酒でおもてなしを受けたようです。現存する泡盛の酒造所で最も古い新里酒造さんは1846年創業なので創業約160年ということになります。

以前、泡盛セミナーでペリー提督が飲んだ泡盛は新里酒造の泡盛かもしれないというお話を伺いました。ペリー提督も「古酒琉球」を飲んだのかな?なんて考えるとロマンが膨らみますね。

日本が日米和親条約を結んだように1854年に琉球も「琉米修好条約」を結ぶわけですが、その間ペリー艦隊は計5回も琉球を訪れているようです。

  • 1853年5月26日~6月9日
  • 1853年6月23日~7月2日
  • 1853年7月25日~8月1日
  • 1854年1月20日~2月7日
  • 1854年7月 1日~7月17日

そんなに滞在していたらさぞ泡盛の酒造所巡りも数をこなせたでしょうね。←違うか!笑

これを機に一度読んでみるのも面白いかなと思いGWに「ペリー艦隊日本遠征記 上下(翻訳:㈱オフィス宮崎/(有)万来舎)」にチャレンジしてみました。

ペリー艦隊日本遠征記 上

1,100頁を超えるボリュームのため貴重なGWの時間の大部分を費やしてしまいましたが、泡盛バカ的にはこんなGWの過ごし方も良しとしましょうか。でもまあボリュームの割には泡盛についての記述はほんの少しだったので、泡盛目線で読むにはおすすめしません(苦笑)。

新里酒造の主な泡盛

  • かりゆし
  • 琉球

琉球42度|県知事賞受賞

facebookで見つけたイベント「泡盛セミナー in 琉球ワールド」に参加してきました。琉球ワールドへ行くのは初めてでしたが泡盛の品揃えが凄い!!沖縄県外では銀座のわしたショップと1位、2位を争うんじゃないでしょうか?

会場に着くと3つの酒造所(久米仙酒造、新里酒造、ヘリオス酒造)の試飲ブースには酒ぬまーが押し寄せていました(笑)。

僕もセミナーがはじまるまでヘリオス酒造の「うるま(ハブ酒)」、久米仙酒造の「久米仙米樽(リキュール)」などなど、たっぷり試飲させていただきました。気にはなるけど1本買って飲むのはなかなかハードルが高いと躊躇していたものや沖縄の居酒屋でもあまりお目にかかれないであろうところをこれ幸いと狙い撃ちです。

ちょうどいい気分になってきた頃に泡盛セミナーがスタート。講師は沖縄最古の蔵元、新里酒造の専務取締役である新里 建二氏です。テーマは「酒造所から伝えたい泡盛」。酒造所見学で酒造所の方からお話を伺う機会はありますがセミナー形式というのは初めてなので期待が高まります。

最前列に座ったため正確な参加人数はわかりませんが立ち見も出るぐらいに盛況でした。セミナーの前半が配布資料に基づいた講義で後半は大変貴重な泡盛の試飲という内容だったので、前半の勉強にも身が入ります!

お待ちかねの後半戦ですが(笑)、貴重な泡盛というのはなんと平成23年度の泡盛鑑評会で最高賞の県知事賞を受賞した「琉球42度」。限定80本でお値段なんと15,000円也!!

琉球42度@新里酒造

無料でセミナーを開催された琉球ワールドさんや久米仙酒造さん、ヘリオス酒造さんも太っ腹に間違いありませんが、限定80本の泡盛を関西の酒ぬまーのためにふるまっていただけるとは、さすが新里酒造さん!

でもたっぷり試飲をした後のほろ酔いのいい気分だったので、その状況で知事賞受賞の高級泡盛をいただくのはちょっともったいない気もしました。

泡盛って何年物とか、アルコール度数は?とか、熟成は樽で?とか、そういうことが気になりますが、そこはあくまでも情報として押さえておく程度で、泡盛の勉強は飲んで自分の五感で感じるということが一番だと実感したセミナーでした。前から気になっていたパーシャルショット用に開発された新里酒造の「南国氷酎」もパーシャルショットで試飲が出来たし、大満足の2時間でした!!(2012年4月29日)

神村酒造

関連|樽貯蔵泡盛暖流で作る暖ボール|神村酒造

比嘉酒造

残波の比嘉酒造

比嘉酒造さんは表だって工場見学を受け付けていません。といっても絶対にNGというわけではなく対応できる人がいれば可能なようで、前もって問い合わせてタイミングが合えば見学OKということでした。   

「この日は見学できますか?」とダメ元で聞いてみたら運よくオーケーという回答をもらえたので、この為だけにレンタカーを借りて泡盛マイスター技能競技大会の翌日にお邪魔しました。またとないチャンスでしたが日程的によく詰め込んだなぁと我ながら思います(苦笑)。

洗米・浸漬・蒸米は工場の3階で行い、製麹は2階へ移動します。そして仕込み・発酵は工場の1階でというように上から下へと動きに無駄がありません。無駄のない機械のレイアウトに魅せられてしまいました。

原料米は工場の3階部分から運び入れているそうです。3階から下を見るとこんな感じ。

工場の3階から@比嘉酒造

回転式ドラムの下には2階へ蒸し米を送り出す穴があります。ドラムの下に大きな漏斗のようなものを設置してこの穴まで蒸し米を流すように造られていました。製麹の機械(円盤)は屋根がないといえばいいのか開放式というのか、上部が覆われていません。

はじめてみる形でした。久米仙酒造さんや菊之露酒造さんの円盤は屋根があって部屋のような構造になっていました。あちらは米蒸しもできるのかもしれませんね??   

工場内は撮影NGだったのと蒸留機は見学自体がNGでしたが、パンフレットの写真を見る限り縦型の蒸留機ようですね。工場の規模からするとこの1機だけというわけはないと思いますが。

比嘉酒造のパンフレット

出荷の工程の手作業は検品ぐらいで大部分はロボット達が活躍していました。それからちょうど工場のラインの増設の準備をされているところでした。まもなく比嘉酒造初の泡盛リキュールも発売されるようなので、大阪でもますます残波を目にする機会が増えそうです。

整然と並ぶ巨大な貯蔵タンクは圧巻でした!酒造所の方によるとタンクの上での作業はかなり怖いらしい。

巨大な貯蔵タンク@比嘉酒造

最後は「残波プレミアム(5年古酒・35度)」を手に記念撮影!比嘉酒造のN様 お忙しい中、丁寧に説明して頂きましてありがとうございました。訪問日:2015年7月6日

工場見学@比嘉酒造

比嘉酒造の主な泡盛

  • 残波シリーズ
  • 海の彩 etc
残波シリーズ
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残波×LIBERTY FORCE

落としても簡単には割れなそうなボトル。このサイズ感がキャンプに持って行くにはちょうどいい。いやちょっと少ないか。グラスの代わりにシェラカップ。大自然の中で飲む残波のお湯割りはサイコーでした。

LIBERTY FORCE(リバティーフォース)のメッセージカッコいいですね。僕は泡盛×アウトドアの楽しみ方を追いかけてみます。

北谷長老酒造工場

見学できないと思っていたので近くに行くことがあっても素通りしていましたが、沖縄の泡友Tさんにご縁をつないでもらって北谷長老酒造工場さんを見学することができました。

今回の沖縄は最終日もやっぱり雨。沖縄の台風はしつこいと聞いていたけど、ここまでとは思いませんでした。。

回転式ドラムと三角棚の画像を見ただけで感の鋭い方は気がついたかもしれませんが、この時期は泡盛造りは休止されているそうです。回転式ドラムの蓋(?)は使い終わったら小まめに外すものなんでしょうか?

泡盛造りの様子を見ることはできませんでしたが、稼動していない泡盛造りの現場を見れるという滅多にない貴重な機会になりました。嬉しい誤算です。

泡盛クイズ①|この穴はなんの穴?

と、突然はじまる泡盛クイズ(笑)。

この穴はなんの穴でしょう?@北谷長老酒造工場

工場見学中に「この穴はなんですか?」と僕が質問すると、酒造所の方に「この人はなんでそんなことが気になるんだろう?」という顔をされるやつですが(苦笑)、僕が聞く前に話題をふってもらえたので嬉しかったです。

少し引いて撮るとこんな感じで、回転式ドラムの前に同じような穴がいくつも開いています。

回転式ドラムの前にある4つの穴

《正解》 この穴は製麹後の麹を階下にあるもろみタンクへと送るための穴。三角棚からこの台車に麹を積んで穴の上まで運び、穴からもろみタンクへと移動します。

米麹を運ぶための台車@北谷長老酒造工場

ちなみに回転式ドラムから三角棚まではこちらの道具で蒸米を運んでいるそうです。

米麹を運ぶための道具@北谷長老酒造工場

こちらがもろみタンクのある階になります。あの穴はこの通路の真上に開いていて通路の左右に配置されたタンクへと麹を移動することができます。 

もろみタンク@北谷長老酒造工場

一応、タンクの中を覗き込んでみましたがどのタンクの中もピカピカに磨き上げられていました。こんな風景はレアですね~。これも泡盛造りを休止しているタイミングだったからこそ。

僕が気になるポイントが伝わったのか?今度はもろみをどうやって蒸留機に運ぶのかも聞く前に教えてもらえました。もろみはこの画像の奥に見える柱に添って取り付けられた塩ビ管を通って、もろみタンクから蒸留機へと運ばれます。

奥の塩ビ管でもろみを運びます@北谷長老酒造工場

蒸留機に感じた違和感

もろみはこちらの蒸留機(縦型・常圧蒸留)へ運ばれます。北谷長老酒造工場さんの蒸留機をひと目見て「あれ~!?」という違和感を感じたのですがわかりますか?

縦型の蒸留機@北谷長老酒造工場

↓これは過去に拝見した泡盛の蒸留機の画像でクイズを作った投稿です。僕が感じた違和感がわかるでしょうか?横型の蒸留機は無視してくださいね。

僕が感じた違和感というのは・・・立ち上がりが蒸留釜の中心にないということでした。立ち上がりの代わりに蒸留釜の中心にあるのは、蒸留中のもろみを攪拌するための装置だと酒造所の方に教えてもらいました。

縦型の蒸留器@北谷長老酒造工場

⑦の津嘉山酒造所の蒸留機も蒸留釜の中心に立ち上がりがないけれど、また雰囲気が違いますね。って細かい話しですみませんが、気になってしまったので(苦笑) 。

話しは変わりますが、このライトで照らされた蒸留機が素敵!

