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Vol.6 なんで泡盛なの?っていうか本当に好きなの?

キングコング西野亮廣さんの「魔法のコンパス」の中で藤原和博さんの「必ず食える1%の人になる方法」が大絶賛されているんですけど、「どういった分野で100人にひとりを目指すべきか?」という問いに対する西野流の答えとしてこう書いてありました。

「芸人のクセに」と言われるようなものだ。

目指すべき3つの専門分野を仮にA,B,Cとすると、このA,B,Cの3点を結んでできた三角形の面積が大きければ大きい方が良いという考え方がベースになっているんですが、西野さんの場合、ひとつは「芸人」で、もうひとつが「アート」。

ここで3つ目に「小説」とかを持ってくると「芸人」からも「アート」からもあんまり離れていないから小さめな三角形になってしまうので面白くないという理論。ちなみにこの三角形をクレジット(信用)と呼んでいる。

有名すぎる「火花」の方がいるので「小説」では芸人のクセに感が弱いというのが納得できますよね。それに3つの専門分野を掛合わせてレアキャラを目指そうという戦略なので、芸人×芥川賞作家を差し置いてレアキャラというのはやっぱり難しいですよね。。

僕なりの解釈でいくとまあこんな感じの話です。

ここで自分自身を振り返ってみると・・・

  •  泡盛講座?
  • 酒販免許?
  • オリジナル泡盛?

どれも「司法書士のクセに」をつけて言ってみたときの響きは申し分ない。 西野流の答えはさらにこう続きます。

クレジットを大きくするためには、もっともっと離す必要がある。
「学校」か「町づくり」あたりが面白そうだなぁ、とボンヤリ考えております。

確かに「学校」も「町づくり」も「芸人のクセに」が似合いますよね。これは3つの専門分野を掛け合わせてできた三角形を大きくするという考え方がベースにあるので、とっても戦略的な専門分野の選び方ですね。

僕の場合、僕自身まさかここまで泡盛にハマるとは思ってなかったので(苦笑)、意図的にとか戦略的に泡盛を選んだということは全くありません。

比較的最近知り会った人は、あまり人がやっていないものを狙って、あえてニッチな泡盛を選んだと思っている人もいるみたいで、「なんで泡盛なのか?」とよく聞かれますし、さすがに「本当に好きなんですか?」と聞かれることはほとんどありませんが(何回かあります(苦笑))、泡盛好きを装っていると思う人もいるみたいです。ってなんでやねん!笑

現在の泡盛を取り巻く厳しい状況がわかっていたら、オリジナル泡盛を造って在庫を抱えるなんて自分のレア感を出すことが目的ならできませんよ。だって事務所に置いてるだけじゃ絶対に売れないもん。泡盛が本当に好きじゃなかったらできないです。

なんで泡盛なのか・・・

ひと言で言ってしまえば「泡盛の美味しい古酒を作る秘訣を知って、悩んでいた自分が救われたから」です。

前にコラムにも書いていますが、長時間の残業に耐えられなくて会社を辞めて。やっとの思いで合格した司法書士も現実は想像していたものとかけ離れていて、「俺、何やってんだろ」ってもんもんとしていた時に出会ったのが泡盛の古酒でした。

泡盛はただ単に寝かせておけば良いってものではないんですよね。時々味見をして泡盛の風味・様子を確認する、そしてその時に少しだけ新しい泡盛を継ぎ足すことで泡盛は活性化して美味しくなると言われています。美味しい古酒を作る秘訣

人生も順調に進む方がいいかもしれないけど、時々少しだけ新しい刺激を取り入れている方が面白く味わい深い人生になるんじゃないの?そんな風に考えることができたんです。(詳しくはこちらに書いてあるのでお暇な方はぜひ読んでください)。

泡盛との出会いは僕の人生を大きく変えてくれました。

正確には泡盛の力じゃないかもしれないけど、泡盛と出会い泡盛マイスターを目指している中で人生が大きく動きました。結婚10年目にして子供を授かったのは泡盛マイスターの実技試験の勉強中でした。

そして何より泡盛をきっかけに人脈がどかーんと広がりました。しかもこれまで知り合うことがなかった方達です。今年は「つながるあわもり」という言葉を使いまくっているのですがまさにその通りで、

翁長知事と泡盛でカリー!(乾杯)できたり
翁長知事とカリー!

泡盛の応援ソング「盛り泡ろう!」のPVに出演したり、泡盛を介してご縁がどんどん広がっていくのを実感しています。

泡盛マイスターの試験にチャレンジしようと意識して泡盛を飲み始めてから約6年(2,190日)。ばらつきはありますが仮に4時間/日くらい泡盛のことに当てていたとして計算すると8,760時間。基本的に好きなことを好きなだけやっているのでやり続けることに苦しさを感じることはまったくありません。これは司法書士の勉強のときの1万時間とはあきらかに違います(苦笑)。

どんな分野で1万時間を目指したらいいんだろう?

「司法書士」それから「泡盛」を専門分野にしようとしている僕が、次に100人にひとりの専門分野を目指すとすれば・・・

久しぶりに「成熟社会の歩き方」という本来のお題に相応しい問いじゃないですか。

  • 「司法書士」の時のように必要性から攻めてみる?
  • それとも「泡盛」のように好きなだけで突っ込んでみる?
  • 西野方式で「クセに」から考えてみると・・・

「泡盛がめっちゃ好きな司法書士のクセに・・・ うーん、いまいちピンとこない(笑)

  • どMな感じであえてやりたくないことに挑戦してみる?
  • まったく興味がないことに思いきって迷い込んでみる?

西野式に当てはめると、泡盛から少しずらして日本酒、焼酎あたりでは想定の範囲内すぎて「くせに」感が弱いということになりますよね。へたをすると単なる酒好きというレッテルを貼られてしまう。僕にとって「泡盛好き」と認識されることと「酒好き」と認識されることはまったく別物なので他のお酒を専門分野にするのはパスですね。。

最近ハマっていることといえば

キャンプです。今年は10回くらい行っているので1万時間にチャレンジする分野になる可能性はかなり高いわけですが、そもそもはまったく興味がありませんでした。山形の田舎で育ったので、なぜ故に田舎に行きたがるのか理解できなかったです。

キャンプ2017

九州の友達に誘われて毎年連れて行ってもらっていて、それで終わるかと思っていたけど、自分にも子供ができて、はじめてキャンプというものは親が子供に体験させてあげたいものらしいと実感しました。

自分が子供時代に経験できなかったので、その反動という面はあるかもしれませんが、今は自分が楽しいからキャンプに行っているので子供のためというのはあまり関係ありません。そう考えると、これから1万時間を投じる分野を探そうと思っている方は、一度これまでの人生を振り返ってみるのもいいかもしれません。自分でも気が付いていないだけで渇望しているものに出逢えるかも。

できるだけ離れたテーマで3つの専門分野を持とうと思うと、好きかどうかを基準に選ぶのか?あえて思ったところからずらしてみるのか?考え出すとなかなか面白いですよ(^^)


まさに1万時間チャレンジ中の方や1万時間にチャレンジしてみたい分野がある方など「1万時間の法則」をベースにしたブランディングに興味がある方と飲みながらいろいろお話したいと思い新年会を開催します!

