知らないから生まれる残念な勘違い。泡盛初心者が泡盛に対して持っているよくある勘違いについてわかりやすく解説します。
世界一やさしいと自負する泡盛のまとめ記事です。誰に頼まれたわけでもありませんが、泡盛の魅力を世界中に知らしめたいという使命感にかられて日々加筆修正中。
泡盛を丸ごと楽しむがコンセプトなので内容に偏りがあるのは自覚しています。リンク先の記事は少々マニアックかもしれませんができるだけわかりやすさを優先してまとめました。
目次
Q.泡盛は焼酎なの?
A.泡盛は焼酎です
泡盛と焼酎は別なものと思っている人が多いのですが、広い意味で泡盛は焼酎で間違いありません。単式蒸留焼酎という種類のお酒になります。さらに泡盛の原料は米なので、広い概念では米焼酎といえます。
- 泡盛は沖縄が世界に誇る米を原料とする蒸留酒
沖縄県外で造っても泡盛を名乗れますが「琉球泡盛」とは名乗れません。例:長期熟成泡盛 うみそら(アサヒ)、土佐泡盛 REIHOKU(ばうむ合同会社)
泡盛は日本最古の蒸留酒で約600年の歴史があります。現存する最古の酒造所は新里酒造で1846年(弘化三年)創業ということを思えば、600年の歴史の中で170年前のことははっきりわからない、とてもミステリアスなお酒といえます。
泡盛と焼酎は何が違うの?
泡盛って焼酎みたいですね。
いいお店だと気に入っていた、とある割烹の大将にこう言われたときは正直、ひっくり返りそうになりました。というのもお店の雰囲気からして日本酒しかおいてなさそうなのに芋焼酎や麦焼酎があるし、1種類だけですが泡盛をおいていることが気に入ってる理由だったからです。
こだわって泡盛をおいていると思っていたのに一体誰がお酒を選んでいるんでしょうね、がっかりしました。。
この大将を庇うわけではありませんが、泡盛と焼酎はどう違うの?と聞かれることは確かに多いです。違うといえば違うし同じと言えば同じです。こういうと余計にわからなくなるかもしれませんね。
そもそも酒税法では、焼酎を次のように定義しています。
アルコール含有物を蒸留した酒類のうち、
- A 連続式蒸留機で蒸留したもので、アルコール分36度未満
- B 単式蒸留機で蒸留したもので、アルコール分45度以下のもので、ウイスキー、ブランデー、ウオッカ、ラム、ジンなどに該当しないものをいいます。
また、A に該当するものを連続式蒸留焼酎、B に該当するものを単式蒸留焼酎に区分しています。連続式蒸留焼酎の代表的なものはホワイトリカーで、単式蒸留焼酎には泡盛の他に芋焼酎、麦焼酎、黒糖焼酎などがあります。参考|国税庁ホームページ
もうわかりますよね?
広い意味で泡盛は焼酎で間違いありません。単式蒸留焼酎という種類のお酒になります。さらに泡盛の原料は米なので、広い概念では米焼酎といえます。じゃあ泡盛と米焼酎は同じお酒なのかというと、泡盛と一般的な米焼酎にはこんな違いがあります。
泡盛 | 一般的な米焼酎 | |
麴菌 | 黒麹菌 | 主に白麴菌 |
原料 | 主にタイ米 | 主にジャポニカ米 |
仕込み | 全麹仕込み | 多くは二次仕込み |
- 全麹仕込み|原料を全て麹にして一度の仕込みだけで蒸留する
- 二次仕込み|米麹を原料として発酵させた一次もろみに、米を加えて二次もろみを造ってから蒸留する
ちなみに泡盛マイスターの実技試験には原材料選定という科目があります。これは泡盛、焼酎(麦・芋・米・黒糖・蕎麦)、日本酒の7種類を判別するというもので所謂、原材料を当てるきき酒です。
原料が違うので度数当てよりは簡単そうですが(度数当ても試験科目にあります)、やってみると泡盛と米焼酎の仕分けが鬼門なんです。
泡盛マイスターが泡盛を間違えちゃいかんでしょ!と誰もが思うように、ここを間違えると致命傷になりかねない試験科目なのです。 だからこそ、出題される泡盛と米焼酎は減圧蒸留で造られた原料由来の味わいが強すぎない似通ったものがわざと選ばれます。
僕が受験した年はこの2つが出題されました。
- 泡盛|琉球美人25度・ヘリオス酒造
- 米焼酎|白岳しろ25度・高橋酒造
前述のように泡盛と米焼酎の違いは色々あるのに、飲むとどっちがどっちか自信がなくなります(苦笑)。そんなわけないやろ?と思った方はぜひチャレンジしてみてください!
泡盛を名乗るための4つのルール
泡盛を名乗るための4つのルールです。
- ①米を原料とすること
- ②黒麹菌を使う
- ③全麹仕込み
- ④単式蒸留機で蒸留する
泡盛はタイ米(インディカ米)で造らないといけないと広く誤解されていますが、米ならタイ米じゃなくてもOK。例えば、島うらら(八重泉酒造)は石垣島産のひとめぼれで造られています。
Q.泡がないのに泡盛ってなんで?
A.実ははっきりしていません
泡盛マイスターのテキストの中で泡盛が「RICE LIQUOR OF OKINAWA」と表現されていました。言い得て妙だなと感心した記憶がありますが、そもそも疑問だったこと。
泡がないのに泡盛とは、これいかに。
泡盛という名前の由来には次の4つの説があります。現時点では①泡説が有力視されていますが、実のところはっきりしていないようです。
- ①泡説
- ②原料説(粟説)
- ③梵語説
- ④薩摩説
①泡説
①の泡説にはさらに2つの説があります。
- 強い酒を注ぐと泡立つことから泡盛という名前になったという説
- 蒸留する時に泡が盛り上がったからという説
昔は40~50cmぐらいの高さから椀に注いで、その泡立ち具合からアルコール度数の強弱を計っていました。泡盛はアルコール度数が高いほど蒸留するときの泡立ちはいいようです。
泡盛のテイスティング勉強会で何十回と泡盛の粘性(泡立ち)を確認してきましたが、度数の高さと泡立ちの良さはあまり関係がないように個人的には思います。
②原料説(粟説)
②の原料説は「粟で酒を造っていたから泡盛(粟盛)という名前になった」という説です。
昔の文献によると、琉球国の時代は泡盛の原料として米と粟が支給されていたようです。現在泡盛の原料といえばほとんどがタイ米ですが、タイ米を使うことが定着したのは昭和初期と言われています。
また戦後の沖縄では米を原料とする酒は少なくサトウキビ、砂糖、果物、メリケン粉、チョコレート等、発酵するものであればなんでもありで原料にしていた時代もあったようです。参考「仲村征幸さんに聞く(焼酎楽園 vol.36)」
③梵語説
梵語(サンスクリット語)説は古代インドの文語である梵語では、酒のことをアワムリというのでアワムリから転じてアワモリになったという説です。
④薩摩説
薩摩藩が九州の焼酎と区別するために泡盛と命名したとするのが薩摩説です。
この泡盛は商品名がシンプルに「泡盛」になっています。日本酒とかワインとかしか書いていないお酒が売っていたらと想像するとやっぱり違和感がありますよね。でもお土産用ならわかりやすくていいのかなと思います。シンプルに泡盛という商品名にした理由がとても気になる今日この頃です。
Q.泡盛がヘルシーって噓でしょ!?
A.実は低カロリーでヘルシーなんです
泡盛を醸造酒だと思っているのか?泡盛はカロリーが高そうって言われることがあります。そんなイメージを持っている方には意外すぎるかもしれませんが・・・
- 糖質・プリン体ゼロ
- 血液サラサラ効果はワインの1.5倍
泡盛は実はヘルシーなお酒なんです!
泡盛に対するイメージが変わってしまうかもしれない、泡盛の意外な一面を紹介します。またお酒が弱い人にも泡盛を知ってもらうきっかけになればと思い泡盛を使った石けん・フェイスマスクシートなどを体当たりで試してみました。
泡盛は糖質・プリン体ゼロ
泡盛の一般的なイメージは強い、きつい、飲みにくい、お洒落じゃない・・・この辺にしておきます。。
泡盛に感じるイメージは人それぞれですが、女性や若者を中心としたアルコールが弱い人には敬遠される存在なのかもしれません、残念ながら。泡盛は30度が多いのでストレートやオンザロックで飲むなら強い・きついと言われてもしょうがないような気もしますが、是非知って欲しい泡盛の秘密のお話です。
蒸留酒である泡盛は加熱して一度気化させているので糖質やタンパク質を含みません。ビール、日本酒、ワインのような醸造酒と比べてカロリーが低いので、カロリーを気にされる方にも安心しておすすめできます。
泡盛の血液サラサラ効果はワインの〇倍
赤ワインを飲むと血液がサラサラになるといわれます。健康を考えてワインを楽んでいる方も多いと思いますが、泡盛にも血液サラサラ効果があるのをご存知でしょうか?
専門的過ぎて僕も詳しいことはわかりませんが、血栓溶解酵素活性というサラサラ度合いを表す指標があります。お酒を飲まない時の血栓溶解酵素活性は400から500の間ぐらいですが、ウイスキー・ビール・日本酒どれを飲んでも飲まない時と比べると血液がサラサラになる効果があります。お酒好きにはありがたい話です。
さて、ここで問題です!! 泡盛とワインはどちらが血液サラサラ効果が高いと思いますか?
実は・・・ワインよりも泡盛の方が1.5倍の血液サラサラ効果があります!知ってましたか?
