vol.5 ムチだけじゃなくてアメもいる 素晴らしきかな妄想力

追い込むだけで1万時間勉強を続けるモチベーションを保てたようなことを前回書きましたが、ムチだけじゃなくてちゃんとアメもありました。アメといっても物質的なご褒美ではなく、合格したら・・・こんな風になれるはずという夢・思い込み・妄想でした(笑)。

「そんなことだけで」と思うかもしれませんが、逆に夢を見れていないと毎日毎日勉強の繰り返しを2年半も続けるなんて無理だったと思います。それに、物質的なもので満たそうと思っても、合格すること以外で今は心から満たされることはない。そんな風に考えていました。

ちなみに僕が妄想していたのは、司法書士試験に合格さえできたら・・・

  • すぐにでも独立開業できる
  • 特に営業をしなくても仕事はたくさんある
  • 独立すれば、やらされ感のある残業とはオサラバできる

「司法書士は独立開業できる資格、平均年収1,400万円」という予備校の情報を当時は鵜呑みにしていたので(苦笑)、本気で信じていました。

自分勝手な思い込みと言われればそのとおりかもしれません。いま思えばですけど。

予備校の他には司法書士事務所でバイト経験がある相方の話など、二次情報を信じてしまったのも理由ですね。司法書士をされている方を訪ねてお話を聞かせてもらったりもしましたが(一次情報)、ひとりじゃなくて何人にも聞いてみるとか、しっかり裏を取らなかったので結局、詰めが甘かったんですね。

まあ現実が見えていたら、合格するまで頑張れなかったでしょう。そういう意味では合格してから幻想だったと気がついて本当に良かったと思います(笑)。

もしかすると、現実を知りすぎてしまうと無謀にも会社を辞めてまで、新しい世界にとび込む勇気が出ないから、無意識に気がつかないようにしていたのかもしれません。←考えすぎかな?

少なくとも気持ちを勉強に向かわせる強制力と合格した後の世界を妄想することで、前に進む原動力になっていたことは確かです。

日々の小さなゴールこそ大事

長期間のモチベーションを維持するには毎日の小さなゴールを持つことが大事でした。

  • 1日12時間勉強する
  • 今週はここまで過去問を終わらせる
  • 週末の模擬試験は○点以上を取る

など些細なことでも、中身もなんでもいいんです。「合格」というゴールだけじゃ1年以上もモチベーションを維持するにはふわっとしていて大きすぎるんです。日々の小さいゴールがないと気持ちが続かないんです。

自分でも意外でしたが、得意じゃないしむしろ苦手な資格試験の勉強でしたが、自分で決めた目標をクリアするために集中して1日1日を過ごすのはとても充実した日々でした。

1万時間にチャレンジするなら、先のことすぎるふわっとした目標だけでは変に頑張り過ぎて心が壊れてしまいそうになるので、足跡が確認できるような小さな目標を持つのもオススメです。

妄想力は諸刃の剣

9月末に筆記試験の合格発表、11月頭に口述試験の合格発表が終わると、12月頃から合格者を対象に新人研修が始まります。

研修で講師の先生から「司法書士業界はとても厳しい」と聞かされたり、同期合格者から独立以前に修行するための就職先を探すのも難しいという話を聞いたり、その時にはじめて司法書士業界の現実を目の当たりにすることになりました。←おそっ!

当時の僕は妄想力を総動員してモチベーションを維持してきたので、妄想していた司法書士業界と現実のギャップに心が折れそうになりました(今となっては妄想も大概にしろよ!と昔の自分に言ってやりたいくらいですが)。

そうは言っても合格と同時に12月から司法書士事務所で働き始めたし、年明けの2月には司法書士として登録したりと忙殺されて深く考える時間もありませんでした。幸か不幸かサラリーマン時代のような残業とは無縁の事務所だったので、実際に心が折れることなく3月まで研修が続いたハードなスケジュールも乗り越えることができました。

司法書士を目指したのは独立できる資格を取って早く独立したかったからなのに、研修期間が終わった頃には「しばらく独立はいいや」と妄想と現実とのギャップが大きすぎて現実逃避する気持ちが芽生えていました。

これからっていう大事なときに走る気力、体力が残っていませんでした。自分を追い込んで飛ばしすぎたと思います。そこを乗り越えるための妄想力はさすがに続きませんでした(笑)。

今思えば僕は司法書士試験に合格することをゴールにしてしまっていたようで、手段が目的になっていたんでしょうね。

妄想力は前に進む原動力としてはいいけど、妄想と現実とのギャップが大きすぎると後が大変です。1万時間チャレンジのモチベーション維持に妄想力を使おうと思った方はぜひ教訓にしていただければ幸いです。

1万時間の勉強からわかった資格試験の取り組み方

こんなことを書く機会はもうないだろうと思うので、僕が1万時間をかけて掴んだ合格するための資格試験の受け方について少し書いてみようと思います。書いていて泡盛講座・セミナーなどの準備も同じスタンスでやっているなぁと気が付きました。

少しといいながら長くなったのでそのつもりでお付き合いください(^^ゞ

いかに本番をイメージできるか?

