【もしもに備える】エンディングノートの書き方|10のポイント

コクヨのエンディングノートを相続専門司法書士が書いてみた

仕事柄、遺言やエンディングノートの大切さを常々感じています。それなりに書いてみたことはありましたが、忙しさを言い訳にして自分ではちゃんと準備していませんでした。遺言はともかく、自分にはエンディングノートはまだ早いかなという気持ちもありました。

でも遺言も同じですが、エンディングノートを準備するのに年齢って関係ないんですよね。それこそ、延命治療や臓器提供をどうするか?など元気な時じゃないと、ちゃんと向き合えないことも多いです。

一方で延命治療をどうするかは非常に難しい判断を迫られるので、両親や家族にエンディングノートを残しておいて欲しかったという人は多いと思います。

個人的にも成年後見人としても考えさせられる出来事が続いたので、腰を据えてエンディングノートを書いてみました。最初に書いたのが2012年、定期的に見直して加筆修正をしています。

エンディングノートは大切です!といくら口で言っても、自分が心から大切だと思わなければ、伝えたい相手には伝わりません。なにより自分で書いてなければ説得力がありませんよね。

私、伊藤 薫が実際にコクヨのエンディングノート 「もしもの時に役立つノート(B5 LES-E101)」を書いてみて相続専門司法書士の視点から本当に役に立つエンディングノートを作るために大切なポイントをまとめました。

エンディングノートを最初から最後まで2ヶ月半かけて書いていく中で、

  • エンディングノートを書くときのポイント
  • 感じた気持ち
  • 相続の専門家からみて注意しておくべき点
  • エンディングノートにまつわるエピソード etc

を綴ったレポートが元になっています。コラムでは相続の専門家というよりも人生の折り返し地点を迎えた一人として、エンディングノートを書きながら感じた率直な気持ちを書いています。

本当に役に立つエンディングノートの作り方10箇条

もしもに備えるという目的でエンディングノートを書くときに重要なポイントがあります。ここを理解してから書かないと効果は期待できません。

  • ①家族の負担を軽くしたければ書きにくい項目から
  • ②書いておくのは、あなたの本音です
  • ③もしも明日をイメージして書く
  • ④エンディングノートは正確な情報を元に書く
  • ⑤遺言書の有無や保管場所を書いておく
  • ⑥見た目や形式にこだわらない
  • ⑦定期的に見直して情報の鮮度を保ちましょう
  • ⑧書いて終わりにしない
  • ⑨紙のエンディングノートは時代おくれかもしれない
  • ⑩半生を振り返る

①家族の負担を軽くしたければ書きにくい項目から

エンディングノートは書く項目が多いので、全体像を目の当たりにしてこんなにあるんだと引いてしまって、氏名・住所、生年月日あたりで止まってしまう人が多いようです(苦笑)

エンディングノートは全部のページを書こうとすると、まず書けません。

もしものときに家族が困らないようにエンディングノートを書いておきたいなら、もしものときに家族が最も知りたい、かつ本人にしかわからない、この2つから書き始めてください。

書きにくいからこそ医療と介護のページから書く

エンディングノートを書くことで、もしものときの家族の負担を少しでも軽くしたいなら負担の大きい項目から書き始めましょう。優先順位としては医療や介護のページ、中でも胃ろうをしたいのか?など延命治療の希望から書き始めるのがおすすめです。

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②書いておくのは、あなたの本音です

意識不明の状態で介護が必要になったとき。

「お父さんは自宅で介護をしてほしいはず・・・」
「お父さんは施設で過ごしたいはず・・・」

本人の希望・気持ちがわからなければ、お父さんはこうして欲しいはずということを家族が自分勝手に言い出します。当たり前ですが価値観が違うので、介護の方針をめぐって家族が揉めてしまったという話を伺うことがあります。その影響が遺産分けにまで及ぶこともあります。