ピンと来た方のご参加をお待ちしています(^^♪

10000チャレンジャー新年会
平成30年1月17日(水)19時~
会場:オフィスG株式会社

【開催報告】 「1万時間チャレンジャー忘年会(仮)」 2017年12月6日

はじめての試みでしたが「1万時間の法則」をテーマに飲み会を開催しました。

僕以外は誰も課題図書を読んでいなかったので(笑)、どうなることやらと不安でしたが、結論から言うと美味しい串かつとワインを堪能しつつ「10000」をキーワードに時間が経つのも忘れるくらい熱く語り合うことができました。

1万時間チャレンジャー忘年会9
これが課題図書です

 

 1万時間チャレンジャー忘年会3  1万時間チャレンジャー忘年会4
 1万時間チャレンジャー忘年会6  1万時間チャレンジャー忘年会5
 1万時間チャレンジャー忘年会7  1万時間チャレンジャー忘年会8

ある分野で1万時間練習しようと思っても自分の意思の力だけではかなり難しいと思います。でも一緒にチャレンジする仲間がいれば励みにもなるし、強制力にもなる。参加メンバーそれぞれが決めたコミットメントの達成を目指して、切磋琢磨しながらチャレンジする企画を温めています。

SNSを活用して、チャレンジする過程をイベントとして面白く発信することができたら、コミットメント達成への追い風にできるんじゃないかと思ってて、その辺について意見を聞いてみたかったというのが開催のひとつの目的でした。

それにしても、いつものプロップスを封印して作った新しいプロップスがメンバーの気持ちをひとつにするいい仕事をしてくれましたね。

1万時間チャレンジャー忘年会11万時間チャレンジャー忘年会2

コミットメントを達成することで影響力のあるレアな人になれそうな面白いコミットメントのアイディアがいくつか出たのでご紹介します(^^♪

「オリジナルもずく料理でマイナス15kg!ついでに6パックになる!」
「自分で獲った食材を自作の燻製器で燻す! ハンター燻製家としてレシピ本を出版!」
「1年366日飲み歩き(走り) はしご酒10,000kmマラソン」
「キャンプ場でゲリラ泡盛BAR! オリジナル泡盛で10,000人乾杯!」

どれが誰のコミットメント案かは想像におまかせします(笑)


企画内容をもっと具体的に固めたいので、まさに1万時間チャレンジ中の方や1万時間にチャレンジしてみたい分野がある方など「1万時間の法則」をベースにしたブランディングに興味がある方と飲みながらいろいろお話したいと思い新年会も企画します!

ピンと来た方のご参加をお待ちしています!

10000チャレンジャー新年会
平成30年1月17日(水)19時~
会場:オフィスG株式会社

vol.5 ムチだけじゃなくてアメもいる 素晴らしきかな妄想力

追い込むだけで1万時間勉強を続けるモチベーションを保てたようなことを前回書きましたが、ムチだけじゃなくてちゃんとアメもありました。アメといっても物質的なご褒美ではなく、合格したら・・・こんな風になれるはずという夢・思い込み・妄想でした(笑)。

「そんなことだけで」と思うかもしれませんが、逆に夢を見れていないと毎日毎日勉強の繰り返しを2年半も続けるなんて無理だったと思います。それに、物質的なもので満たそうと思っても、合格すること以外で今は心から満たされることはない。そんな風に考えていました。

ちなみに僕が妄想していたのは、司法書士試験に合格さえできたら・・・

  • すぐにでも独立開業できる
  • 特に営業をしなくても仕事はたくさんある
  • 独立すれば、やらされ感のある残業とはオサラバできる

「司法書士は独立開業できる資格、平均年収1,400万円」という予備校の情報を当時は鵜呑みにしていたので(苦笑)、本気で信じていました。

自分勝手な思い込みと言われればそのとおりかもしれません。いま思えばですけど。

予備校の他には司法書士事務所でバイト経験がある相方の話など、二次情報を信じてしまったのも理由ですね。司法書士をされている方を訪ねてお話を聞かせてもらったりもしましたが(一次情報)、ひとりじゃなくて何人にも聞いてみるとか、しっかり裏を取らなかったので結局、詰めが甘かったんですね。

まあ現実が見えていたら、合格するまで頑張れなかったでしょう。そういう意味では合格してから幻想だったと気がついて本当に良かったと思います(笑)。

もしかすると、現実を知りすぎてしまうと無謀にも会社を辞めてまで、新しい世界にとび込む勇気が出ないから、無意識に気がつかないようにしていたのかもしれません。←考えすぎかな?

少なくとも気持ちを勉強に向かわせる強制力と合格した後の世界を妄想することで、前に進む原動力になっていたことは確かです。

日々の小さなゴールこそ大事

長期間のモチベーションを維持するには毎日の小さなゴールを持つことが大事でした。

  • 1日12時間勉強する
  • 今週はここまで過去問を終わらせる
  • 週末の模擬試験は○点以上を取る

など些細なことでも、中身もなんでもいいんです。「合格」というゴールだけじゃ1年以上もモチベーションを維持するにはふわっとしていて大きすぎるんです。日々の小さいゴールがないと気持ちが続かないんです。

自分でも意外でしたが、得意じゃないしむしろ苦手な資格試験の勉強でしたが、自分で決めた目標をクリアするために集中して1日1日を過ごすのはとても充実した日々でした。

1万時間にチャレンジするなら、先のことすぎるふわっとした目標だけでは変に頑張り過ぎて心が壊れてしまいそうになるので、足跡が確認できるような小さな目標を持つのもオススメです。

妄想力は諸刃の剣

9月末に筆記試験の合格発表、11月頭に口述試験の合格発表が終わると、12月頃から合格者を対象に新人研修が始まります。

研修で講師の先生から「司法書士業界はとても厳しい」と聞かされたり、同期合格者から独立以前に修行するための就職先を探すのも難しいという話を聞いたり、その時にはじめて司法書士業界の現実を目の当たりにすることになりました。←おそっ!

当時の僕は妄想力を総動員してモチベーションを維持してきたので、妄想していた司法書士業界と現実のギャップに心が折れそうになりました(今となっては妄想も大概にしろよ!と昔の自分に言ってやりたいくらいですが)。

そうは言っても合格と同時に12月から司法書士事務所で働き始めたし、年明けの2月には司法書士として登録したりと忙殺されて深く考える時間もありませんでした。幸か不幸かサラリーマン時代のような残業とは無縁の事務所だったので、実際に心が折れることなく3月まで研修が続いたハードなスケジュールも乗り越えることができました。

司法書士を目指したのは独立できる資格を取って早く独立したかったからなのに、研修期間が終わった頃には「しばらく独立はいいや」と妄想と現実とのギャップが大きすぎて現実逃避する気持ちが芽生えていました。

これからっていう大事なときに走る気力、体力が残っていませんでした。自分を追い込んで飛ばしすぎたと思います。そこを乗り越えるための妄想力はさすがに続きませんでした(笑)。

今思えば僕は司法書士試験に合格することをゴールにしてしまっていたようで、手段が目的になっていたんでしょうね。

妄想力は前に進む原動力としてはいいけど、妄想と現実とのギャップが大きすぎると後が大変です。1万時間チャレンジのモチベーション維持に妄想力を使おうと思った方はぜひ教訓にしていただければ幸いです。

1万時間の勉強からわかった資格試験の取り組み方

こんなことを書く機会はもうないだろうと思うので、僕が1万時間をかけて掴んだ合格するための資格試験の受け方について少し書いてみようと思います。書いていて泡盛講座・セミナーなどの準備も同じスタンスでやっているなぁと気が付きました。

少しといいながら長くなったのでそのつもりでお付き合いください(^^ゞ

いかに本番をイメージできるか?

