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エンディングノートは売れているのに、なぜ書かれないのか?を100回の出前講座で確かめてみます。

- 投稿日
- 2026年4月11日 21:00
- (2026年4月22日 23:10 更新)

目次
なぜ書かれないのか?を現場から探ってみよう
エンディングノートは、よく売れているようです。
書店に行けば、さまざまな種類のエンディングノートが並んでいますし、自治体や各種団体が作成して配布しているものも多数あります。
それだけ、多くの人が関心を持っているはずの、エンディングノートなのに、「実際に書いている」という話は、ほとんど聞きません。
エンディングノートは、なぜ書かれないのでしょうか?
- 「書いた方がいいとは思っているんだけどね」
- 「そのうち書こうと思っているんです」
そんな言葉を、これまで何度も耳にしてきました。
司法書士として成年後見や相続の手続きに関わる中で、「もし、もう少し早く話ができていたら…」と思う場面は少なくありません。
元気なときに、もしものときの希望(胃ろうについて、どこで暮らしたいか等)を伝えておくことが、家族の負担を軽くするということを成年後見人の経験から痛感しました。
私自身、怪我をきっかけにエンディングノートを書くことで、将来や家族のことを見つめ直した経験があります。また、はじめての教会での葬儀を不安なく執り行うことができたのは、義母のエンディングノートのおかげでした。
多くの人が必要だと感じているのに、ほとんどの人がエンディングノートを書いていない現状は、この表現が適切かどうかわかりませんが、あまりにももったいない。
それに、10年以上、エンディングノートをテーマとした勉強会や講座を続けている身としては、10年経ってもエンディングノートが有効に使われていない現実に無力感を感じます。
そこで、挑戦してみようと思いました。
エンディングノートが書けない理由を、アンケートではなく、出前講座をすることで、“現場の声”から探ってみます!
出前講座100回プロジェクト始めます!
エンディングノートに対するリアルな声を聞くために、エンディングノート勉強会の出前講座を100回やってみます!
人生100年時代ですから、まずは100回くらいやってみようと思います。
- エンディングノートは売れているのに、なぜ書かれないのか?
- 家族に面倒を掛けたくないと思っているのに、なぜ書いていないのか?
100回の出前講座は、エンディングノートの普及活動であると同時に、「なぜ書かれないのか」を探る、小さな社会実験でもあります。
ちなみに、この出前講座100回プロジェクトは、既に3件のご依頼をいただいています。ありがたいことに、実験はもう始まっています。
100回を終えた頃には、どんな景色が見えているでしょうか?
講座の様子や、現場で聞いたリアルな声は、この記事で少しずつ実況していこうと思います。
出前講座をする3つの理由
1.アンケートではなく、現場で生の声を聞きたい
エンディングノートを書いていない理由について調べようと思えば、アンケートを取るという方法もあります。
「書いたことがありますか?」、「なぜ書かないのですか?」と問えば、ある程度の答えは集まるでしょう。
ただし、終活やエンディングノートのようなテーマは、アンケートだけでは本当のところは見えてこないことが多いと感じています。
講座の場では、ふと、こんな言葉が出ることがあります。
- 「書いた方がいいとは思っているんですけどね・・・」
- 「うーん、きっかけがなくて・・・」
- 「家族に見られるのが、ちょっと恥ずかしいですね」
こうした言葉は、質問に対する“回答”というより、そのときの会話の中で自然に出てくる本音です。
また、直接お話を伺える方は、事務所に相談に来られる方なので、既に終活に関心を持っている方や手続きを必要をされている方がほとんどです。
しかし、本当に知りたいのは、そういった方だけではなく、まだエンディングノートに特別な関心を持っていない方の声です。
出前講座では、地域のコミュニティや介護や福祉の関係者の集まり、有志の勉強会など、さまざまな場に呼んでいただきます。
そこには、終活に興味があって参加したという方ばかりではなく、「知り合いに誘われてなんとなく来た」、「時間があったので試しに聞いてみようと思った」という方もおられます。
出前講座は、待っているだけでは出会えない声を聞くために、自ら出かけていく。“現場の声”を集める機会にしたいと思いました。
2.「書けない理由」だけでなく、「書きにくいポイント」まで探りたい
知りたいのは、「なぜエンディングノートを書かないのか」という理由だけではありません。
エンディングノート勉強会では、エンディングノートの説明をするだけでなく、実際にエンディングノートを書いてみるワークを行っています。
すると、
- このページで手が止まる
- この項目は書きにくい
- ここは意外とすぐ書ける
といったことが見えてきます。
つまり、現場ではエンディングノートを書かない「理由」だけでなく、実際に書いてみたときの“つまずきのポイント”が見えてきます。
エンディングノートが活用されない理由は、「意識の問題」だけではないのかもしれません。
もしかすると、質問の内容が難しいのかもしれない、書こうとしてもどう書くべきなのかを迷ってしまうのかもしれない。
あるいは、どこから書けばいいのか分からないのかもしれません。
エンディングノートを実際に書いてみる場があるからこそ、そうしたリアルな反応を見ることができます。
100回の出前講座を通して、エンディングノートを書こうとしたときの“つまずきのポイント”を観察したいと思っています。
3.予防法務の視点から、司法書士を身近に感じてもらう
司法書士や行政書士と聞くと、「手続きの専門家」、「何か問題が起きたときに相談する人」というイメージを持たれることが多いように感じます。
実際に、事務所に来られる方は、すでに何らかの問題や不安を抱えている場合がほとんどです。
しかし、本来、司法書士や行政書士の役割は、問題が起きてから解決するだけではありません。トラブルを未然に防ぐ「予防法務」という役割も担っています。
後見や相続の手続きに関わるたびに、「もう少し早く話せていたら、不安や負担を少なく手続きを進められたかもしれない」と感じることがあります。
だからこそ、問題が起きる前の段階で、気軽に話せるような接点を持つことが大切だと思っています。
エンディングノート勉強会では、難しい法律の話というよりも、日常の延長にある身近なテーマからお話ししています。
決して明るい話題とはいえませんが、顔を合わせて、前向きな気持ちで対峙する。アットホームな雰囲気の勉強会を意識していますので、開始したときは固い表情のみなさんが最後は穏やかで前向きな表情を見せてくださることが多いです。
出前講座で、そんな時間を重ねることで、「士業=堅い」というイメージを、少しずつ親しみやすいものに変えていけたらと思っています。
現場の声1~10回
第1回 2026年4月 NPO法人デフサポートおおさか様
特定非営利活動法人デフサポートおおさか様の手話講座でエンディングノート勉強会をさせていただきました。
講座で手話通訳をしてもらうというのは初めての経験なので、話すスピードや言い回しなど、これで良かったのかな?と思うところがありますが、あらためて意識する良い機会になりました。
また、「エンディングノート」、「終活」など、新しい言葉や複数の意味がある言葉は、はじめに統一の手話を決めておくということもなるほどと思いました。
字幕機能(夜はですね。また違う顔を持ってまして。・・・の表示)を使うのも初めてで、まだまだ知らないことが多いなぁと。

