泡盛業界きっての【個性派】といえば文句なしに石垣島の白百合(しらゆり)です。その独特な味わいは泡盛好きの中でも好き嫌いがはっきり分かれます。
- 知ってる人には説明不要
- 知らない人には説明不能
の白百合の味わい。果たして本当に土の匂いがするのか?泡盛マイスターが噂の真相に迫ります。
超個性的な泡盛 白百合の味わいに迫る
白百合は本当に土の匂いがするのか?

扇町の沖縄料理店「てぃーあんだ」(おばあのバーの方)でママに泡盛のお薦めを聞いたら「癖があるけど・・・」という前置きがあって出てきたのが「白百合(30度)」・池原酒造所でした。
はじめて白百合を口にした時、個性的なお味についての素直な感想は・・・
- かびくさい
- 土臭い
- 泥水飲んでるみたい
- 友達の家の小屋の匂い
- 台所の床下収納の匂い などなど
名前に似合わず・・・癖が強すぎやろ~(笑)と思いました。
ごめんなさん悪気はありません。正直なだけです。
でも、「癖があるけど、ハマるとこれしか飲まなくなる人もいるから」とママが言っていた通り、日に日に気になってわしたショップで買ってしまいました。
家で飲んでもやっぱり癖がありました。でも・・・嫌じゃない、むしろいい(^^)
ラベルの容量のとこを上からシールを張って直しているところからしても、正真正銘の「手造り泡盛」なんだろうと思いますが、手造りだからこの味になるんでしょうか??

白百合は甕で熟成しているみたいなんですが、ネットで見つけたあるブログで白百合のことを「甕臭(かめしゅう)」と表現してました。泡盛なので沖縄のやちむんで飲んでみました。これは沖縄に行くたびにお邪魔するやちむんの工房壱さんで買いました。

白百合の個性的な味わいは甕熟成だからなんじゃないか?と、とりあえず自分を納得させました(2010年12月4日)
【追記】 これは2010年当時のアメブロの記事をそのまま転記しています。ガラケーで撮った画像は粗いし、泡盛のことを右も左もわからない時に書いた時のままなので恥ずかしいですが、当時を懐かしむ気持ちと泡盛初心者の方にも共感してもらえればと思いあえてそのまま載せています。
2010年頃に僕が出会った白百合は、確かに土の匂いがしていました。その後、泡盛マイスターになってテイスティングの回数をこなしていくうちに表現力が磨かれて(?)、いまでは白百合の香り・味わいはこんな風にお伝えしています。
- 土の味
- 甕の臭い
- 床下収納の香り
- 粘土をかじったときの味わい
泡盛の造り方は別の記事にまとめていますが、白百合が特別な造り方をしているわけではありません。同じ原料で同じように造っても酒造所毎に個性的な味わいが生まれる泡盛は面白いと心の底から思いました。
白百合は新酒もいいけど古酒もいい
白百合ファンに言わせると「白百合を飲むなら古酒よりも新酒だろ?」というご意見があるようですが、個人的には声を大にして言いたい!!
「新酒もいいけど、古酒もいい」
白百合ファンが古酒よりも新酒が良いという理由は、白百合ならではのあの味わいが、古酒になるとマイルドになってしまうから。これだと思います。
でも、古酒であっても白百合の43度は度数が高い分だけ、あの白百合らしい味わいがガツンとくる!!ので白百合の古酒も味わい深くていいですよ!

こちらの白百合ゴールドはオイリーな印象ですが、時間とともに甘味を感じる酒造所で限定販売されている白百合の古酒です。

白百合の古酒といえば、Makuakeで伝説の白百合復活プロジェクトが立ち上がったと思ったら一瞬で完売していました。伝説の白百合は期待を裏切らないTHE白百合という感じの味わいなんでしょうか。
白百合がマイルドになったというのは本当?
個性的な味わいの白百合ですが、数年前からマイルドな印象に変わってしまいました。代替わりの時に蔵を念入りに掃除をしてから味が変わったという話を聞いたことがありますが、真実かどうかわかりません。
マイルドになったと書きましたが、こちらの白百合粗濾過44度はびっくりするくらい個性的な味わいでした。
一般酒の白百合とはベクトルが違うけどかなり個性的でした。酸味しっかりでビネガーって感じ!酢じゃなくてビネガーって感じ。大事なところなので2回言いました(笑)。詰口年月日は2019年だったと思います。
白百合のおすすめの飲み方
僕は泡盛を食中酒として飲むことが多いので水割り派ですが、こと白百合に関してはオンザロックを好みます。氷を3個位入れたグラスに白百合を注いでキリっと冷やされた感じがたまりません。また氷が融け出して白百合と水が少しずつ馴染んでいく過程もまた美味しいのです。
泡盛と豆腐ようの相性の良さは疑う余地もありませんが、癖があると言われる豆腐ようでも泡盛界きっての個性派の白百合と合わせると白百合が勝ってしまう気がします。癖があると言えばヤギのブルーチーズの個性的な味わいは予想通り白百合との相性は抜群でした。

