「2年で司法書士に合格するって、すごく早いですよね?」
最近、こんなことを言われて久しぶりに合格した時のことを思い出しました。当時の心境としては「やっと合格できたぁー」という感じでしたが、今となっては「よく合格できたなぁ」としみじみ思います。
2年間の勉強期間で「やっと」という表現は相応しくないと思うかもしれませんがそれなりに理由があります。司法書士試験に合格するには3,000時間は勉強しないと受からないと僕が受験していた頃は言われていました(今はどうなのかわかりません)。
僕は事情があって「なんとか1回で合格してやろう!」という野望を持って挑んだので、15ヶ月×30日×10時間/日。ざっと計算しても余裕で3,000時間をクリアできるような勉強計画を立てて取り組んでいました。
結果、1回目の挑戦は見事に玉砕。普通はそんなもんです、普通は。1回で合格しなくちゃという思いが余りにも強かったのでだいぶ凹みましたけど(苦笑)。
2年目は12ヶ月×30日×12時間/日。合格できなかったのは勉強時間が足りなかったんだろうと更に2時間増やしたんですよね。
2回目の試験も手応えがなかったので3回目の挑戦も見据えて結果発表までに、さらに3ヶ月。限りなく1万時間を司法書士試験の勉強にかけた計算になります。
だから当時の僕の心境の「やっと合格できたぁー」は、3,000時間どころかその3倍の1万時間も勉強してやっと合格できたぁーというニュアンスなんです。
期間だけを見れば2年は早いかもしれないけど、勉強時間としては相当やっているわけで。1日3時間で1万時間勉強しようと思ったら10年はかかりますからね。結局のところ何年勉強したかよりも何時間やったか、これに尽きるかなと。
「どんな分野でも1万時間程度継続して練習すれば、その分野のプロになれる」という経験則が1万時間の法則ですが、司法書士試験の勉強に1万時間をかけていったい何のプロになることができたのか?
合格したものの実務経験はゼロだったので司法書士のプロになれるはずもなく、何かのプロになれたんだろうか?と掘り下げてみようと思いました。
残念すぎる我が資格試験人生
「2回で合格」というと、もともと資格試験とか得意なんでしょ?とよく言われるんですが、
- サラリーマン時代は技術士補の試験に5年間落ち続け
- TOEICを受ければ4択のほぼ確率通りの250点
- 脱サラの糸口を掴もうと挑戦した簿記3級も見事に惨敗
というかなり残念な資格試験人生なので勘違いということはわかってもらえるかと。
だから仕事を辞めてまで合格率3%未満の司法書士試験に挑戦しようなんて、だいぶ頭がおかしいですよね?(苦笑)
技術士補というのは技術士という試験の前段階の比較的簡単な試験なのに、こんなに落ち続ける奴も珍しく、会社を辞める時は司法書士試験に挑戦するために辞めるなんて恥ずかしくて言えなかったですもんね。。
ここまで書いていて気づいたのですが、好きなことだからこそ1万時間も続けることができると一般的に言われてますが、僕の場合は違ったなぁ~と。
大学は工学部だから法律を勉強したこともなかったし、資格試験は苦手意識しかなかったから好きなはずもない。得意でも好きでもないことで1万時間を達成できたのは我ながら凄いなぁと気がついたんですよね。 それにはある事情が関係しているんですがそれはまたあらためて。
苦手なものに1万時間もかけたんだから、何かのプロになってないと報われないような気がしてきましたよ。
何か変わってないか??
司法書士試験の後にいくつか資格試験を受けました。
- 簡易裁判所で訴訟代理をするための司法書士の試験
- 行政書士
- 宅建
- 泡盛マイスター
前はあんなに落ち続けていたのに、どれも一発合格できました。行政書士と宅建は出題される範囲が司法書士と一部かぶるので多少のアドバンテージはあるにせよ、泡盛マイスターは完全に未知の世界でしたが1回で合格できました。
それから、全然威張れる点数じゃないんですけどTOEICは250点→500点と倍になりました。さらに僕が試験勉強に関わらせてもらった
- うちの相方は宅建に
- 事務所の先輩は司法書士に
- 泡盛友達は泡盛マイスターに
軒並み合格!というおまけまで付いて来ました!司法書士試験の勉強を1万時間やり続けたことで資格試験に合格するための勉強のコツを掴んでいたようです(^^)
司法書士試験の勉強に1万時間をかけた先にあったのは・・・苦手意識しかなかった資格試験を克服できた自分でした。苦手なことを1万時間やり続けたことは無駄じゃなかったと思えるくらい、これは相当な自信につながりました。
合格はスタートなのに・・・
実務経験がなかったので合格した後はすぐに司法書士事務所で働き始めました。
司法書士を目指したのは独立できる資格を取って、早く独立したかったからなのに、今思えば僕は司法書士試験に合格することをゴールにしてしまっていたようで、手段が目的になってしまっていました。これからっていう大事なときに走る気力、体力が残っていなかったように思います。
そうなってしまった理由はvol.4へ続きます。
まさに1万時間チャレンジ中の方や1万時間にチャレンジしてみたい分野がある方など、「1万時間の法則」をベースにしたブランディングに興味がある方と、来年に向けて前向きに情報交換をしながら飲みたいと思い忘年会を企画しました。ピンと来た方のご参加をお待ちしています!
「1万時間チャレンジャー忘年会(仮)」
日時:12月6日(水)19時~
会場:串かつ はなみ
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