ライトで照らされた蒸留機@北谷長老酒造工場

蒸留された泡盛はこちらのタンクへと運ばれます。そしてここからまた違う場所に運ばれて貯蔵されているそうです。

蒸留後の泡盛が貯蔵されるタンク@北谷長老酒造工場

こちらは瓶詰めやラベル貼りを行うスペースです。この瓶詰めの機械でほぼほぼすべてのサイズの瓶に対応できるんだとか。汎用性が高いですね。ちなみに北谷長老の瓶の肩に斜めに貼っているラベルは手作業です。この辺をこだわると労力がかかるということですね。

はからずとも移動がキーワードになった酒造所見学になりました。最後は事務所に移動してゆっくりお話をさせていただきました。もちろん泡盛の試飲のお誘いも受けたのですが、この日はレンタカーだったので香りだけテイスティングさせてもらいました。こんなに並べてもらって壮観すぎるんですけど。かなり残念です。

ずらりと並んだ泡盛@北谷長老酒造工場

泡盛クイズ②|2つの泡盛の違いは?

一般酒が数銘柄あっても実際はラベルが違うだけで造り(中身)は一緒という酒造所もありますが、北谷長老酒造工場さんの2つの一般酒「一本松」と「北谷長老」では大きな違いがあるそうです。どこが違うのか?わかりますか?

ヒントはこちらの画像に。

  • ヒント1|裏ラベル
  • ヒント2|この装置
ヒント1|北谷長老(左)と一本松(右)の裏ラベル
ヒント2|何やらあやしげな装置

《正解》 北谷長老は、冷却濾過をしている点が一本松と違います。

お忙しい中、対応してくださった北谷長老酒造工場のみなさんありがとうございました。そしてご縁をつないでくださったTさんどうもありがとうございました。訪問日:2018年7月4日 

工場見学@北谷長老酒造工場

北谷長老酒造工場さんはfacebookページとインスタグラム(アカウントは2つ)で情報発信されていることを教えてもらったのでさっそくフォローしました。一本松と北谷長老の造りの違いも既に紹介されているかもしれませんね。興味がある方はぜひチェックしてみてください!

石川酒造場

僕とスカイレンタカーのナビの相性が悪いのか?レンタカーの旅ではナビに振り回されることもしばしば。この日も住所できっちり目的地設定をしていたのに、かなり離れた所で「目的地周辺です。運転疲れ様でした。」と勝手に案内を終了されてしまった(笑) 。

「ここから先は別料金ですねん」といわんばかりのナビに腹を立てながらもなんとか辿りつきました。 約束の時間に15分遅れたことをナビのせいにできたのかどうかはさておき、さっそく石川酒造場さんを見学させていただきます。

石川酒造場

石川酒造場といえば避けては通れないのが甕仕込み。沖縄で唯一の甕仕込みの蔵であるが故に他の蔵ではお目にかかれないものがいっぱいありました。手始めに製麹後の蒸し米を仕込み用の甕に移す(出麹)こちらの装置。

米麹を甕に移動する装置@石川酒造場

もろみの温度管理は仕込み用の一石甕のサイズに合わせたこちらのホース状の冷却管で行っています。大きなステンレスタンクで仕込む酒造所の螺旋状の冷却装置とはだいぶイメージが違いますね。

仕込み中の甕@石川酒造場

甕仕込みと直接関係はありませんが、他の蔵では見慣れた三角棚が工場内に見当たりません。理由は石川酒造場では製麹まで回転式ドラムで行っているからです。温度計の位置は製麹時の温度管理ができるように配置されていました。

お邪魔した時には仕込み後3日目と2週間くらい経ったもろみがありました。3日目のもろみは甘味と酸味がありますが2週間位になると甘さはなくなり酸っぱさだけになるようです。この酸っぱさこそが黒麹菌が作ったクエン酸にほかなりません。

甕で仕込んだもろみ@石川酒造場

クエン酸は雑菌の繁殖を抑える効果があります。泡盛造りには酸を良く作る黒麹菌が使われているので気温の高い沖縄でももろみを腐らせることなく、安心して泡盛造りができるというわけ。なるほどですね~。

工場の2階には甕で熟成されている泡盛達がずらーっと並んでいました。

泡盛熟成中の甕@石川酒造場

見ごたえのある資料室

工場の一角には資料室があって昔の泡盛造りの道具が展示されてました。見学だけでなく撮影もオーケーとはなんと太っ腹!

真っ先に視界に飛び込んできたのがこちら。風呂桶みたいですが一部が木製の直火式蒸留機です。この蒸留機で蒸留した玉友を是非飲んでみたいものです。

旧式の直火式蒸留機@石川酒造場

こちらは旧式の製法で麹造りに使われていたニクブク(藁製のむしろ)です。

ニクブク(藁製のむしろ)@石川酒造場

ニクブクといえば・・・咲元酒造の佐久本 政良氏が沖縄戦で壊滅した酒造所をまわり、焼け跡の土の中から奇跡的に焼け残ったニクブクを見つけてそのニクブクに付着して生き延びた黒麹菌で泡盛造りを甦らせたというのは、泡盛ファンにはあまりにも有名な話ですよね。

こちらはその昔、泡盛の販売店まで泡盛を運ぶ時に使っていた容器なんだそう。渋いですよね!

運搬用に使われていた容器@石川酒造場

この木箱(?)は泡盛をしっかり管理するために甕や泡盛を保管していた容器の蓋を覆っていたものなんだそうです。勝手に泡盛を持ち出したりできないように針金か何かで縛っておき、その針金を切ることができたのは役人だけだったというような話を伺ったような。間違っていたらごめんなさい。

甕や容器の蓋を覆っていた鍵のようなもの@石川酒造場

最後は看板の前で。右手にある甕は二石甕、でかい・・・。

玄関前の二石甕@石川酒造場

酒の文字が浮き出てきている!?

看板の文字@石川酒造場

そんなわけはなく年月と共に看板は削れてしまっているのに、文字の部分だけが守られて浮き出たように残っているようです。酒造所の方もなんのインク・塗料なのかわからないらしい。

石川酒造場では1度に1.3トンの原料米を使って20個の甕に仕込むようです。仮に1つのステンレスタンクに仕込めばもろみの管理は1つで済みます。甕で仕込むということは甕の数だけもろみを管理しないといけないということなんですよね。そこだけを見ても手間暇を惜しまずに丁寧に造られた泡盛だといえるんじゃないでしょうか。

酒造所見学は10回を超え泡盛造りの工程をイメージしながら見学できるようになっていたので、これは甕仕込み特有だろうなという視点で見学することができました。ちなみにこの日は1人でレンタカーで動いていたので残念ながら試飲はなしです。石川酒造場のSさん 丁寧に説明して頂きましてありがとうございました。訪問日:2012年11月2日

石川酒造場の主な泡盛

  • 玉友
  • 島風
  • 44(フォーティーフォー) etc

上原酒造

上原酒造

上原酒造さんといえば、電子(マイナスイオン)技法について書かないわけにはいきません。電子技法というのは『電子』を泡盛の原材料、製造過程に活用することで素材本来の力や自然の味を引き出す手法のことです。

気になるのは電子技法の効果のほどですが、導入してからというもの何度も泡盛鑑評会で賞をとれるようになったということなのでどうやら本物のようです。

電子技法の科学的な仕組み等の詳細は上原酒造さんのHPをご覧ください。上原酒造さんのHPはイラストだけでしたので、ひとりよがりの使命感から電子技法装置を画像で紹介していきますね!

まずは炭素埋没、敷炭

炭素埋没ポイント@上原酒造

敷地内に10箇所ある炭素埋没ポイントの1つですが、他は何かに隠れているそうなので直接見れるのは工場の前の駐車スペースのここだけだそうです。

お次は電子チャージ!

このテーブルのようなものが電子チャージャーです。缶コーヒーを載せておくと酸化分を還元する作用で味が美味しくなる、そんな効果もあるみたいです。

電子チャージャー@上原酒造

こちらは電子チャージャーの隣にある電子マイナスイオン発生装置です。

電子マイナスイオン発生装置@上原酒造

これが電子水製造タンクでタンク内には備長炭が50kgも入っています。電子チャージと備長炭のダブルの効果が期待できる装置です。

電子水製造タンク@上原酒造

ちなみに創業当時は近くに「ンブガー(神の水)」と呼ばれる井戸があり、その水で泡盛造りを行っていたようですが、現在の場所に移ってからは水道水を使っているそうです。一般的な水道水がこのタンクの中で泡盛造りに最適な水に生まれ変わっているんですね。

最後はイオンシャワー!

ぱっと見、蛍光灯と見分けがつかないかもしれませんが(笑)、手前の横向きのものが蛍光灯で、奥にある三角のがイオン装置です。

イオンシャワー(中央奥)

これならわかりやすいでしょうか?光っていない蛍光灯みたいに見えるのがイオン装置です。イオン装置は古酒造りに効果を発揮するそうです。

イオン装置@上原酒造

これまで工場見学でお邪魔してきた酒造所の壁は黒麹菌で黒ずんでいましたが、上原酒造の壁はとても綺麗でした。ちょっと前に掃除をしたそうです。わざと掃除をしないで残しているという部分と比較するとその違いが良くわかりますね。

黒麴菌の付いた壁@上原酒造

工場にお邪魔したときは製造を抑え目にしている時期らしく、仕込み中のもろみはこの9日目のものだけでした。

9日目のもろみ@上原酒造

蒸留直前のもろみをそのまま飲むと最高に旨いというお話を伺いました。上原酒造のKさん 丁寧に説明して頂きましてありがとうございました。訪問日:2011年11月26日

【追記】 酒造所見学はレンタカーを利用することがほとんどですが、この日は路線バスとタクシーを乗り継いで移動しました。一泊二日なのでレンタカーを借りるのが手間だと思ったのか?どうしても試飲をしたかったのか?試飲がしたかったんでしょうね(苦笑)。

上原酒造の主な泡盛

  • 神泉
  • いとまん
  • 群青 etc
神泉@上原酒造

まさひろ酒造

まさひろ酒造(旧比嘉酒造)さんの敷地内に入ると2つの石碑が僕を出迎えてくれました。1つはまさひろ酒造さんの代表銘柄「泡盛まさひろ」の石碑で、もう1つはいつかはレプリカをゲットしたい「君知るや名酒あわもり」の石碑です。

これは沖縄料理店で見つけたグラス。坂口 謹一郎先生が雑誌「世界」に発表された論文のタイトル「君知るや名酒あわもり」はいろんなシーンで大活躍ですね。 

君知るや名酒あわもりのグラス

まさひろ酒造さんの工場見学の見所はズバリ!戦前の泡盛造りの道具やビンテージ泡盛が展示されている「泡盛まさひろギャラリー」です。

泡盛まさひろギャラリー@まさひろ酒造

旧式の製法で麹造りに使われていたニクブク(藁製のむしろ)をはじめて見ることができて感激でした!ビンテージ泡盛は泡盛コレクターの座間味宗徳氏のコレクションが展示されています。

  • ビール瓶
  • ウイスキーの瓶
  • ジュースの瓶

なかにはソース瓶なんていうのも。泡盛専用の瓶がなかった頃に、こうした瓶をリサイクルしていた泡盛が印象的でした。また島唄の海外向けの商品なんかも展示されていました。

この感動を画像と共にご紹介できないのは、残念ながらギャラリー内が撮影禁止だったからです。興味のある方は泡盛まさひろギャラリーを訪れて是非自分の目で見てください!

