エンディングノートの活用法 ③超活用編|生き方を変える

エンディングノート超活用法

エンディングノートの一般的な使い方を十分理解していただいたところで、「超活用編」と題してエンディングノートのさらなる可能性をご紹介します。

エンディングノートを書いて、もしものときをありありとイメージすると、ふと気がつく。

もしものときは明日かもしれない。

突然、もしものときに直面したとしても後悔ないように毎日を過ごすことができていますか?

僕はできていません。これはかなり難しいと思います。

でも意識はしています。

エンディングノートを書くことをきっかけに、普段は考えないもしものときに思いを馳せたなら、「もしもに備える」で終わってしまうのはもったいないと感じたことが、超活用編をまとめる出発点でした。

もしもに備えるのその先、明日もしものときが来ても後悔ないように生きる。ここを目指して生き方を変える、これが超活用編です。

目次【本記事の内容】

超活用編で目指すゴール

生き方が変わるような目標を立てる

生き方を変えるには、生き方が変わるような目標や優先順位を持っておく必要があります。

おのずと生き方が変わるような目標や優先順位は、おそらく普段の生活の延長線上にはないでしょう。普段の少し先にあるならとっくに変わっているはずだからです。本気で変えたかったら現状から大きく踏み出すようなものじゃないと変わらないと思いませんか?

目標を立てるなら一緒に期限を決めるのが良いと言われますが、人生の期限は決められないし、わかりません。そこで、こんな目標を考えてみませんか?

もし、これが叶うなら死んでもいいと思えるような目標

これは直球すぎる表現かもしれないので、この人生でこれだけはやり遂げたいと思えることを見つけよう!というのはどうでしょう?

人生のビジョンと言ってもよさそうですが、エンディングノートがきっかけなので「自分らしいエンディング」や「人生のゴール」というネーミングがしっくりくるかもしれません。

また目標ではなく優先順位で定義すると、後悔なく生きるための指針や軸となる人生の優先順位を決めようってことになります。ここを明確にしてそこに向かって毎日を過ごすことができれば後悔少なく過ごすことができそうだと思いませんか?

「生き方を変える」は主観でいい

「生き方を変える」というのは、やっぱりちょっと大げさだと感じるかもしれません。

僕は40歳になるまで自分からキャンプに行きたいなんて思ったことはありませんでしたが、人生の優先順位を決めたことがきっかけで今では80回以上、家族でキャンプに行くようになりました。

これを単にキャンプが趣味になっただけと片付けることもできると思いますし、生き方を変えたことによる変化と捉えることもできると思います。他人が決めることじゃないので自分の価値観(主観)で判断すればいいことです。生き方が変わったと僕が思えればそういうことなんです。そもそも世間一般の価値観ではなく、自分の価値観で物事を見れるようになることが生き方が変わった証だと思います。

また、一般的にエンディングノートは家族のために書いておいた方が良さそうだからというモチベーションで取り組むことが多いと思います。超活用編で目指すのはそこから一歩進んだ状態です。

  • わくわくする
  • 今すぐ書きたい
  • 書いていて楽しい etc

こういった前向きな気持ちでエンディングノートを書きたくなる、これが超活用編の理想です。

超活用編の3つのステップ

超活用編はこの3つのステップの順番で進めていきます。

  • ステップ1|死ぬときに後悔することを掘り起こす
  • ステップ2|人生の優先順位(目標)を決める
  • ステップ3|優先順位に従って行動する

超活用編は「40代を後悔しないためにやっておくべきこと 日経BPムック」に掲載された「エンディングノート式目標設定の技術」を加筆修正しています。

司法書士の伊藤薫さんは、人生の目標・計画作りに「エンディングノート」を活用することを提案している。

エンディングノート式目標設定の技術
エンディングノート式目標設定の技術

ステップ1|死ぬときに後悔することを掘り起こす

漠然とした後悔しかわかなかった入棺体験

誘ってもらったセミナーで予想もしていなかった入棺体験をすることになりました。今回は幸運にも体験でしたが、これがいつ現実になるのかはまったくわかりません。棺桶の蓋を閉められたときに心の底からこう思いました。

  • 体験で本当に良かった
  • いま死ぬのは確実に後悔する
ちょっと待ったー@入棺体験

後悔するって焦りましたが、〇〇をしたかったなぁ・〇〇もまだやっていないという、あれもこれもしたかったという後悔しそうなことは漠然としていました。

ちっとも具体的じゃない

後悔しそうなこと、死ぬまでにやりたいことが明確じゃないということは、10年先・20年先・30年先、もしものときはずっと先だとしてもそのときになったら絶対に後悔するだろうということを思い知らされました。

後悔するのはやらなかったこと。

「死ぬときに後悔すること25」によると、ほとんどの人が亡くなるときに後悔するようです。そして、後悔することで多いのは圧倒的にやらなかった方の後悔です。

谷ばっかりの人生でも最期に敗者復活があるらしい。

後悔のないように生きたい。よく聞くし、僕もそうありたいと思いますが、そもそも死ぬときはどんなことを後悔するんでしょうか?そんな疑問に答えてくれるのは、約千人の最期を見届けてきた医師が書かれたこちらの本が参考になります。

