40年古酒を目標に3つの甕で古酒作りに挑戦しています。泡盛は忠孝酒造さんで造った手造り泡盛で定期点検と称してテイスティング(味見)をするのが楽しみです(笑)。瓶と違って蓋を開けることや味見をすることにあまり罪悪感がないので甕の古酒作りは気が楽です。
甕で古酒作りを始めるために準備したものや定期点検で気をつけていることをまとめました。
目次
古酒作りを始めるときに準備したもの
- 泡盛
- 五升甕
- 柄杓・漏斗
泡盛は僕の手造りです
忠孝酒造さんの手造り泡盛体験にハマって2011年から8年連続で造りました。体験費用に含まれている泡盛は一升瓶1本だけなので何回造っても大した量にはなりません。※追加で60本まで購入することもできます
黒麹菌の種類や造る季節が違うので毎回香味の違った泡盛が出来上がるので飲み比べる楽しみがあります。
- 2011年|はじめての泡盛造り【麹菌|サイトイ菌】
- 2012年|子供の誕生記念【麹菌|アワモリ菌】
- 2013年|結婚のお祝い用に【麹菌|イヌイ菌】
- 2014年|恒例の泡盛造り【麹菌|河内源一郎商店 酵母|忠孝酵母】
- 2015年|子供の誕生記念【麹菌|石川種麹店】
- 2016年|潮平さんと一緒に
- 2017年|誕生のお祝い用に【麹菌|秋田今野商店泡盛用】
- 2018年|末広がりの八回目
気がついたら増えていた甕
はじめての五升甕は泡盛マイスターの先輩から空の甕をプレゼントして頂きました。そこからトントン拍子に増えて現在五升甕が4つ、一升甕が1つあります。この中で一番甕から三番甕を使って古酒作りをしています。
- 一番甕|泡盛マイスターの先輩からいただく
- 二番甕|泡盛マイスター技能競技大会の副賞
- 三番甕|泡盛マイスター技能競技大会の副賞
- 四番甕|泡盛で乾杯キャンペーンで当選!!
- 五番甕|泡盛マイスターの先輩からいただく(一升甕)
沖縄ではお祝い事に泡盛の甕を贈る風習があります。
- 結婚祝い
- 新築・引越し祝い
- 還暦祝い
- 退職祝い etc
御目出度い時に泡盛は欠かせない存在です。縁あってこの五升甕が我が家にやってきました。頂いた時期が引越しが決まったタイミングだったので勝手ながら引越し祝いと思うことにしました。泡盛マイスターの先輩から頂いた甕なので大事にしています。
泡盛で乾杯キャンペーンで当選した五升甕は泡盛普及活動のためにキャンプに持っていったりと愛用していましたが現在は事務所に置いています。
余談ですが、自宅で泡盛の古酒作りに挑戦するなら甕以外にもこんな方法(容器)があります。
- 瓶
- 樽
- ステンレスタンク etc
樽はサイズが小さいと経年による変化よりも樽からの影響が大きいのでいわゆる泡盛の熟成とはまた違った感じになりますが、樽貯蔵泡盛は泡盛の1つのジャンルとして市民権を得ている上に、樽は部屋に置いておくとインテリアとして様になります。
ステンレスタンクはないな~と思うかもしれませんが、沖縄の泡盛マイスターの先輩のお宅で家庭用?のステンレスタンクを拝見したことがあります。見た目は小振りなプロパンガスみたいでした。さすがに一般的ではないですね(笑)。
柄杓・漏斗は汲み出しやすいものを
柄杓(ひしゃく)は甕に付いていることが多いと思いますが、柄にこのくらいカーブが付いてない柄杓は使いにくいです。漏斗(ろうと)は甕に付いていないので別で買う必要があります。はじめに買った漏斗は径が小さくてこぼしまくったので径が15㎝の大きな漏斗に買い替えました。
古酒作り1年目
一番甕の甕入れ|2013年1月