お邪魔した日が土曜日で工場が稼働していなかったので工場を拝見することはできませんでしたが、1階の試飲コーナーでたっぷり飲ませていただきました。工場見学といいながらこのパターンが多いです(笑)。

でも残念どころか、まさひろ酒造さんの泡盛マイスターの方にマンツーマンで説明して頂きながら泡盛を頂けるという泡盛好きにはたまらないシチュエーションでした。僕が泡盛マイスターの勉強中だとお話したところ嬉しいお土産までいただきました。見てください「泡盛Q&A」というパンフレットです。

泡盛Q&A@まさひろ酒造
  • なぜ泡盛造りに黒麹菌が使われているのですか?
  • 泡盛はなぜ長期熟成させると美味しくなるのですか?

といった質問にイラスト付きでわかりやすい回答が書かれていて、泡盛マイスターの試験勉強中は泡盛の知識の習得に役立ちました。

中にはこんな質問も

泡盛は飲めば飲むほど強くなるというのは本当でしょうか?

酔拳か!!と、横からすかさず相方の容赦のない突込みが炸裂しました!身をもって体験しているので回答を見ずとも良くわかりますが、答えは・・・NOです(苦笑)。いくら泡盛が美味しくても飲みすぎには注意しないといけませんね。

まさひろ酒造のTさん 丁寧に説明して頂きましてありがとうございました。訪問日:2011年11月26日

まさひろ酒造に社名が変わりました

株式会社比嘉酒造さんの社名(商号)が2015年3月5日から「まさひろ酒造株式会社」に変わっています。司法書士という職業柄、興味が湧いてきたので会社の登記事項証明書を取得してみました。正確にはネットで取れる337円の登記情報提供サービスのものです。

  • 会社の目的
  • 株式の数
  • 役員の構成

ホームページには載ってない、まさひろ酒造さんの情報がわかって面白いなぁと思ったのですが、そう思うのはもしかして僕だけ?笑。

ちなみに会社でも不動産でも登記事項証明書は簡単に法務局で取得することができます。司法書士だから取れると勘違いされる方もいますが費用を払えば誰でも取ることができます。

さて社名変更(商号変更)したのは代表銘柄の「まさひろ」がメジャーだということもあるとは思いますが、比嘉酒造が2つあってややこしかったからですよね?たぶん。まさひろの方?残波の方?という確認がいるので。ちなみに泡盛マイスターの勉強中は伊平屋酒造所(照島)と伊是名酒造所(常盤)もどっちがどっちだっけ?ってなってました(苦笑)。(2015年3月)

コラム|太郎とまさひろ

太郎とまさひろ、どちらも泡盛の銘柄です。2つの銘柄の由来は・・・社長のお名前。そうなんです!2つの泡盛は酒造所の社長のお名前をもとに命名されています。 

  • ニコニコ太郎は、池間酒造二代目の池間 太郎氏のお名前から
  • まさひろは、まさひろ酒造三代目の比嘉 昌廣(しょうこう)氏のお名前を読み変えて

お名前が「まさひろ」さんが工場見学に行くと泡盛がもらえるとか、全国のまさひろさんが羨ましいです(^^)

ちなみに、この「まさひろ県産米仕込み」は蔵元限定なので酒造所でしか買えないと思い込んでいましたが、ネットでも買えるようです。蔵元限定という響きに飛びついてリュックがパンパンになるまで泡盛を買って那覇空港を飛び立ったあの日はなんだったのだろう・・・。

さあ気を取り直して(苦笑)、注目すべきは沖縄県産米仕込みという点です!泡盛の原料はタイから輸入しているタイ米(インディカ種)がほとんどですが、このまさひろは沖縄県で造られているお米で造られています。

まさひろ酒造さんのHPによると「沖縄のお米で泡盛を造ったらどんな味になるのか?」という職人さんの探究心から生まれた泡盛のようですがこれがすごく飲みやすい!

度数は30度なのですが25度ぐらいに感じます。もちろん度数が正確に判るほど僕の舌は高性能ではありません。にしても30度よりは軽く感じるというニュアンスです。原料の違いもあるでしょう。さらにこの県産米仕込みはまさひろシリーズ初めての減圧蒸留なのでその辺りも影響しているんだろうと思います。

コラム|泡盛マイスターが憧れる美ら海

山形県の内陸部で育った僕にとって、海の近くに住んでたらちょっと釣りに行けば簡単に夕飯のおかずぐらいは調達出来そうなイメージがあって、子供の頃から海の近くに住むことに憧れがありました。

いざ自分が海から300mの距離に住んでみて幻想だったとすぐに気が付きましたが、僕の場合は海から300mといっても大阪湾なので沖縄の海なら違うはずと秘かに信じていました。

それこそ自然豊かな沖縄の海なので釣りなんてまどろっこしいことはせず、素潜りで夕飯のおかずに魚を銛で付くのなんかは朝飯前かなと思ってたわけです。でも、これもまた僕の幻想だったみたいです。

最近、沖縄関連の本で「海人」を除けば一般的な沖縄県民は海に潜ったことがない人が多いと知りました。どうも沖縄の子どもは海は怖い所だと周りから聞かされて育っているので、沖縄県民にとって海はビーチパーリーをしたりする場所であって、潜ったりはしないようです。

ということは自分の目で海の中や「珊瑚礁」で泳ぐ熱帯魚を見たことがないという沖縄県民も多いんでしょうね。

前振りが長いし、なかなか強引ですが「海人」・まさひろ酒造と「珊瑚礁」・山川酒造について書いてみたかっただけでした(苦笑)。

ちなみに僕も沖縄の美ら海ではシュノーケルをする程度で潜ったことはありません。ちなみにシュノーケルをする目的はイシミーバイを釣る時に魚影の濃いポイントを自分の目で確認するためです。

結局、僕にとっての美ら海は田嘉里酒造所で見たような泡盛の原酒の海なのかも。(2011年12月19日)

原酒の海@やんばる酒造

まさひろ酒造の主な泡盛

  • 島唄
  • まさひろ
  • 海人
  • シン泡盛
  • まさひろラウンジ etc

【泡盛島唄の秘密】 我が家から徒歩1分のスーパーに唯一置いている泡盛がこの「島唄」・まさひろ酒造です。

島唄黒と島唄白

これは普通のミニボトルの半分のサイズの50mlボトル。まさひろ酒造の「島唄」は日本全国で飲まれている泡盛の銘柄の1つだよねと、1人で納得していたら沖縄県外向けの銘柄らしく沖縄県内では売っていないそうです。

マジで!?おそらく泡盛好きの沖縄県民の方に泡盛の「島唄」って言っても通じず、変な空気になってしまうと思われます(笑)。

【シン泡盛】

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うまんちゅ市場に着いた時間が少し遅くて #シン泡盛 はもらえなかったのですが沖縄の泡友さんに譲ってもらい大阪に持ち帰ってきました。泡盛でシンと言われたらこのグラスしか思いつかなかったのでブルーのクースグラスで。ボトルのまま冷蔵庫でしっかり冷やしてストレートでクッといただきました。

シン泡盛の「若者に手に取ってもらいたい!」というコンセプトを知って思い出したのはグランフロント大阪で泡盛の試飲イベントをした時(2019年)のこと。

若い人が多い商業施設なので20代30代の人にも泡盛を試飲してもらいました。

「泡盛って強いですよね~」と試飲する前は一瞬ひるんでいたのに、恐る恐る少しずつ口に含むように飲むのかと思っていたらテキーラをショットグラスで飲むように、ひと口で一気に飲み干す方が多くて意外でした。

で「うわぁきつい。泡盛って感じ~」と悶絶されるのを見て、あららと思ってしまうのと同時に、泡盛の飲み方も知られていないんだなと実感しました。

そんなことを考えながら、なんとなくシン泡盛は割らずに飲みたいと思ったのでストレートのあとはオンザロックで飲んでみました。

氷が融けるとスルスルと飲めてしまって個人的には少し薄く感じました。

だから泡盛は飲まないけどお酒が好きな若い人には40度くらいでもいいのかもとチラッと思いながらサクっと飲み干してしまいました。Tさんありがとうございました。

宮里酒造所

関連|春雨でカリーはついたか?|宮里酒造所

久米仙酒造

久米仙酒造

案内していただいたのは開発部門のNさん。認証番号は200番台前半で泡盛マイスターの大先輩になります。名刺を頂いた時に「僕も泡盛マイスターを取って今回は認証式に参加するために沖縄に来ました」と、思わず自分が泡盛マイスターであることをしゃべってしまいました。

そんなわけで、こいつは泡盛マイスターのくせにそんな初歩的な質問するか?って思われたら嫌だなと、少し緊張しながら見学はスタートしました(笑)。

まずは製麹。製麹といえば、三角棚と回転式ドラムしか知らなかったので、この円形の製麹機の大きさにはたまげた!広い!大人でも余裕で中に入れそうです。

製麹機は2階建てなのですが、なんとなく気になって1階部分を見せてもらったものの中は特になんでもなくて肩すかし。そしてちょっぴり恥ずかしい(苦笑)。

製麹機の1階部分@久米仙酒造

ここは仕込みタンクの上です。

仕込みタンク@久米仙酒造

タンクの中を見せていただいた時に、思わず口から出てしまったのが「この中に落ちた人っているんですか?」という間抜けな質問。俺は何を聞いているんだと思った時には手遅れ。。

タンクの中にはガスが充満しているので即死だそうです。それから、そんなことを聞かれたのははじめてですとのこと。ああ恥ずかしー(大汗)。

泡盛マイスターとか以前にそんなこと聞く奴はいませんよね。即死じゃもし落ちてても言えないですよね~。←そういうことじゃないか(苦笑)。

泡盛マイスターらしい的を得た質問がまったくできなかったのですが、蒸留機の説明をして頂いた時に蒸留機の立ち上がりに捲かれている黒っぽい布(?)に、またまた食いついてしまいました。

