泡盛ブログ

春雨でカリーはついたか?|宮里酒造所

カリー春雨のカリーの意味は?

宮里酒造所の泡盛の中でも特に有名なのがカリー春雨。最近はそうでもありませんが手に入りにくい時期もありました。ところで、このカリーはどんな意味かご存知でしょうか?

カリー春雨@宮里酒造所

カリーとは漢字では「嘉利」や「嘉例」と書きます。「幸運」「幸福」という意味で、沖縄本島の中南部の言葉です。 残念ながら食べるカレーとはまったく関係ありません。 

カリーという言葉は映画「ナビィの恋」のラストにも出てきます。奈々子と福之介の結婚式のシーンでおじいが「二人の幸せを願い嘉例をつけて踊ってください」という台詞があります。

カリーという言葉のニュアンスは分かるけど、どうもしっくりこないと思っていましたが「新書 沖縄読本」(下川裕冶+仲村清司/株式会社講談社)を読んで、より的確なカリーの使い方が分かりました。

第2部にある『「社交街」という異空間-沖縄の夜を泳ぐ』の章の最後が「カリーはついた」と思った。というフレーズで締められていて、カリーはこういう使い方なのか!なるほどと納得しました。

この本は南の楽園というイメージとは違った沖縄を掘り下げたもので、沖縄好きは勿論、そうでなくても沖縄を知る上ではずせない一冊です。またナビィの恋でおじいが東京から来た福之介を「ヤマトンチュ(日本人)の福之介くん」と紹介することに違和感がありましたが、これも新書 沖縄読本を読んで理解することができました。


三宮に出掛けていた相方から「春雨売ってるよ!」とメールがあったので、1本買ってきてもらったのがこの「カリー春雨(30度)」・宮里酒造所でした。

四合瓶だろうと思って軽い気持ちで頼んだら一升瓶だったらしく、リュックから一升瓶を少しだけ出した状態で担いで帰ってきました。それを見てしまったら「すぐに飲みきってしまうのはなんだか悪いなぁ」としばらく飲まなかったのですが、気がついたら3年経っていました(笑)。

泡盛の世界で3年というのは1つの区切り、全量を3年間熟成させると古酒と呼べるようになります。このカリー春雨は開封していないので全量を丸3年熟成させた古酒ということになります。泡盛は瓶の状態でも熟成するといわれていますが甕と比較すると熟成のスピードは緩やかです。3年飲まずに我慢していた春雨はどんな変化を遂げていたのか?

カリー春雨のお味はバニラやナッツを思わせ、そしてとても香ばしさを感じる味わいの泡盛になっていました。(2015年1月16日) 

カリー春雨をオンザロックで
カリー春雨のソーダ割りとお好み焼き

極楽の泡盛 春雨

「至福の本格焼酎 極楽の泡盛(山同 敦子/ちくま文庫)」は(いわゆる)焼酎がメインで泡盛はほんの少しだけですが、春雨の宮里酒造所について書かれた記事は読み応えがありました。※泡盛も焼酎です。

至福の本格焼酎 極楽の泡盛
至福の本格焼酎 極楽の泡盛

春雨、宮里酒造所そして泡盛の素晴らしさを余すことなく書かれた内容で、著者の春雨に対する愛が溢れ出しています。溢れすぎていてもはや洪水状態です(笑)。僕も宮里酒造所さんは2回ほどお邪魔させていただきましたが、また行ってみたくなりました。そして今すぐ春雨が飲みたくなりました。

春雨を訪ねて@宮里酒造所

他の酒造所の記事を読んでも、この酒造所が見てみたい!ここのお酒を飲んでみたい!という気持ちにさせられる文章です。ブログで泡盛について発信している身としては読み手がこの泡盛を飲んでみたいと思ってもらえる記事を目指して書かないといけないですね。お手本にさせていただきます。

中でも桶売りについて書かれたところが印象に残っています。

平和は訪れた。だが、現実は厳しかった。主に造ったのは、銘柄をつけずに中身だけを大手メーカーへ売る、“桶売り”の泡盛であった。泡盛は46社メーカーがあるが、上位4、5社の大手メーカーで生産量の6割を占め、約10社で8割を超えている。(中略)価格で勝負できない小メーカーは、ノンブランドで大手に桶売りするか、熱烈なファンをつかむしか生き残る術はないのである。 

至福の本格焼酎 極楽の泡盛

宮里酒造所は熱烈なファンをつかむことができた数少ないメーカーの1つなのは間違いありませんね。この本で紹介されていたファン垂涎という春雨の20年古酒を飲んでいつの日か極楽を感じてみたいものです。

宮里酒造所@那覇市字小禄

春雨は地元で愛される酒

沖縄で地元というともちろん沖縄県内という意味もありますが、酒造所のある集落・町・島という意味があります。泡盛「通」飲読本によると、沖縄では泡盛を選ぶ基準は、好みの味かどうかよりも地元の酒かどうかが優先されるようです。「全琉球銘柄勢力図」という、どのシマでどんなシマー(泡盛の意味)が飲まれているかを図にしたものが載っています。

シマーと呼ばれる泡盛にはシマがある

要するに沖縄ではどんなに人気のある泡盛でも地元から離れれば離れるほど飲まれないということなんですね。「ふーん、そうなんだ」とそれっきりでしたが、宮古島でとあるファミリーマートの前を歩いているときに、はたと気がつきました。 

以前、宮里酒造所にお邪魔したときに沖縄ファミリーマート限定の「春雨」があるという話を教えてもらい、小禄やホテルの近く(国際通り)のファミリーマートをハシゴして探したけれど見つけることはできませんでした。宮里酒造所では販売していなかったし、2013年の11月に発売されたものなので売り切れたと諦めててそれっきり忘れていましたが・・・

泡盛は地元で愛される酒だった!ということを思い出して、もしかしてとファミリーマートを覗いてみたら、予感的中!!

沖縄ファミリーマート×宮里酒造所のコラボ 「春雨(25度)」がありました!2,000本限定なのにまだ何本か残っていました。春雨は人気の高い銘柄のはずですが地元、小録から離れた宮古島では1年以上も売れなかったようです。

沖縄ファミリーマートとのコラボ春雨

はからずとも沖縄県民の地元の酒に対する偏愛ぶりを感じることができた出来事ですが観光客も買わなかったわけですよね。このエピソードじゃちょっと説得力に欠けるかなぁ。。そもそもはるばる宮古島に行ってるんだから僕も宮古島の酒を買えよ!って話ですけどね(苦笑)

24年古酒の春雨をついに開栓

詰口年月日の記載がないので平成16年以前に瓶詰めされた泡盛ということになります。ということは8年古酒に瓶熟16年がプラスされて合計24年古酒になった30度の春雨です。非常に口当たりが柔らかくまろやかになっていました。そして、干しブドウのような香り、熟成したベリー感を感じました。

春雨8年古酒
春雨8年古酒をストレートで

この柔らかさをさらに感じたくて白い漆で塗られた漆器で飲んでみると口当たりの柔らかさとは裏腹にどっしりとした余韻を感じました。この余韻からオンザロックで冷やすとキリっと引き締まって美味しいだろうと想像して試してみると想像通りに美味しく飲めました。

春雨8年古酒を白漆の漆器で

漆器は見た目よりも軽いですね。ざらっとした仕上がりで飲みながら手で持ったときの感触も楽しめます。