情報にも賞味期限があります。エンディングノートは定期的に見直しましょう。
エンディングノートに限ったことではありませんが、一度書いたところで時間とともに書いた内容は古くなっていきます。
体調や心境、交友関係などすべてが時間とともに少しずつ変化していくものです。だから定期的に見直して情報を更新しましょう。
私、伊藤 薫が実際にコクヨのエンディングノートを2ヶ月半かけて書いていく中で相続専門司法書士の視点から気づいたことをまとめました。
目次【本記事の内容】
エンディングノートは見直さないと意味がない
先日、家の防災用品の点検をしました。そのときに古くなっていた非常食や防災グッズを買い直したのですが、賞味期限・使用期限は5年というものが多かったですね。
毎年、見直すのがベストだとしても忘れてしまって2,3年経ってしまう人が多いのでしょう。それでも期限が切れてしまわないように、余裕を持たせて5年にしているんだろうと実体験として感じました。
エンディングノートも同じで一度書いても定期的に見直さないと意味がありません。
理想を言えば年に1度。誕生日や年末年始で見直すのが良いタイミングだと思います。
エンディングノートに関係するもので毎年見直すものはないか?
最近は出さないという方も増えてきましたが、年賀状のリストなら毎年見直すだろうと思うので、緊急時の連絡先とあわせて12月に見直すのはいかがでしょう?
友人・知人一覧について
- 友人・知人一覧
- その他の連絡先一覧
どちらもこのエンディングノートに書かなくていいと思いました。
この辺もよく考えられていて、他で連絡先を整理している場合は、携帯電話・パソコン等どこをみればよいのかを書いておけるように作られています。
親族一覧にも記入するところがありましたが、友人・知人一覧にも、もしもの時(入院・葬儀)の連絡をするか?しないか?を書くことができます。
年賀状の住所録をエクセルで整理していれば、もしもの時の連絡という欄を作って、そこにする?しない?を記入しておくのがいいかもしれません。
連絡をしてほしい人には連絡方法(電話番号、メールアドレス)も記入しておけば、ご家族が連絡をする時にわかりやすいですよね。
最初から最後まで書いてみるというコンセプトなので、あえて、このエンディングノートに連絡先を書こうとしましたが、もしもの時の連絡の欄でどうしても手が止まりました。
考えようとしても思考停止してしまう。
入院といっても、入院したことを自分で連絡できるような状況しかイメージできないんですよね。
だから「どちらでもよい」を全員に丸を付けたくなります。
って考えることから逃避してますね。。
入院じゃなくて葬儀の連絡はどうかといえば、同じようなものです。
例えばですが、もし100歳まで生きると思っていたら・・・
葬儀の連絡をしようにもその頃には友人・知人はほとんど亡くなっているわけで、そんな先のことを考えていたら書くのが馬鹿馬鹿しくなってしまいます。
かなり難しいですが、例えば明日死んでしまったらとイメージするとか。
もしもの時の連絡の欄は、いくら若くても健康だとしても、できるだけリアルにもしもの時をイメージして書かないと意味がなさそうですね。
コラム|エンディングノートが1番必要な人は?
ビルの建て替えのため開業から6年間過ごした事務所を移転しました(2016年)。移転といっても住所が二丁目から一丁目に変わっただけのことですが、心機一転精進してまいります。
自発的な移転ではないので引越し作業は、それは苦痛でした(笑)
建て替えなら立退き料がもらえたんじゃないの?と思うかもしれませんが、定期借家契約だったので立ち退き料はありません。
契約終了の3月末に移転するのは年度末と重なるので、さすがにマズイだろうとひと月早めて引越しました。
しかたなく移転したけど、良かったこと。
思いきって沢山の物を処分したので事務所がすっきりしました。物理的に片付いた以上に気持ちがすっきりしたのが大きかったです。
まったくのゼロから事務所をはじめたわけではないので、本や資料をはじめ引き継いだものが沢山ありました。処分したものは引き継いだものが中心ですが他には6年間まったく使わなかったものや1度しか使わなかったものも処分しました。
まったく使わなかったもの、1度しか使わなかったものが結構あったのは、開業当初は来るものは拒まずで、相談があれば何でもやろうと色々と手を広げていたことが理由です。
- 時間は有限
- できることなんて本当に限られている
今ではこう思えるようになったので、使わないものやまったく必要ないものに囲まれていることが苦痛になっていました。
とはいっても日常に追われてしまって、処分する時間を作れなくてずるずるとそのままになってしまっていたわけです。
引越しを機にこれを解消しようと決めて、引越しの前日までかかりましたが、いるもの・いらないもののジャッジをやり切りました。
捨てる時にもっと迷うかなと思っていましたが、スパッと決めて捨てることができました。
ただし、この作業は自分でするしかなかったので2月の忙しい時期に時間を取られたのはかなり痛かったです(>_<)
自分しかわかっていないことが多い。
個人事業ならある程度は仕方がないのかもしれませんが、自分の身に突然何かが起こったらうまく引き継ぐことができるんだろうか?と不安になります。
一人で仕事をしていると、ものを捨てるか残すかの判断に限らず、自分しか把握していないことって多いんですよ。
僕は共同で事務所をしているので、何かあればすぐに関係先に連絡してもらうことができそうですが、一人で仕事をしていたら入院した・亡くなったという連絡も遅れそうです。
エンディングノートの連絡先リストは、亡くなった時ではなく入院などで自分では連絡をすることができなくなる時に備えて、自分に代わって状況を伝えて欲しい人を書いています。
それから、いまどんな仕事をしているのかの一覧と、その仕事の進捗が分かるように資料関係を普段から整理しておくよう心掛けています。
これはついついおろそかになってしまいますが(苦笑)、もしもの時にスムーズに引き継いでもらうにはこれは大事ですよね。
エンディングノートは高齢になってから書くとイメージが強いと思いますが、一番必要としているのは働き盛りの個人事業主かもしれませんね。
そんなことを痛感した事務所の移転でした。
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