泡盛ブログ

泡盛のお湯割りってあり?

常夏のイメージがある沖縄。沖縄のお酒ゆえに泡盛のお湯割りというのはイメージしにくいかもしれませんが、全然そんなことはありません。寒い日には泡盛もやっぱりお湯割りが一番。お湯割りにすると、泡盛の魅力である甘く華やかな香りも一層引き立ちます。

普通のお湯割りが物足りなくなったら酒タンポで燗をつけてみたり(熱燗)、いか徳利を使ってみたり。

なにより身体の芯から温まるので冬はよく泡盛のお湯割りを楽しんでいます。泡盛は水割りに限らず、お湯割りにしても風味を損なわないのびのいいお酒なので、初心者の方はまずは飲みやすくしてチャレンジしてみてください。

寒い日は泡盛のお湯割りがおいしい

「豊年古酒(35度)」・渡久山酒造を1:1のぬるめのお湯割りで楽しんでいます。

泡盛豊年のお湯割り

古酒を水割りやお湯割りにするのはもったいないと思うかもしれませんが、10年未満の古酒ならあまり神経質にならずに自分が美味しく思える飲み方で飲むのがおすすめです。もちろん20年・30年古酒となればやはりストレートやロックで飲むのがベターだと思います。20年を超える古酒と出会える機会は多くありませんが、少なくとも僕はそうします。

寒いといってもさすがに沖縄じゃお湯割りは飲まないでしょ?と思うかもしれませんが、2017年の大寒波の時に沖縄に行ったときは一杯目から泡盛のお湯割りを飲みました。

大阪で着ていたコートは沖縄に着いたら持て余すだろうと予想していましたが、沖縄のあまりの寒さにコート手袋マフラーはしたまま、お店に入っても寒くてコートは脱げませんでした(笑)。沖縄のほとんどのお店に暖房設備がないのも理由です。

いか徳利で泡盛のお湯割りを味わう

お湯割りが恋しい季節なので今宵も泡盛をお湯割りでいただくとします。でもフツーのお湯割りじゃ味気ないので、ちょっとこちらに登場していただきましょう。

いか徳利と日本酒東光

いか徳利で泡盛のお湯割りとかいうと、いつもの悪ふざけか!!と思われそうですが(苦笑)、ふざけているわけではなく真面目にスコッチウイスキーの熟成にヒントを得た楽しみ方です。

スコッチの熟成には樽が使われますが、新しい樽では木香が付きすぎるためアメリカン・ホワイトオークでできたバーボン樽やスパニッシュ・オークで作られるシェリー樽が再利用されます。バーボン樽はバーボン・ウイスキーの熟成に使われた樽で、シェリー樽はシェリー酒の熟成に使われた樽のことです。

まっさらのいか徳利じゃイカの香りが付きすぎるおそれがあるので、事前に山形の銘酒、東光からの~出羽桜でたっぷり使い倒しておきました。

いか徳利と日本酒出羽桜

というわけで満を持していか徳利の登場です!これが意外や意外。いけるんです。言い訳がましくスコッチの熟成がどうとか書く必要もありませんでした。

泡盛のお湯割りをいか徳利と枡で楽しむ

大方の予想に反して美味しくなっちゃったのは

  • 出涸らしのいか徳利
  • ぬるめのお湯割り
  • フルーティで飲みやすいかりゆし

の組合せ故のなせる業かも。

でも、もしかすると美味しくいただけた最大のポイントはとってもいい香りのするこの枡だったりして。ま、泡盛の楽しみ方は無限大ですからね。

余談ですが・・・

「東光」・小嶋総本店は地元米沢の酒で祖父がいつも飲んでいたもの。正式には「精撰」といいますが、祖父は「二級」という言い方をして「これが一番美味い」と言ってたっけ。祖父はお酒が好きで夏は冷酒、冬は熱燗で呑んでいた姿が目に焼き付いています。

お酒が好き過ぎるあまり町内の集まりに出掛けた時には、隣の家の人に担がれて帰ってくるわ、寝ゲロをするわと、飲み過ぎるのはヤバいぞと身を持って教えてくれたような記憶がありますが、我が身を振り返ると自分は大丈夫!と自信を持って言えないところが、血は争えないなぁという感じ(苦笑)。

飲みすぎて担がれて返ってきた日の祖父の記憶がチラつくせいか?この酒に美味しいイメージがありませんでしたが、ようやく美味いなぁと素直に思えるようになりました。お盆に帰省した時にこの東光を見た父が「これが一番美味い」と言っていたので、自分もいつの日かそんな日が来るかもしれないなぁと思った夏の日でした。

お湯割りはありでも泡盛の熱燗はなし?

