とりあえず「共有」にするのはもったいない!

遺産分け


土地を相続する時、例えば兄弟で持分を2分の1ずつというように共同で所有(共有)することができます。 共有はあまりお奨めできませんが、現在売りに出している、近いうちに手放す予定だという事情があるときはよくあることです。

ただし、2人、3人ならまだしも、4人、5人と共有する人数が多くなると売却や登記の手続きが煩雑になるのでやはり考えものです。

一方、売却する予定はなく、いずれは土地を分けてそれぞれ単独で所有したいという場合もあると思います。 この場合、今すぐは土地を分けずに、とりあえず遺産分割協議をして相続人が共有する相続登記をするのはあまりお奨めできません。

「うちは兄弟の仲がいいから共有にしていても特に問題は起きないし」とか、「土地を分ける(分筆登記)には測量に費用がかかるから、単独所有にする必要が出てから分けよう」という気持ちはわかります。

共有にすると揉める火種になるというのもお奨めできない理由ですが、それ以外にも理由があります。

それはもっと単純な話で、とりあえず共有の相続登記をするのは、はじめに土地を二つに分けた後でそれぞれ単独所有となる相続登記をするのと比べて手間と費用が余計に掛かってしまうからです。

相続で土地の名義変更をする時に、とりあえず共同で所有するような相続登記がなぜ手間も費用も余計にかかってしまうのか?について。

手続きの流れを理解するとよくわかります。 先に土地を二つに分けた場合の手続きは次のようになります。

①土地を二つに分ける(分筆登記)
②遺産分割協議をして、それぞれの土地をA、Bが単独で所有するような名義変更をする(相続登記)

土地を二つに分ける前にとりあえず共有で相続登記をした場合

①A、Bが共同所有するように土地の名義変更をする(相続登記)
②土地を二つに分ける(分筆登記)
③土地の片方をAの単独名義にするため、Bの持分を「共有物分割」を原因としてAに移転する(移転登記)
④同じようにもう一方の土地をBの単独名義とするためにAの持分をBに移転する(移転登記)

※遺産分割協議をせず、法定相続分で①の登記をしていた場合、③は「共有物分割」ではなく「遺産分割」になります。

手間と費用が余計にかかる理由は、A、B共有名義の土地を単に2つに分けた状態では、どちらの土地も二人の共有のままだからです。だから、それぞれを単独所有にするために持分を移転する必要があるので、手間と費用が余計にかかってしまうというわけです。

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