その31 エンディングノートに遺産分けの希望を書くと・・・

私、司法書士伊藤 薫がコクヨのエンディングノートを書いてみた体験談です。1冊のエンディングノートをはじめから最後まで2ヵ月半かけて書いていく中で、感じた気持ちや相続の専門家からみて注意しておくべき点、エンディングノートにまつわるエピソードを綴ったものです。

遺言書について。

エンディングノートに遺産分けについての希望を書いておいたとしても「遺言」としての効力はありません。

このエンディングノートではそのことが明確にされていて、このページに書いておくことは、「遺言書を作成しているか?」「遺言書の種類は?」「どこに保管しているのか?」といったことだけ。 「遺言書について」のページを書いたことで遺言書を作成したなどと勘違いしないように工夫されています。

よくよく考えてみたら、このエンディングノートの姉妹品で「遺言書キット」なるものが販売されているので、住み分けというか役割分担がしっかりされているということか、と勝手に納得しました。

ふと隣のページをみると「相続メモ」というタイトルで遺産の具体的な分けについての希望を書いておくページがありました。あれっ!

「誰に」、「何を相続させるか」の横には、それを決めるに至った理由を書いておけるような「私の考え」という欄があるので、遺言の素案を作るのには役に立ちそうですね。 前にエンディングノートと遺言書の違いについて書いたことがありましたが、このページのタイトル通りあくまでも「相続メモ」と思ってとどめておかないと失敗する可能性があります。

「ここに記入すると、家族の参考情報としては役立ちますが、法的な効果は発生しません」とこのページの注意書きにもあるように、エンディングノートは遺言書の代わりにはなりませんので、くれぐれもご注意ください。

その32に続く。