もしものときに家族が知りたいのは、どうしたいかというあなたの本音です。

エンディングノートは本音で書こう。ただし押し付けにならないように。

もしものときに家族が知りたいのはあなたの本音です。あなたの希望がわからないことで家族が揉める火種にならないように、エンディングノートには本音を書いておきましょう。特に介護のページを書くときに注意しておきたいことをまとめました。

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③もしも明日をイメージして書く

もし介護が必要になったら・・・

いまが元気ならイメージしにくいですよね。だからエンディングノートが書けない。介護が必要なときっていつなのか?もしかしたら10年後とかをイメージしてませんか?イメージするのに10年先なんて先過ぎます。

だって10年前にスマホがこんなに普及しているなんて想像できた人はほとんどいませんよね。10年後をイメージしようなんて無理なんです。

イメージできないものは書きようがない。じゃあいつをイメージしたらいいのか?エンディングノートを書くときは、もしも明日・・・と考えてみてください。

明日のことをイメージできない人はほとんどいないでしょう。それに、もしも明日なら年齢に関係なく書くことができます。

エンディングノートを書くのに年齢は関係ない

「もしものときに家族に面倒をかけたくない」という理由でエンディングノートを書いておきたい人が多いようです。祖父が脳梗塞で倒れたのも突然でした。もしものときは急にやってくるので何歳で書くのがいいかを考えることは意味がありません。明日、脳梗塞で意識不明になったら?を16の質問で考えてみませんか?

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④エンディングノートは正確な情報を元に書く

通帳や証券を手元に準備して正確な情報を書きましょう。こういった資料を準備する過程でほとんど使っていない口座に気づいて解約したり、整理をするきっかけになります。

不動産をお持ちの方は権利証や登記事項証明書、納税通知書を準備しましょう。正確な情報で空欄を埋めながら書き進めていくのは爽快な気分です。情報をまとめていくと、このエンディングノートを見ればすべてわかるようにしておきたいという欲が沸いてきますが、あまりに詳しく書きすぎるとエンディングノートは個人情報の塊になってしまうので危険です。

エンディングノートは正確な情報を元に書く。ただし個人情報を書きすぎない!

書くなら当然ですが正確な情報を書きましょう。通帳や証券などの資料を準備する過程でほとんど使っていない口座に気づいて整理をするきっかけになります。不動産は権利証や登記事項証明書、納税通知書を準備して漏れがないように書きましょう。ただし個人情報は書きすぎない!ここがポイントです。

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⑤遺言書の有無や保管場所を書いておく

エンディングノートに遺産分けの希望を書いたところで「遺言書」としての効力はありません。にもかかわらず「遺言書について」というページがあるのは、遺言書を作成しているのか?保管場所は?を伝えるためです。

遺言書を書いていない人が多いので「作成していない」にチェックして終わることがほとんどかもしれませんが、それじゃもったいない。

遺言書を書いておかないと亡くなったときにトラブルになる可能性が高いケースがあります。エンディングノートの家族や親族のページを書くことで、遺言書を作るかどうか?相続人の立場なら遺言書を書いてもらう必要はあるのか?ないのか?について、早めに考えておくことが大切です。

エンディングノートに遺産分けの希望を書いてはいけない。

エンディングノートに遺産分けの希望を書いたところで「遺言」としての効力はありません。コクヨのエンディングノートでもこのことが明確に示されています。にもかかわらず「遺言書について」というページがあるのは、遺言書を作成している?いない?遺言書の種類は?どこに保管しているのか?などを家族に伝えるためです。

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⑥見た目や形式にこだわらない

エンディングノートを書くぞ!と意気込んで書かなくても、必要なときに書き留めておくノートがあって、結果的にエンディングノートに書いておきたい情報がそこに整理されていくのであれば、それが普通のノートでもまったく問題ありません。