長男にアンケートを読んでもらって、中二にも意味がわかるようにアンケートを一新して準備していましたが、より幅広く誰にとってもわかりやすい、エンディングノート勉強会を考える良い機会になりました。
そうそう、引っ越しで疎遠になってしまった友人が、偶然にも手話講座の生徒さんで10数年ぶりに再会できたことも、記憶に残る勉強会になりました(びっくりでした!)。
今回の勉強会は、「エンディングノートはなぜ書かれないのか?」を100回の出前講座から探ろうというコンセントで、今月からスタートした出前講座の第1回目です。稲葉ご夫妻には、ファーストペンギンになっていただき本当に感謝しています。ありがとうございました。
講座に参加された方の受講後のアンケートを一部ご紹介します。
・身辺整理やエンディングノートは必要と思っていましたが、「いつかいつか」と先延ばしになっています。すぐに取り掛かりたいと思いました。
・講師の体験を含めて色々具体的な話が聞けて大変為になり有意義な時間でした。
・昨年、救急車で病院へ搬送された時に連絡を家族に取ってもらったのですが、意識がなかったりしたときはどうなっただろうと思ったりしたこともあり、誰かに伝えられるようにしておくことが大切かも?と思いました。今日の講座でより強く思うようになりました。
講座に参加された方からのご感想
第2回 2026年4月 民生委員会様
「エンディングノートはなぜ書かれないのか?」を100回のエンディングノート勉強会から探ろうというコンセントで、今月からスタートした出前講座プロジェクト。第2回は民生委員の方にお話しをさせていただきました。

持ち時間は30分。ぎゅっと圧縮バージョンでお話ししたので、駆け足になってしまった自覚はありましたが、このような感想をいただきました。
突然亡くなるという事を考えたこともないので、家族で話してみたいと思った。エンディングノートを見たらその人の事が詳しくわかるというのが後で振り返るきっかけになると思う。
講座に参加された方からのご感想
アンケートの今日の講座にタイトルをつけるなら?という質問には、「自分を知ってもらうためのきっかけの記録」というタイトルを付けてもらいました。
単なる手続きの準備だけではない、想いを残す・思い出してもらうきっかけにするという、自分なりのエンディングノートの使い方を見つけてもらえたようで、嬉しくなりました。
また、講座の内容を見直すきっかけになるご感想もいただいたので、出前講座をブラッシュアップしていこうと思います!
開催の機会を与えてくださった関係者のみなさんに感謝いたします。ありがとうございました。
第3回 2026年5月 株式会社〇様
ご相談・お問合せ

司法書士・行政書士 伊藤 薫

