その19 相続手続きを早めにしておいた方がいいケース

私、司法書士伊藤 薫がコクヨのエンディングノートを書いてみた体験談です。1冊のエンディングノートをはじめから最後まで2ヵ月半かけて書いていく中で、感じた気持ちや相続の専門家からみて注意しておくべき点、エンディングノートにまつわるエピソードを綴ったものです。

実家で家系図のような親族表を書いているときに、数年前に亡くなった母の叔母の相続手続きが済んでいないことを耳にしました。

母の叔母(私からみると祖母の妹)の相続人は兄弟姉妹なので、祖母の兄弟姉妹が相続の手続きを済ませておくべきだったのですが、手続きをはじめる前に祖母が亡くなったため母たち娘が相続人になってしまいました。

母たちの代で手続きを完了してくれればいいのですが、手続きが完了しなければいずれ私や従兄弟達が相続人として関わらなければいけなくなってしまいます。 私たちの代になると相続人の数も爆発的に増えるし、会ったことのない人もいるでしょう。住んでいるところもてんでばらばらで手続きが難航することは目に見えています。

こういった例をあげると、第3順位の相続人は兄弟姉妹なのだから、その兄弟姉妹以上は相続人にならないのでは?ということを疑問に思われる方が時々おられます。 分かりにくいかもしれませんので、図にすると・・・

相続手続きを早めにしておいた方がいいケース
被相続人Xさんの相続人は兄弟姉妹で、兄弟姉妹はA、B、Cさんとします。 AさんはXさんより先に亡くなっていたためAさんの子供であるEさんが相続人(代襲相続)になります。

また、Bさんもその子供であるFさんもXさんより先に亡くなっているので、Fさんの子供であるGさんは相続人になりません(兄弟姉妹が先に亡くなっている場合は、その子供である甥姪は相続人になりますが、孫は相続人にはなりません)。

一方、Xさんより後に亡くなったCさんの配偶者であるDさんは相続人になります。 もしCさんがXさんより先に亡くなっていた場合や、Cさんが亡くなる前の平成11年頃にC、Eさんで相続手続きを完了しておけばDさんがXさんの相続人になることはありませんでした。

相続の手続きを完了しないままに次の相続が発生してしまうと、本来の被相続人の兄弟姉妹以上に相続人が増え続けることになるわけです。 母たちの代で片を付けることを切に願います。

その20に続く。