相続(遺産分け)をスムーズに進めたいと思ったときに読むページ。

はじめに

大切な方が亡くなっても、悲しんでばかりはいられないほど次々とやらなければならないことが発生します。

「なにから手をつければいいのかわからない」とお困りの方も多いのではないでしょうか。

しかし、期限がある手続きもあり、先送りにしていても解決しません。相続手続きの中で、亡くなった方の遺産をどのように分配するのかという(遺産分け)の手続きについてわかりやすくご紹介いたします。

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相続(遺産分け)手続きの流れ

葬儀などの最後のお別れがすめば、次は遺産分け手続きが待っています。

遺産分け手続きは、以下に示すように遺言書の有無によって、大きく異なります。

  • 遺言書があれば、原則「遺言書」の指定どおりに遺産を分けることになります(指定相続)
  • 遺言書がなければ、法が定める基準(法定相続)で分けることになります。

ただし、各相続人が何を受け取るかについては、割合でしか定められていないため、遺産分割協議の中で相続人全員で誰が何を受け取るのかについて協議し、合意をする必要があります(この話し合いを遺産分割協議といいます)。

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【遺産分けの基本ルール】ブログで相続セミナー|初級編

一家の大黒柱であるナミヘイさんが亡くなりました。ナミヘイさんの遺産の行方を遺産分けの基本ルールを踏まえながらみていきましょう。あのご家族とは無関係ですので、イメージが壊れた、アニメと違うといったクレームはご勘弁ください。

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相続(遺産分け)手続きの具体例

遺産分け手続きをイメージしやすいように事例を元に解説します。亡くなった方が遺言を残していなかった2つの事例を用意しました。よくある一般的なケースと手続きが困難になりそうな少し込み入ったケースです。よくある質問を通して理解が深まるようにと思いQ&A形式でまとめました。

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1.遺言書の有無の確認

まずは、亡くなった方が遺言書を作成していたかどうかを調べましょう。

ご自身で保管されていた場合は、通帳などと一緒に保管している場合が多く、机の引き出し、仏壇、金庫などが保管場所として考えられます。

また、身の回りではなく、金融機関の貸し金庫に預けていることやご家族以外の親しい知人や司法書士、弁護士などに預けられていることもあります。

公正証書遺言を作成されている可能性があれば、平成元年以降は、遺言を作成した公証役場名、公証人名、作成年月日等がコンピューターで管理されるシステムが全国で採用されているので、一度公証役場で公正証書遺言が作成されていなかったか検索してみるとよいでしょう。

夫婦で遺言を書いて法務局に預けてみた|自筆証書遺言書保管制度

今回の改正の柱は遺言書の作成促進でポイントは2つです。①自筆証書遺言の書き方のルールが緩和されたこと、②法務局で自筆証書遺言を保管する新しい制度がスタートしたこと。夫婦で遺言書を書いて保管制度を利用して法務局に預けてみたリアルなレポートです。

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2.相続人の確定|遺言書がない場合

誰が相続人になるのかは、戸籍謄本を取得して確認します。役所で亡くなった方の戸籍謄本を取得すればいいと簡単に思われるかもしれませんが、実際にはかなりの手間がかかります。

というのは、相続手続きでは被相続人(今回亡くなった方)の生まれた時から亡くなるまでの戸籍をさかのぼって漏れがないように取得しなければいけないからです。

生まれた時からの戸籍を集める理由は?【遺言書がない場合】

結婚・離婚・養子縁組・転籍などで戸籍が新しくできたり、他の戸籍へ入ることがあるので亡くなったときの戸籍だけでは相続人全員を把握することができません。そのため遺言書がない場合の相続の手続きでは、亡くなった方の生まれたときから亡くなるまでの全ての戸籍が必要になります。

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必要な戸籍謄本等をすべて取得できたら、それらをもとに相続関係の分かる図を作成しておけば、相続人が一目で分かり、手続き上も便利です。