甕で古酒作りのスタートです!一番甕には2011年と2012年の手造り泡盛体験で造った泡盛を入れました。
- 一番甕の中身|体験泡盛 2011 1.8L×2本と2012 1.8L×3本
こんなにきついの?と不安になってしまうくらいに五升甕の蓋がきつくて、これ以上押し込むと開けられなくなりそうだったのでだいぶ浮いています。甕の基本的な扱いさえもおぼつかないところから古酒作りをスタートしました(汗)。
手造り泡盛のテイスティング
一番甕の甕入れのどさくさに紛れて手造り泡盛の味見じゃなかった、テイスティング①②をしました。
- ①2011年の濾過あり・濾過なし
- ②2011年と2012年
2011年に追加注文した一升瓶2本のうちの1本は忠孝酒造の井上さんにお願いして特別に無濾過のまま瓶詰めしていただきました。井上さんによると濾過をしない方が美味しいということではなく、どの程度濾過をするのかのバランスが大事なんだそうです。
どの程度濾過をするのか、そのさじ加減も杜氏の腕の見せ所なんでしょうね。忠孝蔵の泡盛は風味をできるだけ残すために濾過を弱くしているので粘性が高めですが、濾過なしの方はとろりとしていてかなり粘性が高かったです。
2011の濾過あり
- 蒸したさつま芋のような甘くほっこりした香りがして、ふくよかな印象
- 味わいは水あめのようなとろりとした豊かな甘味を感じた後に、うりの漬け物様のしなやかな酸味と葉野菜様の自然な苦みをバランス良く感じる
2011の濾過なし
- 蒸した芋ではなく焼き芋をイメージさせるような香ばしさを感じる
- 甘味は水あめではなく黒糖のイメージ
- 濾過ありと比較すると苦味とスモーキーさが増しているように感じる
この辺は好みの問題だと思いますが僕は濾過なしの方が気に入りました。ただ僕は「天下一品のスープは濃度が高いほど美味しい!」と思っている節があるので軽く聞き流してください(苦笑)。機会があればいろんな方の客観的な感想を聞いてみたいです。
そうそう、濾過なしを入れたグラスを洗うときに今まで感じたことのない、ぬめりを感じたことを最後に記しておきます。濾過をしないと油臭がつくので古酒には向きませんと、井上さんに教えてもらったので甕に入れたのは濾過ありの方です。
2011年(濾過あり)と2012年の飲み比べ
2011年(濾過あり)と2012年の手造り泡盛は飲み比べると香りも味わいもだいぶ違いました。甘さひとつとっても「水あめのようなとろりとした豊かな甘さ(2011)」と「マシュマロのようななめらかな甘さ(2012)」といった具合に違いを感じました。
2つの泡盛の個性はどこから来るのかといえば、やっぱり造り手の体調不良の影響が出たのかもしれません(苦笑)。理由が気になった方は手造り泡盛のレポートをご覧ください。
忠孝蔵の泡盛は3タイプの黒麹菌(アワモリ菌、サイトイ菌、イヌイ菌)を使い分けているので黒麹菌の個性によるものということにしておきましょう。そもそも瓶詰めしてからの日数も1年以上違いますからね。
それにしてもこの甕にして、この泡盛ならとっておきの古酒に育つような気がしてなりません。手造り泡盛2012は子供が成人するまで味見をしないつもりでしたが、味見もしないで瓶で20年も寝かすなんて離れ技は余程の忍耐力がないとできません。だから甕で古酒作りを始めることにして良かったと思います。
減った分は忠孝酒造さんに造りに行こう!とまた楽しみが増えました。
古酒作り2年目
定期点検|2014年7月
そろそろ甕入れから一年半になるので一番甕の定期点検です。
蓋にカビは生えていないか?泡盛から嫌な匂いはしていないか?細かくチェック!