蒸留機@久米仙酒造

この布(?)を1枚捲くか捲かないかで泡盛の味わいが変わってくるそうです。試行錯誤の結果がこの布というわけ。

それから、こちらは組合に泡盛を運ぶ時に使うタンクだそう。おっと、組合というのは沖縄県酒造協同組合で運ばれた泡盛は南風だったり、海之邦の一部になるというわけですね。

運搬用のタンク@久米仙酒造

このタンクは沖縄県酒造協同組合に泡盛を運ぶために他の酒造所が借りに来ることもあるようです。ちゃんとした質問ができると打てば響くのだと思い知りました。

見学の最後には試飲ができないのにもかかわらず、奴樽蔵(やったるぞう)、久米仙ブラック、樽熟成十年古酒など7銘柄をグラスに注いでいただいて香りと色を確認させてもらいました。車じゃなかったら他にも試飲できますか?と言ってるところですが、今回ばかりは「もったいないのでこれは注がなくもいいですよ」とか言ってみました(笑)。

それにしても、試飲のできない酒造所見学ツアーなんて苦行に近いですね。久米仙酒造のN様 丁寧に説明して頂きましてありがとうございました。訪問日:2012年11月2日

【追記】 酒造所見学を重ねる毎に独自の視点で質問ができるようになってきたように思います。少々間抜けですが(苦笑)。それからNさんというのはカリスマブレンダーまっきーさんこと中村 真紀さんです。僕が見学の時に間抜けな質問をしたことはたぶん憶えていないと思いますが、今度会ったときに聞いてみようと思います。

久米仙酒造の主な泡盛

  • 久米仙
  • 久米仙古酒
  • くろ
  • 久米仙ブラック
  • 正蔵 etc

8年古酒で焚火酒。一度沸かしたお湯が冷めてきた頃合いを見て低めの温度のお湯割り。口当たりは柔らかく甘味も増して美味しくいただきました。最近は焚き火が最高の肴です。

久米仙 8年古酒@焚き火

07なので2007年が詰口なのかな?もしくは平成7年?。苦味が強く出てますが、飲んでいる途中で苦味が香ばしさに変わる瓶熟泡盛でした。

久米仙 仙華
久米仙ブラック古酒
正蔵

瑞泉酒造

関連|御酒(うさき)誕生までの奇跡に酔う|瑞泉酒造

識名酒造

普段は見学ができないので2年前は酒造所の前で写真だけ撮って帰りました。しかし今回は「琉球泡盛を訪ねる旅」というスタンプラリー期間中のため特別に見学することができました。ツイてます!

最初に目に留まったのがこちらの瓶詰めの様子。なんともかわいらしいミニボトルの瓶詰めです。

ミニボトルの瓶詰め@識名酒造

黒麹菌の種付けの瞬間に立ち会うことができました。酒造所の方は種付けのことを「麹をうつ」と言っていましたね。

こちらは見慣れた三角棚ですが屋根の部分が眩しいくらいにピカピカです。

三角棚@識名酒造

工場の中は黒麹菌で真っ黒なのに、ここだけは蒸気でカビの付いていない貴重な梁。

蒸気でカビの付いていない梁

6日目のもろみです。ブクブクと泡が立っていて、もろみが生きていることを実感できます。そうそう。画像ではもろみタンクのサイズ感が分かりにくいと思うのですが。

これならわかりやすいですね。ちょうどタンクの中の清掃中でした。100トンクラスのタンクとかはどうやって清掃しているんでしょうか。内部にハシゴがあるとか?ないとか?疑問です。

もろみタンクの清掃@識名酒造

見学の最中に蒸留がはじまりました!うなりをあげるファンベルト!

蒸留機(関節式)の中でもろみは沸点寸前!!

もろみは沸点寸前

まだかまだかと、さましタンクを上から覗くの図。

さましタンク@識名酒造

タンクの温度は上の方が70℃ぐらいで下の方にいくと30℃ぐらいだそう。残念ながらここからは泡盛を確認できません。待つこと数分、いよいよ出てきました~

前回の蒸留廃液の残留液

といってもこちらは前回の蒸留廃液の残留液なんだそう。今回のできたてほやほやの泡盛はこちらを経由してひとまず検定タンクへと移動します。

説明の途中で「度数を下げるのは簡単だけど、上げるのは難しい」と泡盛の度数管理には気を使うことを酒造所の方がしみじみと仰っていました。

酒造所見学の最後には酒造所でしか買えない限定泡盛をゲットしましたよ。蔵出しの10年古酒でシリアルナンバーも入っていますが、なんといっても度数にご注目の29度!

熟成させる過程で30度から下がってしまったそうです。たった1度でも同じ条件で30度に上げるのは至難の業なんでしょうね。先に聞いていた度数管理の難しさの話は伏線だったのかな?

詰め日は11月1日、泡盛の日でした。でも購入を決めたのは当然アルコール度数が29度という点です。単に奇をてらったのではない、この度数に隠されたエピソードにこそ価値があると思うのは僕だけでしょうか?

識名酒造様 お忙しい中、丁寧に説明して頂きましてありがとうございました。訪問日:2013年11月13日

4種類の時雨で好みを探る

僕は酒造所毎、また同じ酒造所でも銘柄によって様々な味わいが生まれることが泡盛の魅力の1つだと思っているので、個性の違いを楽しむことが中心で、自分の好みの泡盛を見つけようということは特にしてきませんでした。泡盛マイスターは業界全体を応援するというスタンスなので、どの泡盛が好きということは言ってはいけないと言われていたことも関係しています。

でも少し考え方が変わってきました。先行き不透明な時代なので選択と集中も必要じゃないかと思うようになりました。そこで度数も年数も酵母も異なる4種類の時雨で好みの味わいを探ってみました。ブラインドでスペックを隠してテイスティングをすることで17年古酒といったスペックに影響されずに純粋に好みの味わいを探ってみようという試みです。

スペックが違う4種類の時雨

テイスティングしたのは2020年12月なので瓶熟を含めて③は3年、④は6年、①は14年、②は17年古酒です。③④は黒糖酵母ですが①②は泡盛101号酵母だと思います。

  • ①25度 詰口年月日|2006/8/14
  • ②29度 10年古酒 詰口年月日|2013/11/1
  • ③30度 詰口年月日|2017/4/13
  • ④43度 詰口年月日|2014/7/7
スペックが違う4種類の時雨|ラベル

さて僕好みの味わいの時雨は見つかったのでしょうか?

咲元酒造

関連|新工場で生まれた泡盛蔵波|咲元酒造

瑞穂酒造

天龍蔵@瑞穂酒造

貯蔵量64万リットルを誇る地下タンクのある「天龍蔵」でたっぷり泡盛の試飲をさせて頂きました。残念ながら工場の中を拝見することができませんでしたが、工場が見れなくても泡盛が飲めればそれも良しとしましょう。

直前にお邪魔していた瑞泉酒造さんでもしっかり試飲させて頂いたので回りが早いです(汗)。

工場見学で泡盛の販売所があると、「ここでしか買えない泡盛はありますか?」とついつい聞いてしまい結局買ってしまうはめになるのですが、瑞穂酒造さんにもここでしか買えない泡盛がありました。

黒いラベルの「ender(エンダ―)」は工場限定販売でした。中の泡盛は通常の「ender」とまったく同じということだったので買うのは諦めました。撮るのを忘れてしまって黒いラベルの画像はありません。

他には酒造所でしか買えないオリジナルポロシャツもありましたが、Tシャツと違ってポロシャツは出番が少ないので見学の高揚感に飲み込まれず冷静にパスしました(苦笑)。

買い物を諦めて天龍蔵の中をよくよく見渡すと、年代物の甕が鎮座している棚にとっくりを持ったタヌキのはく製がありました。瑞穂酒造の泡盛と何か深い因縁があるのでは?と思い、酒造所の方にこのタヌキが置いてある理由を聞いてみましたが、特に理由はないそうです(笑)。

タヌキのはく製@瑞穂酒造

でも良く見ると、とっくりだけじゃなく、左手に「ちびエンダ―」を抱きかかえているので、すかさず撮りました!両手に泡盛を持つタヌキに「どんだけ飲むねん!」と相方の突っ込みが炸裂しました。

そうそう、酒造所の建物の壁にでかでかと瑞穂酒造のキャッチコピーが書かれていました。でも、ちょっと見にくいので、少し移動。

やっぱり見にくいので、さらに移動します。ここならわかりますか?キャッチコピーは「古酒は沖縄の宝もの」です。画質が悪くてすみません。

ゆいレール市立病院前駅から撮影

ところで古酒は「クース」と「こしゅ」のどちらが一般的な言い方なのでしょうか?「クース」の方が沖縄っぽいと思って使っていましたが、酒造所見学を重ねていると酒造所の方は「こしゅ」と言っていることが多いように感じました。瑞穂酒造さん 丁寧に説明して頂きましてありがとうございました。 訪問日:2011年10月17日

【追記】 工場の中を拝見できないときは、毎回泡盛の試飲に走っていますね~(苦笑)。いまでも大したことありませんが写真を撮るのがへたくそですね。読み返してみると恥ずかしいのですが、この頃はそんな感じだったなぁと懐かしく思えるので手を加えずにそのままにしています。

この記事を書いてから約5年になりますが、考えてみるとほぼ「こしゅ」と言ってますね。関西ではまだまだ泡盛を知らない方が多いので、できるだけ伝わりやすいように「クース」ではなく、読み易い「こしゅ」を使うようになりました。

瑞穂酒造の主な泡盛

  • 瑞穂
  • 美ら燦々
  • ender etc

沖縄県酒造協同組合

関連|南風、海乃邦はどっちの組合?|沖縄県酒造協同組合

神谷酒造所

神谷酒造所

工場見学をお願いしたところ、なんと!3代目の神谷 雅樹さん自ら対応していただきました。お忙しいでしょうに、ありがたいやら申し訳ないやら複雑です。酒造所内の撮影許可を頂きましたので、遠慮なくバシャバシャ撮らせていただきました。

回転式ドラムと直前にお邪魔した石川酒造場さんにはなかった三角棚。

こちらは仕込み用のタンクです。

もろみタンク@神谷酒造所

こちらが縦型の常圧蒸留機です。

縦型の蒸留機@神谷酒造所

この蒸留機は直接・間接の切り替えが可能だと伺ったのを見学の時はさらっと聞き流してしまいましたが、このブログを書くために頂いた資料をよく読むと、神谷酒造所では独自の「蒸気吹き込み式蒸留機」を使っているよう。

