vol.4 好きじゃなくても1万時間は達成できます。こうやって追い込めば。

大学は工学部だから法律を勉強したこともなかったし、前回書いたとおり残念すぎる資格試験人生だったので、資格試験は苦手意識しかなくて好きなはずもない。それでも司法書士試験の勉強で1万時間を達成することができたのには、ある理由がありました。

苦手だし好きでもない資格試験の勉強を2年半で1万時間も続けることができた理由は強制力です。自分でも「Mだな(笑)」と思ってしまうくらい、逃げ出さないように自分を追い込む仕組みを作りました。

まず今まで資格試験に受からなかったのは、勉強時間が足りなかったし、勉強のやり方もダメだったからという仮説を立てました。逆にいうと正しい勉強方法と勉強時間を確保できれば、合格率3%未満の難関の試験に受かれるという、ある意味すごい自信ですね(苦笑)。

3,000時間を確保するために捨てたもの

まずは勉強時間の確保ですが、そもそも残業がつらいというのが独立開業できる資格、司法書士試験を目指そうというきっかけになっているので、仕事との両立は絶対に無理。

1日8時間労働×20日/月=160時間/月。これに残業が月100時間と考えると260時間/月。今、会社を辞めて来年の試験まで1年以上あるってことは、働いている時間をそっくりそのまま勉強時間にあてれば司法書士試験に受かる基準といわれている勉強時間3,000時間をクリアできるという計算です。

会社を辞めたいという気持ちが先にあるので、この決断は早かったです(笑)

どうしても1回で合格 したかった理由

会社を辞めたら当然収入は途絶えるのですが、マンションを買っていたので住宅ローンがありました。毎月の支払いは14万円くらいで、そのときは相方と二人で働いていたけど住宅ローンの支払いは僕の担当だったと思います。

今みたいな金利じゃなかったので早めに返そうと毎月の支払いを多めに設定していましたが、ローンを組んで2年半くらいだったので3,000万円くらい、たっぷり残高がある状況。

相方は残業で死にかけている僕を見ているので「会社を辞めるのは止めないけれど、住宅ローンの支払いはどうするの?」という至極まっとうなスタンスでした。

そんな中、相方が見つけてきたのが住宅金融公庫(現住宅金融支援機構)の「新特例措置」という制度。簡単に言うと会社を辞める等の理由で収入が極端に減ったり、無くなった人を対象に、しばらくの間ローンの支払いを猶予してくれる(猶予期間中は利息だけ返済)というものでした。

すぐに跳びつきましたねー(笑)。

改めてその制度のパンフレットを見ると審査の条件の全部は満たしていなかったので、銀行に押しかけてまでの気迫のこもった交渉の成果なのか、僕の必死さが伝わって審査を通してもらったような気がします。

担当の人のちょっとの間なら延命措置をしてあげようという優しさだったのかもしれません。あくまでも延命措置だから大勢に影響を与えるものでもないと判断されたのかと(苦笑)。

住宅ローンの支払いの猶予期間が3年間だったので、司法書士試験にどうしても1回で受かりたかったのです。1回がダメでも2回目で合格を決めないと猶予期間が終わって住宅ローンの返済が再開するという時限装置でした。

これなら資格試験が苦手とか、好きじゃないとか言ってられないでしょ?

高くても勉強の仕方はプロに習おう

一度も法律を勉強したことがなかったので独学とかは考えられずに予備校に通うことにしました。

もし勉強に手応えを感じることができなくなったとしてもバイトに逃げないように、ネット配信とかじゃなくて平日の9時から17時で週3日授業がある生講義の講座を申し込みました。

授業料はトータルで100万円くらいだったと思います。退職金とか貯金を取り崩して払ったのでお金がなくなりました(笑)。

でもバイトをしようとは考えませんでしたね。少しでも収入があれば気持ちは楽になるかもしれないけど、それで合格が遠のいたら嫌だし、合格できなかったときにバイトで勉強する時間がなかったとか言い訳にするのは本当に嫌でした。本末転倒過ぎて。

結局、合格して司法書士事務所で働き始めるまでの2年半は1円も収入がなかったので、できるだけお金は使わないように過ごしました。

受験生的超節約術!?

ネット配信じゃない通学の講座だから週3日は予備校でお昼を食べないといけないけど、いつしか家にあるパンを持って行ったり。家で勉強している日の昼は決まって素うどんでした。買物に行く時間も作る時間ももったいないし、何より食費をおさえたかった(笑)。

住宅ローンの支払いはストップできたけど、利息分とマンションの管理費とか5~6万円は毎月払わなくちゃいけないし。

ちょうどお昼に中村敦夫出演の「水滸伝」のドラマの再放送をやっていたので、林中達、梁山泊の活躍を見て受験に挑戦する自分を鼓舞しながら素うどんをすすってました。

他には髪を切りに行く時間もお金ももったいないのでバリカンで坊主にしてましたね。坊主自体はサラリーマン時代も好きで時々やってたから別に悲壮感漂うようなことじゃないんですけど。

こういう話は悲しいエピソードと感じる人もいるかもしれませんが、冷静に当時のことを思い出すと毎日自分で決めた勉強時間の目標をクリアすることに夢中になっていたので意外と充実感がありました。

余計なことを考える時間ももったいない!

考え事をする時間があるとどんどん不安な気持ちが沸き起こってくるんです。「受からなかったらどうしよう。1回目はいいとして、2回目も3回目も・・・」

受からなかったらという不安よりも、

気持ちなのか?お金なのか?どちらもなのか?
続かなくなったらどこで司法書士試験を諦めるのか?
ここまで退路を断って挑戦して諦めるとしたらいつなのか?
自分の気持ちとどういう風に折り合いをつけてやめるのか?
本当にやめれるのか?

ボーっとする時間がちょっとでもあるとそんなことまで考えてしまうくらいに不安でした。だから苦手だろうが、好きじゃなかろうが勉強に集中している方が気持ちが楽だったんです。

だから生活のすべてを勉強に捧げるためには収入を断ったことも悪くなかったと思います。そんなわけで今なら考えられませんが2年半は全然お酒を飲まなかったです。ほんと勉強だけでした。

一歩踏み出すことができたのは

これまでの残念な資格試験人生からすると、会社を辞めて司法書士試験に挑戦することはリスクでしかないのは自分が一番よくわかっていたのですが、ふとこう思ってしまったんですよね。

「これだけ残業しているんだから、3,000時間くらい余裕で勉強できるっしょ!」

無駄な残業時間を勉強時間に置き換えた結果、難関の資格試験に合格できたらかなり格好いいんじゃないの?という気持ちが盛りあがってしまいました。←徹夜続きで変なテンションだったはず

「(あんなに資格を取れなかった)伊藤が司法書士試験に受かったってよ」と辞めた会社をざわつかせたかったのかもしれませんし、僕の挑戦を成功させることで会社の残業体質に一石を投じたかったのかもしれません。

それが会社を辞めてまで司法書士試験に挑戦する理由となるとどうなのか?いま冷静に考えたらバカだなって思うわけですが、なかなか踏み出せない一歩を踏み出すにはこういうつまらない意地を張ることも大事なのかもしれません。

自分の手で泡盛を盛り上げたいからと酒販免許を取ってオリジナル泡盛を造ってしまうこととか、あの時とノリは変わっていないなぁと最近気づきました(笑)。

自分を追い込んで追い込んで1万時間を達成したかのように書いてしまいましたが、実際はアメとムチのムチだけじゃなく、アメもちゃんと用意していました。アメの話はまたあらためて。

 


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