カビは生えていないし、いい匂いしかしません。目視で点検が終わればお楽しみの味見タイム~。
2011年の手造り泡盛の黒麹菌はサイトイ菌で2012年のはアワモリ菌です。飲み比べた時の印象は大分違っていましたがブレンドして1年経っているので、どんな味わいになっているのか?
チョコレート・きのこ様の香りを感じるとともに、最も強く感じたのは磯の香り・海藻の様な香りでした。口に含んでみてよくわかりました海苔の香りです。熟成が浅いので荒々しさはありますが、泡盛館さんの長期熟成古酒「琉球王(瑞穂酒造)」とどことなく雰囲気が似ています。
泡盛マイスターの大先輩から聞いた代表的な古酒の香りはこの5つ
- バニラ
- ナッツ
- チョコレート
- 森林
- ごはんですよ!
ごはんですよ!というのは・・・そうです!桃屋のごはんにかけるあの海苔の佃煮です。海苔の香りを感じるこの泡盛なら美味しく熟成することが相当期待できると確信して点検を終えました。
古酒作り3年目
定期点検|2015年1月
他人の古酒造りを目にする機会はなかなかありませんが、「人のふり見て我がふり直せ」というのはもちろん古酒造りにも言えることです。不運にも水のようになった泡盛を目の当たりにして、自分の泡盛の甕を点検するきっかけをもらった僕はとてもラッキーでした。
いや点検を口実に単に飲みたいだけかもしれませんが(苦笑)。
甕で古酒を育てる時に大事なこと。
- 定期的に味見をして、おかしなところがないかを確認する
- タイミングをみて泡盛を注ぎ足す
- もし甕に問題がありそうなら甕を替える
甕の泡盛は減りすぎていないし、アルコール度数も低くなってなさそうなので問題なし。甕の中の泡盛からは甘酸っぱいあんずのような、そして海藻のようないい香りがしていました。
一番甕の泡盛は美味しく育っているようです。千疋屋総本店のミルフィーユとの相性もgoodでした。
もしかすると、古酒作りの秘訣よりも古酒を飲まずに我慢する秘訣を学んだ方が僕の場合は良いのかもしれません。点検日:2015年1月15日
二番甕の甕入れ|2015年11月
- 二番甕の中身|体験泡盛 2015 1.8L×5本
子供の誕生記念に甕入れの儀をやってみた
子供の健やかなる成長を願い次男の誕生記念に甕入れの儀をしたいと思いました。山形から僕の両親が大阪に出てくるお宮参りにあわせて、家族7人で甕入れの儀をするために数ヶ月前からいろいろと準備をしてきました。
忠孝酒造さんのホームページでは甕入れの儀について、次のように紹介されています。
古来からの儀式で「水合わせの儀」というものがあります。これは新郎新婦のお互いの実家の水を汲んできて、ひとつの杯に注ぎ合わせた水を飲む儀式です。別々の水(環境)で育った新郎新婦がそれぞれの家風の違いを乗り越えて一つとなり、二人で新たな家庭を築いていけるようにと願いが込められています。
忠孝酒造ではそんな水合わせの儀に習い「甕入れの儀」をご提供しています。時の経過と共に丸く、やわらかく、そして奥深い味わいに熟成していく泡盛の古酒のように、おふたりの間柄が末永く発展し、素晴らしい夫婦になって欲しいとの願いが込められています。
忠孝酒造のHP
忠孝酒造さんでは水の代わりに泡盛で「水合わせの儀」を行うことを提案しています。さらには結婚記念に限らず、子供の誕生記念や会社の周年祭、新築記念、創立記念と様々なシーンで新しい泡盛の甕を準備し、幸せを願い泡盛と一緒に家族や子供、会社を育てていく、甕入れの儀を提案されています。
甕に入れる泡盛は、2015年7月に造った5回目の手造り泡盛体験で完成した泡盛です。それが大き目のダンボール2箱で届きました。
使う甕は泡盛マイスター技能競技大会の副賞で頂いた五升甕にしました。2014年に頂いた甕の泡盛を少しずつ飲んできましたが、ひとりで五升なんてそう簡単に飲み切れません。