「泡盛マイスター教本」を読み返すと、いわゆる「縦型直接間接加熱併用式蒸留機」のことかと思うのですが、ここはもっと掘り下げて聞くべきだったなと猛反省。。

華麗なる泡盛を仕込み中

お邪魔した時はジャポニカ米で仕込み中のタンクがありました。茨城県にある大嶋農場さんからの依頼だそうです。原料米に使われているのは大嶋農場さんが作っている華麗米(カレー米)なるお米で、タイ米で造ることの多い泡盛をこの華麗米で造ったら美味しい泡盛が出来るんじゃないか?というアイディアから生まれた企画のようです。

ジャポニカ米で仕込み中のもろみ@神谷酒造所

以下は、大嶋農場さんのHPから華麗米の説明を引用しました。

非常に珍しいお米です。タイ米のようなパラッとした食感と、日本のお米の味わい深さをあわせ持つお米です。特に、チャーハンに最適です。 

大嶋農場さんのHP

神谷酒造所ではこの泡盛を販売しておらず、大嶋農場さんから直接購入するしかないと聞いたので、早速ホームページをチェックしてみましたが載っていません。すかさず電話で問い合わせてみたら、2013年の5月頃にはホームページにアップされるということでした。 

こちらは保管用の泡盛のタンクです。

熟成中の泡盛@神谷酒造所

神谷酒造所では出荷する前に半年は甕に寝かせておくと伺ったことを思い出しました。道理で華麗米仕込みの泡盛ができあがるのも2013年の5月頃になるはずです。僕が去年(2012年)の11月に忠孝酒造さんで仕込んだ泡盛もまだ届いていませんからね。少々先走り過ぎたようです。

それにしても泡盛好きとしては、なにげない所で酒造所名を見つけると、萌え~ですね。 

社名入りのフォークリフト@神谷酒造所

神谷さんが酒造所の近くの農家で作られたお米で泡盛を造ってみたいと仰ってたのが印象的でした。これまで考えたこともありませんでしたが、もし僕の地元山形県のお米「つや姫 」で泡盛を造ったらどんな泡盛が出来るのか?と考え出したら妄想が止まりません(つや姫で造られた日本酒や米焼酎はあります)。

忠孝酒造さんの手造り泡盛体験の時に仕込む米の量は120キロで、泡盛造りの規模としてはかなり小さい部類だと思うけど、そのぐらいからお願いできるんでしょうか??

つや姫の5キロが3,500円として、120キロなら原料米だけで84,000円。現実問題としては人気で品薄のつや姫を120キロ調達するのも難しそう。このぐらい(450グラム)ならいつでもなんとかなるんですけどね(笑)。

山形の新しいお米 つや姫

タイ米に限らず泡盛もワインのように原料米の産地にこだわり、そこをPRするのも面白いし、酒造所自ら作ったお米で造る泡盛というのも面白いんじゃないかと妄想が膨らみます。神谷様 丁寧に説明して頂きましてありがとうございました。訪問日:2012年11月2日

【追記】 本記事を書いたのは2013年の1月です。大嶋農場さんのHPをちょこちょこチェックしていたつもりでしたが、泡盛のことは見ていません。僕が気がつかないうちに完売してしまったのでしょうか?華麗米仕込みの泡盛飲んでみたかったですね。

神谷酒造所の主な泡盛

  • 南光
  • はなはな etc

樽貯蔵ぽい色に見えますが、ラベルの裏側の色でそう見えるだけです。

70度の原料用アルコールで作ったスイカクテルです。飲むというよりもお酒にひたひた付けて食べるのがいいと思います。ひたひたしたスイカを凍らせるとも面白いかも。70度は食べ過ぎに注意です。

南光初留取り70度のスイカクテル

忠孝酒造

関連|忠孝酒造見学レポート

渡久山酒造

直前にお邪魔していた宮の華さんからタクシーで行くと約束の時間には早く着き過ぎるとは思いましたが、10月といえども歩くには昼間の日差しはきついし、手には宮の華でゲットした泡盛と釣具を持っていたので、早く着いたら着いたで伊良部島のサトウキビ畑の傍にでも座ってボーっとするのもありかなと思いタクシーに乗りました。

渡久山酒造さんの見学が終わったら海水浴をしている家族と伊良部島のフェリー乗り場で合流する予定でした。もし早めに港に着いたら釣りをするつもりで釣竿を持っていただけで酒造所見学の度に釣竿を持っていっているわけではありません(笑)。

それにしてもタクシーが停まったのが、普通の住宅地の中だったというのは想定外でした。ボーっとする予定だったサトウキビ畑なんてどこにもなかったのです。

渡久山酒造

普通の民家のように見えますが、酒造所の看板もあるし敷地は奥が広くて左手奥に写っているのが渡久山酒造さんの工場です。お昼の住宅地で釣竿を手にした四十路男がしばらくじっとしている様子は相当怪しかったはず(苦笑)。

整然という言葉が似合う工場

お邪魔した日は泡盛造りはお休みだったようでしたが、回転式ドラムや三角棚、そしてもろみタンクもしかり。普段から綺麗に片付けられていて、手入れも行き届いているという印象を受けました。

ブルーとシルバーのコンビネーションといい機能美を超えた美しさを感じました。

もろみタンク@渡久山酒造

庭に泡盛の空き瓶が散乱!?

一升瓶の空き瓶@渡久山酒造

敷地の一部には一升瓶が沢山集められていました。離島では瓶をリサイクルしているとは聞いていましたが、こんな感じだったんですね。リサイクルした瓶に泡盛を充填したものがこちら。中には緑色や半透明のビンもありますね!

リサイクル瓶に詰められた泡盛@渡久山酒造

一般的な茶色の瓶は沖縄県外用にしているので、カラフルなビンは必然的に島内を回ることになるようです。宮古島で泡盛を化粧紙で包む習慣は再利用することでキズがついた瓶を覆い隠すためらしいのですが、瓶自体を包んでしまうことで瓶の色のバラつきをわからなくするのも理由なんでしょうね。

これは宮古島ではなく家の近所の酒屋で買った渡久山酒造の「豊年(古酒・35度)」です。伊良部島からフェリーで宮古島に渡り、そこから大阪までやって来たと思うと感慨深いものがあります。

豊年(古酒・35度)

古酒で思い出したけど渡久山酒造では米軍払い下げのタンクローリーのタンクの部分を使って泡盛を貯蔵しているんでした。伊良部島まで行ったのに珍しいタンクを見せてもらうことをすっかり忘れてました(泣)。

渡久山酒造様 お忙しい中、丁寧に説明して頂きましてありがとうございました。訪問日:2014年10月3日

渡久山酒造の主な泡盛

  • 豊年
  • 藍色ゆら
  • サシバ etc
豊年

宮の華

宮の華@伊良部島

海水浴に行く家族と別れて向かうは伊良部島にある泡盛の酒造所、宮の華さん。宮の華といえばラベル裏のありがとうのメッセージが印象的ですよね。

宮の華のありがとうのラベル

工場見学は原料米から拝見しました。ここに積んであったのは泡盛造りで主流のタイ米ではなく無農薬・無肥料の国産米。

原料米は無農薬・無肥料の国産米

さとうきびと勘違いしている方も多いのですが、泡盛の原料はお米なんです。見渡す限りさとうきび畑が広がる風景を一度でも沖縄旅行で見たことがあれば、そう思ってしまうのも納得できますけど。

こちらは熊本と岡山産(だったかな?)で食用米なんだそう。国産米で仕込む量は年間4~5トン程度らしいので、こうして原料米を見ることができたのはラッキーでした。

画像はありませんが、原料米の傍らに精米機があって美味しい泡盛を造るため仕込む直前に精米しているそうです。これだけでも宮の華さんの泡盛造りに懸ける想いが伝わってきますね。この時点で国産米で造られた泡盛を買って帰るモードになっていました(苦笑)。

原料米に続いては回転式ドラムと三角棚を拝見するために工場の2階へ移動します。

その後はまた1階に降りて、もろみタンク・蒸留機を拝見します。一見すると無駄に上下移動しているようですが、原料米を2階に上げて製麹後に1階に下ろす様子を実際に工場を拝見するとシンプルで無駄のない配置だということがわかります。

もろみタンク@宮の華

お邪魔した時はまさに泡盛を蒸留しているところでした。蒸留機に度数計は付いているのですが、より正確にアルコール度数を把握するためにこちらの度数計を使って度数を確認されていました。 

アルコール分を正確に測るための度数計

こちらは余分な脂を取り除いているところです。

余分な脂を取り除いているところ

宮の華さんは杜氏さんが女性でスタッフの8割が女性だそうです。それがこういった細やかな作業にも表れているのを感じました。

これは何の機械でしょう?

何をするための機械でしょう?

これは蒸留した後のもろみを搾る機械です。それをさらにろ過することでもろみ酢が出来ます。泡盛のもろみ酢用というわけではなく日本酒造りでも使われている機械のようでした。

一升瓶に1本ずつ化粧紙を巻いて、さらに紐で束ねて2本セットにするのは宮古島特有の包装スタイルです。奥では女性スタッフの方が「豊見親」の斜めのラベルを一枚一枚、丁寧に手作業で貼っているところでした。

予想通り、酒造所の見学記念だからと自分に言い訳をしながら無農薬・無肥料の国産米で造られた「うでぃさんの酒」を持ってフェリー乗り場に向かっていました(苦笑)。

うでぃさんの酒@宮の華

離島(宮古島)の離島である伊良部島にある2つの酒造所は見学可能なので、宮古島の酒造所見学のメインはこの日と言っても過言ではなかったのに、来てましたね~台風が。海水浴に行っていた家族はというと、案の定風が強くて早々に海から上ったようでした。

今では伊良部島へは伊良部大橋で簡単に行くことができますが、このときは開通の4ヶ月前。心配していたフェリーの欠航は何とか免れてお邪魔することができました。宮の華様 お忙しい中、丁寧に説明して頂きましてありがとうございました。訪問日:2014年10月3日

宮の華の主な泡盛

  • 宮の華
  • うでぃさんの酒
  • 八重干瀬
  • 豊見親 etc

瓶熟の5年古酒、ふくよかさよりもシャープな印象の泡盛です。第1アロマは洗い立ての米、第2アロマは葉わさびのようなグリーンなイメージ。はじめにしっかりした苦味がはじめに来て、さとうきびをかじった時のような甘味(青臭さも感じます)を感じます。色のイメージは薄いグリーンって完全にさとうきびに引っ張られていますね。

八重干瀬@宮の華

多良川

多良川@宮古島

酒造りは水が命といわれます。近くを流れる多良川という川の水を使って昔から泡盛造りをしていたことから「多良川」と命名されたと思っていました。間違いではありませんが珊瑚礁でできた宮古島には地表を流れる川がなく、宮古島では掘り井戸を含めて地下水(伏流水)を川と呼ぶそうです。

