エンディングノートの書き方のポイント|簡単には書けないのが介護の希望

エンディングノートの書き方のポイント

私、相続専門司法書士の伊藤 薫が実際にコクヨのエンディングノートを書いたレポートです。

友人・知人編を書いた後は医療・介護編。

今回は介護についてです。さあ行ってみましょう!

もしも介護が必要になったときの希望を書いておきます。

  • 介護を誰にお願いしたいか?
  • どこで過ごしたいのか?
  • それは自宅なのか、病院や施設なのか?

単なる希望とはいえ「自宅で家族にお願いしたい」というのは、家族にかかる負担を考えると気軽には書けないですね。

希望が押し付けにならないように

特別養護老人ホーム、老人保健施設、軽費老人ホーム・・・、介護施設は名前を聞いただけではどこが違うのか分かりにくいですね。

要介護度に応じて入所できるところがあれば、要介護度に関係なく入所できるところも。

それから、介護保険の適用があるところ、ないところもあって様々。

介護施設以外には有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅もあるので、高齢になった時、介護が必要になった時、いろいろあってどこで生活したいか自分の希望を決めることさえも難しい問題かもしれませんね。

エンディングノートの中には、介護を受けたい場所として、具体的に施設・病院の名前まで書いておくことができるものもあります。また、具体的にこの施設でというところまでは書かないまでも希望する施設の種類までは書いておくことができるものもあります。

単に「施設で」「病院で」という希望以上により具体的な希望を書いておくには、ある程度の予備知識がないと適切に選択することはできないかもしれません。

以前、特別養護老人ホームの入居待ちが増えているという記事を書いたことがありましたが、特別養護老人ホームに入れる条件は、2015年の4月から「要介護度1以上」から「要介護度3以上」に変更されています。

法改正まで予測して選ぶなんてことは到底不可能です。

ということは、具体的な施設名や施設の種類を安易に書いてしまうと、希望を叶えてあげることができなかったと家族が悔やむことがあるかもしれません。具体的に希望を書くなら入所するのにかかる費用を調べておく、さらにはその費用を備えておくことも必要になりますよね。

介護に必要な費用をどう捻出するのかを書いておく欄がありました。この中から当然のように「特に用意していない」にチェックしました。

あくまでも希望を書いておくノートとはいえ、我ながら将来必要になるお金について真剣に考えようと思いました(汗)

  • 預金から
  • 保険で
  • 特に用意していない

もしもの時に自分の希望が家族への押し付けにならないように、気をつけたいものですね。

成年後見人について

「自分で財産の管理ができなくなった時に 管理をお願いしたい人」について書いておく欄もあります。

ようするに認知症などで判断能力が低下したときは、誰に成年後見人をお願いしたいかということですね。

現在のような本格的な高齢社会では、同じ世代(旦那さんや奥さん、兄弟姉妹など)に成年後見人をお願いすることは、ほとんど現実的ではないと思います。

かといって子供世代はどうかといえば、仕事で忙しくて成年後見人としての仕事にまでなかなか手が回らないというのが現実ではないでしょうか。

僕は家族の負担を考えると、たとえ費用がかかるとしても成年後見人は家族以外の第三者(もちろん信頼できる方に)にお願いしたいと思います。

管理をお願いしたい人についても希望を書いておけばいいわけですが、法定後見の場合は家庭裁判所が成年後見人を選任するため、必ずしも希望どおりになるわけではありません。

ちなみに第三者というのは、司法書士や弁護士、行政書士といった士業が成年後見人の担い手として存在しています。

例えば、公益社団法人成年後見センター・リーガルサポートという成年後見制度の普及と成年後見人の育成・普及のために設立された司法書士の組織があって、約8,400名(2018年12月)が会員になっています。

僕もリーガル・サポートの会員です。研修や会議などで他の会員の方の成年後見業務に取り組む姿勢を垣間見ることがあります。

たとえ報酬が見込めないケースや対応がかなり難しいケースであったとしても成年後見人の業務に真摯に取り組まれている方がとても多いことに毎回驚かされます。 できればそんな人に成年後見人になってもらえたら安心だし、家族も喜んでくれるような気がします。  

法定後見と任意後見の違い

「財産の管理をお願いしたい人について」という欄もあります。

あれ!?同じような欄がありましたね。それには自分で財産の管理ができないときにという条件がついていました。

この条件があったとしても同じような印象を受けますが、おそらく条件がついているものは「法定後見」についての希望で、条件のないものは「任意後見」についての希望のことだと思います。

といっても法定と任意でいったい何が違うの?と思われる方がほとんどですよね。簡単にいうと、成年後見制度には「法定後見」と「任意後見」の2種類あります。

  • 法定後見|既に判断能力が衰えている方の為に、家庭裁判所が後見人等の適切な保護者を選ぶ制度です
  • 任意後見|元気なうちに、将来、自分の判断能力が衰えた時に備えてあらかじめ保護者(後見人)を選んでおくというものです