そこで五升甕の中身を空にするために夜な夜な杯を重ねてきました。準備というのは主にそれです(笑)。
甕出しの儀なんていう大そうなものではなく甕から泡盛を汲み出しているだけです。そもそも甕出しの儀なんていう言葉があるのか?ないのか?わかりません。
甕から泡盛を汲み出すのはとても趣があって好きなんですが、平日の晩酌のためにいちいち汲みだすのは手間がかかって面倒くさい。またこの杓子と漏斗のコンビネーションが悪いのかこぼれることもしばしば。。 だから普段飲み用に定期的に汲み出しているという訳なんです。
汲み出した泡盛を入れている一升瓶は2回目の手造り泡盛体験で造った泡盛の瓶です。中身はとうの昔に空になっていますが、ラベルが貼ってあってなんだか捨てるのが忍びなくてラベルが剥がれるまでは容器として使おうと思っています。お宮参りの日に間に合わせようとはりきって飲んでいますが、まだ半分はありますね。
甕入れの儀用に空の五升甕が必要なので空にしようとここ数ヶ月集中的に飲んできました。いよいよ週末に控えたお宮参りというか、甕入れの儀を前にとうとう甕が空っぽになりました。見てください!五升甕が見事にすっからかんです!
五升甕をひとりで空にするなんて!どんなペースで飲んでるの?と思われたかもしれません。実は全然間に合わなかったので、この瓶にエスケープしております。さらに、この瓶以外にもまだ一升瓶1本分残っています。(汗)
五升なんてそうそう飲めないっす(笑)。泡盛は腐るものではないのでこれはこれでゆっくりと楽しみます。この瓶ならヒルザキ(にんにく酒)作りにいいかも。
無事に甕入れの儀を終えました
五升分の泡盛を一気に甕に注ぐのは実に壮快でした!甕に入れた泡盛は忠孝酒造さんの手造り泡盛体験で造った一升瓶が5本。
セルフタイマーに慣れていなくて何度も撮影をやり直してしまい、家族をゲンナリさせてしまったのは苦い思い出です。笑顔がひきつっていると困るので画像をちょっとだけ加工しました。
ひきつっている理由はやり直しよりも・・・お宮参りの日に黄色のハッピを着ていたことが理由かもしれませんが(苦笑)。
泡盛のラベル・色紙の文字は友人の書ムリエ、池上 晋翔さんに書いていただきました。素敵な書を書いていただきありがとうございました。
この日はお宮参りに始まり記念写真を撮りに行って、それから御食い初めと朝からフル回転でした。なにはともあれ誕生記念の甕入れの儀を厳かな雰囲気の中!?無事に終えることができたことに感謝です。子供は元気に、泡盛は美味しく育ってくれることを願うばかり。ということで僕は少なくともあと20年は元気に頑張らないいけませんね(^^ゞ
【追記】 次男は今年で7歳。ということは誕生記念に甕入れの儀をしたこの泡盛もそろそろ7年古酒。あんなこともあったなぁと思い出を語りながら20年古酒で成人のお祝いをするのが目標なのであと13年頑張りますか。一生の思い出になる甕入れの儀おすすめです。
古酒作り5年目
定期点検|2017年9月
時々味見をしてその時に少しだけ新しい泡盛を注ぎ足すことで、泡盛は活性化して美味しくなる。時々新しいことにチャレンジすることで人生は味わい深くなる。
人生と泡盛は似ているなぁと思います。一番甕の泡盛は6年間かけて美味しく育っているようです。
古酒作り6年目
泡盛仕次古酒コンクールに挑戦|2018年2月
2018年から沖縄国税事務署主催で開催されている泡盛仕次古酒・秘蔵酒コンクールという大会があります。2020年で3回目、僕も自宅で古酒作りをしている甕から5年古酒を2018年のコンクールに出品しました。 出品方法をはじめ注意したことや結果についてまとめました。
泡盛仕次古酒・秘蔵酒コンクールとは?
