ラボブログ

キャンプ用品は本当に防災グッズとして使えるのか?

能登半島地震で被害に遭われた方に対し心よりお見舞い申し上げます。食料や水の備蓄や避難場所や避難経路の確認など南海トラフ地震への備えをあらためて意識することを肝に銘じました。参考|住まいが被害を受けたとき 最初にすること

相方がキャンプ用品を買う時の免罪符に使っている魔法の言葉があります。

キャンプ用品は防災グッズになる。

自信満々で言われるとそんな気もするけど、本当にそうなのか?検証してみました。

そもそもキャンプ用品をどこで使う?

テントは避難所のどこに張ろうか?と、考え始めた途端。

テントやタープのようなザ・キャンプ用品は災害時に使えそうもないと思えてきました。できるだけリアリティを持って検証してみようと思います。

そもそも、災害時はどこで過ごすのか?から考えてみます。

  • ①自宅
  • ②避難所
  • ③公園や小学校のグラウンド

①自宅に被害がなければ、しばらくは自宅で過ごすのが現実的でしょうね。

うちのマンションはオール電化なので停電になってしまうと何もできなくなるので、キャンプ用品のポータブル電源が活躍してくれそうです。ガスや灯油のストックがあればガスコンロやストーブが使えます。

②避難所は、子供達が通う小学校だったと思います。

僕の中で避難所というと体育館で雑魚寝しているイメージです。あの体育館に私物を自由に持ち込めるとは思えませんが、スペースさえあればペグなしで張れるこのテントはプライバシー保護に良さそうです。

ペグ不要のDOD カンガルーテントM

最近の避難所はダンボールベッドなどで快適になっているみたいですが、可能なら使い慣れた寝袋と折り畳み式のマットを持ち込みたいです。

スノーピークのオフトンとサーマレストの折り畳み式マット

キャンプ用品って家でも快適なんだろうか?と試しに使ってみたら、軽いし暖かいし寝袋が想像以上に良くてかれこれ1ヶ月以上このスタイルで寝ています。

折り畳み式のマットも軽くて五十肩でも楽々😆。布団の上げ下ろしで苦労している人におすすめしたいです。

③公園や小学校のグラウンドに避難すれば、ペグが打てるので普段使っているテントやタープが使えそうです。

それなら持っているキャンプ用品はほぼ使えそうですが、映画「サバイバルファミリー」のような状況でもないと現実的じゃないですよね。あれは非日常過ぎる。

災害時に自宅で使えそうなキャンプ用品

②避難所は私物をあまり持ち込めないだろうし、③公園や小学校のグラウンドに避難するのもあまり現実的じゃないので、被災直後に①自宅で数日間過ごす場合を考えてみます。

我が家はオール電化なのでそもそもガスがありません。停電になったときに、ガス・電気の代わりになってくれるキャンプ用品はこの辺ですかね。

  • ガスコンロ
  • ランタン
  • ポータブル電源

ガスコンロ

うちはオール電化なので電気が止まるとお湯も沸かせません。

バーナーやガスコンロが活躍してくれそうです。アウトドア向きなのはシングルバーナーとOD缶ですが、家の中だしOD缶のストックは少なめなので、一般的なCB缶が使えるガスコンロが使えそうです。

OD缶(左)とCB缶(右)
CB缶が使えるガスコンロ(タフまる)

ガチキャンパーの相方はCB缶24本とかまとめ買いをするので、わざわざ災害用に保管しておかなくても問題なさそうです(苦笑)。

ランタン

慣れている家の中とはいえ暗いと転ぶかもしれないし、子供が怖がるとパニックになりそうなのでランタンはマストでしょう。

ガスや灯油のランタンも持っていますが、家の中で使うならLED一択じゃないでしょうか。

キャンプ用のランタン

最近のLEDランタンは充電式が多いので定期的にフル充電しておけば、いざというときにも使えそうです。このLEDランタン(ルーメナー)はUSBケーブルを使ってスマホの充電ができます。

