法定相続情報証明制度(仮称)で相続手続きが変わる!?

相続人の関係図を法務省が証明してくれる新しい制度「法定相続情報証明制度(仮称)」が来年度からスタートするようです。

詳細についてはまだまだこれからみたいですが、不動産、預貯金、株式といった各相続手続きにこの証明書を提出することで、個別に戸籍を提出する必要がなくなるため、相続人の負担の軽減が期待されています。

といっても法務省が自動的に亡くなった方の相続人を証明してくれるわけではなく、これまでと同様に相続人を把握するために必要な戸籍をすべて取得して相続人の関係図を作って提出すると、法務省が内容を確認した上で公的な証明書として発行してくれるという制度です。

要するに必要なすべての戸籍を相続人が取得して、相続人の関係図を作成しなければいけないというのはこれまでと同じですが、現状では不動産、預貯金、株式といった手続き毎に戸籍の提出が求められるため、必要な通数を準備すれば費用がかさむし、同じ戸籍を使い回せば同時に進めることができずに時間がかかるという煩わしさが法務省の証明書があれば解消できることになります。

相続人が配偶者と子供といった一般的なケースであればメリットは知れているかもしれませんが、相続人の数が多い場合や相続関係が複雑な場合に効果を発揮しそうですね。

例えば第3順位である兄弟姉妹が相続人の場合は、第1順位、第2順位の相続人がいないことを戸籍で確認する必要があるため必要な戸籍の通数が増えます。ちなみに最近、兄弟姉妹間の相続で取得した戸籍謄本等の通数は15通でした。

兄弟姉妹が相続人で何代も手続きをしていなかったケースであれば、相続人だけでなく必要となる戸籍も爆発的に多くなる場合があります。相続人が60人以上になったケースでは戸籍謄本などの通数が150通を超えていました。

さて、この「法定相続情報証明制度(仮称)」ですが相続人の負担軽減と同時に、対応する金融機関などの負担もかなり軽減されるように思います。金融機関によっては相続手続きは専用の窓口で対応しているわけですが、さすがに150通もの戸籍を短期間で確認するのは至難の業だと思われます。

このような場合に相続人が誰なのかがひと目でわかる法務省が発行した証明書があれば、手続きのスピードが大幅にアップすることが期待できますよね。

不動産の相続登記だけでなく、遺言執行者として相続による名義変更手続きをした経験からいわせていただくと、この証明書以上に簡単に相続手続きをする方法というものがあります。

それは『遺言』を作っておくことです。

「なんだそんなことか」と思われるかもしれませんが、「検認」の要らない公正証書遺言を作っておけば、戸籍を集めて誰が相続人なのかを確認する必要もなく手続きを進めることができます。

できるだけ相続人の負担を軽くしたいとお考えであれば遺言の作成を検討されてはいかがでしょう?