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相続が自分事になってますか?

相続税の改正(基礎控除の縮小)から1年が過ぎましたが、巷では相続“税”対策の話題にはことかかないですね。新聞、雑誌にドラマまで、よく目にするのは生命保険の非課税枠の活用、賃貸マンションの建築・・・、さらには養子縁組まで。

養子縁組というのは、相続税の基礎控除には3,000万円の定額分と相続人あたり600万円という控除枠があるので、養子縁組をして相続人の数を増やすことで基礎控除額を増やして相続税を減額する対策のことです。

孫を養子にされているのは見かけますが、ある記事では長男の妻を養子にする節税対策が紹介されていました。

節税という点にフォーカスすれば有力な対策かもしれませんが、僕は税務の専門家ではないので、どうしてもメリットよりもリスクの方が気になってしまいます。

養子縁組は単に節税だけにとどまらない怖さがあるのが難しいところです。孫はともかく、長男の妻というのは被相続人からすれば血縁上は他人ですよね。

何を言いたいのかというと、長男夫婦の仲が良いということが前提になるとは思いますが、悪くなったらどうするんでしょうか?

相続人間で遺産分割の話し合いをしているのか、離婚の財産分与の話しをしているのか分からなくなりそうですよね。

「そうなったら離縁すればいいんじゃないの?」
「そんな先のことまで考えていたら相続税対策なんてできないよ!」

こういった反論が出そうですね。

同居して尽くしてくれたお嫁さんにも財産をあげたいから養子縁組をする、こういう思いが先にあって、養子縁組した結果が節税にもなるというのが理想じゃないでしょうか。

これまでは相続って自分事じゃなくて、どこか他人事な方が多かったんじゃないかなと感じます。だから突然直面すると慌ててしまう。相続税がこれほど話題になるのは相続税の改正で、自分事になり始めた方が多いからかもしれません。

でも相続税がかかると全ての財産が取られてしまうような誤解をされて、心配そうに合同相談会に相談に来られる方がおられます。税理士さんの説明で相続税の計算方法を理解されることで誤解が解消され安心して帰られるのですが、メディアが相続対策、相続対策って不安を煽るのはどうかなと思ってしまいます。

必要以上に相続、相続と言い過ぎるのも良くないですねと、自戒を込めて書いておきます。

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司法書士・行政書士 伊藤 薫

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