「仕次ぎ」の文化的価値を再認識すると共に、経験的・科学的に有効な仕次方法を多くの人に伝えるため、「泡盛仕次古酒・秘蔵酒コンクール」を実施しています。仕次方法の実態及び仕次古酒の品質を把握するために平成30年1月から4月にかけて第1回目となる「泡盛仕次古酒・秘蔵酒コンクール」を関係機関と共催して実施しました。
参考|泡盛の仕次について(国税庁のサイト)
古酒の表示基準が改正されて全量を3年以上貯蔵したものでなければ、古酒と名乗れなくなってしまいました。全量という点を重視すると仕次ぎという泡盛ならではの熟成の文化が失われてしまうのでは?と危惧されていたので、このコンクールが成功することは泡盛の仕次ぎ文化を推進することにつながるはずだと感じました。
このコンクールのことを知ったときになんて素敵な企画なんだろう!とテンションが上がったので、少しでも応募件数が増えて盛り上がるようにと応募の準備を始めました。
出品区分
応募できるカテゴリーはこの4区分で
- ①伝統「仕次ぎ」の部
- ②フリースタイル「仕次ぎ」の部
- ③「秘蔵酒」の部
- ④「仕次古酒診断」の部(感謝状・記念品贈呈対象外)
僕がエントリーしたのは、②フリースタイル「仕次ぎ」の部です。そもそも秘蔵酒(家庭等で15年以上貯蔵された泡盛)は持ってないし、伝統の部に出すには年数が足りないしで、エントリーできるのがフリースタイル部門だけということで消去法で決めました。
貯蔵期間は5年ちょっとで応募基準をギリギリでクリアしているレベルですが、手造り泡盛体験で造り自宅で育ててきた古酒で勝負です!!
- ②フリースタイル「仕次ぎ」の部の応募基準|家庭で貯蔵した年数5年
出品するときに工夫したこと
まだ5年古酒なので酒質だけで勝負するのは厳しいと思い、こんなラベルを作ってみました。
もちろん②フリースタイル「仕次ぎ」の部に出品するのにオリジナルラベルなんて要りません。ラベルなんか作ってもなんにも関係ないのはもちろんわかってますよ。でも作りたかったんだからしょうがない(苦笑)。
そして、応募用紙の「本コンクールへの意気込みや出品酒のエピソードなどをご記入ください」の欄は、僕の熱い思いを書くにはあまりにも小さかったので別紙で送りました。そんな奴いねーよっ感じでしょうけど(苦笑)。
出品準備完了!
出品する量は600mlです。出品用の容器に決まりはないので泡盛の三合瓶に入れて送りました。送料は出品者負担です。大阪から沖縄への送料はまあまあかかりました。僕の想像ですが沖縄県外からの出品はほとんどなかっただろうと思います。
いざ結果発表!
結果は・・・
見事に!!