泡盛を飲むと、なんだか健康的に美人になれそうな気がしてきませんか??
ちなみに「泡盛にはワインの1.5倍のポリフェノールが含まれている」といわれたりしていますが、これは誤りです。泡盛がワインの1.5倍なのは血栓溶解酵素活性という指標のことなので、くれぐれも誤解のないようお願いします。
泡盛のことが気になってきたけどお酒が飲めな~い!という方もいると思います。続いては飲まなくても「美人になる!?泡盛」をご紹介します!おっさんが声を大にして「美人になる」って言ったところで説得力はゼロかもしれませんが、とりあえずいってみましょう(苦笑)。
泡盛を飲まなくても健康美人に
お酒を飲めない方にもおすすめしたい泡盛達です。
- わったー島のAWA石けん
- 琉球美肌 フェイスマスクシート(泡盛)
- 泡盛にがり風呂(バスソルト)
肌に直接つけるものなので40代のおっさんで試してみて、問題なければ・良さそうなら安心して女性にもおすすめできると考えました。毒見じゃないけど、まずは40代のおっさんで実験です。
わったー島のAWA石けん
素朴なパッケージに癒され、そして見ているとついつい泡盛が飲みたくなってしまう(笑)、泡盛を使った無添加の手作りの石けんです。パッケージの下の方にはNo Awamori No Life!というアツいメッセージが書いてあって、素朴というよりなかなか主張が強いです!
袋を開けると石けんにはパッケージに描いてあるカラカラがデザインされています。
ココナッツの香り?素朴でなんともいえないいい香り。泡盛としか書いていないので毎度のことながらどこの酒造所の泡盛を使っているのかが気になります。よ~く泡立てて。
おっさんの汗や汚れをスッキリさっぱり洗い流してくれて、ありがとう泡盛石鹸!って叫びたくなる感じ(笑)。泡盛石けんで洗うとめっちゃツルツルになりました。そして泡盛石けんで洗ってさっぱりした後は、当然のように泡盛が飲みたくなりました。
琉球美肌 フェイスマスクシート(泡盛)
泡盛を使ったパックです。泡盛ボンボン、泡盛ケーキなど泡盛を使った商品は、えてしてどの泡盛を使っているのかはっきりしないものが多いのですが、これは違います。
うるまバイオ×ヘリオス酒造とのコラボ商品でヘリオス酒造さんの泡盛「琉球美人(25度)」が使われています。使われている泡盛がわかっただけでも、なんだか美人になるのは約束されたような気がします。※正確には蒸留前のもろみのようです。
泡盛(もろみ)の他にオキナワモズクエキス(フコダイン)も配合されていて、泡盛でつや、オキナワモズクエキスで保湿効果もバッチリです!
おっさんが美人になると言ったところで説得力はありませんが、いやむしろおっさんにも効果があればすごいんじゃないか?と思ったので、またまた40代のおっさんを実験台に検証してみました。少々気持ち悪いのは我慢してご覧くださいね(苦笑)。
どうですか?前日に泡盛パックをしたので泡盛講座の時はお肌がぴかぴかだったんじゃないでしょうか??苦笑。泡盛パックをしながら琉球美人を飲んでリラックスすれば、間違いなく美人になれそうな気がします。
泡盛にがり風呂
泡盛石けん、泡盛パックに続いて登場するのは・・・泡盛にがり風呂(バスソルト)です!
自信をもっておすすめできるように40代のおっさんを実験台に検証してきたので、泡盛にがり風呂でも効果を検証したいと思います!!
でも安心してください!脱ぎません!
もちろん!飲みません(笑)
自主規制で入浴シーンはカットしました。ぬるめの泡盛にがり風呂にゆっくりつかると疲れが取れて癒されました。
泡盛で美人になぁ~れと40代のおっさんが言うとなんの説得力もなくかなり気持ち悪いのですが(汗)、これは沖縄県酒造組合連合会(現・沖縄県酒造組合)の作ったキャッチコピーです。飲める方も飲めない方も安心して泡盛を楽しんでみてください!
Q.泡盛はものすごく強い
A.泡盛の多くは30度です。
- 泡盛のアルコール度数は1度以上45度以下
市販されている泡盛は10度から44度まであります。ちなみに44度よりも43度が多いのは何かのはずみで45度を超えることがないように安全面から43度にしているようです。※45度を超えても「泡盛」表記ができるようになりました
マイルドな泡盛もあります
泡盛のイメージはやっぱり強い酒・きつい酒でしょうか?泡盛はアルコール度数30度のものが多くのですが40度を超えるものもあります。こう書くとワイルドなお酒って感じがしますね。
どっこい、そんな泡盛にもマイルド感を打ち出したものもあります。ラベルにマイルドと表示した泡盛で、マイルドと表示するには25度以下じゃないとダメなんです。
宮里酒造所さんの「春雨マイルド(25度)」もそんなマイルド泡盛。酒造所でお話を伺った時に春雨マイルドは食中酒として、中でも刺身やお寿司と一緒に楽しむことを前提に開発された泡盛だと教えていただきました。そこでサーモンのカルパッチョと一緒に飲んでみると想像以上に合いました。
マイルド泡盛の中には12~15度のワインや日本酒とアルコール度数の変わらないものもあります。春雨マイルドよりもさらに度数が低いのがこちらの和乃春雨で度数はなんと15度です。これはラベルにマイルドの表示がなくて説得力がありませんが(苦笑)。
強い酒・きつい酒というイメージだけで泡盛を敬遠しないでほんの少しの勇気を出して泡盛を飲んでみてください。想像以上に飲みやすくて泡盛のイメージがきっと変わるはずですよ!!
45度を超えても「泡盛」表記が可能に!
新型コロナウイルス感染症の発生で手指消毒用エタノールの需給が逼迫している状況を改善するため、厚生労働省から、医療機関等において、やむを得ない場合に限り、使用者の責任において、高濃度エタノール製品を手指消毒用エタノールの代替品として用いても差し支えないとの取扱いが示されました。
そこで、泡盛メーカーからも数多くの高濃度エタノール製品に該当する65度から80度までの酒類が造られました。
- 石川酒造場 80度(原料用アルコール表記)
- 崎元酒造所 78度
- 瑞泉酒造 78度
- 久米仙酒造 78度
- 八重泉酒造 77度(泡盛表記)
- 崎山酒造厰 77度
- 請福酒造 77度
- ヘリオス酒造 77度(スピリッツ表記)
- 新里酒造 77度
- 龍泉酒造 75度
- まさひろ酒造 66度(スピリッツ ウォッカ表記)
- 忠孝酒造 65度
また、規則の改正により45度を超えていても泡盛と同じ製法であれば「泡盛」と表記することが可能になりました。規則|酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律施行規則。詳細は令和2年3月31日官報の財務省令第28号
上記のすべてを確認できていませんがYAESEN77は泡盛表記になっているのを確認できました。現時点の結論としては泡盛(と表記されている)の最高度数は77度ということになります。
消毒用にとスプレーボトルを探しましたがすぐに入手できなかったので77度の泡盛をテイスティングしてみました。テイスティンググラスだと77度の力強さが眼にきます。。
でもすごく良い香りを感じました。具体的に表現できないのがもどかしい、花の香り。なんだろう?味わいは想像よりもやわらかかったと言っても伝わりにくいと思いますが、ぜひともパーシャルショットで飲みたいと思ったYAESEN77でした。
なお高濃度エタノール製品に該当する酒類のうち、一定の要件を満たし「飲用不可」表示を施した高濃度エタノール製品については「酒税は課されない」取扱いになっています。酒税が課されないものはそもそもお酒ではないので、泡盛と表記されません。
ややこしいのですが、ラベルに「泡盛」と表記されていてもあくまでも酒類は原料用アルコールもしくはスピリッツなのでそこは誤解のないようお願いします。
Q.花酒は泡盛ですか?
A.60度の花酒は泡盛ではありません
花酒と泡盛は何が違うの?
与那国島で造られている花酒。この花酒の存在こそが泡盛が強い酒と思われる最大の理由なんじゃないかと思っています。というのも花酒はアルコール度数が60度で一般的な泡盛の30度の2倍です。
でも勘違いしている方が本当に多いのですが実は花酒は泡盛ではありません。じゃあなんなのって感じですよね??
