その4 それは名義預金じゃないですか?

私、司法書士伊藤 薫がコクヨのエンディングノートを書いてみた体験談です。1冊のエンディングノートをはじめから最後まで2ヵ月半かけて書いていく中で、感じた気持ちや相続の専門家からみて注意しておくべき点、エンディングノートにまつわるエピソードを綴ったものです。

安全面に配慮してのことだと思いますが、預貯金を書くページには暗証番号だけでなく、通帳や印鑑の保管場所を書く欄もありません。まあ、通帳や印鑑の保管場所を書いておかなくても、大事なものをしまっている場所をご家族がわかっていれば問題ないと思います。

お金の管理を奥さんに任せきりにしてしまっている方は、奥さんが急に入院することになったりすると「通帳・印鑑はどこにある?」、「暗証番号はなんだっけ?」と慌ててしまうことになりそうなので、預貯金の情報を整理するときに把握しておいた方がよさそうですね。

ところで、このエンディングノートには口座の名義人を書く欄があります。

自分自身の預貯金(財産)を書く趣旨なので、名義人の欄はいらないんじゃないの?と思いますが、自分の預貯金なのに敢えて名義を書いておく必要があるとしたら、例えば結婚した時に名義変更の手続きをしてなくて旧姓のままという口座が考えられます。 もしくは、親から相続したもののまだ手続きをしていない口座というのもあるかもしれません。

そのどちらでもなく、例えばお子さん名義の口座を書いているなら、それは俗にいう「名義預金」に該当するかもしれません。

聞き慣れないと思いますので簡単に説明しますと、名義預金というのは、例えばあなたが子供名義の口座を作り、子供が知らない間にあなたが自分のお金をそこに貯金していたような口座です。

この場合、単に名義を借りているだけの口座ということで、税務上、名義預金は子供のものではなく、あなたのものなので、あなたの財産としてエンディングノートに書いておく方が適切なのかもしれません。

しかし、これは口座名義だけじゃなくて、子供にあげた(贈与した)ものなんだということなら、名義預金と言われないように、きちんと贈与の手続きをしておかれることをお薦めします。

その5に続く。