ブログ

司法書士が畑違いの認定経営革新等支援機関を目指してみた。

認定経営革新等支援機関を目指した理由

経営の勉強がしたくなりました。

司法書士として独立して13年経ちました。これまでいろいろな勉強会に参加してきましたが経営について勉強したことがなかったことに気がつきました。

税理士さんと一緒に支援した事業再構築補助金や自ら活用した小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>を通して、補助金に頼らなくて済めばそれにこしたことはないけれど、活用することで事業が発展、持続可能なものになるなら積極的に活用するべきだと感じました。

それから泡盛ファン・泡盛マイスターとして、ここ10年位は好きな泡盛の応援をしてきました。コロナ禍で思うように動けなかった2年間で司法書士・行政書士の資格を活かす形で何かできないかと考えるようになりました。

この3つから辿り着いたことが認定経営革新等支援機関を目指すということでした。

司法書士が認定経営革新等支援機関になる方法

認定経営革新等支援機関制度が想定しているのは税理士・弁護士・公認会計士・中小企業診断士で、司法書士を認定することは想定されていません。

じゃあ諦めるしかないのかというと、僕のような本流ではない人でもなれるルートが用意されています。

それには、知識と経験を補うための研修と試験をパスしなければなりません。そもそも研修に参加するための条件もあるのですが、司法書士は参加資格がありました。

ただし、問題は研修がハードなこと。研修は19日間で自宅から通えないし、オンラインで参加もできません。しかも研修日はすべて平日なので仕事との調整はマストです。

幸いにも子供が小学生になって保育園の送迎がなくなったので、泊りで研修に参加することは相方からOKが出ました。

17日間の理論研修と試験

研修の申込みはメールのみで先着順でした。無事に定員に入ることができて、兵庫県神崎郡福崎町にある中小企業大学校 関西校で17日間の研修が始まりました。

7月の研修

4日間の研修のゴールは最終日にあるグループ演習の発表です。畑違いのところに来てしまったと嫌な汗をかいている暇はありません。

僕のような素人もいるかと思えば、中小企業診断士の方や既に認定支援機関の方もいるのでグループ演習は慣れている方がリードしてもらって必死についていけばなんとかなりそうという手応えを感じました。

8月の研修

今回の研修は講義が中心で演習は少な目でした。債務者区分や実態バランスなど、また新しい分野に突っ込んでいく感じはありましたが、講義の中で演習問題が沢山出てきたので、それを繰り返してやれば馴染んでいけるような感覚がありました。

9月の研修

今回の研修もメインはグループ演習。7月の研修ではわからなかったのですが、今回は完成を目指すグループ演習の中で、自分がいまどこを目指して、どの辺を学んでいるのか?がなんとなく理解しながら進めることができました。

10月の研修

4ヶ月目の研修は月から金の平日5日間です。今回だけですが仕事面では段取りが一番大変な回でした。研修でも使うのでノートパソコンを持ち込んでいるし、ネットも使えるのでなんとかなりました。昼休憩や研修後に登記申請やzoomで打合せもしながら乗り越えました。

最終日に試験

10月の研修の最終日の最後に試験があります。身体も頭も疲れている中での試験なので大変でした。最近ハマっている釣りのシーズンなので研修から帰ってきた翌日の朝から釣りに行こうかなとチラッと考えましたが流石にそれは無理でした。

2日間の実践研修と試験

事業計画書を作るのも3回目?4回目? 慣れてきたというにはまだ足りませんが、どう進めていけばいいのは感覚的にわかってきました。

理論研修は毎回最低4日間あったので、グループメンバーとの関係性や役割分担がスムーズになるまでの時間がありましたが、2日間の実践研修では事業計画書を作る時間もメンバーとの関係性を作る時間も足りなく感じました。

なぜかリーダーになった僕が時間配分やリーダーシップを上手くできれば良かったなぁと反省しています。ど素人が自省できるくらいに、研修の流れや意味が理解できるようになれたと思うことにします。

帰るまで待てない!

年が明けて1月上旬でした。テレワーク中の相方から書留が届いたと連絡がきました。来週位だろうと油断してたけど完全に試験の結果です。

帰るまで待てるはずもなく開けてもらうことにしましたが、一緒に司法書士試験の自己採点をしたときにお葬式のような空気になったことがフラッシュバックして異様にドキドキしました。合格してました!

ここまでくれば残るは登録申請のみ。調べると、ちょうど新規の受付期間中(2022年12月16日~2023年1月18日)でした。これ幸いとすぐに登録申請をしました。

登録完了と僕とリスケの因縁

2月24日に認定経営革新等支援機関(第78号)になることができました。

15年前の2月は司法書士に登録した年でした。平日は仕事を覚えるのに必死で土日は研修、寝る時間がなくてふらふらだったのが懐かしいです。で、15年後にまた新しいことに飛び込んでいるとは。何年経っても落ち着きませんね(苦笑)。

認定経営革新等支援機関は事業再構築などの補助金支援のイメージが強かったので、金融機関に対する経営改善計画の作成支援はあまり意識していなかったのですが、理論研修のグループ演習をしているときに僕自身もリスケ経験者だったことを思い出しました。

住宅ローンをリスケしてもらえたから仕事を辞めて司法書士試験に集中することができたので、あのときのリスケのおかげで今の自分があるといっても過言ではありません。

この制度を利用できなかったら終わりだという覚悟でかなり真剣に金融機関でお願いしたことを思い出しました。そう思うと、経営者自身が追い込まれて真剣に向き合わないとリスケをしてもらうのは難しいのかもしれませんね。

このことは認定経営革新等支援機関として活動していく上で肝に銘じておきます。