というわけで、正確には多良川というのは工場一帯の地下に豊かに湧き出る伏流水の名前に由来します。※「焼酎楽園vol.36」を参考にさせていただきました。

さて工場見学は本社の向かいに建つこちらの建物からスタート!見学といっても実際には工場の中ではなく、泡盛の製造過程を余すところなく撮影したビデオの鑑賞でした。

ビデオの方が気軽なのはそうなんですが、回転式ドラムから伝わってくる熱や発酵中のもろみの香り、それから蒸留したての泡盛の香りなど映像ではリアルには感じることができないので、やっぱり実際に工場の中が見れる方がいいですよね。

ビデオを見た建物には年代物の古酒が大切に貯蔵されていました。

年代物の古酒@多良川

工場から南へ150mのところに位置する洞窟貯蔵庫ウプウス蔵は実際に中に入って見学することができました。

同じように保管サービスをしている金武酒造の鍾乳洞と比べるとさほど深くはありません。洞窟の中では沢山の泡盛が貯蔵されていました。

オリックス・バファローズの貯蔵コーナーがありました。

オリックス・バファローズの貯蔵コーナー

この日は運転手だったので、まもる君に怒られないように試飲は我慢。酒造所に来ればあるんじゃないか?とかなり期待していた「MY17(さとうきびの搾りかすから抽出した宮古島原生の酵母を使って造られた泡盛)」がなかったのでこちらを買いました。

10度ののみごろひやさっさ

オトーリ専用というわけではないそうですが、オトーリに適したアルコール度数10度にはじめから割ってある「のみごろひやさっさ」。 意外というべきかやっぱりというべきか「のみごろひやさっさ」は宮古島限定でした。一升瓶でしたが宮古島滞在中に家族で飲みきりました。訪問日:2014年10月2日

【追記】 プロ野球の12球団中、7球団(日本ハム、阪神、広島、中日、DeNA、ヤクルト、巨人)は沖縄本島で、楽天は久米島、ロッテは石垣島とキャンプ地は沖縄県が多いですね。そう考えるとプロ野球選手には泡盛ファンが多いのかも?

プロ野球12球団キャンプ地

それか飲みすぎて嫌いになってるか? 体育会系のノリでオトーリなんてやろうもんならかなりきつそうですよね。まさかオトーリとは関係がないと思いますが、オリックスは宮古島から宮崎(前半)にキャンプ地を移したみたいです。多良川さんで熟成中の選手の甕が気になります。(2015年2月2日)

多良川の主な泡盛

  • 多良川
  • 古酒2002 41度
  • 琉球王朝
  • 久遠
  • TARAGAWA BLENDED etc

沖之光酒造

2011年から始めた泡盛の酒造所見学でしたが、見学出来ない所には行かないし、たとえ酒造所の近くまで行ったとしても写真を撮ったりすることもありませんでした。というのも酒造所の写真を撮るだけなんて「酒造所に行った」とは言えないと考えていたからです。

でも沖縄本島はともかく離島は訪れるチャンスが少ないので、今回の宮古島旅行では考えを改めました。休業中の千代泉酒造所は見学できなくてもせめて工場の写真だけでも撮りたいと思ったし、とにかくまわれるだけまわろうと考えを改めて結果的には宮古島にある全ての泡盛の酒造所をまわりました。

そして、今回の旅のラストは沖之光酒造さんにお邪魔しました。

沖之光酒造@宮古島

工場の見学ができなくてもショップがあればそれはそれで楽しめると前向きに考えていましたが、残念ながら日曜日で販売店も休みでした。。

だから滞在時間はほんの2、3分。こんなんじゃ見学どころか訪問ともいえませんね(苦笑)。写っているのは宮古島で行動を共にしたマーチ君。泊まっていた宮古島の端の吉野から町中まで毎日走りました。訪問日:2014年10月5日

沖之光酒造@宮古島

今回の家族旅行の間に宮古島にある7つの酒造所を訪ねることができたのには実は理由があります。台風が宮古島に接近していてほとんど海に入れなかったので昼間は時間をもてあましていたからです(苦笑)。

滞在5日間のうち辛うじて海に入れたのは2日だけ。。

台風最接近

メインは家族旅行なのでピーカンだったらそう泡盛、泡盛とは言ってられませんでした。台風で飛行機が飛ぶのかどうか心配でしたが大きな予定変更もなく無事に大阪に帰ることができました。

さて次はどの島行こ?

沖之光酒造の主な泡盛

  • 沖之光
  • 月桃の花 etc

池間酒造

宮古島で有名なカレーを食べる前にニコニコ太郎や瑞光で有名な池間酒造さんへ立ち寄りました。見学できないのは承知の上でしたが、近くまで来た記念にせめて工場の外観だけでもと思って広い敷地(なんと35,000平方メートルもあるそう)の端から遠目にバシャバシャ撮影していると・・・

池間酒造@宮古島

工場の方から誰かが何やら話しかけてきます。

聞き取れずにしばらく固まっていると、手招きしてくるではありませんか!

とりあえず近づいてみると・・・「もうすぐ忙しくなるから、今ならこの辺撮ってもいいよ」と言ってもらいました。ということでラッキーにも貯蔵タンクと充填機をカメラに収めまることができました♪

貯蔵タンク@池間酒造
充填機@池間酒造

渡久山酒造さんのようにこちらでも再利用を待つ一升瓶が敷地の片隅に積んでありました。瓶の色もバラバラですが銘柄もさまざまで多良川、宮の華、菊之露という具合に宮古島の泡盛はほぼ網羅できているようです。

これまでの酒造所見学のスタンスは見学NGの酒造所には行かない。たとえ近くまで行ったとしても写真を撮ったりすることもありませんでしたが、離島の場合は次はいつ行けるのかわからないのでとにかくまわれるだけまわろうと決めて結果的には宮古島にある酒造所を全部まわりました。

だから酒造所の前まで行って行った証にとにかく写真を撮って帰ってきた所も少なくありませんが、池間酒造さんでは思いがけない展開に繋がりました。ダメ元でも行ってみるもんですね!池間酒造様 お忙しい中、ありがとうございました。訪問日:2014年10月4日

思いがけない展開に、本来の目的地だったこちらのカレーは5割増しで美味しく感じました。 

茶音間 (チャノマ)@宮古島

池間酒造の主な泡盛

  • ニコニコ太郎
  • 瑞光

菊之露酒造

ナビを頼りに走っていると、こんな中心部に酒造所?と思ってしまうような場所に菊之露酒造さんの工場はありました。

菊之露酒造@宮古島

家で泡盛を飲むときはそれはいろいろな銘柄を飲みますが、外で飲む時は「菊之露V.I.Pゴールド」が多いので(大阪泡盛の会をはじめ、お世話になっている「焼酎と泡盛BARがじゅま~る」さんのボトルが菊之露なので)、この工場で造られているのかと思うととても感慨深かったです。

こちらが原料のタイ米、通常1日8トンもの米を仕込むそうです。さすが宮古島ナンバーワンの蔵元ですね。

1日8トンを仕込む原料米@菊之露酒造

この回転式ドラム1機だけで1日8トン?と思ったけど、そんなはずはなく。

回転式ドラム@菊之露酒造

ビッグな円盤型自動製麹機(製麹機の内部の画像です)もあったし、他にも回転式ドラムがありました。そりゃそうですよね~。

こちらは蒸留直前のもろみです。

蒸留直前のもろみ@菊之露酒造

蒸留直前になると、もろみってこんなにも黄色かったっけ?という具合に、何度見学しても毎回新しい発見があるのは面白いところ。1年振りの酒造所見学なのですっかり忘れてしまったという話もありますが(苦笑)。

蒸留機は縦横どちらのタイプもありました。

回転式ドラム、円盤型自動製麹機、蒸留機それぞれが点在する印象を受けましたが工場を増設されたのか?それとも銘柄によって機械を使い分けているからなのか?は聞きそびれました。。

蒸留後の泡盛はこちらのタンクローリーで離れた場所にある貯蔵タンクへと運ばれます。

菊之露酒造のタンクローリー

アルコール度数30度の商品は30度に加水してから運ぶようです。素人考えでは加水した分だけ量が増えるので運搬が大変じゃないのかなと思ったのですが、タンク容量3,000リットルなのでそれほど問題にならないのかもしれませんね。

こちらの工場とは別に貯蔵や瓶詰め、ラベル貼りをする施設があってさらに見応えがあるそうです。なんでも何百本も並ぶ貯蔵タンクが圧巻だとか。次回はそちらも是非拝見したいものです!

こちらは工場と隣接する販売部の建物です。 

工場と隣接する販売部@菊之露酒造

「泡盛はおいしい」という本で知った名杜氏、平良 恵修氏がいらっしゃった酒造所ということで興味深く拝見させていただきました。菊之露酒造様 お忙しい中、丁寧に説明して頂きましてありがとうございました。訪問日:2014年10月2日

【追記】 今回は東京都庁で開催された泡盛フェスでのご縁で幸運にも製造の工場を拝見することができました。泡盛のイベントのためにわざわざ東京まで行く?しかも平日に!と思われる方も多いと思いますが(自分でもそう思います)、泡盛マイスターとしての奥行きを広げることに少しでも繋がっていると思えば無駄ではないのかなと。

菊之露酒造の主な泡盛

  • 菊之露
  • 菊之露 古酒 V.I.P
  • 菊之露 古酒サザンバレル etc

仲間酒造所

関連|表札が素敵すぎる宮の鶴の仲間酒造所

請福酒造

関連|請福酒造所見学レポート

八重泉酒造

八重泉酒造さんは石垣島でお邪魔した酒造所の中ではひときわ大きな工場でした。手前の建物の1階が事務所で2階が販売所です。

八重泉酒造@石垣島

工場見学はこちらの2階でVTRを観るスタイルでした。本音をいえば実際に工場の中を拝見したいところですが僕らは家族全員でお邪魔したので涼しい部屋でVTRを観る方が良かったかなと思います。

VTRのナビゲーターは八重泉酒造のゆるキャラ?八重泉くん(だったと思う)。八重泉くんはうちの子が「泡盛かぶってる」と興味深々の様子でした。かぶってるというかそのものですけどね(笑)。

泡盛をかぶった八重泉くん

僕はときおり垣間見える回転式ドラムや蒸留機の細部に興味深々。こうなるともはや泡盛の変態ですね(苦笑)。

試飲させてもらった黒麹酢(もろみ酢)が美味しかったです。泡盛が良かったというのが本音ですが、なんせドライバーなので。

黒麴酢@八重泉酒造

母が気に入って買った泡盛用のかりゆしウエアを、父が買った四合瓶の「黒真珠」に着せてブログ用に店内で撮影させてもらいました。ほんと騒がしくてすみませんでした(苦笑)。

かりゆしを着せた黒真珠

この泡盛用のかりゆしウエアは両親と一緒に山形に帰っていったので正月に実家で再会できるのが楽しみです。

そして5月に阪神百貨店の沖縄物産展でお会いした座喜味 盛行さんと再会を果たしました。沖縄物産展で全国各地へ飛び回っていらっしゃるようなのでタイミングが良かったです。座喜味さんからクラウドファンディングの取組のお話も聞けて大満足でした!