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後悔しそうなことを全部書き出してみよう

当たり前かもしれませんが、後悔ないように生きるには後悔しそうなことを普段から明確にしておく必要があります。死ぬまでにやっておきたいこと、何ができないままだと後悔しそうなのか?気になっていることを全部具体的に書きだしてみましょう。

ステップ2|人生の優先順位を決める

捨てる勇気を持って手放そう

死ぬまでにやりたいことは書き出すといっぱい出てくると思います。たぶんきりがないでしょう。あれもこれもとやりたいことが多いと、できないことが増えるのでおそらく後悔が増えることにつながるでしょう。

使わない物をメルカリで手放すように、やりたいことの中でも優先順位が低いことは手放してしまった方が良さそうです。でもこの手放すことが難しいわけです。

誰しも経験があると思いますが、一度身についた生活スタイル・考え方はそう簡単にはかえられません。僕はやらないといけないと思っていたことが出来ていなくて、それがストレスになっていました。

なんとなくではなく客観的・具体的に把握しようと思い、普段やっていること、やらないといけない(と思い込んでいる)ことをリストにして、毎日チェックしてみました。

すると、あれもこれも全然できていない(苦笑)。それを冷静になって見てみると、できていないことはそもそも優先順位が高くないことなんですよね。そこで、まったくできていないことは思い切ってやめることにしました。すると生活は自然とシンプルになっていきました。

過去からヒントを掘り起こせ!

手放すもの・手放さないものの仕分けをするときに、優先順位や判断基準がないと迷ってしまって決められません。僕は棺桶の中で焦ったのと同じタイミングで、これまでの人生を2つの視点からじっくりと振り返る機会がありました。

  • ①冷静に客観的に振り返る
  • ②徹底的に主観で振り返る

①はエンディングノートがきっかけで昔のアルバムを見ながら両親から僕が生まれたばかりの頃の話を聞くことができました。そのときにまったく知らなかった事実を知って思い出を正しく認識することができました。

②はセミナー作りの講座に参加したことで「人生曲線」というものに出会います。何度も人生曲線を描いている中で人生の優先順位を決めるためのヒントを見つけることができました。

過去から掘り起こしたヒント|本当はおばちゃん子じゃなかった。

両親からはじめて聞いた僕の子供の頃の話をきっかけに両親に抱いていたわだかまりがすっきりしました。過去のできごとを正確に認識できたことは後悔少なく生きるための優先順位を決める上で大きな転機になりました。大げさに聞こえるかもしれませんが、僕の中では生き方を変える大きなヒントが見つかりました。

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過去から掘り起こしたヒント|あの1年は無駄じゃなかった。

住宅ローンを抱えていたのに会社を辞めて司法書士試験に挑戦しました。不合格だった年は30代の大事な時間を無駄にしてしまったと悔やみましたが、常識的な価値観を取っ払って徹底的に主観で考えてみたら不合格という事実は何も変わらないのに、まったく違って見えるように変わりました。

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過去には後悔なく生きるためのヒントが詰まっていました。まがりなりにも人生の優先順位を決めることができたのは、時間をかけて真剣に過去の出来事を掘り起こした結果です。

【人生の優先順位】
①家族との時間を大切にする
②わくわくできる挑戦をする

①は子供の頃の寂しかった気持ちが少なからず影響しているのは間違いありません。

ヒントは衝撃体験にあり

さらっと振り返ってもヒントは見つかりません。かといって闇雲に時間を掛ければいいかというとそんなことはありません。過去のどんなできごとを深掘りするのがいいでしょう?

  • 成功体験
  • 充実していたとき

この2つを再現できる要素が見つかれば、そのまま後悔少なく過ごすことができそうです。

一方で失敗や壁にぶち当たっていたときのようなマイナスの衝撃体験は、経験上後悔少なく生きるためのヒントが詰まっているので深掘りする価値があります。

  • 失敗体験
  • 壁にぶち当たっていたとき

視点を変えることである出来事がまったく違ったものに見えるかもしれません。

  • 一番時間を使って取り組んだこと
  • 一番お金を使ったこと etc

また時間やお金を使って人生を捧げていたようなことを深掘りされることをおすすめします。

過去にヒントなんてないから後悔しないためにやりたいことを見つけようという考えも理解できますが、全く新しいことに目を向けてもよくわからないと思います。仮に見つかってそれを達成できてもやっぱり違ったとなるのが落ちかもしれません。だって経験したことがないものは、いわゆる自分探しと同じです。

ステップ3|優先順位に従って行動する

後悔を減らすには行動力が必要

やらないと後悔することがわかっているのに一歩も前に進めなかったら確実に後悔します。やりたいことは明確なのに、少しもできていないとしたら行動量が足りていないのかもしれません。

