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芸能人は相続争いも桁違い

週刊ダイヤモンドのもめる相続という特集にあった「芸能人相続事件簿」で、一般家庭では想像できないような桁違いの芸能人の相続争いを垣間見ることができました。

漫画家の江川 達也氏のケース

漫画家の江川 達也氏のインタビューは壮絶すぎて何回も読んでしまいました。インタビューでは江川氏が兄との13年におよぶ相続トラブルを告白しています。

仕事柄、依頼者の言い分を100%信じて行動することは避けるべきという頭があるので、相手方というかお兄さん側の言い分を知らずして書かれていることがすべて真実であると鵜呑みにしてはいけないとは思いますが、仮にこのインタビューに書かれていることが全て事実だとすれば、壮絶すぎます。

財産があるからこその揉めっぷりというのか、実の兄から「カネをよこさないなら殺す」と脅されるなど身の危険を感じるような脅迫を受けていたようで、家族内の相続トラブルの域を超えてしまっている気がします。お父さんの遺産をめぐる相続トラブルということですが、お父さんの生前に江川氏が兄から理由もなく数十億円に上る請求を受けていたとか、相続とは直接関係のない、まさに争う家族の争族なのかもしれません。

争族の原因は相続人だけではなく、相続人の配偶者やその親族までも含んだ問題になってしまうことだと江口氏は言っています。とても説得力がありますが、財産が多すぎることはトラブルに拍車をかけるのは間違いないと感じました。

女優の萬田 久子氏のケース

遺言の存在が相続の明暗を分けたという見出しで、江川さんが兄と壮絶な争族になった一方で、女優の萬田 久子氏のケースは遺言があった可能性が高く、争族を回避することが出来たようだと紹介されていました。

萬田さんの内縁の夫の100億円以上ともいわれる遺産の行方は?という内容なのですが、相続人は子供だけでいたってシンプルな話かと思えば、子供達5人の関係がやや複雑、いや相当複雑なわけです。

これが気になる内容だったので僕なりの見解を整理してみます。5人の子供のうち2人が非嫡出子で法定相続分は次の通り。文章では分かりにくいので図にしてみました。

萬田久子さんの内縁の夫の相続人

遺産の一部である時価1億円以上といわれる目黒の土地が既に相続による所有権移転登記がされていて、しかも相続人が取得した持分が法定相続分とは異なるようです。子供達が遺産分割協議をまとめたという可能性は低いだろうことから、比較的早い段階で相続登記が済んだ理由としては、遺言があった可能性が高いと記事はまとめています。

確かにすんなり話し合いがまとまるような遺産額でも人間関係でもないように思えるのでおそらく遺言があったと思います。

とはいえ、すぐに売却するにしても不動産をその5人で共有するのはどうなんでしょう?5人が売却手続きに関与しなければいけないのは、なにかと面倒の元。というか遺産が100億円以上もあるなら、共有などと面倒なことをせずにそれぞれに別々なものをあげる遺言を作る方がベターだと思うのですが。

1億円の土地といっても遺産総額の100分の1ですからね。仮に遺言がなくて遺産分割協議をしたとしても1つの不動産を5人で共有するような結果になるとは到底考えられないわけで、どうも腑に落ちない話なのでした。

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司法書士・行政書士 伊藤 薫

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