遺言書を作っておいたのに…

良かれと思って遺言をしたのに、遺言がもとで争いを招くこともあります。

遺留分を無視した遺言

fさんイメージ私の父は、兄夫婦と折り合いが悪かったため、次男である私が同居して面倒をみてきました。父は面倒をみていた私に全財産を相続させるという遺言を遺したため、父の死後、兄から遺留分(遺産の4分の1)を主張されて、最終的に裁判で争うことになってしまいました。
point遺留分を無視した遺言自体は有効ですが、遺留分の取戻しが訴訟等のトラブルになる可能性がありますので、遺言の作成にあたっては遺留分のある相続人にも配慮するように注意しなければいけません。遺留分のある相続人にどうしても財産を遺したくなければ、推定相続人の廃除を検討することも必要でしょう。
兄が遺留分を主張してきてトラブルに
兄が遺留分を主張してきてトラブルに

遺留分とは

~遺言をすれば、財産を誰にあげるかを自由に決められる?~

遺言は、自己の財産を誰に与えるかを自由に指定することができるのが原則ですが、以下の点に注意が必要です。

一定の相続人には、遺留分(兄弟姉妹を除く法定相続人に認められている絶対的な相続財産の受け取り分)が認められているため、遺言の内容が遺留分を無視するものであれば、遺留分を侵害された相続人は、遺留分を取戻す(減殺)ことができます。遺留分を無視した遺言自体は有効ですが、遺留分の取戻しが訴訟等のトラブルになる可能性がありますので、遺言の作成にあたっては遺留分のある相続人にも配慮するように注意しなければいけません。

法定相続分と遺留分
法定相続分と遺留分

遺言書は偽物?遺言時に父に意思能力はあったのか

g私の父は、長男である私には自宅を、弟には現金100万円を相続させる内容の自筆証書遺言を残して亡くなりましたが、自宅と現金100万円では価格の差が大きいため、遺言書の内容が不利な弟が、遺言書を作成した当時、父が認知症だったため、意思能力が不十分で遺言は無効だと主張し、遺言書の有効性をめぐって裁判になりました。
point遺言書を作成した時に認知症の疑いがあったことに限らず、筆跡が違うなど、遺言書の内容が不利な人が遺言書の有効性に疑いをかけることがあります。自筆証書遺言は手軽に作成できますが、自分1人で作成できるため、作成時に十分な意思能力があったのかどうかは体裁や内容から推定するほかありません。その点、公正証書遺言の場合は、公証人が遺言者の意思能力に問題があると判断すれば、医師の診断書や立会いも要求できるので、遺言時の意思能力が争いの原因になる可能性は低くなります。
弟が遺言書が無効だと主張してきてトラブルに
弟が遺言書が無効だと主張してきてトラブルに

遺言書に書かれていない財産は誰のもの?

h私の死後、家族が相続でもめないようにと、3人の子供に財産を平等に分配する内容の遺言書を作成して、相続の準備をしていました。
遺言書を作成した後に自宅を購入していましたが、遺言書の内容を見直すことはなかったために、遺言書に書かれていないその自宅をめぐって子供たちが争うことになってしまいました。
point書き漏れに限らず、遺言書に記載されていない財産があれば、それについては相続人どうしが遺産分割協議をする必要があります。せっかく遺言をするのですから、すべての財産について指定をするべきです。記載していない財産がもとでトラブルになる恐れもあります。
例えばご自分の誕生日や年始など、定期的に遺言書を見直すことが有効です。また、遺言書を作成する時に、例えば「その他一切の財産を長男に相続させる」という記載があれば、その後、増えたり、発見された財産は遺産分割協議をしなくてもスムーズに長男が引き継ぐことができます。
遺言書に財産の書きもれがあってトラブルに
遺言書に財産の書きもれがあってトラブルに