泡盛ブログ

4種類の酵母を飲み比べ@泡盛テイスティング会

今回は「酵母」をテーマに選んだ4種類の泡盛をテイスティングしました。泡盛は僕が選ぶことが多いのですが、今回は泡盛マイスターのSさんにセレクトをお願いしました。各酵母の説明も準備していただいてありがとうございました。

泡盛マイスターのSさん

島バナナ酵母など酵母いろいろ

89回目のテイスティング会に選んだのはこちらの泡盛。

  • ①はなはな 25度・神谷酒造所|ハイビスカス酵母
  • ②ZANPA島バナナ酵母 25度・比嘉酒造|島バナナ酵母
  • ③さくらいちばん 30度・山川酒造|さくら酵母
  • ④時雨 30度・識名酒造|黒糖酵母
酵母をテーマに選んだ泡盛


1本目は神谷酒造所さんのはなはな。ハイビスカスC14酵母を使った泡盛です。

奈良先端科学技術大学院大学と(株)バイオジェットが開発したハイビスカスC14酵母を使った泡盛です。低温発酵で醸し出したフルーティーな味わいとバナナのような甘い香りが人気で、飲み方はロックがお勧めです。

神谷酒造所さんのサイト

ハイビスカス酵母についてさらに詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

参考|ハイビスカス花から採取した酵母の特性と泡盛醸造への応用

続いては、ZANPA島バナナ酵母。発売されたばかりの新商品です。これを飲んでみたいとSさんが言い出したところから今回の酵母しばりの企画が始まりました。 

参考|バナナ香る泡盛、比嘉酒造が発売 独自の酵母を開発 先行販売は即日完売 おすすめは炭酸割り

今回も初参加の方が多かったので、はじめて参加される方でもわかりやすさを意識してテイスティングノートを見直しました。テイスティングするポイントを絞ったのと、他の泡盛と比較しやすいように作り変えました。

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いつもは1本ずつ順番にテイスティングしていますが、今回ははなはなとZANPA島バナナ酵母は同時にグラスに注いで飲み比べました。

Sさんの酵母の説明でどちらも「バナナ」というキーワードがあったのですが、はなはなは苦味と甘味が印象的でビターチョコレートを感じました。

ZANPA島バナナ酵母は、とにかくバナナ香が強いのだろうと勝手に想像していましたが、僕らが普段食べる甘いバナナのそれではありません。

若いバナナの香り?バナナの茎の香りと言えばいいのか?「島バナナは甘くないんですよね」とHさんに言われて妙に納得しました。残波白のわかりやすさとは違って、複雑さが印象的なZANPA島バナナ酵母でした。

3本目は山川酒造さんのさくらいちばんです。寒緋桜(かんひざくら)の花から分離したさくら酵母が使われています。

東京農大短期大学部 中田久保名誉教授の技術のもと、「地元が一番、泡盛蔵元会」にて、八重岳の寒緋桜の花より分離した「さくら酵母」を使用して仕込んだ、泡盛となっております。

やわらかな香りと、なめらかな口当たりが特徴です。泡盛初心者や、女性にも好適。食中酒として水割りも、おすすめです。

山川酒造のサイト

はなはなと同様に甘味と苦味が印象的でしたがはなはなとは逆で甘味が先行して、後から苦味を感じました。

トリを飾るのは識名酒造さんの時雨、黒糖酵母で造られた泡盛です。

黒糖酵母の泡盛が発売された当時は目新しさが印象に残っていますが、今ではすっかり定番化した印象があります。

黒糖酵母といえば、黒糖酵母を開発された中田先生の門下生である4蔵元(識名・崎山・瑞穂・山川酒造)をブレンドした「和尊」という泡盛がありましたね。崎山酒造廠さんの黒糖酵母といえば赤の松藤、瑞穂酒造さんは美ら燦々(ちゅらさんさん)です。

黒糖酵母の正式名称は、東京農業大学短期大学部醸造学科分離酵母5-15株、そして5月15日が黒糖酵母の日の日なんですね。

黒糖酵母の名前「5-15」という名にはある由来があります。

酵母の発見者で名付け親である中田久保 名誉教授から

沖縄の本土復帰記念日である 5月15日 を忘れぬように…
という意味をこめてくれた酵母の名前。

崎山酒造廠さんのサイト

前回の琉球大学の泡盛をテイスティングしたときにも感じましたが、黒麴菌と酵母は泡盛の味わいを決定づける重要なファクターですね。同じ酵母を使っても酒造所毎に個性的な泡盛が生まれるんでしょうけど。

黒糖酵母の時雨は既に飲みなれた泡盛の味わいのような安心感がありました。この安心感も大事ですが、泡盛初心者に間口を広げるなら新しい酵母の力を最大限に活かす必要があるんでしょうね。

泡盛に合わせたお料理

テイスティングしている泡盛に合わせてみたい料理をテーブル毎に選ぶのが、このテイスティング会のスタイルであり醍醐味です。テイスティングの最初はストレートですが、オンザロック、水割り、ソーダ割り、お湯割りなどテイスティングしながら選んだ料理に合わせて飲み方もいろいろ試しています。

僕達コアメンバーはほぼ全メニューを食べているので、今回、僕らのテーブルで選んだお料理は初参加の方に中心になって選んでもらいました。画像はオーダーした順に並べています。

山人参(秋田の山菜)とアボガドの天ぷらははじめていただきました。アボガドは醤油味だとマグロをイメージしますが、塩味のアボガドはお肉のようなニュアンスで美味しかったです。

恒例のはずの〆のそばは食べませんでした。その分、飲みに集中してしまい結果飲み過ぎました。反省。。

泡盛初心者の方もお気軽に

会場は江坂にある、ろくちょうさん

「本格焼酎と琉球泡盛のお店 ろくちょう」さんで開催するようになってからは泡盛ファンばかりではなく、泡盛を飲むのはほぼ初めてという方にもたくさん参加していただいています。このスタイルにしたことで泡盛初心者の方にも抵抗なく泡盛を楽しんでもらえているように思います。 

泡盛テイスティング会 vol.89

次回の開催日は調整中です。詳細が決まりましたらこの記事でお知らせいたします。