1回目の挑戦は勉強をはじめたばかりということもあって、1月からはじまった答練と呼ばれる模擬試験の成績は安定しませんでした。そこでモチベーションを維持するために「本番でうまくできればいい。模擬試験で失敗してもこれは本番じゃないから、気にしないで勉強しよう」と自分に言い聞かせていました。

自分を励ますための方便だったのですが、これが試験当日はこんな感じでのしかかってきたんです。

  • 「今日だけは絶対にうまくやらないといけない」
  • 「この1年は今日のために努力してきたんだ」
  • 「今日うまくできなかったらまた1年間勉強だ」

こう思い始めたら、あれよあれよという間にパニックでした(笑)。

試験問題を誰が作っているのか知りませんが、出題ミスで全員が正解になるようなわけのわからない問題も出てきたりするわけですよ。そんな問題に必要以上に気を取られて、「あれ?あれ?」と問題用紙をめくれども手応えのある問題を見つけることができないままにタイムオーバー。

お昼は顔面蒼白で食事も喉を通らず。。当たり前ですが午後の試験もへろへろで家路に着いたような記憶があります(嫌な記憶は封印できる性分らしく、詳しいことはほとんど覚えていませんが)。

ま、こんな手応えで合格率3%未満の試験に受かるわけがないですよね。僕が1回目の司法書士試験で失敗したことは「本番であがってしまったから」です。とにかく実力を出し切れなかったことが悔しすぎました。

司法書士受験生界のイチローを目指す!?

1回目の失敗を糧に考え方を180度変えました。試験当日を意識しすぎないように、本番だけうまくいけばいいという考えは捨てて、何度試験を受けても合格できるように全ての模擬試験を本番と思って取り組もうと決めました。

そして僕が2年目に取り入れたのはルーティンです。

司法書士試験の予備校では年明けくらいから7月の試験まで毎週のように模擬試験が続くので、その模擬試験すべてを本番と思って取り組みました。模擬試験を本番と思って取り組むというのはどういうことかというと・・・

  • 9時スタートの試験なので、頭がちゃんと働くように試験開始3時間前の朝6時に起床
  • 試験は昼食を挟んで午後もあるので昼休みに食べるものはいつも同じもの
  • お昼を買いに行くのは慌しいので、おにぎりとウイダーインゼリーを1つずつ朝コンビニで買って持ち込んでおく
  • 食事の後は頭を休めることに集中、答え合わせなんてもってのほか
  • 家で勉強する時も試験の時間に合わせて休憩をとる などなど

こういうことを真面目に繰り返していると、何度も試験本番を経験している心境になってきてメンタルはだいぶ鍛えられました。司法書士受験生界のイチローを目指している、そんな気分でした(笑)。

1年間の勉強の成果をたった1日の数時間の試験で問われるというのは、勉強をやればやるほどに本当に恐ろしく感じます。だからどんな結果が出るにせよ、やりきったと胸を張って言えるように準備しようというのが僕のスタンスでした。

試験に限らず心がざわつくと不安になったりして良い事はありません。今も、出掛ける前に感情に任せて子供を叱ったりするとイライラが顔ににじみ出るので、そうならないように泡盛講座の前とかは特に気をつけています。楽しさを伝えたいですからね。沖縄物産展の期間中は気になることがあってもスルーすることを意識しています。

勉強の優先順位は?

どうしたってまずやるべきは過去問です。同じ問題が出る可能性は低いけれど、過去の試験で問われている以上は解説もしっかり読みます。それを何度も何度も繰り返すことでその試験で問われそうなところと、そうじゃないところがわかって来るんですよね、身体が。

過去問をやらないで、いくらテキストを読み込んでもこのメリハリを感じることはいつになってもできません。特にやっちゃいけないのは「こういう場合はどうなるの?」と自分で問題を考えてしまうことです。一見すると応用問題への準備になりそうですが、現実には「誰もそんなこと聞いてねぇよ」となるのがオチなので馬鹿みたいに過去問を繰り返しやるのがベターです。

これは僕がやってみて良かったというだけなので、参考程度に読み飛ばしてもらえればいいかなと思います。


「司法書士試験の勉強を1万時間続けた結果、果たして何かのプロになれたのか?」という問いから、ここ3回を書いてみました。あまり思い出したくない3年間だったりしますが、こうしてあえて振り返ることで、たった3年間で1万時間の練習ができたということも自信になったことや失敗も時間が立てばネタにできるという良い経験になりました。それにしても良くも悪くも濃い3年間でした。

 


まさに1万時間チャレンジ中の方や1万時間にチャレンジしてみたい分野がある方、「1万時間の法則」をベースにしたブランディングに興味がある方と、来年に向けて前向きに情報交換をしながら飲みたいと思い忘年会を企画しました。ピンと来た方のご参加をお待ちしています!

忘年会

「1万時間チャレンジャー忘年会(仮)」
日時:12月6日(水)19時~
会場:串かつ はなみ

詳細はこちらです。

vol.4 好きじゃなくても1万時間は達成できます。こうやって追い込めば。

大学は工学部だから法律を勉強したこともなかったし、前回書いたとおり残念すぎる資格試験人生だったので、資格試験は苦手意識しかなくて好きなはずもない。それでも司法書士試験の勉強で1万時間を達成することができたのには、ある理由がありました。

苦手だし好きでもない資格試験の勉強を2年半で1万時間も続けることができた理由は強制力です。自分でも「Mだな(笑)」と思ってしまうくらい、逃げ出さないように自分を追い込む仕組みを作りました。

まず今まで資格試験に受からなかったのは、勉強時間が足りなかったし、勉強のやり方もダメだったからという仮説を立てました。逆にいうと正しい勉強方法と勉強時間を確保できれば、合格率3%未満の難関の試験に受かれるという、ある意味すごい自信ですね(苦笑)。

3,000時間を確保するために捨てたもの

まずは勉強時間の確保ですが、そもそも残業がつらいというのが独立開業できる資格、司法書士試験を目指そうというきっかけになっているので、仕事との両立は絶対に無理。

1日8時間労働×20日/月=160時間/月。これに残業が月100時間と考えると260時間/月。今、会社を辞めて来年の試験まで1年以上あるってことは、働いている時間をそっくりそのまま勉強時間にあてれば司法書士試験に受かる基準といわれている勉強時間3,000時間をクリアできるという計算です。

会社を辞めたいという気持ちが先にあるので、この決断は早かったです(笑)

どうしても1回で合格 したかった理由

会社を辞めたら当然収入は途絶えるのですが、マンションを買っていたので住宅ローンがありました。毎月の支払いは14万円くらいで、そのときは相方と二人で働いていたけど住宅ローンの支払いは僕の担当だったと思います。

今みたいな金利じゃなかったので早めに返そうと毎月の支払いを多めに設定していましたが、ローンを組んで2年半くらいだったので3,000万円くらい、たっぷり残高がある状況。

相方は残業で死にかけている僕を見ているので「会社を辞めるのは止めないけれど、住宅ローンの支払いはどうするの?」という至極まっとうなスタンスでした。

そんな中、相方が見つけてきたのが住宅金融公庫(現住宅金融支援機構)の「新特例措置」という制度。簡単に言うと会社を辞める等の理由で収入が極端に減ったり、無くなった人を対象に、しばらくの間ローンの支払いを猶予してくれる(猶予期間中は利息だけ返済)というものでした。

すぐに跳びつきましたねー(笑)。

改めてその制度のパンフレットを見ると審査の条件の全部は満たしていなかったので、銀行に押しかけてまでの気迫のこもった交渉の成果なのか、僕の必死さが伝わって審査を通してもらったような気がします。

担当の人のちょっとの間なら延命措置をしてあげようという優しさだったのかもしれません。あくまでも延命措置だから大勢に影響を与えるものでもないと判断されたのかと(苦笑)。

住宅ローンの支払いの猶予期間が3年間だったので、司法書士試験にどうしても1回で受かりたかったのです。1回がダメでも2回目で合格を決めないと猶予期間が終わって住宅ローンの返済が再開するという時限装置でした。

これなら資格試験が苦手とか、好きじゃないとか言ってられないでしょ?