花酒は造り方からいえば泡盛なのですが、60度は泡盛のアルコール度数の上限である45度を超えてしまうため法律上、泡盛を名乗ることができません。法律上は原料用アルコールに分類されます。
泡盛と花酒の造り方は違うの?と問われれば限りなく同じです。というよりも初留(蒸留後、最初に出てくる度数の高いお酒)を商品にしたものが花酒で、度数を調整して45度以下にしたものが泡盛というように商品のバリエーションの違いと捉えてもらうとわかりやすいと思います。
蒸留直後の原酒をこのコックで花酒用のタンクとそれ以外のタンクへと切り替えて保管します。
この舞富名は30度なので泡盛です。
こちらの舞富名は60度なので花酒(原料用アルコール)ということになります。
30度の舞富名のラベルは与那国島で発見された世界最大の蛾「ヨナグニサン」が使われていて愛嬌?がありますが、60度の方はクバ巻きの瓶でいかついイメージです。加えて花酒のラベルはシンプルで、花酒はアルコール度数が高ければラベルなんてどうでもいいのさ~的な質実剛健といった雰囲気が漂っています。
30度の泡盛も決してアルコール度数が低いとはいえませんが花酒と比べると半分ですからね(汗) 。
前述のように原料用アルコールも一定の条件の元で「泡盛」と表記できるようになりました。今後は花酒も「泡盛」と表記されるかもしれませんが、あくまでも「酒類」は原料用アルコールのようです。
— 伊藤 薫@泡盛バカの司法書士 (@itokaoru3) December 17, 2020
花酒の由来と与那国島で造られている理由
花酒の由来は、もろみを蒸留すると初めに出てくる初留の部分はアルコール分が70~75%と高いので、盃に注ぐと細かい泡が花のようにいっぱい立ったからだと云われています。参考「泡盛の文化誌 沖縄の酒をめぐる歴史と民族」176ページ
土葬に際して遺骸を墓に納めるときに花酒を一緒に墓に収めて、7年後に洗骨するときにその花酒が使われたことから、花酒には与那国島の宗教的な慣習との結びつきがあったから与那国島でのみ花酒が造られていた(造ることが許されていた)。
という記述を読んだことがあります。
ただし「泡盛の文化誌 沖縄の酒をめぐる歴史と民族」175ページによると、こういった慣習は島尻地方(沖縄本島南部)でも行われていたようなので、与那国島のみに許された理由としては弱いのかなと思っています。
現在では火葬後に納骨というスタイルに変わっています。と言っても与那国島には火葬場がないため一度、石垣島に運んで火葬しているということを2017年に与那国島に行ったときに島の方に教えていただきました。
花酒の種類
与那国島には泡盛の酒造所が3つあってそれぞれで花酒が造られています。
- 入波平酒造 「舞富名(まいふな)」
- 国泉泡盛 「どなん」
- 崎元酒造所 「与那国」
60度だけではなく60度を超えるものもあります。これは65度の舞富名で復帰40周年記念の花酒です。これを買ったときは65度が花酒の最高度数だと思ってましたが71度も存在するみたいです。びっくりです!高濃度エタノール製品がバンバンつくられた現在ではインパクトは弱くなってしまいましたが。
ちなみにこの2つの花酒で度数当てに挑戦したことがあります(苦笑)。
花酒のおすすめの飲み方はこれ!
泡盛の場合、特に初心者の方には水割りやソーダ割りなどで飲みやすくして飲んでもらうようにお伝えしていますが、花酒に関しては逆です。花酒ならではの高い度数を楽しんで欲しいのでストレートで飲むことをおすすめします。飲み方は常温ではなくパーシャルショット。パーシャルショットというのは瓶のまま冷凍庫でキンキンに凍らせる飲み方です。
凍らせるといってもアルコール度数が高いので凍りません。少しとろみが出てきたかな?と感じる程度です。
これは花酒ではありませんが、パーシャルショット名物のチェイサーにオリオンビールって奴です(笑)。原酒53度には小さめのオトーリ用のグラスが丁度いい。もちろんめっちゃチビチビ飲みます。
この53度の瑞泉原酒を使ったハイボールをきっかけに高アルコール度数のソーダ割りの美味しさに気づいてしまいました。きっと花酒ハイボールも美味しいだろうと思います。
花酒の火力でイチジクをフランベしてみた。
泡盛を楽しむ演出でイチジクを泡盛でフランベすることを思い立ち、皮付きと皮を剥いた2つのイチジクを用意しました。
アルコール度数が43度もあれば十分に火がつくだろうと考えて、まずは皮付きを43度でファイヤー!してみたのですが予想に反して火の勢いが弱く、終始メラメラっていう感じ。あれ?
ボー!ボー!のファイヤー感を期待していたのでこんなんじゃ全然納得できません。。
なんでこんなことをしているとかいうと、実はあるイベントのために泡盛を使った目にも美味しい演出を考えているのでその為のテストです。
こうなったら60度の花酒でリベンジだ!と思ったけど60度でも火の勢いがしょぼかったら面白くないので、秘蔵の65度の舞富名をひっぱり出してきました。今度は皮を剥いたイチジクに花酒をヌリヌリ。
65度の花酒でイチジクをフランベした様子が↓こちらです。
照明はできるだけ落として撮影しましたが、火を着けたその瞬間だけいい感じに炎が上がったもののまたメラメラ系。期待していただけに完全に不完全燃焼です。
そうは言っても食べてみました。65度の方は皮を剥いていたので結構焦げ目が目立ちます。美味いといっても生のイチジクを加熱しただけなので、美味しさは想定内ですね(苦笑)。
グラニュー糖を降りかけてバーナーで焦げ目を付けたら味は良くなると思うんですが、それだと泡盛(花酒)を使わないので話が変わってきます。あくまでも演出ですが泡盛でボォッ!と炎が上がるのを目指しています。炎が上がるのは一瞬でよくて、なるべく大きい炎が理想なのですが何かいい策はないものでしょうか? ※テーブルの上でできる方法に限ります。
アイスならどうだろう?
アイスならどうだろう?と思って期間限定で何より美味しそうだったラ・フランス味のアイスを選んでみました。それからジェラートマイスターという響きにも惹かれました。
アイスを練るとなめらかでおいしくなると書いてあったので、しっかり練ってみるとアイスがとろーり(トルコアイスっぽい?)。
イチジクのフランベがいろんな意味で不完全燃焼でしたが、性懲りもなくアイスに垂らした花酒に着火してみようかと。テカっているのが花酒がかかっている部分です。
これがイチジク以上に苦戦。まったく火が着きません。花酒がアイスに染みこむから無理なんでしょうか?またしても撃沈です。
そもそも花酒の火力ってどんなもんなの?って疑問がふつふつと湧いてきたので65度の花酒に点火してみたらこのとおり。65度を納得できる立派な炎を確認できました。
この花酒は香ばしさがあるのでフルーツ系じゃないチョコ系とかのアイスの方がマッチすると思います。残念ながら火は着きませんでしたが、65度の花酒のおかげでパンチの効いたラ・フランスアイスを堪能できました。
家では上手く着かなかったけど、きき酒会の時にチャレンジしてみたら見事にファイヤ~。
カルデラを作ってそこに花酒を溜めるのが着火のポイントみたいです。美味しいお酒に火を着けるなんてもったいないという話もありますが、これも楽しみ方のひとつかなと。
Q.古酒って古くなった酒?
A.全量を3年以上貯蔵した泡盛です
泡盛を飲んでいると、あるタイミングで気がつくはずです。〇泉3年古酒や〇波5年古酒といったラベルやドリンクメニューに古酒という文字があることに。
古酒は古くなった泡盛?寝かせると美味しくなるの?一番古い古酒は?こういった疑問に答えます。ここでは古酒の定義をはじめ、美味しい飲み方など沖縄の宝・古酒の魅力を初心者にもわかりやすく解説します。
泡盛の古酒とは?
古酒と書いて「こしゅ」もしくは「くぅーす」と読みます。古酒を名乗れるのは全量を3年以上貯蔵した泡盛で文字通り古い酒ということになります。
泡盛は熟成させるほどに香りがよくなり口あたりがまろやかになって美味しくなるという特徴があります。なお、新しい(若い)泡盛は一般酒や新酒と言われています。
以前は3年以上熟成させた泡盛が全量の50%を超えていればよかったのですが2015年8月1日から古酒表示基準が変更されて全量になりました。基準が厳しくなることで品質が向上するのは良いことなのですが・・・
熟成中の古酒に新しい酒を少し注ぎ足すことで活性化して美味しくなるという特徴を活かした仕次(しつぎ)という泡盛独特の熟成の文化があります。古酒の基準変更で全量という縛りができると、仕次ぎの文化が廃れてしまうのでは?と心配する声もあります。
100%は2015年8月1日から#古酒表示基準 https://t.co/O4kenibSQn
— 伊藤 薫@泡盛バカの司法書士 (@itokaoru3) November 26, 2019
一番古い古酒は?
現存する最も古い古酒は、識名酒造さんで大切に受け継がれている約150年物の古酒と言われています。戦前には200年古酒も存在していたと言われていますが、残念ながら先の大戦で貴重な古酒のほとんどが焼失してしまいました。識名酒造にある古酒は奇跡的に戦火をまぬがれた古酒ということになります。
150年物の古酒はいったいどんな味なのか?
気になりますよね~と言っても飲めるはずがないので手がかりになりそうな情報を紹介しておきます。幸運にも識名酒造にある80年物の古酒を味わった嘉手川さんの感想が泡盛「通」飲読本に記されています。
「簡単に言ってしまえば”土の味”であった。戦前までは知らないけれど、戦後になって一度も仕次ぎをしていないので、甕の成分が古酒の中に溶け出していたためである。」
泡盛「通」飲読本
土の味と言われても飲めるなら飲んでみたいと思うのは泡盛好きの性ですね(苦笑)。
この幸運過ぎる嘉手川さんと数年前に美味しいそばを食べながら泡盛談義ができたのは泡盛がつないでくれたなんとも不思議なご縁です。
沖縄最古の泡盛。左が約150年物で、右が約100年物。
3つ埋めた南蛮がめのうち、奇跡的に2つのかめが無事に発見されました。
識名酒造のサイトではこのように約150年物と約100年物と紹介されているので、当サイトでは泡盛「通」飲読本の80年物というのは約100年物の方だと理解しています。
古酒のおいしい飲み方
一般酒は飲み方にこだわり、古酒は酒器にこだわる。
これは泡盛「通」飲読本に書かれていた言葉ですが僕はこの言葉をとても気に入っています。この名言を参考に一般酒は自由にそして大胆にアレンジして楽しんでいます。
そして、これはカラカラとお猪口で泡盛の古酒をいただくの図。泡盛の酒器はちぶぐゎーという小さな盃が有名ですが、これはそんなに小さくないのでお猪口と呼ばせてもらいます。でも酒器が凄すぎて(高価)小心者の僕は酔うに酔えません。こだわりすぎてもダメってことですかね。
それでも壺屋にあるオニノウデさんで壁一面に並べられた泡盛と酒器を眺めながらの泡盛談議はサイコーでした。
古酒は酒器にこだわる。というのは、言い方を変えると古酒はストレートで飲むべしということかもしれません。確かにストレートやオンザロックで飲みたい(飲むべき)と思う古酒は沢山あります。
そんな中で某酒造所の方から自社の12年物の古酒は「お湯割りで飲むのが一番美味しいよ」と教えてもらったときは、なんだか勇気をもらった気がしました。確かに気負わず好きな飲み方で飲んでいいんだろうなと思う古酒もあります。3年・5年あたりの古酒はそう思います。
コラム|2015年8月から古酒が減っている!?
