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そもそも、かまくらとは
子供の頃、スキー場に行くとロッジの前に大きなかまくらが作られていることがあってソリ用の雪の坂のような雪国の遊びの1つだと思っていましたが、ウィキペディアを読むと遊びというよりも伝統行事の意味合いが強いようです。
かまくらとは、秋田県、新潟県など日本の降雪地域に伝わる小正月の伝統行事。雪で作った「家」(雪洞)の中に祭壇を設け、水神を祀る。
ウィキペディア
考えてみれば地元米沢には雪灯篭祭りという雪で灯篭を作る伝統行事(そのまんまです)がありまして、雪灯籠作りも遊びというより伝統行事のために雪灯篭を作るのが本来の目的なのでかまくらもそういうものなのでしょうね。参考|上杉雪灯篭まつりの公式サイト
かまくらの作り方
かまくらの作り方を簡単にまとめるとこの3つの工程です(自己流です)。
- ①雪を山のように積み上げる
- ②ひと晩寝かして固める
- ③入口を作って中の雪を書き出す
僕が目指しているのは見た目重視のなんちゃってなのでやりませんが、強度を高めるために②の前に水を掛けて凍らせる方法もあるみたいです。スキー場などにある本格的で巨大なかまくらは事故防止のために内部を補強しているのかもしれません。
理想を言えば大人が中で立てるくらいの高さに雪を積みあげたいところですが、そこまで高く積むのは実際にはかなり難しいです。四方を囲うように板を組んでそこに雪を入れて直方体を作ってから要らない部分をスコップで削ると高さのあるかまくらが作れそうですが、そこまで気合いが入ったものは我が家では誰も求めていません(苦笑)。
かまくら作りに挑戦
年末年始に山形に帰省したときは童心に帰って雪国名物のかまくら作りに挑戦しています。
かまくら作り1日目
畑に雪がかなり積もったのでかまくら作りの舞台は整いました。
実家の畑にかまくらとソリができる坂を作ります。大根を埋めている場所の上には作るなと父親に言われたので(笑)、そこを避けて頭の中で設計図を描いてみます。これでも前職は土木のエンジニアなので俄然やる気が出てきました。
雪は1m近く積もっているのでこの状態からかまくらを作るのは簡単だと思うかもしれませんが、直前に降った雪がパウダースノーなので踏むとズボっとぬかります。そしてブーツに雪が入ってきます。
そんなふわふわの雪を積んでもかまくらは作れないので、雪の山の強度を高めるために雪を盛っては上から踏みつけて、盛っては踏みつけてを繰り返します。パウダースノーが混ざっているので、もう少し水分を含んだ重い雪だとベストです。
ここまで雪を盛るのに父と妹を巻き込んで2時間掛かりました。そして子供が上に登っても崩れない位には固く締まりました。
ここで1日目の作業は終わりです。一晩寝かせてしっかりと固まるのを待ちます。かまくらを作るのは30年振りだし、雪かきだって久し振りなので筋肉痛になるのは必至です。
かまくら作り2日目
起きると少し雪が積もっていました。ひと晩寝かして(冷やして)雪がしっかり固まったようなので入り口から掘っていきます。
使うのは先が丸い形の鉄製のスコップです。鉄製のスコップは重いので雪かきをするには扱いにくいのですが、重いだけあって硬い雪でも楽に掘れます。
硬いのは雪の表面だけなのでかまくらの内部はザクザクと簡単に掘り進めることができました。雪を盛った時と比べたら掘るのは楽なもんです。
かまくらから掘った雪はママさんダンプに載せてかまくらの裏手に捨てに行きます。
捨てる(なげるとも言います)というのは山形の方言で、かまくらの裏手に運んで置いてくるというニュアンスです。運んだ雪を一箇所に積み上げてソリ用の坂を作りました。
子供達は真っ直ぐ滑れなくて何度もかまくらに激突していましたが、多少の衝撃にはびくともしない強度のかまくらが完成しました。サイズ・見た目ともに過去最高のかまくらです!
