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“秘密”にしたいのは何故ですか?

あるセミナーで、「秘密証書遺言というのは、どんなものなんですか?」というご質問をいただきました。

「秘密証書遺言というのは、自筆証書遺言と公正証書遺言の中間的なもので・・・遺言を作った事実はきちんと残しておきたいけれど、遺言の内容自体は秘密にしておきたい時に作るものです」と、お答えしたところ・・・

「そうなんですね」と言っていただいたものの、いまひとつ腑に落ちていないご様子。その場はそれで終わったのですが、僕も不完全燃焼な感じが否めなかったので、この機会に整理してみようと思った次第。

自筆証書遺言との違いは、秘密証書遺言は自書しなくても、他人に書いてもらってもプリントしたものでも良いという点。

また、証人の立会いの元、公証役場で作成するのは公正証書遺言と同じですが、公証役場に残るのは遺言を作成したという事実のみで、遺言の内容までは記録保管されません。それゆえに、遺言を紛失してしまう可能性もあるので、亡くなった後でその遺言の内容が確実に実現されるのかどうかは不安が残ります。

秘密証書遺言は、公証人は遺言の存在のみを確認するだけで遺言の内容そのものを確認しないため、自分ひとりで作った遺言がはたして法律的に有効なものなのか?亡くなるまでわかりません。

そもそも「秘密」という点に着目するなら、自筆証書遺言であれば自分ひとりで誰にも知られずに作れるわけで、秘密にしたいという部分だけで考えれば自筆証書遺言に軍配が上ります。

ちなみに、どのぐらい秘密証書遺言が利用されているのかというと・・・年間100件前後だそう。利用されるのは非常にレアなケースだろうと推測できますが、僕も回答しながら、こんな時にというイメージが湧かなかったので、もやもやが残ってしまったというわけです。

もし、こんな事情があるから秘密証書遺言を作りたい、こんな理由で作成しましたという方がいらっしゃいましたら、後学のためにお話を聞かせていただければ幸いです。

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司法書士・行政書士 伊藤 薫

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