相続相関図
相続関係をまとめた図のイメージ

取得した戸籍謄本は、不動産や預貯金・株式の名義変更のたび、法務局や金融機関などへの提出がそれぞれ求められるので提出先が多い場合は法定相続情報証明制度を利用して法務局で「法定相続情報一覧図の写し」を取得しておくと便利です。

ただし、戸籍上は相続人であっても、相続放棄をした人、民法が定めている相続欠格事由(相続に関する遺言書を偽造、変造、破棄、隠匿した場合など)に該当する人や、被相続人に対し虐待をしていた等の理由で推定相続人廃除の審判がされた人は相続人とはなりません。

3.遺産の確定

ひとくちに遺産といってもさまざまなものがあります。現金や預貯金、不動産はもちろん、株式などの有価証券、被相続人(今回亡くなった方)が債権者になっている貸付金などの債権、貴金属や骨董品などの貴重な動産など見落としがないように調査をする必要があります。

また、忘れてはならないのが借金等のマイナスの遺産です。亡くなって時間がたってから多額の借金が発覚することも多いため、しっかりと調査しておく必要があります。不動産の調査自宅などの不動産をお持ちであれば、登記した時の権利証(登記済証・登記識別情報)、不動産の登記事項証明書を探しましょう。

登記をしていない不動産であれば、権利証はありませんので、固定資産税の納税通知書をもとに調べましょう。

また、役所で名よせ帳を確認すれば、亡くなった方がその市町村内に所有していたすべての不動産を調べることができます。

単独で所有していた不動産だけでなく、他の方と共同で所有していた不動産は見落としがちなので、注意が必要です。預貯金の調査銀行預金は、通帳、カードがあればその口座の残高を調べます。通帳、カードが無くても、取引がありそうな銀行には口座の有無・残高を照会することできます。

ただし、銀行が口座名義人の死亡を知ることで、口座が凍結されて預金が引き出せなくなることがあるため、照会にあたっては注意が必要です。債務の調査借用書や金融機関から送られてきた通知書などを探しましょう。支払いが口座引落しの場合は通帳からわかることもあります。

亡くなった方自身の借金だけでなく、頼まれて他人の借金の保証人になっていた可能性はなかったかどうか、保証契約書などがないかも探してみる必要があります。

4.相続の承認・放棄の手続き

相続財産(遺産)には、プラスの遺産だけでなく、マイナスの遺産もあります。場合によっては、マイナスの遺産の方が多くなることもあるでしょう。

相続人は被相続人(今回亡くなった方)の相続財産を承継(相続)するのか、放棄するのかを選択することができます。

遺産を確定させ、その価値を把握することで、プラスとマイナスの遺産を比較し、相続(単純承認・限定承認)をするのかあるいは放棄をするのかを判断しましょう。

ただし、相続が開始したことを相続人が知った日から何もせずに3ヶ月が過ぎると、自動的にプラスの遺産もマイナスの遺産も全部相続(単純承認)したことになってしまいますので、限定承認または相続放棄をする可能性がある場合は注意しましょう(事情によっては3ヶ月の熟慮期間を延長してもらえることもあります)。

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限定承認は非現実的!?

限定承認とは、相続したプラスの遺産の中から、マイナスの遺産を支払って精算するというもので、相続人が自分の財産を持ち出して支払う必要がありません。また、マイナスの遺産があるからといって相続放棄してから、後でプラスの遺産の方が多かったことが判明した場合に、悔しい思いをすることもありません。

しかし、相続が開始したことを相続人が知った日から3ケ月以内に家庭裁判所に相続人全員で申述する必要がありますし、申述の際は、遺産目録を作成しなければなりませんので、手間がかかります。

また、債権者のために官報に公告をしたり、返済のために遺産を処分したりする必要があり、これらの手続きを弁護士に依頼すれば費用もかかります。

最終的にプラスとなるのか、プラスであってももろもろの費用がかかれば、ほとんど手元に残らない可能性があるので、結局はプラスマイナスを見極めて、単純承認をするのか相続放棄をするのかを選択したほうが簡単かもしれません。

5.遺産分割手続き|遺言書がない場合

ここまでくれば、遺産分割手続きの事前準備として、相続人は誰か、相続財産(遺産)は何でいくらかということがはっきりしていると思います。

遺産分割とは?