普段からフットワークを軽く、行動できるようにしておくことが大切です。また大きな目標なら細分化して小さく刻みながら目指せるような工夫が必要です。

もちろん行動したところで思い通りにいかないことがあることもよくわかっています。よく動く人の方が思い通りにいかない経験が多いのかもしれません。

世間一般に重視されているのは結果でしょう。結果が全てという世界もあるのは間違いありません。でも自分の人生を後悔なく生きることを前提に考えると結果が全てではないですよね。もしそうなら勝ち続けることができる人以外は後悔ばかりの人生になってしまいます。

思い通りにならないことがあっても優先順位が高いものに時間とお金と気持ちを使って過ごすことができたら後悔は少ないだろうと想像できます。

タイムキーパーから学んだ後悔のない残り時間の使い方

本番の10分間の使い方だけでなく、最後の最後まで時間をどう使って準備をしてきたのかがコンテストの結果を左右することは想像に難くありません。平等に与えられた10分間をどう使うのかさえ難しいのに残り時間の見当もつかない人生の時間の使い方について考えたことはありますか?

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優先順位に従って行動する

家族よりも仕事、飲みに行くのも仕事、自営になってからは特に安定した経営・仕事を目指して、いわゆる常識的な価値観で物事を判断して生きてきました。

自分の半生を振り返って、後悔少なく生きるために優先したいと思ったのはこの2つでした。優先したいものは常に変化していくものだと思うので暫定的ではありますが、現在はこれです。

  • ①家族と過ごす時間を作ること
  • ②わくわくできる挑戦をすること

週末バンライフという生き方

家族と過ごす時間というのは次男を保育園に送っていくことだったり、長男の自転車の練習に付き合ったり、週末に家族でキャンプに出掛けたりといったごくごくありふれた日常です。子供達と密に一緒に過ごせるのは、ふたりが小学生までだろうと思うのであくまでも現在の優先順位です。

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ワクワクできる挑戦というのは漠然としていてイメージしにくいかもしれませんが、泡盛マイスター(泡盛版ソムリエ)として泡盛を盛り上げる活動をすることが今は中心になっています。

ど素人の泡盛好きが1万時間以上やり続けたら面白いことが起きた。

大阪から泡盛を盛り上げたい!誰に頼まれたわけじゃないのに司法書士の僕が泡盛関連の活動を喜々としてやっているのは僕がわくわくできるからです。10年前はカネなし・コネなし・泡盛好きの友達さえも皆無でしたが、泡盛にハマって1万時間以上やり続けたら想像もしていなかった面白いことが起きました。

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1万時間も使ってこんなものか?という感想もあるでしょう(苦笑)。でもできる限り、理想と現実のギャップを埋めようとしている手応えはあります。ときにそのギャップが大きくなるのもまた人生だと思います。

「もし明日死んでも後悔しないか?」と問われると後悔しないとは言えません。言えませんが後悔が少ないように最適化できつつあるので、以前に比べたら後悔は少ないだろうと思っています。

究極はもしものときも変わらないこと

もし残された人生が半年だとわかったら、その半年でどうしてもやりたいことに普段の生活でどのくらい時間やお金、気持ちを使えているでしょうか?

世間一般に余命宣告を受けたときにやりたいと言われていることってありますよね。どれもドラマなどで目にしたことがありませんか?

  • 家族とゆっくり過ごしたい
  • 海外で暮らしたい
  • 〇〇さんにもう一度会いたい
  • 全財産を使って贅沢の限りを尽くしたい etc

こういうときに思い浮かぶのは普段はできないこと、非日常のことが多いのかな?と思います。これが僕はどうもしっくりきませんでした。死に直面したときにどうしてもやりたいことがあるなら、余命を宣告されるまで先延ばしにしておくことにもの凄く違和感を感じました。

それに、余命がわかる最期ばかりじゃないし普段から意識しておかないで急に慌てるようじゃ絶対に無理だと思います。

後悔少なく生きるためにはやりたいことは非日常にあるのではなく、日常や日常の少し先にあるように変えていく努力や行動をしないと絶対に叶わないと思いました。

だから、超活用編の3つのステップを経て見つかった優先順位や目標、成し遂げたいことは普段の生活や日常の少し先にあるべきです。ぴったりじゃなくても普段から意識してそこにほんの少しでもかすらせていくような毎日を過ごすことがベストだと思います。

残り時間が半年になっても特に焦らず普段と変わらない生活をすることができるのが、【究極の後悔の少ない生き方】だろうと僕は思っています。あれもやりたい・これもやりたいと渇望するような毎日を過ごしているかもしれませんが、そう思うと普段から思考と行動はできるだけシンプルにしておく方が良さそうです。

極論は普段から納得感をもって毎日を過ごすことが後悔が少ない生き方だろうと思います。

エンディングノートの使い方は自由です。

後悔の少ない人生を過ごすためにエンディングノートを活用してみませんか?

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