泡盛ブログ

廠【しょう】から見えてきた泡盛の歴史|松藤

金武町にある崎山酒造廠の代表銘柄といえば個性的な味わいの松藤(まつふじ)。崎山酒造廠はなぜ酒造所(しょ)ではなく、酒造廠(しょう)なのか?気になっていた人も多いと思います。廠にまつわる泡盛の歴史をみていきましょう。※現在は崎山酒造廠から株式会社松藤に変更されています。

なぜ酒造所(しょ)ではなく酒造廠(しょう)?

敗戦直後の沖縄では泡盛メーカー以外に各地で自家用酒を造っていました。ヤミ酒や密造酒を飲んでは悪酔いして暴れたり、暴力事件が起きることが問題になっていました。こうした酒の密造問題に対処するために、アメリカ民政府の指導で民政府直轄の酒造工場(官営酒造工場)が5ヶ所出来ました。

  • 首里崎山町に首里酒造廠
  • 那覇市に真和志酒造廠(神村酒造の前身)
  • 金武村に伊芸酒造廠(崎山酒造廠の前身
  • 羽地村に羽地酒造廠(龍泉酒造の前身)
  • 金武村の群島政府の工業試験場

昭和24年の官営が解かれたときに伊芸酒造廠が名前を崎山酒造廠として現在に至ります。「廠」というのは官営の酒造工場時代の名残というわけです。官営酒造工場は軍の施設や戦前の民間の酒造工場跡を利用しており、崎山酒造廠は元は米軍のコンセット(カマボコ型兵舎)だったので屋根はカマボコ型なんだそう。

沖縄の歴史と泡盛の歴史は切っても切り離せないですね。※官営酒造工場については焼酎楽園Vol.36を参考にさせていただきました

金武の崎山酒造廠を訪ねる

小雨が降る中、ウエルカムボードが僕らを出迎えてくれました。さりげない心配りが嬉しいですね。

ウエルカムボードがお出迎え

崎山酒造廠の外観です。歴史を感じつつモダンな印象もあって、とってもオサレ。

崎山酒造廠@金武町

崎山酒造廠の前身が官営の酒造工場、伊芸酒造廠で建物は米軍のコンセット(カマボコ型兵舎)だったことは、かまぼこ型の屋根を見て納得しました。

奥に見えるかまぼこ型の屋根

工場の中をひと通り見せてもらいましたがこの日は工場がお休みだったので残念ながら作業中の写真はありません。作業中の写真はなくてもこういう写真ならあります(笑)。松藤のTシャツは職人ぽさに惹かれて、ついついお買い上げしてしまいました。

松藤Tシャツ

少し前に泡盛を大人買いしたので今回の旅は自粛モードを貫いてきましたが、ここでしか買えない泡盛とか聞いちゃうとダメですね。やっぱり買ってしまいました(苦笑)

土曜日でも見学を受け付けているのはとてもありがたいのですが、せっかく行ったのに工場が動いていないのは逆にもったいない気分になりました。工場見学はできるだけ沖縄旅行中の月曜日~金曜日にしようと心に決めました。崎山酒造廠さん 丁寧に説明して頂きましてありがとうございました。訪問日:2011年10月15日

崎山酒造廠@金武町

崎山廠(しょう)という泡盛

「焼酎楽園」の酒販店ガイドに載っていた大阪のA店。ホームページを見る限り泡盛の品揃えは期待できませんでしたが、電話で問い合わせてみると今は数銘柄だけ泡盛を置いているとのこと。そこで終わりにしても良かったのですがなぜか気になってA店に行ってみました。

確かに泡盛は数銘柄だけでしたが、店主と話し込んでいると奥から「崎山廠(30度)」・崎山酒造廠という泡盛が出てきました。これは電話で聞いていた銘柄ではありません。詰口年月日が2005年11月14日ということは瓶詰めされてから早9年。はじめてみる泡盛です。店主が瓶を拭こうとしたのを慌てて制止して連れて帰りました。

崎山廠のラベル

堂々たる汚れっぷりですが僕的にはこの汚れが萌え~です。なかなかの変態っぷりですね(苦笑)。ネットで調べるだけ、電話やメールで聞いてみるだけと効率を優先して行動してしまうことが多いです。今回のことで一見無駄に思えることでも実際に行ってみるのは大事だなぁと改めて感じました。崎山廠には30度の他に43度のもあることも教えてもらいました。自分で動いてみることできっと何かが変わります。(2015年2月4日)

崎山廠30度

購入して更に4年熟成させた崎山廠を使ってイベントでパクチーモヒートに挑戦してみました。これがとても好評だったのでやり方次第でゴーヤーよりもバズりそうな気がします。

崎山廠を使ったパクチーモヒート

松藤から連想する香りは?

松藤(一般酒)の味わいに対して個性的というイメージを持っている方は少なくないと思います(もちろん良い意味でです)。僕もその一人で松藤を飲むといつも連想するのはグラスホッパーです。バッタじゃなくミントリキュールを使ったカクテルの方で、ペパーミントリキュールの他にカカオリキュール、生クリームを使ったカクテルです。

よく飲むカクテルというわけでもなくむしろ長い間飲んでいません。若かりし頃に飲んだ時の強烈な印象が脳裏に焼き付いています。僕の中ではあのペパーミントグリーンの色と、とにかくミントのイメージなんです。松藤からそこまでのミントの香りを感じるのかといわれると???なんですが、やっぱり連想してしまいます。

松藤以外の泡盛で感じたことのない香りなので余計にそう感じるのかもしれません。とにもかくにも二十歳そこそこの若造には大人なイメージのグラスホッパーがよっぽど衝撃的だったんでしょうね。何処で誰と飲んだのかは忘れてしまいましたが(笑)

この「粗濾過 松藤(44度)」はその名の通り旨味をたっぷり残した粗濾過なので飲み応えは十分ですが、松藤ならではのグラスホッパー感は穏やかです。瓶で3年ほど熟成されていることも関係あるかもしれませんね。光の加減かもしれがせんがうっすらとグレーがかって見えます。これが旨味成分なんでしょう。

粗濾過 松藤(44度)

テイスティング勉強会で赤の松藤をグラスに注いでから1時間位経った頃に嗅いでみたらきのこの香りがしました。具体的にはマツタケの香りでした。参加者全員が「あ、きのこ!マツタケ~」って盛り上がったのが、面白かったです。同じ松藤でも銘柄によって香りに個性が表れるのは興味深いところです。

3種類の松藤@大阪泡盛の会vol.33