エンディングノートの見た目なんてどうでもいいということ。大事なのはその中身です。

見た目は普通のノート。でも中身は完璧なエンディングノートでした。

親戚の葬儀のときに父親が冠婚葬祭についてメモしていたノートを見せてくれました。見た目は100均で売っているような普通のノートでしたが、パラパラと見せてくれた中身は完璧すぎるエンディングノートでした。見た目なんてどうでもいい話で大切なのはやっぱり中身です。

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⑦定期的に見直して情報の鮮度を保ちましょう

家の防災用品の点検をしたときに古くなっていた非常食や防災グッズを買い直しました。賞味期限・使用期限は5年というものが多かったですね。毎年、見直すのがベストだとしても忘れてしまって2,3年経ってしまう人が多いので余裕を持たせているのでしょう。

エンディングノートも一度書いても定期的に見直さないと意味がありません。もしもに備えるために情報の鮮度を保ちましょう。

情報にも賞味期限があります。エンディングノートは定期的に見直しましょう。

体調や心境、交友関係などは時間とともに少しずつ変化していくものです。エンディングノートに限ったことではありませんが一度書いても時間が経つと古くなって使えなくなる可能性があります。定期的に見直して情報の鮮度を保ちましょう。

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⑧書いて終わりにしない

書き終えることがエンディングノートのゴールではありません。ほとんどの人が書けないエンディングノートだからこそ書いて終わりにするのはもったいないです。

書いておきたいほど気になっていることを実現するために、エンディングノートを書くことをきっかけにして行動を起こしましょう。エンディングノートを書くことはスタートです。

エンディングノートを書くことはスタートです。

書いておきたいと思っても、ほとんどの人が書けないのがエンディングノートの現実です。ただし書いておくだけでは何も変わりません。葬儀やお墓はこうしてほしいなど、もしエンディングノートに書いておきたいほど気になっていることがあるなら、書き終えることをゴールにしないで実現するための行動を起こしましょう。

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⑨紙のエンディングノートは時代遅れかもしれない

エンディングノートというネーミングなので当たり前のように紙媒体をイメージしますが、ネットバンキングやSNSがライフラインになっている現在ではノート(紙)だけで完結させるのは少し無理があるかもしれません。ノートだから手書きじゃないといけないと思いこんで、それが書けない理由になっているとしたらもったいないです。

⑥見た目や形式にこだわらないにも関連しますが、必要な時に必要な情報が確認できるならパソコンなどを使って作成することも問題ありません。

死んだらSNSはどうなる?

エンディングノートの「気になること」のページを書いていて1番気になったのは、死んだらSNSのアカウントやスマホ・パソコンはどうなるんだろう?ということでした。調べてみるとfacebookは死んだ後にアカウントを管理してくれる「追悼アカウント管理人」を設定できるみたいですが知ってました?

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⑩半生を振り返る

エンディングノートは将来のことを考えるものですが、自分史作りに特化したものや過去を振り返るページがあるものもあります。あらためて半生を振り返ると、忘れてしまっていたことの中から生き方が変わるようなヒントが見つかるかもしれませんよ。

エンディングノートは昔のアルバムを見ながら書くのが面白い!

エンディングノートは将来のことを考えるものですが、自分史作りに特化したものや過去を振り返るページがあるものもあります。昔のことでなかなか思い出せないという方は昔のアルバムを引っ張り出してみましょう。忘れてしまっていたことの中から生き方が変わるようなヒントが見つかるかもしれませんよ。

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コラム|泣ける?笑える?最期に伝えたいこと

コクヨのエンディングノートもいよいよ最後のページとなりました。年内に書き終えると言って始めたものの気が付けば、年が明けて2月半ば。はっきり言って、全ページに渡って手を抜かずに書くのは本当に大変なことでした。

僕の場合はエンディングノートを書き、なおかつそれを元にブログも書いていたので余計に時間が掛かりました。前置きはこの辺にして、最後のページには「大切な人へのメッセージ」を書きます。

数年前に受講した相続アドバイザー養成講座で、遺言書は大切ですが、遺言書とは別に家族にあてた手紙を準備することがなによりも大切だということを学びました。

その手紙は読んだ人が感極まって泣き出すようなものを準備する必要があります。当然、書いた本人も書き終えた時に泣いてしまうようなものです。要するに遺言書には書ききれない想いは手紙に託すということです。

さて、僕も読んだ家族が泣いてしまうようなメッセージが書けたでしょうか?泣かせて終わるだけよりも、少しくらい笑える内容があった方が僕はいいと思いますが、みなさんはどう思いますか?