沖縄物産展やイベントで酒造所の方と古酒表示基準の話題になると「この銘柄は8月(2015年)から古酒の表示を外しました」といった話を頻繫に聞くようになりました。
全量を3年以上熟成させたのものに変更すれば古酒の表示ができるわけですが、あえてそうしないものもあります。なぜかというと・・・ 味が変わるからです。
古酒と一般酒の絶妙なブレンドによって生まれた味わいなので、全量を3年以上にすると当然味が変わってしまうし、価格は間違いなく上るでしょう。商品の味を優先すればブレンド比率は変えられない、ゆえに古酒と表示できない。
「でもラベルから古酒の文字がなくなってしまうことで、以前から飲んでいただいているお客様に味わいや商品自体はなんら変わっていないことをご理解いただくことは大変なんです」とある泡盛メーカーの方が仰っていました。
古酒表示基準が変わったから古酒の表示がなくなったなんて察しの良い人は少ないでしょうね。むしろ古酒の文字がなくなれば味が変わったと思う人の方が多いはず。
古酒の味わいよりも古酒というだけで、もっと言うと古酒と書いてあればむやみやたらにありがたがるような風潮があるのは感じるところですが、そういった古酒を取り巻く状況も一緒に変えていかないといけないということでしょうね。そんなことを古酒の日(9月4日)を前に思いました。(2015年8月31日)
コラム|日本酒が熟成するとこうなるの?
古酒をぬる燗で。古酒といっても泡盛ではなく日本酒です。「自然酒生もと1992年(古酒・15度)」・大七酒造
1992年度に醸造して瓶で熟成された純米古酒で、瓶のまま20年以上も熟成されたものです。泡盛の古酒の魅力に迫るためのアプローチのひとつとして泡盛以外の古酒を味わってみました。ちなみにちらし寿司の画像のお酒は乾杯用の泡盛のお湯割りです。
純米古酒はこちら。色が全然違いますよね(^_^;)
自然酒生もと1992年をぬる燗で飲んだ感想です。他の酒に例えるのは良くないとわかってますがアタックは紹興酒をイメージしました(この方がイメージ湧きませんか?)。
舌の上で転がすと瓜の粕漬けのような力強さを感じます。 飲み込むときには喉にピリッと来る、アルコール度数15度とは思えないボリューム感があり、僕が持っている日本酒のイメージからは程遠いものでした。
鼻に抜けるのは熟したリンゴの様な香り。口の中がきしきしするようなしゅうれん性を感じるとともに、余韻に焼いたみかんのような酸味を長く感じました。例える香りや味わいは食べ慣れたものからしか出てこないので、表現力を養うためにも普段からいろいろな物を味わっていないといけませんね。。
どういうわけか無性にするめが欲しくなったので、いか徳利で楽しむのも面白そうでした。
僕は飲みやすいお酒がいい酒とは思いませんが(という前置きをした上で)、作りたての方が圧倒的に飲みやすいんじゃないのかなと思いました。泡盛は熟成するほどに角が取れて丸くなるイメージがあり、本来のアルコール度数を感じさせないほどに口当たりもなめらかになります。
一方、日本酒は熟成するにつれてどんどん主張してくる感じでしょうか。僕が日本酒の古酒を飲み慣れていないということを差し引いたとしてもこの違いは面白いものでした。
コラム|芋焼酎の長期熟成古酒
お客様からいただいた「侍士の門(古酒・25度)」・大久保酒造です。お客様といっても泡盛マイスターのではなく、もうひとつの顔、司法書士の方でご依頼をいただいたお客様です。
士業の仲間と作った相続チームで作成したエンディングノート「相続あんしんナビノート」のメンバー紹介欄に泡盛マイスターを取得したことを書いたのですが、そこを見てくださって選んでいただいていたようです。
古酒(熟成)は泡盛の魅力の1つですが、熟成というのはなにも泡盛だけの特権ではなくワイン、ウイスキーや日本酒、焼酎などの楽しみ方の1つでもありますよね。
いただいた「侍士の門(さむらいのもん)」は芋焼酎の古酒です。恥ずかしながら全く知らなかったのですが、今読んでいる「至福の本格焼酎 極楽の泡盛(山同 敦子/ちくま文庫)」の中で著者お薦めの銘柄として侍士の門が紹介されていました。
また、この本では「萬膳」で有名な万膳酒造では、芋焼酎を5年、10年、15年と5年おきに35年まで熟成する予定だということが紹介されていました。35年古酒の芋焼酎というのはどんな味わいになるんでしょうか?泡盛の古酒の魅力に迫るアプローチの一つとして、泡盛以外の古酒を味わうことも大切だなと感じる今日この頃です。
N様ありがとうございました。古酒の勉強に活用させていただきます。(2015年2月6日)
Q.古酒の魅力は?
A.古酒の魅力は香りにあり
泡盛の古酒の魅力の中で一番の魅力はその香りにあると僕は思います。かの尚順男爵は3つの香りで古酒を表現し、最近では国税庁が泡盛フレーバーホイールを作成しました。
そもそも味覚とは95%が嗅覚で、残りの5%が味とも言われているので当然なのかもしれません。もっと古酒が楽しくなるように古酒の香りについてまとめました。
古酒の3つの香りと尚順男爵
琉球最後の国王、尚泰王の四男である尚順男爵は「鷺泉随筆」の古酒の香り就ての中で標準的な古酒の香りは3つしかないと書いています。
- 1つ目は「白梅香かざ」で鬢付油の匂い
- 2つ目は「トーフナビーかざ」で熟れた頬付(ほおずき)の匂い
- 3つ目は「ウーヒージャーかざ」で雄山羊の匂い
香りで古酒をランク付け!?
あくまでも著者の推測とことわりがありましたが「琉球の宝 古酒 古酒造りハンドブック(山入端艸以)p77」で尚順男爵の3つのかざにはランク付けがあったのでは?という考察が興味深かったのでご紹介します。
ざっくりと要約するとこういうことでした。
- 白梅香の古酒は厳正に管理された良質のクースであろうと思う。他の二つはその匂いから判断すると古酒として品質低下そのもの。
- 白梅香かざは表現は別として現在も極上の古酒の香りに見られるもの。
- トウーフナビかざの古酒は当時としてはごく一般的な手法で古酒造りされていた古酒であったと思われる。焦げ臭、末垂れ臭ともいう。
- ウーヒージャーかざは油成分が非常に多く雑菌侵入の可能性が高い。仕次ぎの際、甕口へこぼれた泡盛分や蓋などに雑菌などが混入して悪臭の原因となった可能性が高い。
あくまでも1つの見解ですが、なるほどなぁと感じた点も多かったです。もしウーヒージャーかざがすると言われる古酒と出逢うことがあれば、品質低下していないか?冷静に味わってみようと思うきっかけになりました。
古酒好きを自称するならぜひ知っておいて欲しい見解です。この話しを肴に古酒談議をしてみたいなぁ~。
泡盛フレーバーホイール
沖縄で泡盛マイスターの先輩方と飲んでいる時に古酒の香りの話しになりました。泡盛マイスターの大先輩が思う代表的な古酒の香りは5つ。
- ①バニラ
- ②ナッツ
- ③チョコレート
- ④森林
それから⑤つ目はごはんですよ!という話を聞きました。ごはんですよ!というのは・・・そうです!桃屋のごはんにのせて食べるあの海苔の佃煮です。そして尚順男爵が古酒を3つの香りで表現されたのは、昔は例える香りが少なかったからだろうと大先輩は分析されていました。
古酒に限ったものではありませんが、泡盛マイスター協会から代表的な泡盛の香りを円状に整理した泡盛テイスティングチャート(初版)が公表されています。泡盛マイスター協会のサイトからダウンロードできます(現在リンク切れです)。
さらにシンプルにまとまった泡盛フレーバーホイールは国税庁のサイトからダウンロードできます。
トーフナビー(熟れた頬付)かざの秘密に迫る
尚順男爵の3つの香りの中で白梅香かざの鬢付油はオイリーな香り、雄山羊の香りと言われるウーヒージャーかざは動物的なフェロモンの香りでしょうか。
この2つはなんとなくイメージできたのですがトーフナビーかざはなんとなくもイメージできません。トーフナビーかざというのは豆腐ようではなく、熟れたほおずきの香りのようですね。
奈良県産のほおずきを熟成させてみた
スーパーで奈良県産の食用ほおずき(キャンディ・ランタン)を見つけたときに、熟れた頬付の匂いというものをじっくりと体験してみようと思い立ちました。
パッケージの「完熟品はまるでマンゴー」というコピーに本当かよ?と突っ込みながらも袋の中に鼻を突っ込んでみると、ほんのり甘い香りが漂っています。
食べ頃は黄色く熟した時と書いてあります。緑が強いこの色じゃまだ熟していないみたい。熟したらさぞいい香りがするんでしょうね。トーフナビーかざに期待大です!