高くても勉強の仕方はプロに習おう

一度も法律を勉強したことがなかったので独学とかは考えられずに予備校に通うことにしました。

もし勉強に手応えを感じることができなくなったとしてもバイトに逃げないように、ネット配信とかじゃなくて平日の9時から17時で週3日授業がある生講義の講座を申し込みました。

授業料はトータルで100万円くらいだったと思います。退職金とか貯金を取り崩して払ったのでお金がなくなりました(笑)。

でもバイトをしようとは考えませんでしたね。少しでも収入があれば気持ちは楽になるかもしれないけど、それで合格が遠のいたら嫌だし、合格できなかったときにバイトで勉強する時間がなかったとか言い訳にするのは本当に嫌でした。本末転倒過ぎて。

結局、合格して司法書士事務所で働き始めるまでの2年半は1円も収入がなかったので、できるだけお金は使わないように過ごしました。

受験生的超節約術!?

ネット配信じゃない通学の講座だから週3日は予備校でお昼を食べないといけないけど、いつしか家にあるパンを持って行ったり。家で勉強している日の昼は決まって素うどんでした。買物に行く時間も作る時間ももったいないし、何より食費をおさえたかった(笑)。

住宅ローンの支払いはストップできたけど、利息分とマンションの管理費とか5~6万円は毎月払わなくちゃいけないし。

ちょうどお昼に中村敦夫出演の「水滸伝」のドラマの再放送をやっていたので、林中達、梁山泊の活躍を見て受験に挑戦する自分を鼓舞しながら素うどんをすすってました。

他には髪を切りに行く時間もお金ももったいないのでバリカンで坊主にしてましたね。坊主自体はサラリーマン時代も好きで時々やってたから別に悲壮感漂うようなことじゃないんですけど。

こういう話は悲しいエピソードと感じる人もいるかもしれませんが、冷静に当時のことを思い出すと毎日自分で決めた勉強時間の目標をクリアすることに夢中になっていたので意外と充実感がありました。

余計なことを考える時間ももったいない!

考え事をする時間があるとどんどん不安な気持ちが沸き起こってくるんです。「受からなかったらどうしよう。1回目はいいとして、2回目も3回目も・・・」

受からなかったらという不安よりも、

気持ちなのか?お金なのか?どちらもなのか?
続かなくなったらどこで司法書士試験を諦めるのか?
ここまで退路を断って挑戦して諦めるとしたらいつなのか?
自分の気持ちとどういう風に折り合いをつけてやめるのか?
本当にやめれるのか?

ボーっとする時間がちょっとでもあるとそんなことまで考えてしまうくらいに不安でした。だから苦手だろうが、好きじゃなかろうが勉強に集中している方が気持ちが楽だったんです。

だから生活のすべてを勉強に捧げるためには収入を断ったことも悪くなかったと思います。そんなわけで今なら考えられませんが2年半は全然お酒を飲まなかったです。ほんと勉強だけでした。

一歩踏み出すことができたのは

これまでの残念な資格試験人生からすると、会社を辞めて司法書士試験に挑戦することはリスクでしかないのは自分が一番よくわかっていたのですが、ふとこう思ってしまったんですよね。

「これだけ残業しているんだから、3,000時間くらい余裕で勉強できるっしょ!」

無駄な残業時間を勉強時間に置き換えた結果、難関の資格試験に合格できたらかなり格好いいんじゃないの?という気持ちが盛りあがってしまいました。←徹夜続きで変なテンションだったはず

「(あんなに資格を取れなかった)伊藤が司法書士試験に受かったってよ」と辞めた会社をざわつかせたかったのかもしれませんし、僕の挑戦を成功させることで会社の残業体質に一石を投じたかったのかもしれません。

それが会社を辞めてまで司法書士試験に挑戦する理由となるとどうなのか?いま冷静に考えたらバカだなって思うわけですが、なかなか踏み出せない一歩を踏み出すにはこういうつまらない意地を張ることも大事なのかもしれません。

自分の手で泡盛を盛り上げたいからと酒販免許を取ってオリジナル泡盛を造ってしまうこととか、あの時とノリは変わっていないなぁと最近気づきました(笑)。

自分を追い込んで追い込んで1万時間を達成したかのように書いてしまいましたが、実際はアメとムチのムチだけじゃなく、アメもちゃんと用意していました。アメの話はまたあらためて。

 


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忘年会

「1万時間チャレンジャー忘年会(仮)」
日時:12月6日(水)19時~
会場:串かつ はなみ

詳細はこちらです。

vol.3 1万時間の試験勉強で何かのプロになれたのか?

「2年で司法書士に合格するって、すごく早いですよね?」

最近、こんなことを言われて久しぶりに合格した時のことを思い出しました。当時の心境としては「やっと合格できたぁー」という感じでしたが、今となっては「よく合格できたなぁ」としみじみ思います。

2年間の勉強期間で「やっと」という表現は相応しくないと思うかもしれませんがそれなりに理由があります。司法書士試験に合格するには3,000時間は勉強しないと受からないと僕が受験していた頃は言われていました(今はどうなのかわかりません)。

僕は事情があって「なんとか1回で合格してやろう!」という野望を持って挑んだので、15ヶ月×30日×10時間/日。ざっと計算しても余裕で3,000時間をクリアできるような勉強計画を立てて取り組んでいました。

結果、1回目の挑戦は見事に玉砕。普通はそんなもんです、普通は。1回で合格しなくちゃという思いが余りにも強かったのでだいぶ凹みましたけど(苦笑)。

2年目は12ヶ月×30日×12時間/日。合格できなかったのは勉強時間が足りなかったんだろうと更に2時間増やしたんですよね。

2回目の試験も手応えがなかったので3回目の挑戦も見据えて結果発表までに、さらに3ヶ月。限りなく1万時間を司法書士試験の勉強にかけた計算になります。

だから当時の僕の心境の「やっと合格できたぁー」は、3,000時間どころかその3倍の1万時間も勉強してやっと合格できたぁーというニュアンスなんです。

期間だけを見れば2年は早いかもしれないけど、勉強時間としては相当やっているわけで。1日3時間で1万時間勉強しようと思ったら10年はかかりますからね。結局のところ何年勉強したかよりも何時間やったか、これに尽きるかなと。

「どんな分野でも1万時間程度継続して練習すれば、その分野のプロになれる」という経験則が1万時間の法則ですが、司法書士試験の勉強に1万時間をかけていったい何のプロになることができたのか?