入賞できませんでした。
なぜか自信はあったのですが、ダメでした(苦笑)。
②フリースタイル「仕次ぎ」の部で、12位/51点でした。微妙~(苦笑)。
入賞はできませんでしたが、品質評価結果がもらえたのは嬉しかったですね。
総合品質等
- 総合品質 2.1
- 香り 2.2
- 味わい 2.0
- 残香 2.2
注)評価は1から5までの5段階評価で実施した(数字が1に近いほど良く、5に近いほど悪い)
たとえ入賞できなくても自分で育てている古酒の品質評価結果がもらえるチャンスなので、もし迷っているなら挑戦されることをおすすめします。
定期点検|2018年5月
泡盛仕次古酒秘蔵酒コンクールに出品するときに、一番甕(9,000ml)から600mlを汲み出したことをすっかり忘れていました。それに気がついて慌てて汲み出した600ml分の泡盛を二番甕から一番甕に補充しました。これがいわゆる仕次(しつぎ)というものです。
「琉球の宝 古酒 古酒造りハンドブック」によると謝花流古酒造りでは甕に詰めた泡盛の表面と蓋の先端とのすきま(この空間をヘッドスペースと呼ぶ)は3〜5cmにするのが良いと書いてあったのでそれに従ってみました。結果的に今までよりも多めに泡盛が入りました。
まだまだ仕次は知られていないようです。3割が自宅に甕をもっているというかなり偏ったサンプルにも関わらず、この調査結果には驚きました。
3割が自宅に甕を持っているという偏ったデータなのに。#仕次 #泡盛 https://t.co/1ujJWmnivB
— 伊藤 薫@泡盛バカの司法書士 (@itokaoru3) December 13, 2019
コラム|琥珀色に輝く極上の古酒
「琉球の宝 古酒 古酒造りハンドブック」(山入端 艸以)で紹介されている琥珀色に輝く極上の古酒というものを飲んでみたいと思いずっと探していましが、やっと見つけることができました。
これが琥珀色に輝く古酒です。見てください!樽熟成じゃないのにこの琥珀色!
樽熟成の味わいをイメージしたままで口に含むと、もはや異次元。鉄分をたっぷり補給できている手応えをひしひしと感じます。いくら頑張ったところで、ここを目指すには南蛮甕じゃないと絶対に無理なことがよくわかりました。
定期点検|2018年12月
沖縄国税事務所から2回目の泡盛仕次古酒・秘蔵酒コンクールのお知らせが届きました。「税」の文字に毎回必ずドギマギさせられています(苦笑)。
この案内が届いたことで、二番甕が600ml減ったままだったことを思い出しました。一番甕といい、忘れすぎですね(苦笑)。
子供達に手伝ってもらって二番甕に補充完了!って全然手伝ってないな(苦笑)。
二番甕も謝花流古酒造りに習いヘッドスペースが3〜5cmくらいになるように2014年の手造り泡盛体験で造った泡盛で満たしました。これにて僕の泡盛仕次古酒・秘蔵酒コンクールは幕を閉じました。(2018年12月9日)。
1年じゃ泡盛の熟成に大きな変化はないでしょう。
大事に育てている古酒がまた600ml減ってしまうのは忍びないので2019年の応募は見送りましたが、自分で育てている古酒を専門家が客観的に評価してくれて、入賞できなくてもその結果がもらえるというのはめったいにない機会です。エントリーを迷っている方には自信を持っておすすめします!
古酒作り9年目
三番甕の甕入れ|2021年1月
コロナ禍での自粛やテレワークを機に自宅の片付けと模様替えに着手しました。その流れで、そのうちやろうと先延ばしにしていたことを思い出して成人の日の夜に相方に手伝ってもらい、2013・2015・2016年の手造り泡盛を三番甕に注ぎました。
コロナは大変なことばかりですが、ときにいつまでも先延ばしにできないという緊張感を与えてくれることだけはいいことかもしれませんね。
五升たっぷり入っていた三番甕を空にするのは二番甕同様に簡単ではなかったです。今回はひとりで頑張らずにキャンプに持って行って、みんなで飲んでいたのでいつの間にかなくなりました。
古酒作り10年目
定期点検|2022年9月
仕次元年
三番甕に甕入れしたのが2021年なので、今年が甕が3つになってはじめての古酒の日。なので今回の定期点検はいつも以上に真剣です。ようやく3つの甕で仕次ができるので2022年は我が家の仕次元年です。
今回の定期点検に気合が入ったのは沖縄のアニキから素敵なポスターが届いたことも関係しています。ありがとうございます。
【業務連絡】
— 伊藤 薫@泡盛バカの司法書士 (@itokaoru3) September 1, 2022
9月4日は古酒の日です。甕で古酒づくりをしている方は忘れずに定期点検と仕次(しつぎ)をしましょう!
