中古のバンをキャンピングカーにリノベーションしてキャンプや釣りなど週末限定のバンライフを楽しんでいます。
自然の中で非日常を体験できることがキャンプの魅力。オール電化の家で暮らしていると、焚き火で肉を焼いたり、焚き火を囲んで語らったりできることは、キャンプの醍醐味です。
そして、僕にとっては花より団子じゃないけど焚き火の楽しさはやっぱりお酒があってこそ。そうなると追い求めてしまうのは焚き火がもっと楽しくなるお酒です。
目次
焚火酒でキャンプをもっと面白くしたい!
焚き火から連想するのはスモーキーな味わいのウイスキー。ハイボールやオンザロック、冬キャンプならホットウイスキーもいい。キャンプで作る自家製の燻製との相性は言うまでもありません。
クセがあって好き嫌いがわかれるアイラ島のシングルモルトウイスキーラフロイグあたりが個人的には好みです。

ここまで書いて気づいたのは、泡盛にも樽で熟成させる文化があるじゃないですか。それにクセと言えば唯一無二の個性的な味わいのあの泡盛がありました。
白百合で目指す焚火酒 【樽フィニッシュ】
作りたい焚火酒のイメージ
キャンプと泡盛、好きな2つを結びつけて焚き火が似合うお酒を探る実験をはじめます。
白羽の矢を立てたのは泡盛マイスターを目指すきっかけになった石垣島の銘酒 白百合。

唯一無二の白百合の味わいと樽熟成を掛け合わせると、面白い化学反応が起きて最高の焚火酒ができるんじゃないかと想像しています。
樽熟成といっても何年も熟成させるのではなく、最後の仕上げ的に樽のエッセンスを加えることで白百合の新たな魅力を引き出したいと考えています。いわゆる樽フィニッシュというアプローチです。

焚火酒の作り方
白百合らしさと樽熟成による変化の2つのいいとこどりを狙います。
この2つのどの辺のバランスがいいのかを探るため1週間から5週間まで1週間毎のサンプルを作って熟成期間毎の香味の変化を把握します。樽は有明産業のホワイトオーク製のミニ樽10Lを使います。
また、白百合の中でも樽にフィットする酒質があるだろうし、度数の違いで印象が変わってくると思います。決め打ちではなく試行錯誤の過程も楽しむために、熟成させる白百合は30度の新酒と43度の古酒をそれぞれ1,800ml用意しました。

そもそも成功するかどうかわからない実験なので展開も読めませんが、キャンプ・アウトドアに興味がなくても面白そうと思った人が自宅で樽熟成をはじめるきっかけになれば嬉しいなと思ったりしています。
キャンプ好きが個人的に樽熟成泡盛を愉しむための企画ですが、白百合を造る池原酒造様に興味を持っていただけたので熟成サンプルが完成したタイミングで池原 優代表と泡盛マイスター伊藤でオンラインでテイスティングできるように準備をしています。
蔵元のご意見だけでなく広く客観的な感想を知りたい気持ちはありますが、現在の状況ではリアルイベントでテイスティング会を開催するのは難しいのでテイスティングの様子をライブ配信で公開することを考えています。
反響が大きければ、白百合×樽熟成で新しいカテゴリーの白百合が誕生するかもしれないという妄想をしながら実験を楽しみます。
樽熟成の実験|白百合30度
ギリギリ夏休み中に間に合いました。石垣島の銘酒白百合の樽熟成観察日記を始めます。
言ってみたら泡盛マイスターの自由研究です。

樽詰め
ホワイトオーク樽に入れた白百合を1週間毎に360mlずつ取り出して、その変化を記録します。唯一無二の個性的な味わいの白百合×樽熟成でどんな化学反応が起きるのでしょうか?
樽熟成の実験はまずは樽詰めから始めます。