合格したものの実務経験はゼロだったので司法書士のプロになれるはずもなく、何かのプロになれたんだろうか?と掘り下げてみようと思いました。

残念すぎる我が資格試験人生

「2回で合格」というと、もともと資格試験とか得意なんでしょ?とよく言われるんですが、

  • サラリーマン時代は技術士補の試験に5年間落ち続け
  • TOEICを受ければ4択のほぼ確率通りの250点
  • 脱サラの糸口を掴もうと挑戦した簿記3級も見事に惨敗

というかなり残念な資格試験人生なので勘違いということはわかってもらえるかと。

だから仕事を辞めてまで合格率3%未満の司法書士試験に挑戦しようなんて、だいぶ頭がおかしいですよね?(苦笑)

技術士補というのは技術士という試験の前段階の比較的簡単な試験なのに、こんなに落ち続ける奴も珍しく、会社を辞める時は司法書士試験に挑戦するために辞めるなんて恥ずかしくて言えなかったですもんね。。

ここまで書いていて気づいたのですが、好きなことだからこそ1万時間も続けることができると一般的に言われてますが、僕の場合は違ったなぁ~と。

大学は工学部だから法律を勉強したこともなかったし、資格試験は苦手意識しかなかったから好きなはずもない。得意でも好きでもないことで1万時間を達成できたのは我ながら凄いなぁと気がついたんですよね。 それにはある事情が関係しているんですがそれはまたあらためて。

苦手なものに1万時間もかけたんだから、何かのプロになってないと報われないような気がしてきましたよ。

何か変わってないか??

司法書士試験の後にいくつか資格試験を受けました。

  • 簡易裁判所で訴訟代理をするための司法書士の試験
  • 行政書士
  • 宅建
  • 泡盛マイスター

前はあんなに落ち続けていたのに、どれも一発合格できました。行政書士と宅建は出題される範囲が司法書士と一部かぶるので多少のアドバンテージはあるにせよ、泡盛マイスターは完全に未知の世界でしたが1回で合格できました。

泡盛マイスター認証書

それから、全然威張れる点数じゃないんですけどTOEICは250点→500点と倍になりました。さらに僕が試験勉強に関わらせてもらった

  • うちの相方は宅建に
  • 事務所の先輩は司法書士に
  • 泡盛友達は泡盛マイスターに

軒並み合格!というおまけまで付いて来ました!司法書士試験の勉強を1万時間やり続けたことで資格試験に合格するための勉強のコツを掴んでいたようです(^^)

司法書士試験の勉強に1万時間をかけた先にあったのは・・・苦手意識しかなかった資格試験を克服できた自分でした。苦手なことを1万時間やり続けたことは無駄じゃなかったと思えるくらい、これは相当な自信につながりました。

合格はスタートなのに・・・

実務経験がなかったので合格した後はすぐに司法書士事務所で働き始めました。

司法書士を目指したのは独立できる資格を取って、早く独立したかったからなのに、今思えば僕は司法書士試験に合格することをゴールにしてしまっていたようで、手段が目的になってしまっていました。これからっていう大事なときに走る気力、体力が残っていなかったように思います。

そうなってしまった理由はvol.4へ続きます。


まさに1万時間チャレンジ中の方や1万時間にチャレンジしてみたい分野がある方など、「1万時間の法則」をベースにしたブランディングに興味がある方と、来年に向けて前向きに情報交換をしながら飲みたいと思い忘年会を企画しました。ピンと来た方のご参加をお待ちしています!

忘年会

「1万時間チャレンジャー忘年会(仮)」
日時:12月6日(水)19時~
会場:串かつ はなみ

詳細はこちらです。

vol.2 混ぜるな危険!? ハイブリットのチカラ

必ず食える1%の人になる方法

「藤原和博の必ず食える1%の人になる方法」を読んで、面白そうだとここ数年実践してきたことがあります。それは必ず食える1%になるには100人に1人の専門分野を作り、それを掛け合わせることで自分のレアさを出していくという戦略。

僕の場合、掛け合わせているのは「司法書士」と「泡盛」。

こんなハイブリットがうまくいくのか?
そもそもこんな「混ぜるな危険」って感じのものを掛け合わせちゃって大丈夫なのか?

と思う方がほとんどですよね。僕もそう思って混ぜる前はかなり躊躇してました(笑)。

いざ混ぜてみて・・・「司法書士」×「泡盛」のハイブリットのチカラを実感したのは、那覇のホテルのロビーでした。

新聞を開いたら黄色のハッピが目に飛び込んで来た!

沖縄タイムス4

この記事はオリジナル泡盛造りの打合せの様子を沖縄タイムスさんに取材していただいたときのもの。

沖縄タイムス5

取材していただくきっかけとなったのはプレスリリースでした。すみません、ちょっと格好良く言いました(笑)。正確にはダイレクトメールでした。取材の2ヶ月前くらいにたまたま記者の方を紹介していただいたので、記者の方にオリジナル泡盛造りのことを直接メールしてみました。

スルーされてもそれはそれでいいやと。とりあえず情報発信をしておこう、そんなノリでした。

メールが功を奏してこの記事があるわけですが、取材の直後に1、2度、確認のための電話があったので「もしかすると明日の朝刊に載ったりして?」と妄想する一方で、泡盛マイスターの技能競技大会の時なんか記事になるまでに結構時間があったので「いやいやーさすがに翌日はないやろー」と妄想にひとりでツッコミを入れたりして、朝を迎えました。

いつも通り泡盛友達と沖縄の夜を楽しんだので、眠い目をこすりながら「もしかしたら」という期待と「今日はないよな」という諦めが入り混じった心境でおそるおそる新聞を開くと・・・

載ってたんですよ、しかも予想外のこのサイズで。昨日は他にニュースがなかったんかな?(笑)とマジで思ってしまうくらい。しかも写真はカラーでした。

沖縄タイムス6

司法書士なのに、沖縄に縁もゆかりもないのに、ここまでして泡盛を応援しようとしている、そこが「大きく取り上げよう」という社内の反応に繋がりましたと記者の方から後日、伺いました。

裏を返せばいくら大阪発のオリジナル泡盛といったところで、僕が司法書士じゃなくて、普通に酒屋を営んでいる泡盛好きなら記事にならなかったんだろうと思いました。

いやらしい話ですが・・・

このコラムを書くにあたって、もしこのサイズの広告を沖縄タイムスに出すとしたらいくらかかるのか気になって調べてみました。結局のところはっきりとはわからなかったのですが、縦は6段20センチ以上、横は14センチなので数万円では済まないですよね。金額はともかく他の泡盛メーカーさんの新商品の記事でもこのサイズはほとんど見かけないですからほんとびっくりでした。

ホテルで開いた新聞に黄色のハッピを着た自分が載ってることが可笑しくて、半笑いで新聞を買いにコンビニ走ったというのは忘れられない思い出になりました。

どうせだめだろうと思ってもやってみることって大事だよなということも身にしみました。

これもハイブリットの成せる業?

他にも司法書士×泡盛でメディアに載ったことがありまして、これはまさかのYAHOO!ニュースです。

YAHOO!ニュース

YAHOO!ニュースなんて「司法書士が○○で逮捕!」とか、なにかやらかしたときくらいしか縁がないものだと思ってましたが(苦笑)、事件じゃなくて大臣賞!明るい話題ですよ!司法書士試験に合格した時はまさかこんな日が来るなんて思ってもみませんでした(遠い目)。

これでこの沖縄タイムスのように写真が載ってたらサイコーなんですが。

沖縄タイムス3

でも、これは大会にエントリーをする時に職場を「司法書士・行政書士いとう事務所」と書いていたからで別にハイブリットの効果ではないですね。

この記事はどうでしょう?セミナーを開催しているエンディングノートの活用法について「日経ビジネスアソシエ」で記事にして頂いたものです(セミナー開催例:「最幸の人生を見つける旅」)。

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日経ビジネスアソシエ1

自己紹介に「泡盛マイスター」と書いてもらったのは、僕自身も仕事以外の分野で目標を決めて実践している点を評価してもらったのかなと思います。エンディングノートを使った目標設定方法について取り組んでいる方はいないこともないだろうと思うので、取材してもらえた時点でこれもハイブリットのチカラによるものかもしれませんね。

売れている芸人さんもハイブリット戦略!?