かまくら作品集
山形で暮らしていた18年間の正月のキーワードはお年玉、初詣、年賀状、冬休み、受験など結構いろいろありました。実家を出てからの約30年は正月はほぼ山形の実家で過ごしているので、普段見ることができない雪が正月のキーワードです。
小学生までは雪でおもいっきり遊んでましたが、スキーを除けば中高生以降は雪は邪魔者でしかなかったですね。雪でバスが遅れるので毎日遅刻ばっかりだったし、センター試験の日も大雪で遅刻するところでした。大人の冬の朝は家の前の雪かきから始まるし、車に積もった雪を降ろさないと出かけられないし、雪が多いことも地元を離れたかった理由の1つでした。
なのに、いい歳の大人になってから嬉々として雪で遊ぶ日がくるとはかなり不思議な感じです。子供が生まれてからは雪でかまくらを作って遊ぶのが正月の恒例行事になりました。
2023年の正月に作ったかまくらです。
雪が少ない年はミニサイズのかまくらしか作れません。しかも畑の上の雪をギリギリまで使っているので土混じりです。
雪が少なくて小さなかまくらも作れないときは雪だるまを作っています。
かまくらの遊び方
かまくらでデイキャンプしてみた
2022年の正月は雪の量と質が申し分なかったので、中で大人が立てる高さのかまくらを目指して気合いが入りました。くっつきやすい最高の雪質だったので過去最高に高さがあるかまくらを作ることができました。
完成したかまくらは、どことなく我が家のメインテント、クラシックジャック100に似ています。
かまくらの中は高さがあるので、かまくらでデイキャンプをすることを思いつきました。デイキャンプはまずは腹ごしらえから。お正月らしく餅とみかんとカップ麺?をいただきます。
腹ごしらえができたので雪だるまを作ったり、かまくらの裏に作った坂でソリを楽しんだ後は本気の雪合戦を暗くなるまで楽しみました。
このかまくらは完成まで4日掛かっています(12/30~1/2)。詳しい作り方をInstagramで紹介しています。
かまくらの中で寝れるのか?
雪中キャンプの写真を本気のキャンパーさんがインスタに投稿しているのを見ると、雪国育ちで雪の怖さを知っている身としては凍死しないかな?と怖くなります。雪中っていっても寝るのはテントの中だし、ガンガンにストーブを焚いているから寒くはないんでしょうけど。
怖いと思う反面、雪の上に張ったテントを雪中と言ってしまうのは雪国育ちからするとなんか違うよなぁとも思うんですよね。なんだか人工雪のスキー場みたいな感じって全然伝わってませんよね?苦笑
雪中といったら圧雪ブロックでつくるエスキモーの家、イグルーのイメージなんですよ(僕の勝手なイメージなのでスルーしてくださいね~)。もう少し身近なものだと雪国で作られる「かまくら」です。
仮に究極の雪中キャンプをかまくらの中で寝ることだと考えると、かまくらはフロアマットがないテントに近いと思います。正月1月1日の16時30分頃にかまくらの中の温度を計ってみると1℃でした。外の気温とほとんど変わらないので暖房はマストです。
かまくらに泊まるには寝袋とコットが要りますね。ストーブを使うなら換気用の窓がいるだろうし(入口がこれだけ開いてれば大丈夫か?)、熱でかまくらが崩れないように天井や壁に補強が必要かもしれませんね。ランタンを置く場所もかまくらの中に作らないとと、妄想が膨らみます。
ひと晩寝るだけならこの辺があればいけるかもしれませんね。
- 寝袋とコット
- PowerArQ2と電気毛布
でも実家に持ち帰っていません。だから寝れるはずはないんですけどとりあえずかまくらの中で横になってみました。
高さはともかく広さは十分にいけます。大人2人は寝れそうです。でもこのまま寝たら新年早々、残念なニュースをお知らせすることになりそうなので(笑)、今回は諦めます。
といっても、うちの両親が元気なうちは正月にかまくらに泊まるなんて言ったら・・・
気でも違ったか?と卒倒されそうなので実現できるとしたらだいぶ先になりそうです。いつか自分で作ったかまくらに泊まる日を夢見て、かまくら作りのスキルを上げようと思います。
ちなみに長野県の戸狩温泉にはかまくらに泊まれるかまくらホテルというのがあるみたいです(1日3組)。テントを張る必要もなければ、自分でかまくらを作る必要もない、雪中キャンプ界隈のグランピング的存在なのかもしれません。