ルーメナー1・ルーメナー2(LED)

ただし、充電式は長期戦には向かないので電池式のランタンも必須だと思います。充電式のLEDランタンのせいで出番を失ってしまった電池式のランタンは防災グッズとして活躍できるかもしれません。

電池式のLEDランタン

ポータブル電源

真夏・真冬は自宅でも冷暖房がないと相当過ごしにくいと思います。

エアコンは無理ですがポータブル電源があれば扇風機と電気毛布が使えます。

ポータブル電源で扇風機を使う
ポータブル電源で電気毛布を使う

キャンプで使う前に、ポータブル電源(パワーアーク2)で扇風機を何時間使えるのか?を自宅で試したことがあります。

無印良品の扇風機(45W・100V)をソフトの首振りで、バッテリーがなくなるまでつけていたら22時から翌日の16時位まで約18時間回ってました(消費電力23W)。

災害時には無用だと思いますが(苦笑)、友達が持ってきてくれたキリンのホームタップをポータブル電源で冷やすことができました。

ポータブル電源でキリンのホームタップを冷やす

ポータブル電源(パワーアーク2)はスマホの機種によっては本体の上に載せるだけでUSBケーブルなしで充電ができます。ライトとして使うこともできますが、重さがあるので手に持って移動しながら使うのは難しいです。

ポータブル電源の可能性に期待してしまいますが、充電がどのくらい持つのかがポイントになりそうです。災害時にキャンプ用品が活躍できるとしても生きるか死ぬかのギリギリの状態ではない避難生活を少しでも快適に過ごすためのアイテムという位置付けですね。

災害時はランタンもポータブル電源も複数あった方が安心だけど、普段のキャンプにそんなに数は要らないというのが検証して感じたことです(苦笑)。

キャンプ用品よりも食料と水

ここまで書いてきて、「災害が起きて2、3日の間、支援物資などが届くまで自宅で過ごす」ことが現実的だろうというところに落ち着きました。

そこで、電気・水道が止まったと想定します。ガスコンロ・ランタン・ポータブル電源は使えるとしても、なくてはならないのは家族4人分の食料と水。

食料と水は最低3日分

首相官邸のサイトでは、食料と水は最低3日分は備えておきましょうと書いてあります。

電気やガス、水道などのライフラインが止まった場合に備えて、普段から飲料水や保存の効く食料などを備蓄しておきましょう。
防災のために特別なものを用意するのではなく、できるだけ、普段の生活の中で利用されている食品等を備えるようにしましょう。

食料・飲料・生活必需品などの備蓄の例(人数分用意しましょう)

・飲料水 3日分(1人1日3リットルが目安)
・非常食 3日分の食料として、ご飯(アルファ米など)、ビスケット、板チョコ、乾パンなど
・トイレットペーパー、ティッシュペーパー・マッチ、ろうそく・カセットコンロ など

※ 大規模災害発生時には、「1週間分」の備蓄が望ましいとされています。
※ 飲料水とは別に、トイレを流したりするための生活用水も必要です。日頃から、水道水を入れたポリタンクを用意する、お風呂の水をいつも張っておく、などの備えをしておきましょう。

首相官邸公式ウェブサイト
  • 非常食は3日分×4人分
  • 飲料水は3日分×4人分で36リットル

この量を目安に我が家の防災グッズを確認してみます。

我が家の防災グッズ
  • アルファ米ごはん×12
  • 携帯おにぎり×12
  • マジックパスタ×6
  • カロリーメイトロングライフ×6
  • ビスコ×2
  • サクマドロップス×2
  • 長期保存水 500ml×24本

非常食選びは相方に任せていたのでじっくり見るのは今回がはじめて。

アルファ米ごはんシリーズは全種類揃えたんじゃないかと思うような充実ぶり。六甲山によく登っていた時期にアルファ米のごはんを食べたときは、美味しかったという印象はなかったけどすごく美味しそうに見えますね。

