沖縄の全酒造所を見学するぞ!と意気込んで1蔵目にお邪魔したのが泰石(たいこく)酒造さんでした。しかし泰石酒造さんで造っているのは泡盛ではなく、混和焼酎と日本酒。あら!?笑。
乙類焼酎である泡盛と甲類焼酎のブレンドなので混和焼酎ということですが、これが一筋縄では理解できない代物だったので混和焼酎についても調べてみました。
目次
混和焼酎とは?
泰石(たいこく)酒造さんの混和焼酎は、主要銘柄の「はんたばる」をはじめ「泰石」(ミニボトル)などがあります。
ラベルに焼酎甲類51%、焼酎乙類49%と記載されているように焼酎甲類と焼酎乙類がブレンドされた混和酒になります。現在、焼酎甲類は連続式蒸留焼酎、焼酎乙類は単式蒸留焼酎になります。そして酒税法では焼酎を次のように定義しています。
アルコール含有物を蒸留した酒類のうち、
- A 連続式蒸留機で蒸留したもので、アルコール分36度未満
- B 単式蒸留機で蒸留したもので、アルコール分45度以下のもので、ウイスキー、ブランデー、ウオッカ、ラム、ジンなどに該当しないものをいいます。
また、A に該当するものを連続式蒸留焼酎、B に該当するものを単式蒸留焼酎に区分しています。
具体的には、連続式の代表的なものはホワイトリカーで、単式には泡盛の他に米焼酎、芋焼酎、麦焼酎などがあります。泰石酒造さんは泡盛ではなくサトウキビの糖蜜に酵母を加えて焼酎を造る蔵元として創業し、昭和51年までは焼酎甲類しか造っていなかったようです。こうした歴史の中で造りだされたのが「はんたばる」などの甲乙混和酒なのです。
泡盛行政書士の疑問
2種類の蒸留焼酎をブレンドしているから混和酒なんだと、すっきり納得できすに混和焼酎って酒税法的にどうなってるの??という疑問が湧いてきました。←面倒くさい奴です(苦笑)。
例えば、
- ①酒類単位で通販免許を取るなら混和酒は連続式と単式のどっちの免許があれば販売できるの?
- ②混和焼酎って度数の制限ってあるの?
Twitterで疑問をつぶやいてみたら少しわかってきました。
- ①連続式か単式かは割合が多い方で決まる(らしい)
- ②度数は連続式に合わせて36度未満
混和焼酎って酒税法的にどうなってるの??
— 伊藤 薫@泡盛バカの司法書士 (@itokaoru3) October 30, 2020
酒類単位で通販免許を取ってたら単式の免許では売れないの?連続式の免許もあれば売れるの?
混和焼酎って度数のしばりってあるの?
っていうか泡盛焼酎ってなに?
泡盛司法書士の疑問でした〜 pic.twitter.com/VXxNx8GWJU
なるほど!と、うなずけたところとそうじゃないところがあります。
ミニボトルの泰石は、焼酎甲類が51%、焼酎乙類が49%なので①で考えると連続式(焼酎甲類)に分類される。アルコール分は25度なので②の制限はクリアしているのですが、どちらも50%ずつならどっちなんだろう?と思ったり。これは税務署に確認してみますかね!
どんどん湧いてくる混和酒の疑問について、泰石のミニボトルを飲みながらぐだぐだと喋ってしまいました(苦笑)。ライブ配信の内容に興味がある方は、facebookのグループ(泡盛でカリー!倶楽部)で投稿の人気のトピックの【ライブ配信】をご覧ください。
【追記】 アルコール分36度未満の混和焼酎を販売するには連続式と単式の2つの免許が必要で、アルコール分36度以上45度以下の混和焼酎(酒?)の場合はスピリッツに該当するのでスピリッツの免許が必要とのことでした(2020年11月5日)
泰石酒造見学レポート
泰石酒造さんにお邪魔したのは泡盛マイスターの筆記試験日の前日だったので、詰め込んだ知識を直前に確かめるように、おっかなびっくりで見学した記憶があります。それがそのまま文章にも表れていて恥ずかしいのですが、そんな時もあったよなぁと懐かしいので手を加えずにそのままにしています。訪問日:2011年7月30日
そもそも「泡盛の全48酒造所」ではなく、46の泡盛の酒造所と泰石酒造と沖縄県酒造協同組合の全部で沖縄には酒造所が48箇所あるといった方が正確ですよねと言いたくなるのですが、2006年の琉球泡盛BOOKには泰石酒造さんを含んで「現在、沖縄には48の酒造所があります」という記載がありました。
酒造所見学が初めてで見学の作法も酒造りのイロハも知らなかったため、日本酒の製造設備なのか、はたまた、はんたばる(甲乙混和焼酎)の製造設備なのかが曖昧なままに説明を聞いてしまいました。今になって思えばおそらく日本酒の製造設備として説明していただいたような気がします(汗)。
そういうわけで画像を中心に工場の様子をご紹介します!
まずは、洗米した米を入れる甑(こしき)。はしごが急でこぼさずに米をいれるのが難しそう。
年季が入りまくりの桶
これは濾過をするための機械ですね。
泰石酒造さんの現在の看板と古い看板。古い方はほとんど読めませんね。
こちらは旧工場(連続式蒸留機)のようです。
泰石酒造さん 丁寧に説明して頂きましてありがとうございました。
【追記】 ここで新たな疑問が湧いてきました。泰石のラベルには「泡盛焼酎」の文字があります。ネットで他のラベルも探してみると「BLENDED AWAMORI」や「琉球泡盛焼酎」と記載されているものもあります。
混和酒だから泰石酒造さんでは単式蒸留焼酎も造られているはずですが、それって厳密には泡盛なのか?ということです。蒸留機の記憶がないので連続式と単式の蒸留機を拝見するためにまたお邪魔せねばと思いました。それからブレンド前の泡盛をぜひ飲んでみたいなぁと思います。
はんたばるのテイスティング@泡盛部
毎週木曜日に東京世田谷 升本屋さんで開催されている泡盛部に参加しました。東京出張のタイミングと合わず参加できなかったのですが、2020年からオンラインで開催されていることを知ってはじめて参加したときのお酒が「はんたばる」でした。
20時開始で事前に購入した泡盛を飲みながら一緒に宿題をしていきます。オンラインなのでzoom飲みかと思っていましたが、メッセンジャーを使ってテキストでのやり取りでした。チャット方式のやり取りはコメントが前後したりと若干タイムラグはありますが、場所や服装を選ばないし面白いコミュニケーションだと感じました。
泡盛部の宿題は僕が開催しているテイスティング会とは着目している点が異なるので新鮮で泡盛テイスティング会の楽しみ方の幅が広がりました。部活終了後は希望者のみzoom飲みの二次会も用意されています。参考|泡盛部公式ブログ
南国の日本酒 黎明
こう寒いと日本酒が恋しくなりますね。沖縄県うるま市にある日本最南端の清酒メーカー、泰石酒造さんの「黎明(れいめい)」を飲んでいます。
日本酒にありがちな飲みにくさはまったくありません。むしろ口の中ですぅーとアルコールが消えるようなライトな印象で、それでいて口の中全体に米の旨味がしっかり長めに残ります。見学の記念に購入して大阪で飲みましたが沖縄の暑い気候の中で飲んでも違和感なく美味しく飲めるだろうと思いました。
日本酒はひれ酒にして飲むのが好きなんですが、沖縄ならアバサー(ハリセンボン)のひれ酒とかあったりして?笑。