京大×芸人、家電好き×芸人、グルメ×芸人・・・バラエティ番組などでひっこりだこの芸人さんの顔がいろいろ浮んできませんか?

掛け合わせているものはどれもお笑いのネタの面白さとは関係のないもの。人気が出るためには当然ながらボケやツッコミのスキル、話の面白さは求められると思いますが、プロの芸人さんなら誰もが一定のレベルは超えているわけで、それ以外の部分で尖っている・キャラが立っている人が選ばれると思うとTVの世界でもハイブリットのチカラを垣間見ることができます。

さて、いざハイブリット(掛け合わせ)を実践してみようと思うと、○○士、○○ソムリエ、○○カウンセラー、○○・・・と資格や肩書きを増やそうと思うかもしれませんが、それってちょっと違うような気がします。

僕が思うにハイブリットは増やすように見えて実は絞り込んでいるイメージです。うまく伝わっていないような気がするので例を挙げると、「美人過ぎる○○」みたいな感じ。

ハイブリットは掛け算のようで実は・・・

例えば「美人過ぎる議員」とか。

美人だけで勝負したらそうでもないけど(失礼しました!)、議員の中で周りを見渡すと「美人過ぎる」ということになるわけですよね。これって「美人」と「議員」を掛け合わせることで、要は戦う範囲を絞り込んでいるわけですよね。

僕だったら、司法書士として大したことはないけど、泡盛に関しては日本一詳しい司法書士みたいな感じですよね、負け惜しみじゃなくて(苦笑)。

「美人過ぎる議員」ってことだけでは議員としての能力はわからないけれど、話題性があることで影響力・発信力が上がって仕事もしやすくなる、そんな一面があると思います。

ここでハイブリット戦略の基本に立ち返ってみると

必ず食える1%の人になるために100万人に1人のレアな存在になろう。かといって1つの分野で100万人に1人を目指すのはあまりにハードルが高いので、100人に1人になれる分野を3つ持とう。そうすることで1/100×1/100×1/100で100万人に1人のレアな存在になれる。

100人に1人の存在になるためにはその分野に1万時間を投じて練習する必要があって、逆にそれが出来れば誰でも100人に1人になれる。そして、1万時間を投じるのは仕事に直結しないことでもいい。単に好きなことでいい。

ハイブリット戦略とはこういうことなんですよね。家電好き×芸人なんてまさにそうですよね。心底、家電が好きだから余裕で1万時間以上を投じて家電のことを勉強されていると思います。

と考えると、1万時間をかけて勉強していない分野を掛け合わせたところでハイブリットのチカラは発揮できないと思いませんか?

また繰り返しになりますが、ハイブリットと聞くと掛け合わせることで得意分野(引き出し)を増やすようなイメージがあるかもしれませんが、増やすというよりその逆でその分野では1番になれるように立ち位置を絞込むことだと感じています。

みなさんが1万時間をかけて極めたい好きなことってなんですか?

vol.1 成熟社会には「正解」がなかったという悲劇!?

司法書士なのにSNSの投稿は泡盛のことばかり!

泡盛夏祭りで盛り泡ろうバナー2

泡盛ファンのコミュニティ 泡盛でカリー!倶楽部


司法書士なのに相続セミナーよりも泡盛講座の依頼が多い!

マカロンと泡盛のマリアージュバナー

おいしいかわいい沖縄展2015-2017@阪急うめだ本店
めんそーれ阪神の沖縄味と技展2016@阪神梅田本店
泡盛、三線、琉球舞踊の沖縄尽くし@JEUGIAカルチャーセンターなど 泡盛イベント出演実績


司法書士なのにオリジナル泡盛を販売!

オリジナル泡盛を販売

泡盛でカリー!ブレンド(12度)」好評発売中!

普通の司法書士だった僕がこんなユニークな司法書士になってしまった理由。

思い当たる理由はいろいろありますが、そもそものきっかけは35歳の時に出会ったこの「35歳の教科書(藤原和博)」でした。

35歳の教科書

成熟社会と納得解

この本に出会ったのはまさに35歳で、司法書士として独立した頃。独立直後は受験勉強中に思い描いていたバラ色の世界とはかけ離れ過ぎていて、はっきり言って「予備校のうそつき~」と嘆いていた頃でした(笑)。

司法書士試験は会社を辞めて退路を断っての挑戦だったので、試験に合格さえすれば道は開かれる、この苦しい受験勉強も合格すれば必ず報われると信じて盲目的に受験勉強に邁進していました。それだけに独立して冷静に状況を把握すると思い描いていたものとのギャップが大きすぎて相当苦しみました。

この本に書かれているように「いい大学を出ていい会社に入ること」が幸せになるためのひとつの正解だと僕も例にもれずに思っていました。そもそも僕の大学や会社は誰もが認める超一流というわけではなかったこともあって、残業に耐えれなくて会社を辞めてしまった僕にとって幸せになるために残された道は独立開業できる資格を取って独立するしかない!法律なんて勉強したことはないけど一発逆転を狙うしか、それしか幸せになれる道はない!なぜかそんな思考に陥っていました。いまとなって思えばバカバカしい思い込みですが(笑)。

そんな狭くなっていた視界を広げるべく、この本が気づかせてくれたこと。

  • 「いい大学を出ていい会社に入ること」は、成長社会では幸せになるためのひとつの正解だということ。
  • 幸か不幸か現在は成長社会ではなく、成熟社会だということ。
  • 成熟社会において幸せになるための正解はというと・・・成熟社会では幸せになるための正解自体が存在しないこと。
  • そして、正解はないけど「納得解」ならあるということ。納得解というのは「自分が納得でき、かつ関わる他人を納得させられる解」というもの。

このことは僕にとってあまりにも衝撃的でした。親世代のライフスタイルを見たり、成長社会を生きてきた親や先生の教えが正しいと思い込んでいたのに、知らない間に世界は成長社会から成熟社会に変わっていたんです。しかも成長社会で有効だったやり方は成熟社会ではほぼ通用しないという、これは悲劇です。

さらにすべての時間を試験勉強に捧げた2年間はそれこそ「正解」しか求められなかったので、いまさら「正解」はないと言われてもはっきり言ってどうしていいかわからなかった。

この本をきっかけに、確固たるものはまだないけれど、なんとなく自分の納得解というものを探していかないといけないよなぁということを意識するようになった4年後に、今度は「藤原和博の必ず食える1%の人になる方法」に出会いました。

必ず食える1%の人になる方法

ちょうど一般的に言われる幸せというものが自分にとって本当に幸せなのか?なんてことを真剣に考えていた頃だったと思います。

1万時間の法則

必ず食える1%の人になるためには100万人に1人のレアな存在になろう。希少性があれば食いっぱぐれることはない。

かといって1つの分野で100万人に1人を目指すのはあまりにハードルが高いので、100人に1人になれる分野を3つ持とう。そうすることで1/100×1/100×1/100で100万人に1人のレアな存在になれる。

そして100人に1人の存在になるためにはその分野に1万時間を投じて練習する必要があって、逆にそれが出来れば誰でも100人に1人になれる。そして、1万時間を投じるのは仕事に直結しないことでもいい。単に好きなことでいい。

シンプルに言えばそういうことが書いてありました。単に好きなことでいい。むしろ好きなことじゃないと1万時間も練習できない。いま思えばこの言葉が僕を泡盛マイスターとしての1万時間の練習に向かわせたように思います。

泡盛マイスターの試験にチャレンジしようと意識して泡盛を飲み始めてから約6年(2,190日)。ばらつきはありますが仮に4時間/日くらい泡盛のことに当てていたとして計算すると8,760時間。あと1年もすれば1万時間。限りなく100人に1人に近づいているということになりますよね。

果たしてハイブリットの効果は!?

