エンディングノートの書き方のポイント 簡単には書けないのが介護の希望

私、相続専門司法書士の伊藤 薫が実際にコクヨのエンディングノートを書いたレポートです(2012年)

友人・知人編を書いた後は医療・介護編。

今回は介護についてです。
さあ行ってみましょう!

もしも介護が必要になったときに、

  1. 介護を誰にお願いしたいか?
  2. どこで過ごしたいのか?
  3. それは自宅なのか、病院や施設なのか?

といった希望を書いておきます。

 

単なる希望とはいえ「自宅で家族にお願いしたい」というのは家族にかかる負担を考えると気軽には書けないですね。

 

介護に必要な費用をどう捻出するのかを書いておく欄もあります。

  1. 預金から
  2. 保険で
  3. 特に用意していない

の中から当然のように「特に用意していない」にチェックしましたが。

あくまでも希望を書いておくノートとはいえ、我ながら将来必要になるお金について真剣に考えようと思いました(汗)

 

 

「自分で財産の管理ができなくなった時に 管理をお願いしたい人」について書いておく欄もあります。

ようするに認知症などで判断能力が低下したときに誰に成年後見人をお願いしたいかということですね。

 

現在のような本格的な高齢社会では同じ世代(旦那さんや奥さん、兄弟姉妹など)に成年後見人をお願いすることはほとんど現実的ではないと思います。

かといって子供世代はどうかといえば、仕事で忙しくて成年後見人としての仕事にまでなかなか手が回らないというのが現実ではないでしょうか。

 

僕は家族の負担を考えると、たとえ費用がかかるとしても成年後見人は家族以外の第三者(もちろん信頼できる方に)にお願いしたいと思います。

管理をお願いしたい人についても希望を書いておけばいいわけですが、法定後見の場合は家庭裁判所が成年後見人を選任するため、必ずしも希望どおりになるわけではありません。

 

ちなみに第三者というのは、司法書士や弁護士、行政書士といった士業が成年後見人の担い手として存在しています。

例えば、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポートという成年後見制度の普及と成年後見人の育成・普及のために設立された司法書士の組織があって、約8,400名(2018年12月)が会員になっています。

 

僕もリーガル・サポートの会員です。

研修や会議などで他の会員の方の成年後見業務に取り組む姿勢を垣間見ることがあります。

たとえ報酬が見込めないケースや対応がかなり難しいケースであったとしても成年後見人の業務に真摯に取り組まれている方がとても多いことに毎回驚かされます。

 

できればそんな人に成年後見人になってもらえたら安心だし、家族も喜んでくれるような気がします。

 


「財産の管理をお願いしたい人について」という欄もあります。

あれ!?同じような欄がありましたね。

それには自分で財産の管理ができないときにという条件がついていました。

この条件があったとしても同じような印象を受けますが、おそらく条件がついているものは「法定後見」についての希望で、条件のないものは「任意後見」についての希望のことだと思います。

 

といっても法定任意でいったい何が違うの?と思われる方がほとんどですよね。

簡単にいうと、成年後見制度には「法定後見」と「任意後見」の2種類あります。

  1. 「法定後見」は既に判断能力が衰えている方の為に、家庭裁判所が後見人等の適切な保護者を選ぶ制度です。
  2. 「任意後見」は元気なうちに、将来、自分の判断能力が衰えた時に備えてあらかじめ保護者(後見人)を選んでおくというものです。

財産の管理をお願いしたい人について(任意)は管理をお願いしたい人の名前をここに書いておけばひと安心というものではなくて、元気なうちにその方とどんなことをお願いするのかを公正証書で契約しておく必要があります。

 

また先に少し触れましたが、「法定後見」の申立ての書類に成年後見人の候補者を書くことができますが、必ずしも候補者が選ばれるわけではありません。

家族が候補者であっても家族の間に相続トラブルのような紛争がある場合や、候補者が本人の財産を勝手に使っている場合などは、候補者以外の司法書士、弁護士といった第三者が選ばれることがあります。

 

また、成年後見人の事務を監督する権限がある専門家の後見監督人が選任される場合、後見人が1人ではなく複数選ばれることもあります。

ということは子供である自分が成年後見人になれば第三者が選ばれる場合と違って後見人の報酬はかからないわけですが、選ばれないこともあるということを覚えておいてくださいね。

 

 

関連記事:コクヨのエンディングノートを相続専門司法書士が書いてみた。書き方のポイントはこちら。


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