1ヶ月経過|マンゴー様の香り
カラカラになった皮をむいてみました。ほおずきの実を触るとベタつきます。根拠はないけどこういった変化を感じるとかなり期待してしまいますね。実から甘い香りが漂ってきていて、完熟するとマンゴーみたいと評されるのも納得です。
さて熟れたほおずきを食べてみましょう!
皮ごとリンゴを食べたような食感です。リンゴでもミニサイズの青リンゴで、シャリシャリ感が少ないリンゴの雰囲気です。食用ほおずきはストロベリートマトと言ったりするようですが、種が多いって感じはなくいちごもトマトもちょっとイメージしにくいですね。
1ヶ月経過したときは特に種が多いとは思わなかったけど、1ヶ月半経過して改めて食べてみると種がしっかりした硬さになっていて種が多いなぁと思うほどに食感が変化していました。これならストロベリートマトといわれるのも納得です。
岩手県産のほおずきを熟成させてみた
岩手土産に食用ほおずきをもらったので、これも熟成させてトーフナビーかざをチェックしてみました。奈良県産のと比べると岩手県産の方が1.5倍くらい大きいです。
肝心の香りの印象もだいぶ違います。奈良県産のはマンゴーの様な甘い香りでしたが、岩手県産はまるでココナッツ!?もっと言うとサンオイルのコパトーンの匂いなんですよ。我ながらこれはかなり的を得ていると思います。
古酒の香りにはナッツ様の香りがあるので、特別違和感を感じるような香りでもありません。他には橙というかオレンジの様な酸っぱさを連想させるような香りも感じます。香りを味わった次はいざ試食です!
上は輪切りにしたもので下は縦に切ったもの。見た目からもわかると思いますがかなり種を感じます。味も奈良県産のものとは全然印象が違いました。少し皮の部分が青臭いような、まだ青いイチジクのような味わいと酸味を感じました。
トーフナビーかざは熟れたほおずきの香りといっても、マンゴー様の甘い香りからナッツのような香りまで幅のある香りで表現できるというのは面白い発見でした。
少し専門的なほおずきの香りのお話
香りの専門家である泡盛マイスターの先輩がまとめられた「ほおずきの香りに関する論文」を見せていただいたのでポイントを簡単にご紹介します。
- ほおずきといっても食用のしまほおずきと観賞用のほおずきの大きく2種類あること
- しまほおずきは観賞用のほおずきに比べて香りの成分数が多い
- 鑑賞用のほおずきの37成分に対して、しまほおずきでは4倍以上の137成分が確認できた
- しまほおずきの香りを構成する成分はラクトン類が豊富でココナッツ様の香りの元になっている
- エステル類が幅広く含まれていることで多様なフルーティな香りを感じることができる
この分析結果から奈良産のほおずきからはマンゴー様の香り、岩手産のほおずきからはナッツ様の香りを感じたことが納得できました。香気成分について正確な知識があれば、泡盛のテイスティングをするときに感覚的な表現に片寄ることなく、化学的にも的確な表現ができそうですね。
泡盛の古酒の香り、トーフナビーかざについて貴重な資料に触れることができました。ありがとうございました。
トーフナビーかざの古酒を再現してみた
古酒の香りのひとつであるトーフナビーかざは完熟したマンゴー様の甘い香りだとわかったので、マンゴーの香りをもっと楽しむためにこれで泡盛を割ってみました。これはセゾンファクトリーのマンゴードリンク(マンゴー果汁60パーセント)です。
ほとんど知られていないと思いますがセゾンファクトリーは僕の地元の山形県の会社なんですよね。隠しているとは言わないまでも、できるだけ出さないようにしてるんじゃないか?と山形県人会の集まりでは話題になります(笑)。
原材料を見ると既に洋酒が入っているらしい。洋酒って何なのか?わかりませんけど、トーフナビーかざのマンゴーの香りのご縁でここは泡盛を使って欲しいなぁと思いました。
泡盛が入ってないならやっぱり自分で入れるしかないですね(笑)。43度の古酒をちょっとプラスしてみました。
意外や意外!マンゴードリンクの濃厚さと43度の泡盛のパンチ力が相まった結果・・・とっても飲みやすくなりました。ついつい飲みすぎてしまいそうな危険な香りがするのでおちょこで1杯ぐらいにしておいた方が良さそうです。
繰り返しになりますが食用ほおずきから感じる香りはマンゴーとココナッツ様の香り。セゾンファクトリーのマンゴードリンクにココナッツミルクが入っているのはとても偶然とは思えない・・・
Q.泡盛は賞味期限切れが多い
A.泡盛に賞味期限はありません
泡盛のラベルや貼られているシールに書かれている日付は、賞味期限ではなく詰口年月日というもので泡盛を瓶や甕に詰めた日です。お店で泡盛を手に取った日よりも確実に前になるので、詰口年月日ということを知らないと、この泡盛は賞味期限が切れていると思ってしまうのも当然のことなんですよね。
泡盛は蒸留酒でアルコール度数が高いものがほとんどです。酒質の変化があまりないことが賞味期限を記載していない理由だと思います。詰口年月日を表示するのは当初は義務でしたが最近は任意のようです。
賞味期限が表示されていないどころか、泡盛はなんと!瓶の中でも熟成すると言われています。泡盛は瓶の中でも熟成するのか?熟成の謎に迫ってみました。
泡盛の瓶熟(びんじゅく)とは?
泡盛は熟成することで味わいが増す(美味しくなる)という特徴があり、全量を3年間熟成させたものを古酒(こしゅ、クース)といいます。泡盛の熟成というと甕で寝かせるイメージがあると思いますが、泡盛は瓶詰めされた後も熟成が進み瓶で熟成させたものを瓶熟(びんじゅく)と言ったりします。瓶熟は瓶熟成(瓶内熟成)の略です。ほとんど省略されてませんが。
でもこんな声が聞こえてきそうですね・・・瓶のままでほんまかいな?
確かに瓶のままで10年間保管していた泡盛が美味しくなるどころか、残念な感じになっていたという話を聞いた事があります。一方でこんなに美味しい宮之鶴は飲んだことがないと、居合わせた全員(ほとんど泡盛マイスター)が唸るほどに美味しく育っていたということがありました。
その宮の鶴は杜氏のお名前が先代のものだったので、かなり古いものだったと記憶しています。
他にも瓶熟の7年、8年古酒を飲んだ時は美味しくなっているように感じたことが何度もありました。
また瓶熟状態で販売されている泡盛もあります。残波Z(ゼット)2001古酒は25度に加水して2001年から瓶に詰めて熟成させていた泡盛です。言ってみたら14年もの長期間、前割り状態で保存しておいたようなもの。水と泡盛の馴染み具合が半端じゃありません。美味しかったなぁ。
2つの豊年で瓶熟の効果を検証してみた
これまで幾度となく瓶熟泡盛の美味しさを感じたことがありましたが、瓶で熟成したものと新酒を並べて飲み比べたわけではないので実際のところどうなんでしょう?熟成させなくても、そもそも美味しい泡盛だったのかも?
やってみないとよくわからんというわけでやってみましょう!
泡盛の瓶熟成の効果を比較するのにうってつけのものが手元にありました。瓶詰めされた日が10年違う宮古島の泡盛「豊年30度|渡久山酒造」です。
- 左|平成16年に瓶詰めされたもの
- 右|平成26年に瓶詰めされたもの
10年という歳月をかけて泡盛が瓶の中でどんな変化を遂げているのか?同じ銘柄で飲み比べてみたら面白そうだと買っておいたものです(造り自体は変わっていないと一応仮定しての比較です)。
左の豊年の詰口年月日(泡盛を瓶詰めした日)は、「16.12.2」。撮影した日は2015年(平成27年)なので16は2016年ではなく、平成16年ということです。現行のものとは違った見慣れないラベルですね。
右の豊年の詰口日は「26.6.19」なので、平成26年に瓶詰めされた泡盛ということになります。
ちなみに左の豊年は買ってから家で10年間保管しておいたわけではありません。そんなに意志が強くないので(笑)。
偶然にもこの2本は同じ日に買ったのですがお店は別です。左の豊年はかれこれ10年以上も売れ残っていたことになりますね。嬉しいような悲しいような複雑な心境です。。
瓶熟成は甕と比べると熟成のスピードは緩やかといわれますが、それでも10年間寝かせておけば立派な古酒になっているはずですが。どうでしょう?
さて結果は!
