相続トラブル あなたの家族は大丈夫?

相続トラブルは資産家だけの問題じゃないの?

相続トラブルといえば、資産家の莫大な遺産をめぐって相続人が骨肉の争いをすることや、多額の相続税を納めなければならなくなることをイメージされる方が多いのではないでしょうか。

実際に相続税を納めなくてはならない人は死亡者数の約4パーセントとほんのわずかです。
相続税がかかるかどうかは、法定相続人の人数にもよりますが、一般的に相続財産が8,000万円~1億円程度が目安といわれていますので、相続税を心配する必要性は必ずしも高くはありません。

年分 相続税の課税件数:A 死亡数:B 課税率(A÷B)
平成14年 44,370件 982,379人 4.5%
平成15年 44,438件 1,014,951人 4.4%
平成16年 43,488件 1,028,602人 4.2%
平成17年 45,152件 1,083,796人 4.2%
平成18年 45,177件 1,084,450人 4.2%
平成19年 46,820件 1,108,334人 4.2%

相続税の課税件数および死亡者数
「国税庁統計年報 平成19年度」、「厚生労働省 人口動態統計 平成20年」に基づき作成

最近は、遺産の分配をめぐって家族、相続人が争うことをあらわす「争族(そうぞく)」という造語を目にする機会が増えてきました。
これを裏付けるデータがあります。相続人どうしの話し合いでは、遺産分割協議をまとめることができず、裁判所に持ち込まれる件数がこの20年で約2倍に増加しています。

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相続トラブルの多くは、資産家であるかどうかに関わらず、遺産の取り分をめぐって発生します。
現実には、トラブルとまではいかないにしても、主な財産は均等に分けることが難しい自宅だけというような場合に、遺産の取り分をめぐって時間や手間がかかることが多いのではないでしょうか。

遺産分割協議は難しいの?

まずは(遺産分け)の基本をおさえましょう。

まずは(遺産分け)の基本をおさえましょう。相続が発生した際に「遺言書」があれば、
原則「遺言書」の指定どおりに遺産を分けることになります(指定相続)。

一方で、「遺言書」がなければ、法が定める基準(法定相続)で分けることになります。

ただし、各相続人が何を受け取れるかについては、割合でしか定められていないため、相続人全員で誰が何を受け取るのかについて協議をし、合意をする必要があります(この話し合いが遺産分割協議です)。

法定相続のルールでは、配偶者と子ども、直系尊属、兄弟姉妹の順に相続人となり、相続分は次のようになります。

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平等に遺産を分けることは難しいものです

遺産分割協議は、相続人それぞれが自己主張をしだすと収拾がつかなくなるおそれがあります。
相続人だけではなく、その配偶者や親戚など周りが口をはさんでくることも遺産分割協議が難航する原因となっています。

ですが、本当に難しいのは遺産を平等に分けることです。亡くなった方が資産家で、分け合う遺産が多ければ、平等に遺産を分けられなくても各相続人がそれなりの財産を手に入れることになりますが、主な遺産が自宅だけだという場合は、わずかな不平等であっても、遺産分割協議をまとめることは難しいでしょう。

平等に分けることが難しい理由とは

理由1:不動産などの遺産は均等に分けにくい

遺産が現金だけなら簡単に均等に分けることができます。

しかし、自宅等の不動産を均等に分けようと思えば、自宅を売却して得た現金を分けない限りは難しく、まして相続人などの誰かが現実に自宅に暮らしている場合は、売却することも難しくなります。

同じ割合で共有する方法もありますが、いざ売却する時などは、複数人で所有していると、売買が自由にできないので、なるべく一人で所有する方が望ましいでしょう。

かといって、自宅等の不動産を相続人の1人が受け取ることは他に同じ価値の財産がなければ他の相続人が納得しないでしょう。

理由2:相続人どうしが遺産を分ける割合をなかなか納得しない

「マイホームの頭金を出してもらった」、「同居して親の面倒をみてきた」、「介護をした」など、親子間にはさまざまな経済的な支援があることが多いものです。

相続人が子供だけなら、原則は、各相続人が同じ相続割合で相続することになりますが、これらの支援について各相続人が相続割合を変更する主張をしだすと、簡単には話し合いはまとまらないでしょう。

また、長年介護をしてきた場合は、負担が大きいことから感情的になりやすく、トラブルにもなりかねません。

遺産分割協議がより難しくなるケース