今回の改正では相続人同士の仲がよくない場合を想定して配偶者の住まいを守る仕組みもできました。
離婚、再婚が増えていることに伴い配偶者といっても相続人である子供と血縁関係のないケースが増えていることは想像できますよね。
もちろん血のつながりがあろうが、なかろうが仲がよい場合もあるでしょう。またその逆もしかり。
親に住所を知られたくない。
実の親と縁を切る方法はありませんか?
そんなご相談をうかがったことがあります。
両親の離婚で小さい頃からずっと離れて暮らしてきた。だから実の親かもしれないけど今の生活を壊したくない。
と相続放棄をされた方もいました。
だから血のつながりがすべてとは思いません。
そう思うと血のつながりがあろうがなかろうが高齢の配偶者の生活が保障されることにつながるこの改正はよいものだと感じています。
今回の相続法の改正で長期間結婚している夫婦間で居住用の不動産の贈与などされた場合に、配偶者が優遇されるよう見直されることになりました。
ざっくりと改正の背景と新制度の概要をご紹介します。
※わかりやすさを優先して、できるだけ専門用語を使わずに書いています。
改正の背景
現状では自宅を生前に配偶者に贈与したとしても、原則は遺産の先渡し(特別受益)があったと考えるので結果的に配偶者が受け取れる財産の総額は
贈与があろうがなかろうが変わりませんでした。
配偶者のことを想って贈与しているのにその意思が反映されないことが課題でした。
新制度の概要
新制度では自宅について遺産の先渡しを受けたものとして取り扱う必要がなくなります。
なんだか専門的でわかりにくいですよね。
↓こちらの事例を元に考えると
参考「長期間婚姻している夫婦間で行った居住用不動産の贈与等について」法務省のサイト
配偶者が最終的に受け取れるのは・・・
現行制度では5,000万円。
新制度では6,000万円と1,000万円多くなります。
新制度では遺産総額の計算をするときに生前に贈与を受けていた居住用不動産(1/2の持分)を加入しないからです
なお20年以上結婚しているご夫婦が対象になります。
【少しだけ専門的に】
亡くなった人から特定の相続人が生前贈与や遺贈を受けていた場合に、相続人間の公平を図るために具体的な相続分を修正するのが特別受益の考え方です。
ただし特別受益となるのは婚姻・養子縁組のため、生計の資本としての贈与のみが対象になります。
配偶者に自宅の持分を贈与したことは特別受益となり原則は遺産総額の計算に含める必要がありましたが、今回の改正でその必要がなくなったということです。
参考「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)」法務省のサイト
配偶者が優遇されるといっても、まずは贈与や遺贈してもらわないと優遇されないので日頃から大事にしておかないとという話しですよね(^^)
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