異業種交流会に参加されたことがある方は頷いてもらえると思いますが、異業種の集まりに参加しても自分の同業者がたくさん参加していればその中で記憶に留めてもらうことは難しいものです。

泡盛マイスターに合格した当初は自己紹介で泡盛マイスターという資格を持っていると言ったところで、みなさんにとっては「泡盛が好きな司法書士」という程度なんでしょうね、「ふぅーん、で?」という反応が多かったです。そもそも士業は様々な資格を持っている方が多いので、その中でネタになりそうな資格をPRしていると思われたのかもしれません。

ところが・・・

  • 百貨店の沖縄物産展で泡盛講座をさせていただいたり
  • 泡盛マイスターの全国大会で大臣賞をいただいたり
  • 酒販免許を取ってオリジナル泡盛を販売したり

とネタに厚みが出てくると、「泡盛愛がハンパないですね~」という反応に変わってきました。むしろ司法書士ということは印象に残らないときもありますが(笑)、泡盛の人ってことで名刺交換の時に強烈なインパクトを与えることができるようになりました。

試験勉強から計算するとゆうに1万時間以上を投じた司法書士(100人に1人)と、少なめに見て既に8,000時間を投じている泡盛マイスター(100人に1人)をハイブリッドしたことで10,000人に1人程度に差別化ができるようなったんんじゃないでしょうか。最近、↓こういう名刺を作りました。

エクスマ用名刺

折にふれこの2冊を読み返すと、この本に出会い納得解を探すべく行動してきたからこそ今のスタイルにたどり着いたということを実感します。

僕にとっての納得解のひとつは「ワクワクできる目標を持つこと、具体的には大阪から泡盛を盛り上げること」です。当然ながら僕にとっての納得解なので、みなさんにとっては「変わってる!」「理解不能・・・」「バカじゃないの?」なんていう反応もあるかもしれません。

僕の納得解なので別にどう思われても構いませんが、成熟社会を生きていくためには専門分野をハイブリットすることで差別化が有効なのを実感しています。

そもそもやりたいことがあるなら人の目を気にして我慢するなんてのはナンセンスだし、いつかやろうと思っているうちにできなくなってしまうのもよくある話。そう考えれば、一般的な幸せを自分の幸せとごまかして人目を気にしながら生きるなんてことから解き放たれたことが何よりもありがたいです。

納得解を探すというとイメージしにくいかもしれないので、「自分なりの豊かな生活」というのはどういうものかを考えると捉えてはいかがでしょうか?

成熟社会で成功するには?

成長社会で成功した人は挑戦しなかった人なんだそうです。当たり前ですが挑戦しなければ失敗することはない。成長社会では無理に挑戦しないことで成功することができた。なんだか腑に落ちませんが、社会全体が成長している状況では挑戦せずに失敗しなかった人がうまくいく世の中だったんですね。。

成熟社会では成功するまで何度もチャレンジできることが重要なんだそう。もちろん成功というのは自分が納得できる成功であって一般論ではありません。

さて成熟社会というのは1994年頃から始まったと書かれていますが、果たしてどれくらいの人がそう認識できているのでしょうか?

僕が言っても説得力がありませんが(笑)、いくら泡盛が好きでも司法書士がオリジナル泡盛を造ろうなんて考えもしませんよね、普通は。これも多様で、複雑で、変化が激しい成熟社会だからこそ実現することができたんだろうと思います。成熟社会というのは乱暴にいえばなんでもありということですね。

頭ではわかったつもりでも成熟社会では通用しなくなった「正解主義」に走ってしまうことがまだあります。長年染み付いた「正解主義」の呪縛から逃れるには定期的に脳に成熟社会なんだと理解させる必要があります。

100万人に1人になるためのもうひとつの専門分野を見つけるため・磨くための練習として、「これは成熟社会を生き抜くヒントになりそうだな」と感じたものや参考になりそうな本などについて僕なりの視点から書いていきます。

常識は変わる!?宅配便の中身は○○

お盆に実家でつけていたテレビから流れてきた「そうこつサービス」という言葉。

「送る骨」と書いて、「そうこつ」。ここまま読んで嫌な予感がした方は鋭いですね。
骨というのはそう、遺骨です。

「え!遺骨を送るの?」と心の中で思ったタイミングで、遺骨を送ることに抵抗がある場合は「迎骨(げいこつ)」といって先方が遺骨を引き取りに来てくれるサービスもあることが紹介されました。

ちなみに遺骨を送る方法は郵便局の宅配便「ゆうパック」で、他社の宅配便では取り扱ってもらえないようです。遺骨は骨壷に入っているので、「こわれもの」の指定をするのを忘れないようにとのこと。

料金は30,000円からというのが相場で、2013年にスタートしているサービスです。ゆうパックで遺骨をどこに送るのか?「送骨」というのは一体どんなサービスなのか?イメージできますか?


遺骨の送り先は永代供養をしてくれるお寺です。遺骨は自ら持ち込むことがほとんどだろうと思いますが、さまざまな理由で自ら運ぶことが難しいために「送骨」、「迎骨」というサービスを利用される方が増えているようです。

「遺骨を宅配便で送るなんて!?」と眉をひそめる方がおられるのは想像に難くありませんが、相続人が子供ではなく兄弟姉妹になるケースであれば重宝されることもあるだろうと思います。高齢になると自分のことで精一杯で兄弟姉妹の納骨で遠方まで出掛けていくのはとてもじゃないけどできない、納骨だけではなく法事・法要に十分に手を尽くせないこともあるでしょう。

私が成年後見人をしていた方には子供がいなくて、相続人は遠方に暮らす高齢の姉妹だけという方がいらっしゃいましたが、選択肢としてこういったサービスがあることを教えてあげられれば良かったと思います。

超高齢社会になり、これまではなかった、少なかったニーズが顕在化していることで「送骨」といったサービスが生まれているのだろうと思います。

なんと!ドライブスルーの葬儀場まで 

先日、ドライブスルーの葬儀場ができるというニュースを見ましたが、これも「はぁ~?」と感じる方も多いと思います。 

高齢で足腰が弱くなり車から降りるのがおっくうだから葬儀に参列したくても抵抗がある、そういった方でも気軽に参列できるように始められたそう。高齢でなくても忙しい現代社会では、平服で短時間であれば「顔だけは出しておきたい」というニーズにも対応できると思います。

 一見すると奇をてらったように思えますが、現場でのニーズを丁寧にひろってきたことで生まれたアイデアだと感じました。

また、送骨は考えないまでも子供に負担をかけたくないから墓を作るよりも永代供養を希望したい。でも他の人の遺骨と混ざってしまうことは抵抗があるという方は結構いらっしゃるんじゃないでしょうか(遺骨が混ざってしまうのは私も気になります)。そういったニーズに耳を傾けたことで生まれた、遺骨が混ざらないように遺骨ごとに袋に入れて納骨してくれるサービスがあるようです。

 確実に世の中が変わってきている。

だからこそ求められるニーズが変わってきている。「常識」といわれることでは理解できないかもしれませんが、常識といっても親の時代とは違う。祖父母の時代とは違う。良い悪いじゃなくてここはしっかり理解しておかないといけないと思います。 

私事ですが、実家にある仏壇は私が引継いだとして、それを子供達に継がせるのか?仏壇のない家で育っている子供達が会ったこともない私の祖父母の写真を仏壇に飾るのか?ちょっと無理があるかもしれませんね。寂しいけれど。 

先のことは考えすぎてもしょうがない。そんなことよりも今をしっかり見よう。まだ小さい子供達を連れてできるだけ実家に帰ろう。それが今できるベストなんじゃないだろうか。そんなことを山形の実家の二階で考えていた今年の夏でした。

引継いだ家業はプラスの財産かマイナスの財産か!?

