82回目の泡盛テイスティングの会は久米島の久米仙さんのこちらの4銘柄を準備しました。
- IMUGE(イムゲー)25度 ※スピリッツ
- 久米島の久米仙8年古酒 43度
- 久米島の久米仙 30度
- 久米島の久米仙でいご 35度
久米島の久米仙は2018年の焼酎・泡盛メーカーの売上高ランキングで28位(20億円)で、泡盛メーカーとしては比嘉酒造(30位|19億円)を押さえて売り上げナンバー1のメーカーになります。セブンイレブンにはペットボトル入りの泡盛が置いてますしね、納得です。
各泡盛のおすすめの飲み方やテイスティングメモと共にイベントの様子を紹介します。
目次
まずは30度の一般酒
1杯目は久米島の久米仙の30度の一般酒です。今回用意した3種類の泡盛の中では古酒香が弱く、すっきり度も高くとてもすっきりした味わいです(久米島の久米仙公式サイトより)
まずはストレートで味わい、そのあとでオンザロック、水割り、ソーダ割り、お湯割りなどお好みで相応しい飲み方を探ってもらいます。またそれぞれの泡盛にあわせてみたい料理をメニューの中からテーブル毎に選んでもらって、相応しいお料理も探っていくスタイルの会です。沖縄料理もあればいろいろですね。
このところ満席が続いているので一品目だけは大将にお任せで準備してもらっています。今回はおでんでした。大将・奥様いつも美味しいお料理をありがとうございます(^^)
テイスティングメモ
- 香りの強さは中庸。すっきり爽やかな印象。
- 第一アロマは洗米香様の爽やかな香り
- 第二アロマは白いぶどう様の香り
- 味わいはシロップ様の甘味、皮付きのぶどう様の酸味、皮付きのオレンジのような苦味を感じる
- 時間の経過とともに苦味が強くなり、にがり様の苦味を感じる
テイスティングメモはいつものように泡盛マイスターのSさんのご協力の元、作成しました。いつもありがとうございます。
泡盛でもない焼酎でもない
泡盛でもない焼酎でもない噂のイムゲーはスピリッツに分類されます。二次仕込みの後にさらに黒糖を加えて発酵させているからです。2杯目をイムゲーにすることで泡盛の特徴を際立たせて、初参加の方にも泡盛の特徴をわかりやすく感じてもらいたいと思いました。
沖縄を代表する泡盛は、米の蒸留酒。かたやIMUGE.は、甘藷の蒸留酒。では芋焼酎かといえば、さにあらず。芋焼酎は、麹に水と酵母を加えて発酵させる一次仕込みさらに甘藷を加えて発酵させる二次仕込みでつくられますがIMUGE.は、二次仕込みの後さらに黒糖(粒・粉)を加えて発酵させる「三次仕込み」を行います。
イムゲーのパンフレット
請福さんのイムゲーに続いて2社目のイムゲーを飲みました。並べて飲み比べをしたわけではないので正確さに欠けますが、久米島の久米仙のイムゲーは優しい印象でした。2社ともに度数は同じ25度です。各社でイムゲーの味わいに個性があるということでしょう。個人的にはイムゲーの香りから黒糖焼酎を連想します。
テイスティングメモ
- 香りの強さは中庸
- 第二アロマはマロングラッセの様な甘い香り、蒸した芋の香り、花梨の様な香り
- 黒豆グラッセの様な甘味、黒糖の様な自然な苦味を感じる
- はじめは芋焼酎のような印象から時間が経つと黒糖焼酎のような印象に変わる
- ソーダ割りがおすすめ
古酒ブレンドのでいご35度
こちらは古酒ブレンド(古酒51%一般酒49%)のでいご35度です。30度の一般酒から古酒の香りの強さ、濃厚さともに2段階上がります。手元にある古いパンフレットでは、でいごは古酒と記載されているのでブレンド割合はそのままに2015年の古酒表示基準が変わったときから古酒表示を外したのでしょうか。
100%は2015年8月1日から#古酒表示基準 https://t.co/O4kenibSQn
— 伊藤 薫@泡盛バカの司法書士 (@itokaoru3) November 26, 2019
30度→25度→35度と飲み進めてきて、でいごで度数が10度上がったので初参加の方には相当強く感じたようです。僕もグラスが足りなくてテイスティンググラスではなく口が大きく開いたロックグラスで飲んでいたせいか、ストレートで飲むとむせそうになりました。