アルファ米ごはん

次回は好みの味を購入するために全部バラバラで買ったのかも?まだ試食していないので一度食べてみる必要がありますね。

マジックパスタという水でも作れるアルファ化加工のパスタも美味しそうです。携帯おにぎり1つで1食分になるのかはかなり微妙ですが、カロリーメイトやビスコもあるし非常時なのでなんとか家族4人の9食分になるかもしれません。

飲料水は長期保存水が500mlが24本で12リットルです。4人分で考えると1日しか持ちません。

山梨 長期保存水

ストックしている非常食を食べるにはこのくらいの水が要ります。

水(ml)水で作る
(分)
熱湯で作る
(分)
アルファ米ごはん1606015
携帯おにぎり676015
マジックパスタ150203

水だとアルファ米は食べれるまでに1時間かかるので、お湯で作るかどうかはガスのストックと相談ですね。

アルファ米は時間が掛かるので、水とガスのストック次第ではカップ麵もありな気がしてきました。

自宅で3日間過ごすなら、買い置きしている食料と水はもう少し家にあると思います。停電で食材が痛む前に冷蔵庫の中にあるものから食べていくとか器用なことができればベターですね。

非常食のほとんどと水3本は避難用のリュックに入れています。残りはこの頑丈収納ボックスに入れてウォークインクローゼットの中で保管しています。

頑丈収納ボックスに入れた防災グッズ

頑丈収納ボックスは本来、キャンプ用品なのかわかりませんが、我が家ではキャンプ用品として活躍していた時期があります。

車に積みっぱなしのキャンプ用品の収納兼ルーフボックスの中にキャンプ用品を載せる脚立として使っていました。

長期保存水のラベルで分散保管をすすめていたので、容器が潰れにくい頑丈収納ボックスで保管するのは理にかなっているみたいです。

震災時に容器が潰れて水が漏れてしまうことがあります。一度に大半が潰れてしまうことを防ぐため、保管場所を出来るだけ分散させるようにしてください。

山梨 長期保存水

もし断水前に汲むのが間に合えば、キャンプで使っているジャグとタライは手洗い用の水に使えそうです。

ジャグとタライ

家のトイレが使えるうちは出番がなさそうですが、もしものときには緊急戦隊トイレマンも使えそうです。

緊急戦隊トイレマン

詳しい内容は書きませんが、釣りで大惨事になるところをトイレマンに助けてもらったことがあります。まさに緊急戦隊というネーミングが絶妙でした(苦笑)。

防災だけじゃなくてアウトドアでも使えるので車に積んで置くのがおすすめです。

非常食はローリングを忘れずに

ストックしている非常食はコロナの特別定額給付金10万円で2020年にまとめて購入しました。非常食は賞味期限5年のものが多いのでまだ大丈夫と油断していたら、カロリーメイトロングライフは賞味期限3年だったみたいで切れていました。

今週の僕の朝食は賞味期限切れたてほやほやのカロリーメイトです(苦笑)。

賞味期限3年のカロリーメイトロングライフ

この感じだと買い直すのを忘れてしまって非常食も水も全部の賞味期限が切れてしまう可能性大です。まとめて買い替えるよりは試食を兼ねて毎年2割くらいずつ買い換える方が理想的ですね。

災害が起きて2、3日の間、支援物資などが届くまで自宅で過ごさないといけない状況をイメージしてキャンプ用品は防災グッズになるのか?を検証してみました。

  • テントやタープは映画「サバイバルファミリー」のような状況にならないと使えない
  • ガスコンロ・LEDランタン・ポータブル電源は災害時に活躍してくれるかもしれない
  • キャンプ用品もいいけど、とにかく水と食料

ということから、「キャンプ用品は防災グッズになる。」は詭弁だと結論づけてよろしいですよね(苦笑)。