瓶で10年間熟成させた豊年(左側)の印象は・・・
- 角がとれて丸くなっている
- 香りは控えめな印象
- 口当たりはまろやか
- 喉を通る時にまろやかさが良くわかる
中でも違いがわかりやすかったのは度数です。どちらも同じ30度ですが10年間熟成させた豊年は度数が低く感じます。25度と言われればそうかなと思ってしまいそうです。
どちらの豊年を美味しいと感じるかは好みの問題もありますが、とにかく古酒作りは難しく考えなくてもいいんだという自信を得ました。
瓶熟は保管状態次第
実は劣化したような味わいになった瓶熟の泡盛を飲んだことがあります。水とアルコールが分離してしまったような感じで、舌にピリピリと刺してくるような違和感がありました。ちなみにその泡盛はミニボトルでした。持ち主によると長年、蛍光灯の光にさらされた状態だったとか。
瓶熟の場合、保管状態が味わいに大きく影響するようです。 箱なしで店頭で売れ残っていたような泡盛は瓶熟の効果はあまり期待できないだろうと個人的には思っています。この体験が少なからず影響していますが、他のお酒、一般的な焼酎は瓶の中で熟成しないのに泡盛だけが熟成するといわれるといろいろ疑問が沸いてきます。
また、調査の結果、瓶熟成の効果ははっきりとわからなかったという論文があると耳にしたことがあるので現在、その論文を探しています。
コラム|焼酎・泡盛ハンドブックのマニアックな楽しみ方
焼酎・泡盛ハンドブックに載っている「豊年」のラベルは、我が家にある瓶で10年間熟成された豊年のラベルと同じでした。
ちっちゃので目を皿のようにして見るとハンドブックの方の詰口日も同じ平成16年に見える(ような気がします)。「豊年」の隣の「千代泉」のラベルも見慣れないデザインです。
こんな風に一覧になっていると「一番高いのはどれなのか?」とついつい探してしまうのですが、みなさんはそんなことしませんか?苦笑。ちなみに泡盛の中で一番高かったのは「守禮(限定20年古酒・43度)」・神村酒造でした。
これは瓶で20年間熟成させた泡盛です。瓶熟泡盛のスーパー古酒ということになりますね。最高額といっても2万5千円!高いといえば確かに高いのですが、ワインと比べると泡盛ってかなりリーズナブルだなと思います。
焼酎・泡盛ブックは2007年に発行されたものなので、ラベルが現行のものと違っているものや終売になっているものも多くてハンドブックというよりは貴重な資料として楽しめます。
Q.古酒は泡盛メーカーしか作れない?
A.古酒は自宅でも作れます
古酒作りは泡盛メーカーだけのものと思われるかもしれませんが、古酒作りは自宅で自分ですることができます。
アルコールと水が組み合わさって味が丸くなるのは甕も瓶も一緒です。瓶は甕と違って密封されているので泡盛が空気を吸えません。窒息状態なので香味成分の変化は甕と比べると起こりにくくなるといわれています。
一方、甕は密閉されていない分失敗するリスクは高まります。瓶は甕と比べて熟成のスピードは緩やかですが、失敗する可能性が低いので手軽に古酒作りを始めることができます。
泡盛を熟成させるといっても、ただただ寝かせておくわけじゃないんですよね。寝かせて古くしたいはずなのに、あえて新しい泡盛を少し継ぎ足す(仕次)ところに僕は古酒作りの奥深さ・難しさ・面白さを感じます。
古酒作りにはアルコール度数が高めの35度以上の泡盛が適しているといわれています。自宅で古酒作りに挑戦してみませんか?
仕次(しつぎ)とは?
1番古い泡盛が入っている甕、2番目に古い泡盛が入っている甕、3番目に古い泡盛が入っている甕というように複数の甕を準備します。
1番古い泡盛が入っている甕(一番甕)から少し泡盛を取り出して味見をしたら、その分を2番目の甕から一番甕に継ぎ足し、2番目の甕には3番目の甕から継ぎ足しという具合に、飲んだ分を新しい甕から継ぎ足しながら泡盛を熟成させる方法を仕次(しつぎ)といい、少しだけ新しい泡盛を継ぎ足すことで泡盛が活性化して美味しくなるといわれています。
一番甕(左)には長男が生まれたときに造った泡盛、二番甕(中)には次男が生まれたときに造った泡盛が入っています。我が家では3つの甕で仕次をしながら二十年古酒を育てています。
古酒作りに失敗はつきもの
とある酒屋さんで。はじめてのお店でしたが店主と泡盛談議に花が咲き「その泡盛ならそこにあるよ」と店主が指差すその先には、大きな一斗甕がありました。
商品ではなくお店で育てている泡盛の甕です。店主が中の泡盛を汲み出す様子を見守っていたのですが、味を確認した店主がひとこと
「泡盛が水になってる・・・」
僕もひと口味見させてもらうと確かに水のようになってました。さらに掘り下げて表現すると泡盛の空瓶に水を入れて、それを飲んだような味の液体でした。。
汲み出すときに店主が甕の中にかなり腕を入れていたので、大分中身が少なそうだけど大丈夫かなと思ったら案の定でした。甕で寝かせている間に古酒になるどころか、水っぽくなってしまった泡盛との悲しい出会いのお話でした。
甕で古酒作りをするときの3つのポイント
甕で古酒作りをするときに注意したい3つのポイントを参考文献とともにご紹介します。
- ①仕次のタイミング
- ②甕の選び方|大きさ・焼き方、素焼き VS 釉薬あり
- ③甕に入れる泡盛の量
①仕次のタイミング
琉球最後の国王、尚泰王の四男である尚順男爵がご自身の失敗から得た古酒造りの秘訣を「鷺泉随筆」の中でこう書かれています。
仮令(たとい)、最初の親酒はあっても継ぎ足す時に、新醸の酒(俗にいうシピャー)でも入れたら、親酒は全く代なしになって、馬鹿を見た例は幾らもある。私は此失敗をば予て知っていたから前轍は踏まなかったが、小瓶に古酒を貯えながら旅行の為仕次を怠って折角の古酒をば悉皆、水の様に死なした経験は幾度も見た。
鷺泉随筆@松山御殿物語
旅行のため仕次(しつぎ)をするタイミングを誤ったという、ちょっとしたことでも古酒を育てるときには命取りになるということです。尚順男爵でさえ何度も水にしてしまったというくらい古酒を育てることは難しいようです。
素人が失敗するのは仕方のないことかもしれませんね。古酒作りに使う泡盛は度数が高いものが多いと思いますが、それでも油断は禁物!泡盛の甕はまめに点検しましょう。
②-1 甕の選び方|大きさ・焼き方
そこで、色々と研究の結果、早く酢敗する原因が容器の小さい割りに口が広く、酒精分の放散が多くなって、少しでも仕次を遅らすと忽ち腐水(酒を取った後に残る水分の名称)になって仕舞うという事が漸く分かったので、此れを防ぐには是非共貯蔵の酒量を多くして、夫に適応する容器を持たねば駄目だと思っている時に、(略)
鷺泉随筆@松山御殿物語
というようにたくさんの泡盛を貯蔵すること、そのために大きな甕でアルコール分の蒸発をできるだけ抑えるために、甕の口が小さいものを選びなさいということですね。
- 大きな甕
- 口が小さい甕
完全に密閉された容器に保管しない限り、泡盛は時間とともに少しずつ蒸発します。水分とアルコール分がバランスよく減っていけば水っぽくはならないはずですが、あのお店の甕の泡盛はおそらくアルコール分の減少が著しかったんでしょうね。泡盛のアルコール分がとんで水っぽくなってしまったようです。
- 仕次を忘れていたのか?
- 甕に問題があったのか?
そもそも何度の泡盛をいつからその甕で保管していたのでしょうね。かなり気になるところでしたが、あまり触れてはいけないような気がして深追いできなかったので(苦笑)、詳細は分からずじまいです。
ちなみにその甕は少し黄色っぽくて俗に言うしっかり焼き締められた甕とは程遠い雰囲気で、一般的な泡盛の甕よりも中身が蒸発しやすそうでした。
②-2 甕の選び方|素焼き VS 釉薬あり
できるだけ多くの視点から沖縄を知りたくて「沖縄幻想(奥野修司/洋泉社)」を読んでいると、古酒作りに関するページで手が止まりました。
「貯蔵する甕は素焼きがいいと言われるが、根拠があるわけではない。素焼きなら「酒は呼吸できるはずだ」という、何となくわかったような理屈からである。」「むしろ釉薬をかけた甕の方がよかったり、・・・」
沖縄幻想
これは沖縄随一の古酒の理論家である謝花 良政氏の古酒作りのエピソードです。
古酒作りには釉薬がかけられていない甕が適しているというのが定石とされているにも関わらず、同じ泡盛を釉薬がかけられた甕とかけられていない甕で寝かせて比較されたようです。このエピソードひとつをとってみてもかなりのお金と時間を費やして、古酒作りを実践されてこられたのが伝わってきます。
釉薬をかけた甕の方が良かったなんて聞くと古酒作りというのは想像以上に奥が深いなぁとしみじみ思います。僕は甕での古酒作りを始めたばかりですが10年後、20年後にどんな古酒に育つんだろうかと考えるだけでワクワクします。
③甕に入れる泡盛の量
謝花流古酒造りでは詰めた泡盛の表面と蓋の先端(もしくは甕首)との空間は3〜5cmにするのが良いとされています。この空間をヘッドスペースと呼び、このスペースで対流現象が起こると考えられています。一番甕から汲み出した分の泡盛を二番甕から補充するときは、この教えに従っていつもより多めに泡盛を入れてみました。参考|琉球の宝 古酒 古酒造りハンドブック
Q.泡盛の記念日がある
A.本当です。2つあります。
- 9月4日 古酒の日
- 11月1日 泡盛の日
Q.土の匂いがする泡盛がある
A.本当です。石垣島の白百合です。
泡盛業界きっての【個性派】といえば文句なしに石垣島の白百合(しらゆり)です。その独特な味わいは泡盛好きの中でも好き嫌いがはっきり分かれます。知ってる人には説明不要、知らない人には説明不能な白百合の味わい。果たして本当に土の匂いがするのか?泡盛マイスターが噂の真相に迫ります。
Q.幻と言われる泡盛がある
A.本当です。波照間島の泡波です。
幻の泡盛の異名を持つ泡波。通称ゲロ船と恐れられる船に1時間揺られて、たどり着いた波照間酒造所の前に立って思ったのは・・・泡波って出世魚みたいだなってことでした(笑)。泡波はみんな大事にしまいすぎて古酒よりも新酒の方がレアかもしれません。
泡盛がもっと楽しくなる重要泡盛ワード
泡盛が気になっていろいろ飲み始めると、いやがおうにも耳にするのが「三日麹」や「減圧蒸留」などの泡盛ワード。薀蓄好きには抵抗なくというか、むしろ好んでインプットされるのでしょうが、そうじゃない方には面倒くさいですよね(苦笑)。
僕は泡盛のマニアックな面を殊更に伝えたいわけではありませんが、泡盛ワードを理解しておくと泡盛がさらに楽しめるのは間違いありません!嫌いでなければ、いや少々我慢してでもお付き合いください。