以前、ウイスキーに凝っていた時期があってラフロイグと一緒に蜂蜜をかけたブルーチーズを食べるのにハマっていました。そんな楽しみ方が白百合には似合います。
一般酒の白百合とは違いますが、戦前の泡盛に使われていた黒麹菌イヌイ菌で仕込んだ特別限定酒のShirayuri イヌイ菌仕込44度がとても美味しいです。

ストレートはもちろん、オンザロックや水割りも間違いないです。シメサバ、鯖の塩焼き、ガシラの煮付け。メジロのカルパッチョ、刺身、カマ焼き。それからアジのカルパッチョ、アジのなめろう、ブリの刺身・・・と釣りにハマっているので、釣ってさばいて白百合イヌイ菌で大漁祭りを楽しんでいます。
泡盛にハマるきっかけになった白百合の池原酒造さんの泡盛の飲み比べで原点回帰をしています。ここ1年釣りにどハマりしているのでこんな感じ。自分で釣ってさばいて、楽しいし美味しい。ニッチかもしれないけど釣り×泡盛を推していきたいです!
白百合ケーキはやっぱり個性的!?
あの白百合がなんと!ケーキになりました。なかなか手に入らないようですがありがたいことにお土産でいただきました。

焼き上げた状態で白百合を塗ったのか?浸したのか?あくまでも想像ですが、外側の泡盛の染み込み具合からするとたぶんどちらかじゃないでしょうか?

一本丸ごとではなく切り分けた状態でヒタヒタになるくらいまでたっぷり白百合を染み込ませて欲しいというのが一緒に食べたメンバーの総意でした。みなさん白百合好きですねぇ~(笑)。Uさんご馳走さまでした!
白百合を石垣島に訪ねる

なんというか想像していたよりもずっと街中にありました。代表銘柄が「白百合」なので、白百合が咲く野原の中にある酒造所を勝手にイメージしていたのでした。建物の雰囲気はイメージ通りだったのでさらに裏切られたような感じ(笑)。
もちろん勝手に思い込んでいた僕が悪いんですよ。野原の中というのはともかく、車を停めるスペースぐらいは余裕であるだろうと思っていたけど全然なかった~
もしかしたら建物の裏側にまわったら駐車場があったのかもしれませんが、慣れないレンタカーで慣れない狭い道に入るのに気後れしてしまいましたね。。ほんの僅かな時間でしたが酒所所を撮影してこちらの白百合晩酌セットが買えました(^^)v

嬉しくって石垣島のホテルの壁を背景に撮った1枚。綺麗に見えても壁紙にカビが生えていますね。まさか黒麹菌!!って何の話?笑
思い入れのある白百合だけにあの個性的な味わいが生まれる工場をいつか拝見したいと思っています。見学どころか工場の建物も確認することが出来なかったけど、今回は晩酌セットが買えただけで満足です。
この時のミニボトルは今では泡盛講座に毎回小ネタとして登場するほど大活躍しています。このミニボトルが手元にあったからこそ思いついたネタなので感慨深いです。訪問日:2015年6月6日
【追記】 2019年2月に再び訪問しました。またしても見学は叶いませんでしたが工場をカメラにおさめることに成功しました。網戸(?)がかなり黒くなっているのは黒麹菌による影響でしょうか。

コラム|僕の人生を変えた白百合
白百合の個性をストレートな言葉で表現しているのは白百合に対する僕なりの愛情表現です。白百合は僕が大好きな泡盛のひとつです。くれぐれも誤解の無いようにお願いします。
白百合との出会いが僕が泡盛マイスターを目指すきっかけになりました。そして酒販免許を取ってオリジナル泡盛を造ったり、泡盛を熟成中の樽を丸ごと購入しようと2019年4月にクラウドファンディングにも挑戦しました。
白百合のおかげで人生が大きく変わりました(苦笑)。だから白百合は僕の泡盛人生の原点です。ハマるかどうかは個人差がありますが、もしも白百合未体験ならぜひ一度味わって欲しいです。僕のように人生が変わるのは稀かもしれませんが、泡盛ライフが変わるかもしれませんよ(^^)
関連|僕にとって泡盛の最大の魅力は「失敗も楽しもう」と思わせてくれる懐の深さです
実験中|白百合×樽熟成
第3回島酒リモフェスのzoom飲みで池原さんと神村さんの部屋になったときに、乾杯は2社の泡盛をブレンドしたらいいんじゃない?って話題が出ました。そのときはできなかったのでキャンプで焚き火を見ながらやってみたらかなりいい感じ。

面白くなってきたので次は白百合と自宅で樽で貯蔵している泡盛をブレンドしてみました。白百合を樽フィニッシュさせたような味わいを狙って白百合とオリジナルカクスが9:1の割合です。
これをヒントにキャンプと泡盛、好きな2つを結びつけて焚き火が似合うお酒を探る実験をはじめました。唯一無二の白百合の味わいと樽熟成を掛け合わせると面白い化学反応で最高の焚火酒ができるんじゃないかと期待しています。