1回目の挑戦は勉強をはじめたばかりということもあって、1月からはじまった答練と呼ばれる模擬試験の成績は安定しませんでした。そこでモチベーションを維持するために「本番でうまくできればいい。模擬試験で失敗してもこれは本番じゃないから、気にしないで勉強しよう」と自分に言い聞かせていました。

自分を励ますための方便だったのですが、これが試験当日はこんな感じでのしかかってきたんです。

  • 「今日だけは絶対にうまくやらないといけない」
  • 「この1年は今日のために努力してきたんだ」
  • 「今日うまくできなかったらまた1年間勉強だ」

こう思い始めたら、あれよあれよという間にパニックでした(笑)。

試験問題を誰が作っているのか知りませんが、出題ミスで全員が正解になるようなわけのわからない問題も出てきたりするわけですよ。そんな問題に必要以上に気を取られて、「あれ?あれ?」と問題用紙をめくれども手応えのある問題を見つけることができないままにタイムオーバー。

お昼は顔面蒼白で食事も喉を通らず。。当たり前ですが午後の試験もへろへろで家路に着いたような記憶があります(嫌な記憶は封印できる性分らしく、詳しいことはほとんど覚えていませんが)。

ま、こんな手応えで合格率3%未満の試験に受かるわけがないですよね。僕が1回目の司法書士試験で失敗したことは「本番であがってしまったから」です。とにかく実力を出し切れなかったことが悔しすぎました。

司法書士受験生界のイチローを目指す!?

1回目の失敗を糧に考え方を180度変えました。試験当日を意識しすぎないように、本番だけうまくいけばいいという考えは捨てて、何度試験を受けても合格できるように全ての模擬試験を本番と思って取り組もうと決めました。

そして僕が2年目に取り入れたのはルーティンです。

司法書士試験の予備校では年明けくらいから7月の試験まで毎週のように模擬試験が続くので、その模擬試験すべてを本番と思って取り組みました。模擬試験を本番と思って取り組むというのはどういうことかというと・・・

  • 9時スタートの試験なので、頭がちゃんと働くように試験開始3時間前の朝6時に起床
  • 試験は昼食を挟んで午後もあるので昼休みに食べるものはいつも同じもの
  • お昼を買いに行くのは慌しいので、おにぎりとウイダーインゼリーを1つずつ朝コンビニで買って持ち込んでおく
  • 食事の後は頭を休めることに集中、答え合わせなんてもってのほか
  • 家で勉強する時も試験の時間に合わせて休憩をとる などなど

こういうことを真面目に繰り返していると、何度も試験本番を経験している心境になってきてメンタルはだいぶ鍛えられました。司法書士受験生界のイチローを目指している、そんな気分でした(笑)。

1年間の勉強の成果をたった1日の数時間の試験で問われるというのは、勉強をやればやるほどに本当に恐ろしく感じます。だからどんな結果が出るにせよ、やりきったと胸を張って言えるように準備しようというのが僕のスタンスでした。

試験に限らず心がざわつくと不安になったりして良い事はありません。今も、出掛ける前に感情に任せて子供を叱ったりするとイライラが顔ににじみ出るので、そうならないように泡盛講座の前とかは特に気をつけています。楽しさを伝えたいですからね。沖縄物産展の期間中は気になることがあってもスルーすることを意識しています。

勉強の優先順位は?

どうしたってまずやるべきは過去問です。同じ問題が出る可能性は低いけれど、過去の試験で問われている以上は解説もしっかり読みます。それを何度も何度も繰り返すことでその試験で問われそうなところと、そうじゃないところがわかって来るんですよね、身体が。

過去問をやらないで、いくらテキストを読み込んでもこのメリハリを感じることはいつになってもできません。特にやっちゃいけないのは「こういう場合はどうなるの?」と自分で問題を考えてしまうことです。一見すると応用問題への準備になりそうですが、現実には「誰もそんなこと聞いてねぇよ」となるのがオチなので馬鹿みたいに過去問を繰り返しやるのがベターです。

これは僕がやってみて良かったというだけなので、参考程度に読み飛ばしてもらえればいいかなと思います。


「司法書士試験の勉強を1万時間続けた結果、果たして何かのプロになれたのか?」という問いから、ここ3回を書いてみました。あまり思い出したくない3年間だったりしますが、こうしてあえて振り返ることで、たった3年間で1万時間の練習ができたということも自信になったことや失敗も時間が立てばネタにできるという良い経験になりました。それにしても良くも悪くも濃い3年間でした。

 


まさに1万時間チャレンジ中の方や1万時間にチャレンジしてみたい分野がある方、「1万時間の法則」をベースにしたブランディングに興味がある方と、来年に向けて前向きに情報交換をしながら飲みたいと思い忘年会を企画しました。ピンと来た方のご参加をお待ちしています!

忘年会

「1万時間チャレンジャー忘年会(仮)」
日時:12月6日(水)19時~
会場:串かつ はなみ

詳細はこちらです。