財産の管理をお願いしたい人について(任意)は、管理をお願いしたい人の名前をここに書いておけばひと安心というものではありません。

元気なうちにその方とどんなことをお願いするのかを公正証書で契約しておく必要があります。

成年後見人(法定後見)の候補者について

先に少し触れましたが、「法定後見」の申立ての書類に成年後見人の候補者を書くことができますが、必ずしも候補者が選ばれるわけではありません。

家族が候補者であっても家族の間に相続トラブルのような紛争がある場合や、候補者が本人の財産を勝手に使っている場合などは、候補者以外の司法書士、弁護士といった第三者が選ばれることがあります。

また、成年後見人の事務を監督する権限がある専門家の後見監督人が選任される場合や後見人が1人ではなく複数選ばれることもあります。

子供である自分が成年後見人になれば第三者が選ばれる場合と違って成年後見人の報酬はかからないわけですが、自分が選ばれないこともあるということを覚えておいてくださいね。

介護費用を受け取ることができる住宅ローン

親の介護が必要になった時に、一時金を受け取れる保障がついた住宅ローンが三菱東京UFJ銀行から販売されています。

突然、親の介護をしなければいけなくなったら? どうしたらいいのかと頭が真っ白になって、会社を辞めないといけないかもしれない・・・と思ってしまう方が多いのではないでしょうか。

そうならないように93日の休業が認められたり、年5日の介護休暇をとれるような法律が整備されています。でもこれは会社員を対象にしたもので、自営業者にはこのような保証はありません。

総務省の調査によると、親などの介護をしながら働いている人は約290万人(2012年)いるそうです。

また介護経験のある人が介護をしていた平均的な期間は4年9ヶ月ということを新聞記事で読みました。4年以上と聞くと93日の休業制度では足りないだろうなと思ってしまいます。

この住宅ローンは、親が「要介護3」以上と認定されると一時金として100万円を受け取れるもので、保険料は親の年齢に応じて上がるようです。

平均的な介護期間が4年以上と聞くと100万円というのは少ないような気もしますが、住宅ローンの返済中ならだいぶ助かりますよね。相当な需要が見込めそうですね。

痩せている男性の方が・・・

「へぇ~、そうなん意外~」と思った新聞記事があったのでご紹介します。

どんな内容かというと、こういうことでした。

高齢になると、痩せている男性の方が太っている男性と比べて、介護が必要になるリスクが約2倍高い

東京都健康長寿医療センター研究所の調査結果

普通に考えても太っている人の方が痩せている人に比べて、普段から膝や腰にかかる負担は大きそう。

メタボリックシンドロームは生活習慣病の予備軍といわれるように、そもそも太っているより痩せている方が健康的なイメージがあったので(あくまでもイメージですが)、なんかしっくりこない。

新聞記事なので概要しかわからないのですが、高齢というのを仮に後期高齢者と考えると、40歳から74歳まではメタボを気にしながら太り過ぎないように生活して、75歳からは痩せすぎないように栄養をしっかりとらなくちゃいけないということのようです。

この調査では「痩せている」、「太っている」という指標はBMIです。BMIが高い、イコール「メタボ」というわけじゃないのかもしれませんが、なんか釈然としません。

ちなみに、女性の場合は男性のような差はなかったよう。

高齢になると、太りすぎないことを意識しながらも、必要な栄養が不足しないような食生活を意識しないといけないということみたいですね。勉強になりました(^^)

トレンドは団塊世代が作る

「一人暮らし高齢者急増」

新聞の朝刊で気になった記事の見出しです。

国勢調査等をもとに推計すると、2035年には一人暮らしの高齢者が全国で約762万人になるよう(2010年から53%増加)。急増する要因は団塊の世代が高齢世代になったことが大きいとのこと。

ここ数十年の日本でのトレンドは、団塊の世代のライフサイクルとともに変化しているといってよさそうですね。

団塊の世代に子供ができればベビーブームが起きるし、マイホームを購入する年齢になれば不動産が動く。

僕は第二次ベビーブームの最後の年(1974年)生まれなので、大学受験の時はセンター試験の出願者数もピークだった記憶があります。就職だって大変だった・・・。

ということは、団塊の世代が高齢になり介護が必要になれば介護施設も不足するのは想像できます。

同じ朝刊に特別養護老人ホームの入居待ちが増えているという記事がありました。記事によると特に都市部では申し込みが多いので、東京都では約4.3万人が入居待ちをしているとのこと。

待機しているのは児童だけじゃないということですね。入居待ちが増えている理由は、需要に供給が追いついていないため。

ものすごい勢いで高齢者が増えているのに施設の整備が追いつかないのは、行政はどこも財政が厳しいからというのはよくわかります。

そうだとすると、少子化なのに待機児童が多いのは矛盾しているように思えてきました。

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