1週間経過
少し遅れてしまいましたが、泡盛マイスターの自由研究を提出します。この週末はワクチンの副反応で古酒の日を楽しむ余裕はなかったのですが、ホワイトオーク樽で熟成中の白百合から1週間経過時点(9/2)で360mlサンプルを取りました。

たった1週間でこの色です。テイスティングはまたの機会に。
2週間経過
ホワイトオーク樽で熟成中の白百合から、2週間経過時点(9/9)のサンプル(360ml)を取りました。この1週間では見た目の大きな変化はなさそうです。

丁度いいのがなくて、ダサい脚立なのはご愛敬(苦笑)。
前回、取り出した1週間経過時点のサンプルに樽の繊維質?が沈殿していたので、コーヒー用のフィルターでろ過しました。左がろ過前で、右がろ過後。ろ過の前後で色の変化はなさそうです。沈殿物はしっかり取れているので安心してテイスティングができそうです。

異物混入を防ぐために、今回からコーヒー用のフィルターでろ過をすることにします。

3週間経過
「紙臭が付いたり味気なくなるので紙フィルターは止めた方がいいですよ。荒濾過をおすすめします。」
とSNSでアドバイスをいただいたので、今回(3週間経過)はマスクのガーゼを使ってみました。ちなみにアベノマスクではありません。
子供用の緑色の脚立をキャンプ用品のバンブーテーブルに替えたら樽の雰囲気とバッチリじゃないですか!

気持ちがあがったところで、いざ樽出しを始めたら派手におもらししてしまいました。。

ガーゼでろ過するならならコーヒー用のフィルターと違って、さらさらと流れ落ちると思ったけど大失敗。もったいないけど自由研究に失敗はつきものです。

漏斗の中にガーゼを敷くスタイルでやり直します。

今回、樽の繊維質がほとんど取れなかったのは、そもそもなかったのか?ガーゼの目が荒過ぎのか?
1週間目2週間目と比べると色は気持ち濃くなっていますかね?

4週間経過
異物混入を防ぐためのガーゼを使った簡易ろ過は、こぼれないように漏斗の中にガーゼを敷いています。樽を載せる台は樽に馴染む木製のものに変更済み。4回目ともなるとスマートに樽出しができるようになりました。

こうして1列に並べると、もみじのように1週間毎に色づいています。

中身が残り少なくなって樽をだいぶ傾けない出てこないのですが、傾けた時にふわぁっといい香りがしました。次回は白百合30度の最後の樽出しです。
5週間経過
樽出しのときにこぼしてしまった3週目は取り出す量を減らして調整したつもりだったけど、ラストの5週目(9/30樽出し)はほとんど残ってません(汗)。

ろ過の時にガーゼに持っていかれたり、少しはエンジェルシェアもあると思います。もちろん、飲んでませんよ(笑)。
樽のかすがガーゼに付いているので濾過をした意味があると思いたい。それにしてもテイスティングできる分は残っててよかったぁ。取り出した量の少なさに意識が向いてましたが、さらに色付いてる?

最後は保管用の小瓶に詰め替えます。

樽熟成の実験|白百合古酒43度
樽詰め
白百合30度に続き、間髪入れずに43度の白百合の古酒を樽詰めしました(9/30)。今回は樽出しでこぼさないように気をつけます。

1週間経過
1週間経過した白百合古酒43度(10/7)です。

簡易ろ過は2枚重ねのガーゼを使って溢れないように優しく注ぎます。白百合30度で試行錯誤した甲斐あって、樽出しはかなりスムーズになりました。

ちなみに樽を載せているのはネイチャートーンズというキャンプ用品ブランドのテーブルです。さりげない泡盛×アウトドアのアピールも抜かりなし(笑)。

2週間経過
白百合古酒43度の2週目の樽出し(10/14)です。
撮影するときのアングルを変えてみました。特に理由はありません(笑)。実験をコンスタントに続けるためのちょっとした気分転換です。

樽出しの時にふわっと漂ってくる香りは30度よりもしっかり目。ああ、テイスティングする日が楽しみだ!

