リビングウイルとは?|意味を理解して書いていますか?
言葉の意味を理解して書いていますか?
エンディングノートは一度書いても気持ちが変われば、何度でも内容を書き直すことができます。
ただし、前提となる最低限の知識がないままにエンディングノートを書いているとしたらそれは自分の意思を正しく表示したことにはなりません。
エンディングノートの「医療」のページには、こういった馴染みのない単語が沢山出てきますが、なんとなく言葉のイメージだけで記入してしまっていませんか?
- 延命治療
- 尊厳死
- リビングウイル etc
延命治療ならまだイメージが湧くかもしれませんが、尊厳死はどうでしょうか?
リビングウイルとは?
尊厳死を安楽死と同じようなものと思っている方は少ないかもしれませんが、はたして正しく理解できているでしょうか?
また、リビングウイルもエンディングノートも同じようなものと思っていませんか?
思い込みや勘違いをしたままでエンディングノートを書いてしまうと、自分の意思とはまったく違う結果を招く恐れがあります。
公益財団法人日本尊厳死協会のサイトでは、リビングウイル、尊厳死と安楽死の違いは次のように紹介しています。
リビングウイル
「平穏死」「自然死」を望む方々が、自分の意思を元気なうちに記しておく。それがリビングウイル(LW)です。
日本尊厳死協会のサイト
尊厳死と安楽死の違いは?
死期が迫っている患者に耐え難い肉体的苦痛があり、患者が「早く逝かせてほしい」との意思を持っていることが明らかな場合でも、医師が積極的な医療行為で患者を死なせることを安楽死と呼びます。
日本尊厳死協会のサイト
日本尊厳死協会は、治る見込みのない病態に陥り、死期が迫ったときに延命治療を断るリビングウイルを登録管理している団体です。
リビングウイル(終末期医療における事前指示書)の主な内容です。
- 不治かつ末期になった場合、無意味な延命措置を拒否する
- 苦痛を和らげる措置は最大限に実施してほしい
- 回復不能な遷延性意識障害(持続的植物状態)に陥った場合は生命維持措置をとりやめてほしい
リビングウイルを作成している人はどのくらい?
- 0.1%
アメリカでは41%がリビングウイルを作成しているのに対して、日本では0.1%ということが「延命治療で苦しまず平穏死できる人、できない人」(長尾和宏/PHP)に書いてありました。
日本でリビングウイルを作成している人はほとんどいないようです。
また現在のリビングウイルは「・・・延命措置はお断りいたします。」「・・・生命維持措置を取りやめてください。」といった内容ですが、「これについてはして欲しい」という選択ができる内容へ見直しの検討がはじめられているようです。
終末期の医療を考える上で、尊厳死を希望するか?しないのか?は避けて通れない問題ですが、リビングウイルは法的担保が十分ではないため、リビングウイルの通りに延命措置が中止されるとは限らないというのが日本の現状のようです。
日本尊厳死協会に入会するには?
リビングウイルについて詳しく知りたいと思い、日本尊厳死協会から資料を取り寄せました。届いた資料に入っていたものです。
- 尊厳死の宣言書
- 入会のご案内
- 返信用封筒

「尊厳死の宣言書」に署名をして、入会申込書と一緒に協会に郵送し、会費を振り込みます。
すると、後日会員証と原本の写し2通が郵送されてくるというのが、入会手続きの概要です。
原本の写し1通は自分で保管して、もう1通は近親者に渡しておくために2通もらえるようです。宣言書の原本は協会で保管されます。
日本尊厳死協会の会費は?
日本尊厳死協会の会費は次のような金額になっています。
- ①正会員 年会費 2,000円
- ②ご夫婦の場合 年会費 3,000円 注)
- ③終身会員 会費 70,000円
- ④ご夫婦の場合 会費 100,000円 注)
注)現在、公式サイトにご夫婦の場合という記載は見当たりません。

夫婦で入る場合は一人分の年会費が半額というのは割安感が大きいですね。夫婦に限定されるのか、夫婦に限らず二人以上で入会すれば割引があるのかどうかはわかりません。
それから終身会員の会費の設定が絶妙だなと思いました。
7万円というのは年会費の35年分にあたるので、例えば40歳の男性が入会して平均寿命(80.21歳)まで生きたとすると、終身会員の方が年会費5年分を得する金額なんです。
男性なら45歳以下で入会するなら終身会員の方がお得という感じでしょうか。
会員になると宣言書の原本を協会で保管してもらえるだけではなく、年4回会報が送られてくる、講演会に無料で参加できるといった特典があるようです。
役に立つエンディングノートを書くポイントは、最低限の単語の意味を理解して書くことです。