他の相続人が遺留分を放棄すると・・・

遺留分を放棄しても他の相続人の遺留分は増えません。
この点は相続放棄の場合とは異なります。

例えば、亡くなったXさんの再婚相手のYさんとXさんと前妻との子供であるAさん、Bさんの3人が相続人の場合。Xさんが「妻Yにすべての財産を相続させる」という遺言を遺していたとすると、Aさん、Bさんは遺留分である8分の1をそれぞれ取り戻すことができます。

仮にBさんが遺留分を放棄したとしてもAさんの遺留分は8分の1のままで増えません。

一方、Xさんが遺言書を作成しないで亡くなった場合、Yさんの法定相続分は2分の1で、Aさん、Bさんの法定相続分は各4分の1になります。Bさんが相続放棄をすると、Aさんの相続分は2分の1に増えます。 ここが遺留分の放棄とは違います。

だから、相続人の中でもし遺留分を放棄する人がいたとしても自分の遺留分が増えるから得したということにはなりません。あくまでも相続人それぞれについて定まっているので、遺留分を放棄するのも相続人各自がすることができます。

また、遺留分を取り戻すかどうかも各相続人の意思に委ねられているので、兄弟であっても「俺の遺留分も一緒に取り戻しておいて」というわけにはいきません。

(遺留分の放棄)
  民法第千四十三条  相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。
2  共同相続人の一人のした遺留分の放棄は、他の各共同相続人の遺留分に影響を及ぼさない。