家業を継いだものの赤字続きだから今の商売をやめて新しい商売を始めようか、そんな選択を迫られることもこのご時世では珍しくありませんよね。例えば祖父の代から印刷業を営まれていたXさんが多死社会の到来を見込んで遺品整理業を始めることにしたようなケースをイメージしてみてください。

印刷業と遺品整理では全くの畑違いなので、そもそも遺品整理業のノウハウがなければ難しいというのは容易に想像できます。それに遺品整理の会社の名前が「○○印刷株式会社」じゃピンとこない。それに心機一転、会社名(商号)を変えたいというニーズもあるでしょう。

また不要な物を処分するだけではなく、買い取りをするなら古物商の免許を取らないといけないし、その前提として「中古○○の売買」を会社の目的に加えるなど登記を変更しておかなければいけないということもでてきます。

中にはこれを機に取締役会や監査役も廃止して役員は自分ひとりで再出発したいといったニーズもあると思います。ようするに新規事業を始めようとすると会社の登記だけをみてもそのままでは始めることが難しい場合がほとんどでしょう。

登記の内容をいろいろ変更する手間を考えていたらイチから新しい会社を作った方が早いんじゃないの?なんて思ってしまいますが、既に株式会社がある場合で新規事業を行うケースについて登記を中心とした手続きをまとめてみました。


株式会社は資本金1円から作ることができますが、登録免許税や定款認証の費用などで最低でも20万円以上かかります。一方で既にある会社の取締役会や監査役を廃止すること、商号や目的を変更する場合も変更する内容に応じて登録免許税が必要になります。

既にある会社の資本金がそれなりに大きくて、もし会社の見栄えを気にするなら既にある会社を活用するという選択肢も十分にあります。中には引継いだ会社がそのまま新規事業を行った方が税務上のメリットが大きいケースもあるでしょう。

会社をたたむつもりだったので

しばらく事業をやっていなかったために登記も長い間ほったらかしだったり、むしろ会社をたたもうと解散の決議をしてその登記がされている場合があるかもしれません。

解散の決議をしていたらその会社で新規事業を行うことはできないと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。解散の登記がされていても清算手続きが完了していなければ会社を継続することも可能です。

まずは既にある会社の登記内容や会社の状況を正確に把握した上で、新規で会社を作る場合と既にある会社の登記を整える場合の手間と費用を比べて判断するのが賢明と言えるでしょう。

相続した資産価値のない土地や建物を“負”動産といったりするようですが、家業も同じようなことが言えそうですね。ただし使い方によってはうまく活用できる場合もあるように思います。

銀行の本業が赤字になる時代がやってくる!?

余談ですが口座開設をしてくれる若者を獲得するために地方銀行がカフェをオープンしたという新聞記事を読んでいると、さらっとこんなことが書いてあって驚きました。

「金融庁は25年3月期には全国の地銀の6割が本業で赤字になると試算している」

あくまでもさらっと書いてあったので、「どこまでが本業なのか?」「どういった条件での試算なのか?」詳細はわかりませんが銀行が本業で赤字になる時代が来るなんてこと想像したことがありますか?ないですよね?

といいながらATMなどの手数料が売上のほとんどを占めるセブン銀行があるくらいなので、いわれてみれば納得できる試算結果です。

銀行でさえ事業の見直し、方向転換を迫られる時代であれば中小企業の場合その必要性は銀行の比ではないはず。

・・・と他人事のようなことを言っていますが、事業の方向転換を迫られているのは僕ら士業の方が切実な気がする今日この頃。ネットに情報が溢れている時代なので登記や相続など手数料を払って司法書士に依頼せずに自分で調べてやってみようという方が確実に増えているように感じます。

捨てたい!?“負”動産

不動産と聞くとまっさきに「不動産王」「不労所得」という言葉が頭に浮んで、「憧れ」や「羨望」などついついそんな感情を持ってしまいがちですが、みなさんはそんなことはありませんか?バブル世代への憧れをまだ引きずっているからでしょうか・・・?^_^;

不動産に対してそういったイメージを待たれる方もいると思いますが、実際には貸すことも売ることもできないのに固定資産税だけがかかっているような不動産もあります。誰もが羨むどころか、誰も欲しがらないような不動産もあるわけで、最近では“負”動産なんていう言葉を目にするようになりました。

司法書士を対象にしたアンケートによると「5割の司法書士がいらなくなった土地を自治体に寄付したいという相談を受けたことがある」、「不動産の相続放棄について相談を受けた司法書士は4割」という結果からわかるように、“負”動産を持て余している現実が垣間見えてきます。

相談される方の中には、仮に土地を捨てることができるなら捨ててしまいたいという方もいらっしゃると思います。現実に捨てることはできないので、名義変更や管理をせずに放置されてしまう土地がたくさんあって「所有者不明の土地が○○よりも広い」という調査結果が出ました。さて○○には何が入るでしょう?


所有者不明土地問題研究会の推計によると、所有者が分からなくなっている可能性のある土地が約410万ヘクタールあって、なんと九州の面積よりも広いという結果が出たようです。

誰も住まなくなった田舎にある実家や先祖代々受け継いだ山林が名義変更をされずに放置されているのかもしれませんね。先の司法書士へのアンケート調査によると「一部の不動産について相続登記をしないよう依頼された司法書士が4割」という回答があり、相続登記をしない理由の中には相続人が多数になって「遺産分割協議が困難」「相続人を探す費用がかかる」という理由が多かったようです。

確かに相続手続きを放置していた場合、相続人を把握するために大量に戸籍を取得することになったり、その戸籍を読み解くのはかなり大変なので、費用が高額になってしまうのには致し方ない部分があります。

余談ですがAIの普及で将来なくなる仕事が話題になったりして危機感が煽られていますが、正直なところAIが戸籍を読み解いて相続人を調べてくれたら司法書士としてはすごく楽になります。AIを活用すれば、役所に死亡届を出しに行けば誰が相続人なのか一覧で出してくれることもいずれは可能になるかもしれません。

AIに仕事を奪われると考えると前向きな発想は浮ばないけれど、どうしようもなく面倒なことをAIに任せることができると思えば明るい未来が待っているような気がします。

相続人が誰かという情報を法務局や金融機関もオンラインで共有できれば、相続の名義変更や預金の払い戻し請求がネットで簡単に出来るようになったりするかもしれません。最近始まった法定相続情報証明制度はその前身と考えることもできそうですね。

いろいろ考えると相続の名義変更をするのに司法書士はいらなくなるかもしれませんね(苦笑)。

ところで、良いか悪いかはともかく、誰も住んでいないような土地であれば放置できるとしても、現実に誰かが住んでいるにも関わらず名義変更がされず長い間そのままになってしまう場合もあります。

「建物が老朽化したので建て替えたいが土地の名義変更ができないためにローンが組めない」「誰も住まなくなったので売却したいが相続人が多すぎて手続きが進められない」といったご相談もあるので、単なる自らの怠慢で塩漬けしてしまい“負”動産にするようなことはないよう気をつけないといけませんね。