仕次のやり方はこのチャンネルを観て!https://t.co/n9pUsTEivy pic.twitter.com/0LUVLVJh2e
古酒は健全か?
まずは泡盛蔵という名の押し入れから甕を取り出して掃除機で埃を吸い取って重さを量りましょう。2022年3月にはじめて量ったので今回が2回目。前回よりも三番甕が増えていますが家にある体重計で量ったので誤差の範囲ですね。
一番甕 | 二番甕 | 三番甕 | 備考 | |
2022年3月 | 17.4 | 13.6 | 11.6 | |
2022年9月 | 17.4 | 13.6 | 11.7(11.5) |
甕の種類がバラバラなのと入れている泡盛の量もバラバラなので、三番甕が極端に減ったわけではありません。
定期点検というなのお楽しみの味見。泡盛は少な目に。
3つの甕すべて健全でした。甕の中も確認しましたがカビは生えていないし問題なさそうです。悪くなっている古酒を他の甕に移したら被害が広がりますからね。これでひと安心。
今までは一番甕の古酒を減らさずに熟成させることを優先していたので、一番甕から汲み出したのは泡盛仕次古酒コンクリートに出品したときだけでしたが、古酒の日のカウントダウンPVを見ていて今年は少し汲み出すことにしました。
この動画の中では鬼の手に汲み出すのがよいということでしたが、あまり時間を置かずに飲むだろうと思って二合の徳利にしました。咲元酒造の工場見学のときに購入した泡盛野郎の徳利です。
まずは①一番甕から徳利に柄杓で2杯汲み出します。柄杓の目盛りに100とあるので200mlくらいです。汲み出す量の目安の1割以内は守れていると思います。
続いて②二番甕から一番甕に仕次、③三番甕から二番甕に仕次というように、一番甕から汲み出した分を順繰り補充するのが仕次というものです。
甕の蓋をしっかりしめればこれにて仕次完了です。五升甕とならべると二合の徳利は随分小さいですね。これじゃすぐに飲み切ってしまうでしょう(苦笑)。
今回、一番甕から汲み出した古酒はほとんどが2011年に忠孝酒造さんの手造り泡盛体験で造った泡盛なのでほぼ11年古酒に育っています。
三番甕にはもともと三升しか入れていないし補充する泡盛がなくなったのでまた忠孝酒造さんに造りに行かないと。小学生から体験できたはずなので来年は子供達にも手伝ってもらおうと思います。
漏れ対策は完璧
甕の蓋を締めるときに今回はじめてセロファン紙を挟みました。Amazonで買ったセロファン紙が厚めだったのか?前よりもかなりきつい。手で押したくらいじゃ蓋が入っていきません。
甕を床に下して体重をかけて押し込みました。これだけきつかったら蓋からの蒸散も少ないだろうと思うことにしておきます。
今回の定期点検のために準備したものです。スプレーボトルにはご時世がらしっかり消毒するためにYAESEN77が入っています。
仕次メモ
1→汲み出し | 2→1 | 3→2 | 補充→3 | |
2013年 | 1月甕入れ | |||
2015年 | 11月甕入れ | |||
2018年 | 2月・600 | 5月・600 | 12月・600 1) | |
2021年 | 1月甕入れ | |||
2022年 | 9月・200 | 同左 | 同左 | |
2023年 |
1)手造り泡盛2014の瓶
一番甕 | 手造り泡盛2011 1.8l×2本 手造り泡盛2012 1.8l×3本 |
二番甕 | 手造り泡盛2015 1.8l×5本 |
三番甕 | 手造り泡盛2013 1.8l×1本 手造り泡盛2015 1.8l×1本 手造り泡盛2016 1.8l×1本 |