コラム|300万円のメッセージは高い?安い?

映画 エンディングノートを観て思ったこと。これはお父さんから家族へのエンディングメッセージだなということ。ここまでありのままに生き様を記録に残せたら、不動産やお金とはまったく違いますが、財産であり家族にとっては宝物になるだろうと思いました。

この映画は娘さんが監督なのですが、はじめからそうだったわけではありません。お父さんが亡くなった後で、映画制作に携わっていた娘さんが撮り貯めていたお父さんの映像を映画化することが決まるというストーリーがあったようです。

こうしてきちんと編集された映像で生きた証を残せるのはごく一部の限られた人だけと思ってしまいますが、こういったニーズを叶えてくれる会社があります。

Mbankという会社では「人生の大切な時間を映像に残す。」をコンセプトに、大切な人へのメッセージを映像という形で残すサービスを提供しています。ホームページをみると「遺言代わりとして」をはじめとして、想定される利用シーンがいくつか紹介されていました。

遺言代わりとして
 文字だけだと感情が伝わりにくいこともあります。遺言メッセージには、相続についてのトラブルを防ぐためにもご自身の言葉で残すということ、大切な想いや願い、これからの応援など、心を伝える大切なメッセージを、生前の元気な姿で家族やお孫様へ、いつでもお届けすることができます。

他には・・・

  • 子・孫の結婚式に
  • お誕生日のお祝いに
  • お葬式に

基本価格は300万円1)ということなので誰でも作れるものでありませんが、プロのディレクター、カメラマン、構成作家、ナレーターが制作を担当するので、映画に匹敵するような映像が期待できるとのこと。また、制作期間中は専門のコンシェルジュがサポートをしてくれるようです。

1)Mbankホームページに具体的な金額は記載されていませんでしたが、雑誌ソナエの記事で紹介されていました。

また、このキャッチコピーがいいんですよね。

記憶と記録を紡ぎ世界でたった1つのライフストーリーを創る。

このサービスが300万円というのは高い?安い?みなさんはどう感じますか?

参考|コクヨのエンディングノートの目次

目次@コクヨのエンディングノート

自分のこと

まずは住所、生年月日などの自分の基本情報から。この辺は楽勝でしょう(^^)

  • 自分の基本情報(住所・生年月日など)

資産

  • 預貯金について
  • 口座自動引落しについて
  • 有価証券・その他の金融資産について
  • 不動産について
  • その他の資産について
  • 借入金・ローンについて
  • クレジットカード・電子マネーについて
  • 保険について
  • 年金について すべて④

気になること

  • 携帯・パソコンについて
  • WebサイトのIDについて
  • 宝物・コレクションについて
  • ペットについて
  • 生活のことについて すべて⑨

家族・親族

  • 家族一覧⑤
  • 親族一覧⑤
  • 親族表⑤
  • 命日・親族メモ⑤
  • 冠婚葬祭メモ⑥

友人・知人

  • 友人・知人一覧
  • その他の連絡先一覧 すべて⑦

医療・介護

  • 健康管理について①
  • 告知・延命処置について①
  • 介護について②

葬儀・お墓

  • 葬儀について
  • お墓について
  • 葬儀・お墓メモ(家紋) すべて⑧

相続・遺言

  • 遺言書について⑤

その他

  • 写真とデータについて⑨
  • 大切な人へのメッセージ

①~⑩は本当に役に立つエンディングノートの作り方10箇条の番号と対応しています。書くときに参考にしてください。


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→費用などの詳細はサービスメニューのページをご覧ください。