でも用語の解説だけではピンとこないと思うんですよね。そこで泡盛ワードに沿った泡盛を具体的に取り上げながら泡盛ワードを紐解いていきます。※番号は泡盛造りの工程です。①洗米②浸漬③米蒸し④黒麹菌の種付け⑤もろみ⑥蒸留⑦熟成⑧容器詰め
シー汁ってどんな汁?②
こちらは忠孝酒造さんの「夢航海」。2012年に味もラベルも一新した夢航海の最大の特徴といえば、昔ながらのシー汁浸漬法で造られていることです。
僕が受けた年の泡盛マイスター筆記試験に「シー汁とはなんぞや」という問題が出ました。シー汁は、前回洗米した時の米のとぎ汁という程度の理解で止まっていましたが、試験の講評に「シー汁はただの米汁のとぎ汁ではないのでしっかりと理解するように」と書いてありました(汗)。
で、夢航海を飲むときに忠孝酒造さんから定期的に届く「あわもり忠孝だより」をひっぱり出して、シー汁は「ただの米汁のとぎ汁なんかではない」ことに気が付いたというわけです。
通常の浸漬は長くても1時間程度ですが、シー汁浸漬は15~24時間という長時間米を水に漬けておくため、乳酸菌といった微生物が増えることで水がすっぱくなります。
ただ単にすっぱくなっているわけではなく、浸漬中に乳酸菌などの微生物がお米の表面を削ることで甘みのあるやわらかな酒質の泡盛ができるそうです。日本酒でいうところのお米を磨く工程を微生物がおこなっているといえるのかもしれません。
このメカニズムを科学的に実証したことで「日本醸造協会技術賞」を受賞されていることはもちろん素晴らしいのですが、経験的にシー汁浸漬法の効果を知っていた昔の杜氏も素晴らしいですよね。
理解が進むにつれて泡盛も進むのですごくいい気分です。すいすいと飲みやすい飲み口からして減圧蒸留かな?と思いましたがどうやら常圧蒸留のようです。この辺をすぱっと見極められないようでは泡盛マイスターとしてまだまだですね(汗)。
《追記》忠孝酒造さんのブログ「新しくなった夢航海」によるとリニューアル後のラベルの夢航海は減圧蒸留でした。間違ってなかったようです。
さて夢航海という名は「泡盛を飲みながら、夢を大いに語ってほしい」という願いをこめて命名されているようなので、美味しいからといって飲み過ぎて午前4時のマーライオンとか、くれぐれも「夢後悔」にならないように気を付けます(苦笑)。
三日麹は手間と暇がかかってます③
泡盛を造る工程の中で麹造り(製麹)は、蒸した米に黒麹菌(種麹)をふりかけて黒麹菌を繁殖させて米麹を造ります。麹造りにかける時間は40時間位という酒造所が多い中で、さらに時間をかけて造った麹を三日麹(老麹)といいます。
麹造りにかける時間が泡盛の香味の個性をつくるのに影響を与えています。
- まだ胞子が出ない白いうちに麹造りを終えた場合(若麹)は、爽快で華やかな香り
- 胞子が出て黒くなってから麹造りを終えた場合(老麹)は、重厚で複雑な香り
三日麹で有名な泡盛はこちらです。
- 「松藤」・崎山酒造廠(現松藤)
- 「瑞泉三日麹」・瑞泉酒造
約96時間かけて麹を造った忠孝酒造の「忠孝よっかこうじ(43度)」という泡盛もあります。43度という度数を感じさせず、なめらかな甘みのある味わいで、よっかこうじは三日麹の上を行く常識破りの泡盛といえます。
そんなわけで、よっかこうじは泡盛マイスターの度数当ての練習に持ってこいの泡盛だったりします(笑)。
麹と酵母の違いは?⑤
お酒をよく飲んでいる方でも勘違いしている人が多いのが、麹と酵母の違いです。泡盛造りを例に、ものすごく簡単に言うと・・・
- 黒麹菌は、でんぷんを糖に変える役割(糖化)を担っています
- 酵母は、代謝によって糖分からアルコールと炭酸ガスを作っています
そしてアルコールと炭酸ガスだけでなく、いろいろな香味成分も一緒に作られているので使う酵母によっても泡盛の味わいに個性が生まれるというわけです。泡盛の酵母といえば咲元酒造さんで対面を果たした泡盛101号酵母が定番です。
ちなみに泡盛101号酵母というのは新里酒造の新里 修一氏が従来の泡盛1号酵母の中から60億分の1の割合で存在する泡なし酵母の分離に成功し、これを実用化したものです。
従来の酵母の場合、酵母が活動すればするほど泡が立ち容器からあふれたりするため、つきっきりで泡をかき混ぜたり仕込みの量を減らしたりと泡の管理に大変苦労していました。それが泡なし酵母(泡盛101号酵母)を使用することで、
- 泡の管理が容易になって仕込み量が増える
- アルコールの生成が速いため雑菌汚染の割合が低くなる
結果、アルコールの取得量も増えるという、まさに泡盛製造に革命をもたらしたといっても過言ではないすごい酵母なのです。
さらに泡盛101号酵母から分離された酵母で造られた「101H(イチマルイチハイパー)」という泡盛が新里酒造さんから発売されています。泡盛酵母の三段活用って感じで素敵です。
他にも各酒造所で新しい酵母を使った泡盛が開発されています。
- 天然吟香酵母NY2-1を使った「ender(エンダー)」・瑞穂酒造
- オリジナルの忠孝酵母を使った「豊吉」・忠孝酒造
どちらも初心者にも飲みやすい泡盛を意識し開発された商品のようです。「ender」はこの通りラベルのデザインも洗練されています。
「豊吉」はなんと!キャップにくじが付いています。こんな泡盛は初めて見ました。くじの種類には「小吉」「大吉」「豊吉」があるみたいですが、僕が引いたのは・・・
「小吉」でした。引き弱~(苦笑)。豊吉は飲んで楽しむだけじゃない遊び心のある泡盛です。
どちらも酵母だけでなく個性的な泡盛ですね。新しい酵母で造られた泡盛は他にもあるので、ぜひ飲み比べて酵母の違いによる泡盛の香味の個性を楽しんでみてください。
- 黒糖酵母の「美ら燦々(30度)」・瑞穂酒造
- 宮古島原生のMY酵母の「MY17(42度)」・多良川
- 花酵母の「花島唄(25度)」・まさひろ酒造 etc
減圧蒸留とは?⑥
泡盛や焼酎を飲んでいて減圧や減圧タイプという言葉を耳にしたことはありませんか?
これは蒸留方法の1つで一般的な常圧(じょうあつ)蒸留に対して、減圧(げんあつ)蒸留のことを指します。圧と聞いただけで物理が苦手な僕は深入りするのは止めようと思いましたが、泡盛をもっと楽しみたいと思ったときに避けて通れないのが蒸留方法でした。
泡盛をはじめ蒸留酒は、水より低温で沸騰するアルコールの性質をうまく利用して、もろみからアルコールを取り出します。蒸留の方式は大きく2つあります。
- 単式蒸留機を使う蒸留方式です。
- 連続式蒸留機を使う方式で、原料を何度も蒸留するので純度が高いアルコールを造ることができます。
何度も蒸留することでアルコール臭の他は無味無臭となり原料の特徴が失われてしまうので、泡盛を名乗るには単式蒸留機で蒸留するという決まりになっています。※酒税法では泡盛の蒸留回数の規定はありません。尚のように3回蒸留することも可能です。
というように泡盛の場合は必ず単式蒸留機で蒸留しますが、単式蒸留機といってもさらに2つの蒸留方法があります。
- 常圧(じょうあつ)蒸留
- 減圧(げんあつ)蒸留
減圧蒸留というのは蒸留釜内部の圧力を大気圧の10分の1程度の減圧状態にすることによって、40~50度の低い温度でもろみを蒸留することができる方法です。低温で蒸留することができるため、もろみを加熱することで発生する焦げた臭いや刺激のある臭いがつきにくく、クセが少なくフルーティな味わいの泡盛になります。
言い換えると、減圧蒸留は常圧蒸留に比べて原料の特性があまり出ないといえるので、泡盛の蒸留方法は常圧蒸留が主流で減圧蒸留の泡盛はまだ少数派です。ちなみに泡盛の酒造所で減圧蒸留を初めて取り入れたのが請福酒造さんです。1983年に請福マリンボトルが誕生しました。
こちらは八重泉酒造さんの蒸留機(縦型)です。常圧蒸留と減圧蒸留の切り替えができるタイプです。おそらく切り替えができるタイプが主流なんじゃないでしょうか。
ほとんど泡盛を飲んだことがないという方でも「残波白」・比嘉酒造を飲んだことがある方は多いのではないでしょうか?残波白(25度)は減圧蒸留でその特徴がよく表れている泡盛だと思いますので、減圧蒸留特有の味わいは残波白でイメージしてもらえたら。
泡盛以外の焼酎でも減圧蒸留で造られたものがあります。麦焼酎のいいちこは2つの蒸留法のブレンドのようです。減圧蒸留のこの説明はシンプルでわかりやすいですね。
昔ながらの直釜式蒸留とは?⑥
泡盛の蒸留方法には常圧蒸留と減圧蒸留がありますが、加熱の仕方でさらに分けることが出来ます。
まずは、もろみが入った釜を直火で加熱する直釜式蒸留。他には水蒸気で加熱する方法で、もろみの中に入れたコイル等に蒸気を送り間接的にもろみを熱する間接加熱方式と、蒸気を直接もろみに吹き込む直接加熱方式があります。
直釜式蒸留はもろみを攪拌しながら蒸留しなければならず、手間暇がかかるため現在の主流は水蒸気による加熱ですが、直釜式蒸留は昔ながらの風味豊かな泡盛を造ることができる蒸留方法です。
A重油を燃料にした直釜式蒸留器の炎です。釜の底全体を加熱しているイメージがあるかもしれませんが、加熱するのは底の一部分だけだそうです。燃料を霧状に噴射してそれに火をつけているので、釜の底の一部をずっとバーナーで加熱しているとイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。
石垣島の暑さでは特に夏場の蒸留作業は過酷でしょうね。少しでも泡盛造りの現場の情報に触れることで、大変さがわかってより美味しくいただくことができます。
直釜式蒸留で造られた泡盛には「八重泉」・八重泉酒造や「於茂登(おもと)」・高嶺酒造所をはじめ八重山の泡盛があります。その中でも個人的に代表格と思っているのが「直火泡盛 請福」です。
なんせ銘柄にまで直火と直釜式蒸留であることを記していますからね。工場見学で請福酒造さんにお邪魔したときは赤々と燃える蒸留機の直火をしっかりカメラに収めました(^^)v
今では直釜式蒸留機を使っているのは石垣島、波照間島、与那国島、宮古島の離島の酒造所だけで沖縄本島の酒造所では使われていませんと書きそうになりましたが、忘れてはいけないところがありました。8年連続で泡盛造りを体験している忠孝酒造さんの手造り泡盛工場(忠孝蔵)も直釜式でした。
直釜式蒸留機は細心の注意を払っていても、もろみを焦がしてしまうこともあります。でもそれが希少なので泡盛ファン垂涎のお宝になるというわけ。与那国島に行ったときはおこげを買わずには帰れませんでした!