遺言書がなければ相続人全員で誰が何を受け取るのかについて協議をし、合意をする必要があります。この話し合いを遺産分割協議といいます。話し合いがまとまりにくい理由やスムーズな遺産分割をする上で重要になる3つのポイントを解説します。

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マイナス財産は遺産分割不要!?

遺産分割というと、不動産は誰がもらうとか、預貯金は誰がもらうとか、どうしてもプラスの財産をどう分けるのかということに目がいきますが、忘れちゃいけないのがマイナスの財産。最近は不動産といってもマイナスの財産になりえるし、誰も相続したくない、いわば“負の遺産”と言わざるを得ないケースがあります。

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6.相続財産の名義変更手続き

遺産分割協議がまとまり、誰がどの遺産を受け取るのかが決まれば、不動産であれば名義変更の手続き(相続登記)、預貯金であれば名義変更または払戻しなど遺産分割協議に基づき遺産の名義変更を行います。

不動産の名義変更に必要となる書類等

  • 被相続人(今回亡くなった方)の生まれた時から亡くなるまでの戸籍・除籍謄本等
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人の住民票の写し
  • 遺産分割協議書および印鑑証明書
  • 固定資産税の評価証明書 など

預貯金の名義変更に必要となる書類等

  • 各金融機関所定の依頼書
  • 被相続人(今回亡くなった方)の生まれた時から亡くなるまでの戸籍・除籍謄本等
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書および印鑑証明書
  • 通帳・印鑑 など

とりあえず「共有」にするのはもったいない!

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7.相続税の申告・納付

遺産分けの最後の手続きは、相続税の納付です。

実際に相続税を納めなくてはならないケースは死亡者数の数パーセントですので、必ずしも相続税を納めなければ ならないわけではありません。

ただし、少し前までは死亡者数の4パーセント程度でしたが、平成27年1月1日以降に亡くなられた方ついては、相続税の仕組みが大きく変わり、今まで相続税がかからないと思われていた方でも相続税がかかる可能性が出てきました。

具体的には、相続税の基礎控除が次のように変わりました。
つまり、これまでは被相続人の遺産の総額が8,000万円を超えていなければ相続税を納める必要がなかったのに、改正後は4,800万円を超えていれば相続税を納めなければならないことになります。

 相続の時期 基礎控除額 相続人3人の場合
 改正前
(平成26年12月31日までの相続)
 5,000万円

1,000万円×法定相続人の数
  5,000万円

1,000万円×3人=8,000万円
  改正後
(平成27年1月1日以後の相続)
  3,000万円

600万円×法定相続人の数
   3,000万円

600万円×3人=4,800万円

まずは、課税されるかどうかを簡単に計算してみましょう。遺産の額(課税価格)が基礎控除の額を超えていなければ課税対象とはなりません。

相続税の考え方

課税対象になれば相続税は相続が開始してから10ヶ月以内に申告、納付しなければいけません。

8.遺言書の確認および家庭裁判所の検認

遺言書を見つけたら、まずは遺言の種類を確認しましょう。公証役場で作った公正証書遺言ならそのまま開けてもかまいません。ただし、封印のしてある自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所の検認手続きが必要になります。

検認というのは、家庭裁判所の係官立ち合いで遺族が遺言書の中身を確認することです。公の場で確認することで、偽造等を防止します。

偽造のおそれはまったくないという場合であっても、遺言書に基づき遺産の名義変更手続きをする際には、裁判所の検認済証明のある遺言書の提出を求められるので、面倒でも検認手続を省略することはできません。

9.遺言書による指定分割の手続き

遺言書に基づき、不動産の名義変更(相続登記)、預貯金、有価証券等の名義変更を行います。

10.遺留分侵害の有無の確認

遺言書があれば、その内容に従うのが原則です。ただし、遺言の内容が遺留分を無視したものであれば、遺留分を侵害された相続人は、遺留分を取戻す(減殺(げんさい))ことができます。


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