本の紹介 「死後のプロデュース」

これも前から気になっていた一冊です。
「僕の死に方 エンディングダイアリー500日」の続編ともいえる「死後のプロデュース(金子稚子/PHP出版)」。

死後のプロデュース
金子稚子さんは、亡くなった金子哲雄さんの妻の立場からエンディングノートについて本を書いてほしいという依頼を断ったそうです。

断った理由は哲雄さんがいわゆるエンディングノートを準備していなかったから。エンディングノートを書く代わりに余命宣告を受けてから亡くなるまでの500日間で自分のお葬式やお墓のこと、会葬礼状まで自分で準備していたからです(この辺のことは「僕の死に方」に詳しく書かれています)。

亡くなった後のことの一切合切を自身できっちりセルフプロデュースしたので、エンディングノートを書く必要がなかったということ。

「死後のプロデュース」では哲雄さんと稚子さんの「引き継ぎ」のことが書かれていますが、私がこの「引き継ぎ」という概念を十分に理解できたとは言い難いです。同じような経験をしていない自分が簡単に理解できるものでもないように感じます。

話は変わりますが、少し前にある方から「死ぬ時はガンがいいと思っている」という話を伺いました。この方は現在60代で、10数年前にガンになりました。その数年後に再発、転移が見つかりました。

治療がうまくいって今は元気に過ごされているのですが、死ぬ時はガンがいいと思う理由はなんだと思いますか?

その理由は「ガンなら残された時間を知ることができるからいろいろな準備ができるし、お世話になった方にもお礼が言えるから」。

でもガンで亡くなるということは、また再発するということなんです。それでも「ある日、突然に亡くなるよりはガンの方がいい」と仰っていました。何度もガンと闘った方の言葉だけに重く受け止めました。

亡くなるまでの残された時間がもしわかるなら、エンディングノートを書いている場合ではないのかもしれません。残された時間で葬儀やお墓の準備だって自分でやってしまおうという気持ちも理解できます。でもよほど強い気持ちがなければ自身の葬儀の打合せなんてできるのだろうかとも思います(果たして自分ができるのだろうか?)。

この本を読んだことと、この話を聞いたことで、エンディングノートは元気なときに書いておくべきだし、そうじゃないと意味がないと改めて感じました。