挑戦者求む!泡盛の蒸留機クイズ⑥
突然ですがクイズです!
工場見学をされた方じゃないと難しいかもしれませんが泡盛のおつまみに挑戦してみてください。ここまで読んでいる途中に少しヒントを書いておきました。
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※正解はInstagramのコメント欄にあります
蒸留方法の異なる泡盛を集めて飲み比べするのは面白いですよ。蒸留方法が同じでも酒造所毎にまた味わいが違うので面白いです、おすすめします!
コラム|ブラック、ホワイトって麹菌の色?
泡盛を飲んでいるとよく目にするのがブラック、ホワイトなどの色にちなんだ泡盛の銘柄。有名な残波黒、残波白をはじめ・・・
- 赤の松藤
- 春雨ブルー
- 瑞泉イエロー etc
すぐにでも戦隊モノが作れそうなくらいに充実しています(^^)
黒麹菌で仕込んだ芋焼酎の「黒霧島」から想像すると、使っている麹菌の種類(黒麹菌、白麹菌、黄麹菌など)と銘柄の色は関係しそうですね。でも泡盛造りにはすべて黒麹菌を使わなければいけないので、ブラックもホワイトも、イエローも麹菌の種類とは無関係です。
黒々としたカビが生えていていつ見てもインパクト大ですね。
じゃあ色は関係ないのか?というと・・・この泡盛を見てください。
左のボトルの色が茶色ですよね。この画像ではわかりにくいかもしれませんが(苦笑)。
このボトルは久米仙酒造のグリーンボトルに対抗して、菊之露・久米島の久米仙・多良川が共同開発した卓上ボトルでブラウンボトルと呼ばれています。ボトルに刻まれたこの「菊久多」の文字は3つのメーカーの頭文字でしょうね。
ブラウンの由来についてピンときましたか?
- 菊之露ブラウン
- 久米島の久米仙ブラウン
- 多良川ブラウン
といったブラウンの由来はボトルの色からきています。ちなみに他に違いはないのかどうかメーカーさんに聞いてみたところ
- 普通の三合瓶に入っていれば「菊之露」で、このブラウンボトルに入っていれば「菊之露ブラウン」。中身の泡盛自体に違いはないらしい
- 久米島の久米仙ブラウンには古酒をブレンドしている
多良川さんのブースもあったのに聞きそびれたのは僕の詰めの甘さです(苦笑)※2011年の泡盛大試飲会で伺った情報です。現在は変更されているかもしれません。
グリーン、ブラウンはボトルの色から命名されていますが、こちらの龍ゴールドはどうしてゴールドなのか?
ラベルの色はゴールドですね。
光り輝く龍ゴールド、その由来は?
それは・・・
金武(キン)酒造だから!
押さえておきたい泡盛関連ニュース
アンケート|泡盛ファンの関心が高かったニュース
2017年から2020年の主な泡盛関連ニュースをまとめました。順位や優劣を付けたい訳ではありませんが、泡盛ファンの関心が高かったニュースは何だろう?と気になったので、facebookのグループ(泡盛でカリー!倶楽部)でアンケートを行った結果、トップ3はこのニュースでした。
- トップ1 3回蒸留の泡盛 尚誕生
- トップ2 45度を超えても「泡盛」表記OK
- トップ3 千代泉酒造所の廃業
3回蒸留の泡盛 尚誕生
— 伊藤 薫@泡盛バカの司法書士 (@itokaoru3) December 17, 2020
45度を超えても「泡盛」表記OK
— 伊藤 薫@泡盛バカの司法書士 (@itokaoru3) December 17, 2020
記事は46度以上ですが、正しくは45度を超えてもですね。
千代泉酒造所の廃業
— 伊藤 薫@泡盛バカの司法書士 (@itokaoru3) December 17, 2020
ここ5年位の泡盛関連の10大ニュースは?という質問を事前にさせていただいたところ沢山のコメントをいただきました。その中から直近3年間を対象に、ネットで記事になっているものの中から独断で13のニュースに絞らせていただきました。ノミネートされたニュースはこちらです。新しい順に記載しています。
- 第1回泡盛川柳大賞開催|2020年11月
- 高濃度泡盛誕生|2020年4月
- 泡盛出荷量 15年連続で減る|2020年4月
- 「琉球泡盛で乾杯」条例が可決|2019年7月
- 泡盛、日本遺産認定|2019年5月
- 琉球泡盛テロワールプロジェクトスタート|2019年4月
- 琉球泡盛海外輸出プロジェクトスタート|2019年4月
- 島酒フェスタ開催|2018年4月
- 古酒仕次ぎコンクール開催|2017年11月
- 300年前の泡盛、伊勢神宮で発見|2017年9月
ここからは個人的に関心が高かったニュースをご紹介します。
泡盛を無形遺産の申請へ
#とうとう来たなこの時が https://t.co/6J5213aFxz
— 伊藤 薫@泡盛バカの司法書士 (@itokaoru3) February 16, 2021
祝!泡盛が日本遺産に認定!
琉球王国時代から連綿と続く沖縄の伝統的な「琉球料理」と「泡盛」、そして「芸能」(沖縄)
泡盛が琉球料理、芸能とともに日本遺産に認定されました。話題性もさることながら、認定されれば1件につき3年間で計約7千万円の補助金が出るらしい。泡盛が盛り上がるきっかけになればと、かなり期待しています。
#泡盛 に追い風
— 伊藤 薫@泡盛バカの司法書士 (@itokaoru3) May 20, 2019
「琉球料理、泡盛、芸能」 日本遺産に認定 琉球のおもてなしをPR | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス https://t.co/005reyWf4O
「認定されれば1件につき3年間で計約7千万円の補助金が出る」らしい。#泡盛 が盛り上がるきっかけにしてほしい❗️
— 伊藤 薫@泡盛バカの司法書士 (@itokaoru3) May 20, 2019
海女に泡盛、塩づくり… 新たに「日本遺産」に認定されたのは? https://t.co/1pVmKWZvmH
15年連続減。。
15年連続。泡盛も非常事態。 https://t.co/QL82qf6ll1
— 伊藤 薫@泡盛バカの司法書士 (@itokaoru3) April 8, 2020
全国初!泡盛の乾杯条例が可決!
今夜は泡盛で乾杯ですね。
— 伊藤 薫@泡盛バカの司法書士 (@itokaoru3) July 9, 2019
っていつもか😆 https://t.co/2XRCJbQWEz
与那原町に続き、沖縄県でも泡盛で乾杯条例・・・?
#与那原町 に続き、沖縄県でも #泡盛で乾杯 条例? https://t.co/sqUuCYTmqb
— 伊藤 薫@泡盛バカの司法書士 (@itokaoru3) August 14, 2019
着地点はどうなるんだろう? https://t.co/krV3wm1l3H
— 伊藤 薫@泡盛バカの司法書士 (@itokaoru3) December 14, 2019
泡盛条例提出自体を断念するようです。。
断念は残念。 https://t.co/ovor7DG0kB
— 伊藤 薫@泡盛バカの司法書士 (@itokaoru3) December 21, 2019
参考文献
泡盛の文化誌―沖縄の酒をめぐる歴史と民俗 萩尾 俊章 ボーダーインク 2005年1月
泡盛「通」飲読本 仲村 清司 双葉社 2003年6月
焼酎・泡盛ハンドブック ゆったり焼酎・スッキリ泡盛の会 池田書店 2007年2月