加水してもらっても良かったのですが、ひとまずお店のカラカラとちぶぐゎを借りて飲んでもらいました。口当たりが変わるし、口に含む量そして見た目の雰囲気が大きく変わるのでストレートで飲んでもらいましたがとても好評でした。写真を撮り忘れましたがてぃぬひら工房さんのカラカラとちぶぐゎです。
三位一体という富山ろくちょうさんの名物の揚げ物、テビチやぐるくんの唐揚げとでいごの相性が良かったです。
テイスティングメモ
- 香りの強さは中庸からやや強い
- 第一アロマは炊いた米の香り
- 第二アロマは、甘く煮詰めたシロップやコンポート様の香り、マンゴー様の甘い香り
- 味わいはマロングラッセ様の甘味、南国のフルーツを思わせる酸味を感じる
- 鼻に抜ける香りは甘栗様の香り
- オンザロックで氷をとかしながらがおすすめ
ラストは8年古酒
久米島の久米仙の8年古酒43度です。でいご35度からそれぞれ1段階上がり、久米島の久米仙のランクの中では古酒香の強さ、濃厚さともに最大になります。でいごからさらに度数が上がりましたが、カラカラとちぶぐゎで飲んでもらうと初心者の方にも少しの抵抗感もなく古酒の美味しさを楽しんでもらうことができました。
古酒を割ることに抵抗がある方が多いと思います。公式サイトでおすすめされていたソーダ割りで飲んでもらったところこちらも好評でした。8年古酒と相性がよかったこちらのディップは何でしょう?
スクガラスと生クリームを合わせています。今回はセロリでしたが島らっきょうだとさらに美味しいらしい。次回のお楽しみにします。
テイスティングメモ
- 香りの強さは中庸
- 第一アロマは炊いているときの甘い米の香り
- 第二アロマは白いぶどう・トロピカルフルーツ様(マンゴーなど)の香り
- 甘味だけでなく、にがり様のミネラル感のある苦味を感じる
- 鼻に抜ける香りはシロップ様の甘い香り
泡盛初心者の方もお気軽に。
大人の勉強会を参加者のみなさんに楽しんでもらうことができたので今回も大成功でした。富山ろくちょうさんに会場を移してからは、泡盛ファンばかりではなく泡盛を飲むのはほぼ初めてという方にもたくさん参加していただいています。
泡盛ファンでもこんなスタイルで泡盛を飲み比べる機会はあまりないと思いますし、このスタイルにしたことで泡盛初心者の方にも抵抗なく泡盛を楽しんでもらえているように感じています。
前回は瑞穂酒造の本田さんに参加していただき念願だった酒造所の方をゲストに招いて初めて開催することが出来ました。2020年はこういうスペシャルな会もどんどん開催したいと思っていますので関係者のみなさん、どうぞよろしくお願いします。
スタートして7年目にしてはじめて勉強会を取材していただきました。ありがとうございます。今回はお料理の写真がほとんど撮れませんでした。取材だったことも手伝ってなにかとバタバタしていたことが理由です。記事が公開されたら詳細をお知らせします
コラム|どっちの久米仙?
泡盛を考える上で久米仙という名前はややこしい存在だと思っているのは僕だけでしょうか?
というのも久米島にある久米島の久米仙さんの主要銘柄は「久米島の久米仙」。久米島にある会社だとしても「久米島の」っている?と思ってしまうからです。
そう考えると、この久米仙古酒ゴールドを造っている久米仙酒造さんが久米島じゃなくて那覇にあるのもなんだかややこしい。
駄目押しは久米島にある米島酒造さん。主要銘柄は「久米島」なので、久米島酒造じゃダメだったんでしょうか?酒造所の名前に「久」がないのはなんだか狙ってややこしくしているような気さえします。
いやむしろ、ややこしくしているのは・・・僕なのかも(爆)
さすがに今では何の違和感も感じませんし間違えることもありませんが、泡盛マイスターの試験勉強をしていた頃はこんな風に混同するのは日常茶飯事でした。ちなみに久米島の久米仙を久米久米(くめくめ)、久米仙酒造を那覇久米(なはくめ)とよんでいる方が泡盛業界(界隈)には多いみたいです。
この3つの酒造所の泡盛を飲むときは久米仙を肴にするとより美味しく飲むことができると思います!