座喜味専務と

八重泉酒造様 お忙しい中、丁寧に説明して頂きましてありがとうございました。訪問日:2015年6月9日

八重泉酒造さんと一緒に挑戦したクラウドファンディングの達成記念イベントで、工場見学をさせていただいたときのレポートです。関連|オリジナル第2弾「ToRETOURCASK223」

八重泉酒造の主な泡盛

  • 八重泉
  • 尚八重泉
  • 島うらら
  • 黒真珠
  • 八重泉バレル・PRISMA(リキュール) etc

尚八重泉

八重泉と尚八重泉の飲み比べ

3回蒸留の尚って面白いですね!新酒なのに熟成感がありました。3回も蒸留するとホワイトリカーのようなピュアな感じに傾くのかと思えばそうじゃない。味わいはしっかりしています。

一般酒の八重泉から感じるバナナのニュアンスが尚では熟したというか加熱したバナナのイメージでした。蒸留を繰り返すことで磨かれて角が取れているというか、クリーミィになっているというか。表現が適切かどうかわかりませんが。

尚八重泉の公式のテイスティングメモを紹介しておきますね。

ほのかに見え隠れするアーモンドミルクの甘い香り。かすかなビター感もありながら、まとまりのあるマイルドな味わい。青く輝く、石垣島の尚です。

尚八重泉の公式のテイスティングメモ

尚は12種類あるので他の酒造所の尚との飲み比べも面白いけど、一般酒の八重泉(1回蒸留)と尚(3回蒸留)の違いを味わうのも楽しい。消防法との兼ね合いで蒸留後をそのまま再蒸留をするのではなく加水して度数を下げて蒸留をしているそうです。もちろん直釜の蒸留機ではなく縦型の減圧蒸留ができる蒸留機で造られています。

島うらら

石垣島産のひとめぼれで造られた泡盛です。島うららのボトルが好きなんですよね。汎用ボトルだと思うんですけど、このカッティングとラベルのバランスがサイコーです。見てるとすぐにでも石垣島に飛んで行きたくなります。

  • 第一アロマは洗米香
  • 第二アロマは果実様

ボトルやラベルから感じる印象が大きいのですがエレガントな印象で、みずみずしさを感じます。でも口に含むとイメージと違ってまろやかでオイリー。ミルクキャラメルの様な甘味、ヨーグルト様の酸味も感じました。

石垣島の泡盛なのでマグロの刺身を肴にライブ配信しました。興味がある方はfacebookのグループ(泡盛でカリー!倶楽部)で投稿の人気のトピックの【ライブ配信】で観てください。

焚き火が似合うPRISMA

泡盛専用ソーダ 島っピー

クラウドファンディングで支援した泡盛専用ソーダの島っピーが石垣島産のひとめぼれで造られた八重泉さんの泡盛 泡っピーと一緒に届きました。

泡盛専用ソーダの島っピー(右)

まずは塩ソーダだけで飲んでみました。塩ソーダというネーミングから塩味が強いのかと思いきや・・・ミント感が印象的で、これってあれだ!と思ったのが昔、お祭りの夜店で買ったハッカパイプでした(これはかなり上手く例えれていると思います)。

塩ソーダで割ると塩味が増すというよりも泡盛の甘味を増してくれるような甘味があります。これは刺身と飲んだら美味しいんじゃないかと。

島っピーで割った泡っピー

玉那覇酒造所

石垣市役所より北東、ゆいロードから少し入った住宅地の中に玉那覇酒造所さんはありました。

玉那覇酒造所@石垣島

直前にお邪魔した高嶺酒造所さんは郊外にあって僕の中の八重山の酒造所のイメージ通りだったので、中心部の住宅街の中にひょっこり現れた玉那覇酒造所の意外性にびっくりしたというのが正直な感想でした。

写真は掲載できませんが工場の中を案内していただきました。お忙しい中、お話を聞かせていただいた玉那覇社長(4代目)と一緒に記念撮影。大阪で開催された居酒屋産業展でお会いして以来なので1年振りの再会でした。本当にお忙しい中、笑顔で対応していただきましてありがとうございました。訪問日:2015年6月6日 

玉那覇社長と

玉那覇酒造所で購入したのがこちらの創業100周年の記念の7年古酒です。   

手造り秘蔵7年古酒玉の露

創業100周年とは素晴らしいですよね。八重山最古の酒造所というのも納得しました。詰口日が2014年7月なのでそろそろ8年古酒になりそうです。ちなみに、一緒にお邪魔した父は一般酒の玉の露を買って帰りました。

高嶺酒造所

関連|高嶺酒造所見学レポート

池原酒造

関連|土の匂いがすると噂の泡盛、白百合の噂は本当なのか??

波照間酒造所

関連|幻の泡盛泡波はまるで出世魚!?

国泉泡盛

一見して清潔でゆったりとした工場という印象を受けました。この広さが後にあんな展開になるとは思ってもみませんでしたね。

2階部分の奥に見えるのが回転式ドラムでその下には麹棚があります。

こちらのもろみは2週間くらいだそう。あぁいい香り。整然と並んだもろみタンクが絵になりますね。

タイミングよく蒸留中だったのでテンションが上りました!アツアツの排水が手前の溝を流れていきます!

蒸留真っ只中の蒸留機@国泉泡盛

ピッカピカの蒸留機ですがこの地へ工場が移転する前は地釜の蒸留器だったそう。数年前と「どなん」の味わいが変わったと感じたとしたら、それは蒸留機が変わったことが理由かもしれませんね。

僕がバイブルと呼んでいる泡盛本を読み返すと祖納の集落にあった頃は現在の工場と比べるとかなり手狭な印象を受けました。

蒸留機の2つのタンクは何のため?

2つのタンクは何のため?

与那国島といえば忘れちゃいけないのがアルコール度数が60度以上ある花酒。厳密にいえば花酒は泡盛ではありませんが、造り方は泡盛と同じというか蒸留して出てきた原酒を花酒用とそれ以外で分けてタンクに入れています。ここで切り替えて花酒は検ー2号へ注がれるというわけ。

花酒・花酒以外をここで切り替えます
泡盛と花酒用の2つのタンク@国泉泡盛

それにしてもひとりじゃないと見学中の自撮りにも熱が入りますね。蒸留機から出る熱気と直前に盛り泡ろう!を踊って汗かいてるからインカメラが曇ってますけどね(苦笑)。

工場見学なう@国泉泡盛

それにしてもピカピカの工場内はどこを切り取っても萌え〜。社名入りのホークリフトが撮りたくなるのは泡盛ファンあるあるですよね。泡盛好きならきっとわかってもらえるはず。

東日本大震災の年にこちらの新工場に移転されたそうです。建設時期が復興のタイミングと重なって建設費は当初予定していた金額の何倍にもなったと伺いました。移転して工場が広くなりタンクを貯蔵するスペースも格段に広くなっているようなので、どなんの古酒に期待してしまいます。

試飲もしないでそわそわする訳は?

工場の一角に販売コーナーがあって試飲もできそうな感じなのに、なぜかドライバーじゃない2人が動かない。

試飲をしなかったのは秘かにタイミングを伺っていたんです、こう切り出すタイミングを。

盛り泡ろう!を踊って動画撮ってもいいですか? 可能なら工場の中で?

って、おいおい!工場の中でって大胆過ぎないか?今となっては誰が言い出したのか忘れちゃいましたが、これを切り出すタイミングを見計らうのに試飲もしなかったというわけ。工場見学よりもダンスに熱が入ってないか?笑 

果たして、無茶なお願いは叶ったのか??

那覇から飛行機で約1時間、与那国島にある国泉泡盛さんにお邪魔してみて、改めて最西端の与那国島から大阪までの距離を感じました。だから、はるばる与那国島からやってきた泡盛ということを噛み締めながら「どなん」を飲まないといけないなとしみじみ思いました。もし手に入るなら旧工場の地釜蒸留器で蒸留されたどなんと、新工場で造られたどなんを飲み比べてみたいですね。

国泉泡盛さん 丁寧に説明していただきましてありがとうございました。そして工場の中で踊りたいという僕らの無茶なお願いを快く承諾していただきまして本当にありがとうございました。訪問日:2017年10月16日 

崎元酒造所

工場全体を見渡せる2階から見学させてもらいました。奥の2階部分に見えるのが回転式ドラムです。麹作りまで回転式ドラムで行って蒸留機の奥に見えるもろみタンクへ移動します。麹作りは1日と伺いました。聞き間違えじゃなかったら早いですよね。

回転式ドラム@崎元酒造所
もろみタンク@崎元酒造所

工場を見渡して真っ先に目がいったのは2つの地釜蒸留機の蓋でした。蓋の形状の違いで泡盛の味わいにあまり違いはないように伺いましたが、それならなぜ蓋の形を変える必要があったのか?などなど、もっと聞いておけばよかったなぁと反省。

2つの地釜蒸留器@崎元酒造所

八重山の酒造所は地釜のイメージがあったので、蒸留機が2つある酒造所なら蓋の形が違うことも普通なのかなと聞き流してしまいました。この後で与那国島にある他の2つの酒造所を見学させてもらいましたが、地釜の蒸留機は崎元さんだけだったんですよね。これは油断していました。。

できれば2つの蒸留機から造られた原酒を飲み比べてみたいと思いましたが、それはさすがに無理そうなので3人で見学した日とは別の日にもう一度お邪魔してこの花酒(左)をゲットしてきました。「おこげ(10年古酒・60度)」というモロミを焦がしてしまったという花酒なんですが、焦がしてしまうのも地釜蒸留ならではなんですよね。

おこげ(左)とよなぐに@崎元酒造所

右の焦がしていない普通の花酒と飲み比べをしてみようと思います。

右側は花酒が入っているタンクです。これを目の当たりにすると与那国島にやってきた!って感じがしました。

花酒用のタンク(右)

見学した2階部分の真下が瓶詰めのスペースになっていました。奥には2階から見えていた蒸留機が確認できます。

瓶詰めスペース@崎元酒造所

相方や家族と見学するときは当然ながら僕だけテンションが違うのですが、今回一緒に見学したひーちゃんと浜田さんは同じテンションなので楽しすぎます。ほんと勉強熱心ですよね~。