3週間経過
習慣化に必要な期間は平均66日という研究結果があるようです。 約2ヶ月間、白百合×樽熟成の実験を続けてきて、毎週木曜日の夜に樽出しすることが習慣・ルーティン化できてきました。

ただし、今回の43度古酒の3週目の樽出しは(9/21)なのに投稿は1週間遅れ。投稿は未だに習慣化できていません。。

味見は香りだけでずっとお預け状態ですが、43度古酒にかなり期待しています(^^)
4週間経過
白百合古酒43度の樽出しは4週目。もう残り少ないのか?樽をかなり傾けてやっと少しずつ出てきます。樽を傾けるなら瓶は床に置く方が安定しますね。やっと気がつきました。

白百合30度の5週目は瓶の半分も取れなかったのですが、今回はどうでしょう?ドキドキ・・・。
想像以上に残ってました。

5週間経過
白百合古酒43度の樽出し完了。やっぱり5週目は少なめでした。

白百合30度のと合わせて5週分×2もあるなんて楽しみ過ぎる!いよいよテイスティングのお時間です!

テイスティング
やっぱり焚き火はいいなぁ。
5週目にもなると樽感が強く出過ぎていました。美味しいのは間違いないのですが、白百合の個性が樽感の陰に隠れてしまっている感じです。3週目でも同じ傾向があります。
「樽フィニッシュ」というのをイメージしていたので、熟成期間は1週間くらいでも十分かもしれません。白百合感と樽感の絶妙なバランスを引き出すには、樽熟成していない白百合をブレンドしてみるのも面白そうです。
樽の状態やサイズも影響していると思うし、詰めた泡盛の味わいも。もう少し実験してみます。焚き火がもっと面白くなるお酒をつくりたい!
樽熟成の実験|白百合ゴールド30度
白百合ゴールドは酒造所で限定販売されている白百合の古酒です。ひと口目はオイリーな印象ですが時間とともに甘味を感じます。白百合の新酒・古酒に続いて白百合ゴールドでも実験してみます。
先の2つの実験では4・5週目になると樽感が強くて白百合の個性が薄まってしまったので、白百合ゴールドは1・2・3週の3回で早めに樽出しします。樽感強めも美味しいんですよ!でも白百合らしさにこだわりたいと思いました。

樽詰め
白百合の一般酒、古酒に続いて実験第3弾は蔵限定の白百合ゴールド30度。

先の2つと条件を合わせるために、きっちり量って1.8L分を樽に詰めました。

1週間経過
白百合ゴールドの1週目は500mlを取り出しました。

僕が味見し過ぎたわけではありませんが(苦笑)、一般酒と古酒の5週目は他の半分も残らなかったので取り出す量を調整しています。

2週間経過
2週目も500mlちょっと取りました。計量カップで500ml量って取り出すので全体的に手作業多めです。

あぁ、いい香り。白百合ゴールドは記憶の中の個性的な白百合を彷彿とさせる味わい。オイリーな印象が強めですが、時間とともに甘味を感じる酒造所限定販売の古酒です。
フロストボトルなのでわかりにくいのですが色は確実に濃くなっています。

3週間経過
最終回の量が減りすぎないように、警戒して樽出しを500mlずつに抑えた甲斐あって、ラストの3週目は600ml以上残ってました。

今回は3週目に取り出した量が一番多かったです。3週目を過ぎた位から蒸発スピードが加速するんだろうか?

沢山残っていることに安心して、計量カップから瓶に入れるときにこぼしてしまったのは、ここだけの話(苦笑)。
焚火酒を味わう
焚火酒はキャンプはもちろん、お酒の持ち寄り会で味わっています。


白百合で目指す焚火酒 【長期熟成】
こちらは樽フィニッシュではなく、甕で育てる古酒の様に長期熟成酒の焚火酒を目指す実験です。泡盛好きのみなさんに手伝ってもらって粗濾過の白百合で樽詰め完了。

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