泡盛に限らず焼酎は一般的に燗をつけることはあまりやらないみたいですね。お湯割りにすれば燗酒の雰囲気を味わえるからでしょうか?ネットを見ていると燗をつけるのが面倒だからその簡略版としてお湯割りがあるということが書いてありました。

ただし、お湯割りはお酒に加水することになってその分アルコール度数が下るので、燗をつけると多少アルコールが飛んでしまうとしても厳密には燗をつけることとお湯割りにすることは違うという点が補足されていましたが、それは当然ですよね。

普段、僕が楽しんでいる泡盛のお湯割りはシンプルというかかなり雑な作り方です。

  • ①グラスの半分くらいまで泡盛を注ぐ
  • ②ぐらぐら沸いたお湯をひと呼吸分おいて冷ます
  • ③グラスを割らないように慎重にお湯を注ぐ

できたお湯割りの温度を計ってみたら54℃くらい。ちなみに常温で保管している泡盛の温度は18℃くらいでした。

菊水酒造株式会社のホームページによると、燗酒といっても温度によってかなり種類があるようです。 

  • 飛びきり燗 55℃
  • 熱燗 50℃
  • 上燗 45℃
  • ぬる燗 40℃
  • 人肌燗 35℃
  • 日向燗 30℃

この分類でいくと、いつも作っている泡盛のお湯割りは飛びきり燗の温度でした。道理で身体の芯から暖まるはずです。

泡盛を燗シテミル

泡盛に燗をつけて新しい雰囲気で泡盛を楽しむために酒タンポ(チロリ)と温度計を買いました。

業務用酒タンポ@遠藤商事
タニタの温度計

1:1の割合で前割りしておいた泡盛と水を酒タンポに入れてさっそく試してみます(泡盛の前割りも美味しいですよ!)。

二合の酒タンポなので下のラインが一合、その上のラインが二合だと思います。下のラインまで入れると大体160~170mlだったので実際には一合に少し足りないぐらいですね。

泡盛の前割りを作っておきます

酒タンポをぐらぐら煮立った鍋に投入。

鍋でお湯を沸かしておきます

後は狙った温度で鍋から取り出すだけ。簡単ですよね。

泡盛に燗をつけているところ

40度のぬる燗を狙ったのですが、あっさり超えてしまいました。取り出すタイミングはなかなか難しいですね。

日本酒の平均的なアルコール度数は15度くらいでしょうか?別に日本酒の燗酒に近づける必要はないんですけどアルコール度数30度の泡盛と水を1対1にすれば日本酒並みのアルコール度数15度の泡盛の燗酒の出来上がり。

泡盛の燗酒のできあがり
  • 口当たりは柔らかく甘い、そして後味は辛い

これが泡盛のぬる燗の感想でした。使う泡盛によって印象はだいぶ変わると思います。さてお湯割りじゃなくてわざわざ熱燗にする意味がある?と言われれば・・・ないです(笑)。

でもこれもいろんな飲み方で泡盛を楽しむため。泡盛を楽しむためなら多少の無駄もなんくるないさ~

春雨を日向燗で楽しむ

日向燗はぬるめの30度(温度)です。「春雨」・宮里酒造所がじわっと身体にしみ込んでいくように酔いがゆっくりまわり、少しずつ身体が温まってきます。耐熱ではない普通のグラスでも気兼ねなく楽しめるのはぬるめの日向燗ならではですね。

夕飯は里芋と手羽元の煮込みにアジの南蛮漬け。これでまた1週間頑張れます。

泡盛春雨の日向燗

泡盛のお湯割りでさえ少数派なのにまして泡盛に燗をつけるなんてという感じですが、新しい雰囲気で泡盛を楽しむことができるので泡盛の燗酒おすすめです。