勉強熱心なひーちゃん

工場の一角にある販売所では試飲をしながらじっくりとお好みの泡盛を選ぶことができます。僕はドライバーだったから指をくわえて我慢してましたけどね。パンフレットでしか見たことがなかった銘柄がずらっと並んでいる様は壮観でした。与那国の甕はなかなかお目にかかれないですよね~。

酒造所の庭には与那国馬がいましたがペット?なんでしょうか?お食事中にすみません。

与那国馬@崎元酒造所

崎元酒造所さん 朝のお忙しい時間にも関わらず丁寧に説明していただきましてありがとうございました!訪問日:2017年10月16日 

これまでの酒造所見学と比べるとあっさりしたレポートに感じるかもしれませんが、試飲ができなくて拗ねていたからではありません(笑)。泡盛の応援ソング「盛り泡ろう!」を与那国島でも踊りたくて1日で10箇所くらい撮影ポイントを予定していたので、まきで動かなければいけなかったからなんです。

見学の前に道端にあった崎元酒造所の看板の前で盛り泡ってきました。

崎元酒造所の看板(舟)

崎元酒造所の主な泡盛

  • 与那国
  • 海波 etc

海波はまだ飲んだ事がなかったのもありますが、一升瓶をチョイスしたのにはちゃんと理由があります。それは透明な一升瓶だから(ミルク酒用です)。

瓶に色を付けるのは蛍光灯等の光によるお酒の品質の劣化を防ぐためという理由があるんでしょうけど、泡盛の場合は二合瓶、三合瓶はほとんどが透明にも関わらず透明な一升瓶となると極端に少なくなるので前々から探していました。

海波は濁り酒、濁っているおかげで透明な瓶でも多少の光くらいはものともしないのかと思いましたが、透明な瓶じゃないと濁り酒という特徴が消費者に伝わりにくいのが理由かも(←これはあくまでも僕の想像です)。

以前、名古屋へ遠征して参加した「愛ラブ琉球泡盛四十七士会」でいただいた崎元酒造所さんのファイルを見ながら海波を飲むのはまさに至福の時。ファイルの中身はというと、この海波のチラシをはじめ花酒「与那国」の説明や泡盛の製造工程の説明であったり、与那国米仕込みの限定泡盛のチラシ等々。

海波のチラシによるとこの濁りの秘密は割水のブレンド割合にあるようです。素人考え丸出しですが、水で割って濁るならお湯で割ったら透明になるんじゃないかと試しにお湯割りにしてみましたが・・・

海波のお湯割り

お湯と泡盛の比率がまずかったのか、そもそもお湯で割ったところでそんな効果はないのか濁ったまま(苦笑)。白く濁っているのは油性成分なんです。油性成分が酒の旨味の元とはいえ、すごい量ですね。

海波の白く濁った油性成分

さらにチラシをよく読んでみると、この海波は熟成が進むと透明になるということが分かりました。そう聞くと確かめたくなるのが泡盛マイスターの性(?)。海波の一升瓶は早々に空にしたい理由があるので透明になるかどうか寝かせておくのに手ごろな空き瓶はないかと我が家の蔵の中を見渡してみると、白百合の三合瓶が空いていたのでひとまず入れてみました。

パワフルなイメージのある白百合ですが、濁っているととてつもなくパワフルな気がしてくるのはなぜ?笑

こちらは崎元酒造所の泡盛と長命草が配合された与那国島カレー。

与那国島ビーフカレー

入波平酒造

関連|舞富名の入波平酒造見学レポート

久米島の久米仙

泡盛百科の情報で久米島にある2つの酒造所はどちらも見学ができると認識していましたが、今回予約の電話をしてみると久米島の久米仙さんは見学NGになってました。ここ数年、宮古島、石垣島、久米島と離島の酒造所をまわってきましたが久米島を先にすれば良かったぁ。。 

とはいえ、この2つをモットーとしているのでドライブがてらお邪魔しました。

  • 見学ができなくても酒造所の前に立ってみる
  • その泡盛が造られた場の雰囲気を感じてみたい

その前に最初に寄り道したのはおばけ坂。おばけ坂というのは登り坂と思っていたのは実は下り坂だったという坂で、車のギアをニュートラルにいれておくと車が勝手に坂を登りだすという坂です。これは自然が作り出した目の錯覚によるものらしいのですが、いまいちよくわかりませんでした。

おばけ坂@久米島

楽しみにしていた宇江城城跡からの眺めは台風18号の被害によるものなのか階段が途中で崩れてしまっていて最上部からは見ることができずじまい。それでもハテの浜を一望することができました。

前日はハテの浜ツアーにいきました。これはハテの浜で撮ったお気に入りの1枚です。ハテの浜でも背中で泡盛好きをアピールしてきました(苦笑)。

ハテの浜@久米島

ハテの浜で空と海の青さを眺めているときに久米島の久米仙の泡盛をイメージしてしまったのですが、パンフレットかなにかで使われているのかもしれません。

どんな景色の中で造られた泡盛なのか?

久米島の久米仙@久米島

酒造所の前に立ってみると、どんな景色の中で造られた泡盛なのかがよくわかる。これが僕が泡盛の酒造所を訪ねる理由です。宇江城城跡のふもとの高台にある久米島の久米仙の工場の駐車場に車を停めて、外に出ると見渡す限りのサトウキビ畑が広がっていました。

こうも空が碧いとなんてことはないコンテナも絵になりますね!

工場の見学は叶いませんでしたが試飲をすることができました。といってもドライバーなので泡盛造りに使われているお水をいただきました。久米島で名水と名高い堂井(どーがー)と同じ水系の湧き水が使われているようです。

泡盛が造られている場所の空気を吸って水を飲んで景色を見渡せば、どんな泡盛なのかが前よりは少しわかったような気になります。

久米島の久米仙の泡盛

甕の蓋を覆うクバの笠(?)を他のメーカーでは見た記憶がないなと思い事務所の方に尋ねてみると、クバを使っているのはやはり久米島の久米仙さんだけとのことでした。たまたまかもしれませんが、これも実際に工場に伺ったからこそ気がつくことができたということにしておきましょう。

久米島の久米仙の泡盛の甕

大阪に一緒に帰ってきた泡盛はこの2つ。工場見学記記念の泡盛とパウチタイプの泡盛。工場見学は見学の記念に泡盛を熟成させてみませんかというコンセプトのものらしいです。

以前購入したパウチタイプの泡盛は13度でしたがこれは30度あります。ブレンドなので現在は古酒とは表示できませんが以前でいうところのブラック古酒ということになりますかね。30度を水割りで飲もうとするとひと手間増えることになりますが飲み方の選択肢が増えていいかもしれませんね。これはキャンプで楽しむためしばらく寝かせておこうと思います。

大阪どころか全国的にも一番入手しやすいかもしれない久米島の久米仙の泡盛。はじめて酒造所にお邪魔してみてさらに親近感を感じることができました。訪問日:2016年10月18日 

久米島の久米仙の主な泡盛

  • 久米島の久米仙
  • び etc

米島酒造

関連|米島酒造見学レポート

泰石酒造

関連|泰石(たいこく)酒造|混和焼酎はんたばると南国の日本酒

千代泉酒造所

関連|千代泉酒造所|パーントゥのご利益

酒造所所在地

  • 伊平屋酒造所|伊平屋村字我喜屋2131-40番地
  • 合資会社伊是名酒造所|伊是名村字伊是名736番地
  • 合資会社恩納酒造所|恩納村字恩納2690番地
  • 株式会社松藤|金武町字伊芸751番地
  • 有限会社金武酒造|金武町字金武4823-1
  • 有限会社今帰仁酒造|今帰仁村字仲宗根500番地
  • やんばる酒造株式会社|大宜味村字田嘉里417番地
  • 有限会社山川酒造|本部町字並里58番地
  • ヘリオス酒造株式会社|名護市字許田405番地
  • 株式会社龍泉酒造|名護市字仲尾次222番地
  • 合資会社津嘉山酒造所|名護市大中1-14-6
  • 新里酒造株式会社|沖縄県沖縄市古謝3-22-8
  • 有限会社神村酒造|うるま市石川嘉手苅570番地
  • 有限会社比嘉酒造|読谷村長浜1061
  • 協同組合琉球泡盛古酒の郷|うるま市勝連南風原5193-27
  • 北谷長老酒造工場株式会社|北谷町字吉原63
  • 株式会社石川酒造場|西原町字小那覇1438-1
  • 上原酒造株式会社|糸満市字座波1061番地
  • まさひろ酒造株式会社|糸満市西崎町5-8-7
  • 宮里酒造所|那覇市小禄645番地
  • 久米仙酒造株式会社|那覇市字仲井真155番地
  • 株式会社津波古酒造|那覇市字与儀2-8-53
  • 瑞泉酒造株式会社|那覇市首里崎山町1-35
  • 有限会社識名酒造|那覇市首里赤田町2-48
  • 咲元酒造株式会社|那覇市首里鳥堀町1-25
  • 瑞穂酒造株式会社|那覇市首里末吉町4-5-16
  • 沖縄県酒造協同組合|那覇市港町2-8-9
  • 神谷酒造所|沖縄県島尻郡八重瀬町字世名城510-3
  • 忠孝酒造株式会社|豊見城市字名嘉地132番地
  • 株式会社渡久山酒造|宮古島市伊良部字佐和田1500番地
  • 株式会社宮の華|宮古島市伊良部字仲地158-1
  • 株式会社多良川|宮古島市城辺字砂川85番地
  • 沖之光酒造合資会社|宮古島市平良字下里1174番地
  • 池間酒造有限会社|宮古島市平良字西原57番地
  • 菊之露酒造株式会社|宮古島市平良字西里290番地
  • 仲間酒造株式会社|石垣市字宮良956番地
  • 請福酒造有限会社|石垣市字宮良959
  • 有限会社八重泉酒造|石垣市字石垣1834番地
  • 株式会社玉那覇酒造所|石垣市字石垣47番地
  • 有限会社髙嶺酒造所|石垣市字川平930-2番地
  • 株式会社池原酒造所|石垣市字大川175番地
  • 波照間酒造所|竹富町字波照間156番地
  • 国泉泡盛合名会社|与那国町字与那国2087番地
  • 合名会社崎元酒造所|与那国町字与那国2329
  • 入波平酒造株式会社|与那国町字与那国4147-1
  • 株式会社久米島の久米仙|島尻郡久米島町字宇江城2157
  • 米島酒造株式会社|久米島町字大田499番地
  • 泰石酒造
  • 千代泉酒造所